« すかんぽの咲く頃 | メイン

鉄道唱歌 歌詞フル 作詞:大和田建樹

2010年01月26日

1 汽笛一声新橋を
  はや我汽車は離れたり
  愛宕の山に入りのこる
  月を旅路の友として
2 右は高輪泉岳寺
  四十七士の墓どころ
  雪は消えても消えのこる
  名は千載の後までも
3 窓より近く品川の
  台場も見えて波白く
  海のあなたにうすがすむ
  山は上総か房州か
4 梅に名をえし大森を
  すぐれば早も川崎の
  大師河原は程ちかし
  急げや電気の道すぐに
5 鶴見神奈川あとにして
  ゆけば横浜ステーション
  湊を見れば百舟の
  煙は空をこがすまで
6 横須賀ゆきは乗換と
  呼ばれておるる大船の
  つぎは鎌倉鶴ヶ岡
  源氏の古跡や尋ね見ん
7 八幡宮の石段に
  立てる一木の大銀杏
  別当公暁のかくれしと
  歴史にあるは此蔭よ
8 ここに開きし頼朝が
  幕府のあとは何かたぞ
  松風さむく日は暮れて
  こたえぬ石碑は苔あおし
9 北は円覚建長寺
  南は大仏星月夜
  片瀬腰越江の島も
  ただ半日の道ぞかし
10 汽車より逗子をながめつつ
   はや横須賀に着きにけり
   見よやドックに集まりし
   わが軍艦の壮大を

11 支線をあとに立ちかえり
   わたる相模の馬入川
   海水浴に名を得たる
   大磯みえて波すずし
12 国府津おるれば馬車ありて
   酒匂小田原とおからず
   箱根八里の山道も
   あれ見よ雲の間より
13 いでてはくぐるトンネルの
   前後は山北小山駅
   今もわすれぬ鉄橋の
   したゆく水のおもしろさ
14 はるかにみえし富士の嶺は
   はや我そばに来りたり
   雪の冠雲の帯
   いつもけだかき姿にて
15 ここぞ御殿場夏ならば
   われも登山をこころみん
   高さは一万数千尺
   十三州もただ一目
16 三島は近年ひらけたる
   豆相線路のわかれみち
   駅には此地の名をえたる
   官幣大社の宮居あり
17 沼津の海に聞こえたる
   里は牛伏我入道
   春は花さく桃のころ
   夏はすずしき海のそば
18 鳥の羽音におどろきし
   平家の話は昔にて
   今は汽車ゆく富士川を
   下るは身延の帰り舟
19 世に名も高き興津鯛
   鐘の音ひびく清見寺
   清水につづく江尻より
   ゆけば程なき久能山
20 三保の松原田子の浦
   さかさにうつる富士の嶺を
   波にながむる舟人は
   夏も冬とや思うらん

21 駿州一の大都会
   静岡いでて阿部川を
   わたればここぞ宇津の谷の
   山きりぬきし洞の道
22 鞘より抜けておのずから
   草薙はらいし御剣の
   御威は千代に燃ゆる火の
   焼津の原はここなれや
23 春さく花の藤枝も
   すぎて島田の大井川
   むかしは人を肩にのせ
   わたりし話も夢のあと
24 いつしか又も闇となる
   世界は夜かトンネルか
   小夜の中山夜泣石
   問えども知らぬよその空
25 掛川袋井中泉
   いつしかあとに早なりて
   さかまき来る天竜の
   川瀬の波に雪ぞちる
26 この水上にありと聞く
   諏訪の湖水の冬げしき
   雪と氷の懸橋を
   わたるは神か里人か
27 琴ひく風の浜松も
   菜種に蝶の舞坂も
   うしろに走る愉快さを
   うたうか磯の波のこえ
28 煙を水に横たえて
   わたる浜名の橋の上
   たもと涼しく吹く風に
   夏ものこらずなりにけり
29 右は入海しずかにて
   空には富士の雪しろし
   左は遠州洋ちかく
   山なす波ぞ砕けちる
30 豊橋おりて乗る汽車は
   これぞ豊川稲荷道
   東海道にてすぐれたる
   海のながめは蒲郡

31 見よや徳川家康の
   おこりし土地の岡崎を
   矢矧の橋に残れるは
   藤吉郎のものがたり
32 鳴海しぼりの産地なる
   鳴海に近き大高を
   下りておよそ一里半
   ゆけば昔の桶狭間
33 めぐる熱田の御やしろは
   三種の神器の一つなる
   その草薙の神つるぎ
   あおげや同胞四千万
34 名だかき金の鯱は
   名古屋の城の光なり
   地震のはなしまだ消えぬ
   岐阜の鵜飼も見てゆかん
35 父養いし養老の
   滝は今なお大垣を
   三里へだてて流れたり
   孝子の名誉ともろともに
36 天下の旗は徳川に
   帰せしいくさの関ヶ原
   草むす屍いまもなお
   ふくか胆吹の山おろし
37 山はうしろに立ち去りて
   前に来るは琵琶の海
   ほとりに沿いし米原は
   北陸道の分岐線
38 彦根に立てる伊井の城
   草津にひさぐ姥ヶ餅
   かわる名所も名物も
   旅の徒然のうさはらし
39 いよいよ近く馴れくるは
   近江の海の波のいろ
   その八景も居ながらに
   見てゆく旅の楽しさよ
40 瀬田の長橋横に見て
   ゆけば石山観世音
   紫式部が筆のあと
   のこすはここよ月の夜に

41 粟津の末にこととえば
   答え顔なる風の声
   朝日将軍義仲の
   ほろびし深田は何かたぞ
42 比良の高嶺は雪ならで
   花なす雲にかくれたり
   矢走にいそぐ舟の帆も
   みえてにぎおう波の上
43 堅田におつる雁がねの
   たえまに響く三井の鐘
   夕ぐれさむき唐崎の
   松には雨のかかるらん
44 むかしながらの山ざくら
   におうところや志賀の里
   都のあとは知らねども
   逢坂山はそのままに
45 大石良雄が山科の
   その隠家はあともなし
   赤き鳥居の神さびて
   立つは伏見の稲荷山
46 東寺の塔を左にて
   とまれば七条ステーション
   京都々々と呼びたつる
   駅夫のこえも勇ましや
47 ここは桓武のみかどより
   千有余年の都の地
   今も雲井の空たかく
   あおぐ清涼紫宸殿
48 東に立てる東山
   西に聳ゆる嵐山
   かれとこれとの麓ゆく
   水は加茂川桂川
49 祇園清水知恩院
   吉田黒谷真如堂
   ながれも清き水上に
   君がよまもる加茂の宮
50 夏は納涼の四条橋
   冬は雪見の銀閣寺
   桜は春の嵯峨御室
   紅葉はあきの高雄山

51 琵琶湖を引きて通したる
   疎水の工事は南禅寺
   岩切り抜きて舟をやる
   知識の進歩もみられたり
52 神社仏閣山水の
   外に京都の物産は
   西陣織の綾錦
   友禅染の花もみじ
53 扇おしろい京都紅
   また加茂川の鷺しらず
  みやげを提げていざ立たん
   あとに名残は残れども
54 山崎おりて淀川を
   わたる向こうは男山
   行幸ありし先帝の
   かしこきあとぞ忍ばるる
55 淀の川舟さおさして
   くだりし旅はむかしにて
   またたくひまに今はゆく
   煙たえせぬ陸の道
56 おくり迎うる程もなく
   茨木吹田うちすぎて
   はや大阪につきにけり
   梅田は我をむかえたり
57 三府の一に位して
   商業繁華の大阪市
   豊太閤のきずきたる
   城に師団はおかれたり
58 ここぞ昔の難波の津
   ここぞ高津の宮のあと
   安治川口に入る舟の
   煙は日夜たえまなし
59 鳥も翔らぬ大空に
   かすむ五重の塔の影
   仏法最初の寺と聞く
   四天王寺はあれかとよ
60 大阪いでて右左
   菜種ならざる畑もなし
   神崎川のながれのみ
   浅黄にゆくぞ美しき

61 神崎よりはのりかえて
   ゆあみにのぼる有馬山
   池田伊丹と名にききし
   酒の産地もとおるなり
62 神戸は五港の一つにて
  あつまる汽船のかずかずは
   海の西より東より
   瀬戸内がよいも交じりたり
63 磯にはながめ晴れわたる
   和田のみさきを控えつつ
   山には絶えず布引の
   滝見に人ものぼりゆく
64 七度うまれて君が代を
   まもるといいし楠公の
   いしぶみ高き湊川
   ながれて世々の人ぞ知る
65 おもえば夢か時のまに
   五十三次はしりきて
   神戸のやどに身をおくも
   人に翼の汽車の恩
66 明けなば更に乗りかえて
   山陽道を進ままし
   天気はあすも望あり
   柳にかすむ月の影

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.hokkaido-np.co.jp/mt/mt-tb.cgi/10956

プロフィール

プロフィール

合田道人
ごうだ みちと。1961年(昭和36年)、釧路市生まれ。高校在学中に渡辺プロダクションからシンガー・ソング・ライターとしてデビュー。翌年数々の新人賞を受ける。その後、音楽番組の構成、司会、CD監修・解説に加え、作詩・作曲など多方面で活躍。著書「案外、知らずに歌ってた~童謡の謎」などで童謡ブームの火付け役となり、「歌う作家」として講演・コンサートで全国をまわっている。
07年4月から北海道新聞で「あの日の歌景色」を連載中。

歌を聴くには

「歌を聴く」ボタンをクリックすると、タイトルの歌を聴くことができます。

歌が再生されない場合は再生ソフト「『Windows Media Player』(無料)」をインストールしてください。ダウンロードするには、下のロゴをクリックしてください。


※録音物の著作権は、北海道新聞社、ミュージック・オフィス合田に帰属します。

ブログ内検索

カテゴリー

最近のエントリー

バックナンバー

コメント

トラックバック