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おもちゃのマーチ

2009年06月30日

 ♪やっとこやっとこくりだした……。
 大正12年に作られた歌ですが、作詞家の海野厚はこの2年後に肺結核のため、28歳の命を閉じました。
 彼の作家生活はそれこそ数年しかありません。
 しかしこの「おもちゃのマーチ」と、今ひとつ、♪はしらのきずはおととしの……の「背くらべ」の2曲ありますが、死後80年以上経った今でも愛唱されている、なかなかすごい作詞家です。
 元気で昭和を生き抜いていたら、きっともっともっと数多い童謡を書いていたでしょう。
 私は海野のお墓を訪ねたことがあります。
 静岡市の曲金という彼の誕生の地です。
 母校である西豊田小学校の隣の法蔵禅寺にある“海野家の墓”に眠っています。
 そこに連れて行って下さったのは、厚の親類の海野峯久氏さんでした。

※著作権が保護された作品のため、演奏、録音は控えました。

椰子の実

2009年06月26日

 まあこれは本来、童謡とはいえません。
 愛唱歌、抒情歌の類いとも言えますが、実際はラジオ歌謡として生まれたんですね。
 昭和11年に「椰子の実」は生まれるのですが、この「ラジオ歌謡」を流行らせるために、ひとつの策が練られたのです。
 つまり歌った歌手が東海林太郎さんだったということ。
 東海林さんはこの2年前に「国境の町」「赤城の子守唄」、1年前には「野崎小唄」といった日本調でヒットを飛ばした昭和の大歌手で、当時の人気ナンバーワン歌手でもありました。
 そのトップ歌手が歌うことによって、「椰子の実」は大きくはばたくのです。
 今でいえばSMAPとか氷川きよしとか人気歌手が歌ったと思ってくだされば。
 日本調の歌手がこんな抒情歌をとお思いでしょうが、この年東海林さんはシャンソンの「暗い日曜日」なども歌っているのであまり抵抗がなかったのかもしれません。
 当時はどんな歌でも歌えるからこそ歌手だったんでしょうね。

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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。
本をクリックすると立ち読みできます。

※著作権が保護された作品のため、演奏、録音は控えました。

牧場の朝

2009年06月23日

 とても人気の高い唱歌です。
 ほとんど明治、大正に作られた唱歌が今も歌われている中で、これは昭和6年になって改訂された教科書『新訂小学唱歌」の中で発表されたものです。
 その中で「いちばん星みつけた」とこの歌だけが生き抜いた作品といえます。
 「いちばん星~」のほうは、わらべ歌を模しているので、新曲として人気を上げたこのときの唱歌としては、この歌が唯一かもしれません。
 先日もこんな葉書がうちの会社宛に届きました。

 81歳の愛知県にお住まいの方からです。『「牧場の朝」は特に好きな歌です。
 絣の着物を着て、田園や畑、お薬師様の道を走り回っていた頃のことを思い出します』。

 歌で時代を懐古する、そして歌を聞くだけでその時代に戻ることができる…歌って素敵ですね!


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赤い靴

2009年06月19日

 北海道にも関係している歌ですね。
 ♪赤い靴はいてた女の子・・・は、実在人物である。
 そして静岡生まれの女の子は、母とともに北海道に渡ったのです。
 しかし小さな女の子を連れて開拓に参画するのは無理なことです。
 家もない、電気もない、ましてや医者もいない未開地に幼い子を連れていくとはある意味で、死の覚悟だったのです。
 そのときに、異人さんこと宣教師夫妻に彼女はもらわれていった・・・。

 これを湾曲された話であると、取り上げている人もいるようですが、この時代に開拓のために北海道に入った人の中には、これに似たケースは確かに存在したことでしょう。
 この歌のもの悲しい詩も曲もそこに事実があったからだと私は思うのです。

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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。
本をクリックすると立ち読みできます。

ピクニック

2009年06月16日

 楽しい歌ですねえ。
 録音するとき、会社にちょうどいたスタッフたちにも「一緒に歌って!」と、お願いしちゃいました。
 ♪ランラランラ あひるさん・・・ガ~ガ~とか、メ~とか全く決めていないのに、自然と口から出てくるんですねえ。
 嬉しくなるんですねえ。
 豚さんも「ブーブー」とか、馬さんも「ヒヒ~ン」とかの詩ってなかったでしたっけ?
 なんだか子どもの頃、歌った記憶があるんだけれど・・・。

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かもめの水兵さん

2009年06月12日

 僕はこの歌をおつくりになった河村光陽さんの娘さん、河村順子さんとお会いして話をしたことがあります。
 なんと童謡歌手の重鎮でありながら僕の「童謡の謎」の本を読んでくださって、小学校の音楽の先生たちの講演に呼んで下さったこともあります。

 ♪あかりをつけましょ・・・の「ひなまつり」の歌も、そしてこの戦中の最大ヒット童謡「かもめの水兵さん」もレコードとして発売したのは河村さんです。
 この歌のレコード発売は、昭和12年、日中戦争が開始された年です。
 河村さんもよくこの歌を慰問や放送で歌ったそうですよ。
 その後、声変わりで童謡歌手を引退し、「歌のお姉さん」としてテレビに登場するのは、昭和20年代の後半になってからですが、この歌と戦争がイコールしているイメージを持っている人は、河村さんだけでなくまだまだたくさんいるのかもしれません。
 考えてみれば、“水兵さん”とはまぎれもなく、兵隊さんですものね。
 可愛い歌だからこそ本質の意味を確かめながら、現在の平和をかみしめたいですよね。
 今の平和を作ってくださった“水兵さん”たちのためにも・・・。

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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。
本をクリックすると立ち読みできます。

蜜蜂(ブンブンブン)

2009年06月09日

 ドイツ民謡とボヘミヤ民謡では、この原題は「ズムズムズム」とされています。
 今歌われている、♪ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ・・・は戦後、昭和26(1951)年になってからかかれた歌詞ですが、この歌が幼稚園の唱歌集にはじめて掲載されたのは古く、明治20(1887)年です。
 でもそのときは子供の興味を引く原始の出だし「ズムズムズム」を訳した「ぶんぶんぶん」は使われていませんでした。
 ♪はちよ みつばちよ 花には戯(たわ)れず そが露持ちきて かもせ なが密を…というのが1番の歌詞で2番は、♪こよや みつばちよ 春秋絶えせず 密をばつくりて もてこ わがもとに……。さらに3番は、♪あわれ たのもしや 力を合わせて 密をばつくれり みよや みつばちを……。
 蜜蜂のように力を合わせ働きましょうと言う意味の歌ですが、幼稚園児にはちょっと難しかったようで、幼稚園の外ではあまり普及しなかったようですね。
 「唱歌学校を出ず」です。
 そこで♪ブンブンブン……が書かれた最初の詩が今日の紙上のものですが、蜂が鳴く・・・だったのは面白い発見でした。

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アメフリ

2009年06月05日

東京はこの頃、雨の日が続いています。
いわゆる梅雨時期の到来なのです。
“雨”って、どこか憂鬱になってしまいます。
そう言えば雨の歌もどっちかといえば、悲しい旋律やさびしげですものね。

童謡でも「雨」(♪雨が降ります 雨が降る・・・)や「雨降りお月」など決して楽しくない・・・けれどこの歌だけは他に類を見ません。
まるで雨降りを楽しんでいる光景が書かれています。

ところが・・・この歌のちょっと怖い裏話って知っています?
柳の下に立っている友達は、死んだ子供の霊だっていう話し。
僕は? と首をかしげているのですが、そんな話ができるほどこの歌は発表してから90年以上歌い続けられているのです。

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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。
本をクリックすると立ち読みできます。

赤い帽子白い帽子

2009年06月02日

懐かしい童謡です。
僕がちいちゃい頃はこういった歌がテレビの、それも番組と番組の間、コマーシャルの途中なんかでよく流れていたもんですが・・・・・・。
それを聞いて、“可愛い歌だな”などと思って知らずしらずのうちに覚えたものですよね。
でも今はそれもなくなり、文化が忘れられてしまいそうな気がするのです。
今回40年ぶりぐらいにこの歌を歌ってみましたが、やはりこれは子供の歌ですね…実に難しかった。可愛く歌うということが・・・。

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プロフィール

プロフィール

合田道人
ごうだ みちと。1961年(昭和36年)、釧路市生まれ。高校在学中に渡辺プロダクションからシンガー・ソング・ライターとしてデビュー。翌年数々の新人賞を受ける。その後、音楽番組の構成、司会、CD監修・解説に加え、作詩・作曲など多方面で活躍。著書「案外、知らずに歌ってた~童謡の謎」などで童謡ブームの火付け役となり、「歌う作家」として講演・コンサートで全国をまわっている。
07年4月から北海道新聞で「あの日の歌景色」を連載中。

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※録音物の著作権は、北海道新聞社、ミュージック・オフィス合田に帰属します。

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