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ひらいたひらいた

2009年05月29日

本の中で、この歌は庶民の願いを歌った歌だと書いています。
♪れんげの花がひらいた……
れんげは仏教では俗世の欲にまみれずに清く生きる象徴の花でもあるからです。
これはそんな花開くことを夢見る歌なのです。

さて、先日、7年にいちどのご開帳でにぎわう善光寺さんに行って参りました。
7年というのは、そのご開帳の年も含まれるので、実際には6年に一度、丑年と未年にご開帳されるのですが、丑年生まれことしは年男の僕にとっては何が何でも行かなければ……と、牛にひかれて善光寺・・・ならぬ、自ら運転して行ってきました。

善光寺は仏教が諸宗派に分かれる以前からの寺院であることから、宗派の別なく宿願が可能な霊場と位置づけられた仏教寺院なのです。
ですから昔から絶えることなく、たくさんの人々が参詣しているのでしょうね。
さて今回日本中の方が拝するために集まってご開帳「ひらいた ひらいた」された秘仏、善光寺式阿弥陀三尊は、欽明天皇時代の552年にインドから朝鮮、そして日本に伝わったものとされていますが、そのお姿は決して現されることはありません。
そこでその仏様をお写しした仏様、つまりご分身の仏様である前立本尊(まえだちほんぞん)を7年に一度、御宝庫から本堂にお迎えして開帳するのです。
中央には阿弥陀如来、向かって右に観音菩薩、左に勢至菩薩の「一光三尊阿弥陀如来」がお並びになっていました。

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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。
本をクリックすると立ち読みできます。

花いちもんめ

2009年05月26日

この歌に描かれているものは、貧困と悲しみです。
著書「案外、知らずに歌ってた 童謡の謎」の中で明かしていますが、この花とは女の子。
その女の子が売られてゆく、つまり人身売買というものがこの遊び歌の根底には流れていたのです。
そう考えてみるとあまりにも悲しい歌だとは思いませんか? 
貧しさゆえに娘を身売りする親の苦しみ。じゃんけんで、♪勝ってうれしい……と歌っているのは、人買いです。“勝ってうれしい”は“買ってうれしい”だったのですね。

以前「徹子の部屋」にださせていただいたときに、徹子さんが「世界には貧しい国がまだまだたくさんあるんです。今でも各地で小学生位の年頃の女の子が、“私を買ってください”と同行したカメラマンやスタッフの男の人たちにせがんでいる光景を見て、涙が出ました」と言っておられたことを思い出します。

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城ヶ島の雨

2009年05月22日

実に難しい歌曲です。
クラシックの歌手が得意とする日本歌曲で、日本で最初にこの歌をレコードに吹き込み流布させたのも、声楽家の奥田良三さんです。
僕はなぜかちいさいときに美空ひばりさんや江利チエミさんが歌っていたのを記憶しています。
後々、知ったことですがふたりはこの歌をレコード化しており、特にひばりさんはシングル盤として発売しているだけではなく、テレビや公演でも歌っていたようです。
奥田さんらクラシックの人と歌い方とは違い、ひばりさんやチエミさんはこぶしを入れた、民謡調にこの歌を仕上げていました。
今回、僕もどうやってこの歌を唄えばいいのか? 悩んだほどに音域も広く困難な歌です。

作曲の梁田貞は、北海道にもゆかりの深い人です。
実はもう一曲、おなじみの作品を作曲しており、それが札幌の小学校に歌碑が立っているのです。
それが、あの「どんぐりころころ」です。
あんな可愛らしい曲を書いたあと、こんなに難しい歌曲も作曲しているのです。
どうしても同じ作曲家の手によるものだとは思えぬほどの差があるではないですか。



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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。
本をクリックすると立ち読みできます。

※著作権が保護された作品のため、演奏、録音は控えました。

げんこつやまのたぬきさん

2009年05月19日

「あんたがたどこさ」に続いて、この歌に出てくる“たぬき”は、「鳴かぬなら鳴くまで待とうほととぎす」の家康ではないかという仮説を唱えてみました。
そういえば、機を待ってしっかりと徳川幕府を長きにわたって継続させた家康を、よく“たぬきおやじ”と形容します。
その家康が生まれた場所こそが、“げんこつ山”であることは新聞で書きしるしました。
さて、新聞では“げんこつやまのたぬき”こと家康が、ここに生まれ15代続く徳川家を繁栄させた、“また あした”のあしたは未来永劫を意味しているように書きましたが、ほかの考え方もあるのです。
“おっぱい”や“ねんね”、“だっこ”などは、そのまま性的な意味が隠されている場合と同時に、“ねんね”、“だっこ”、“おんぶ”は盗む、泥棒といった意味の隠語でもあったのです。と、なると…? そのまま機を狙う、タイミングをこっそりとうかがう…といった意味になります。
つまりこれは家康の人となりではないだろうか? とも考えられるのです。

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ずいずいずっころばし

2009年05月15日

わらべ歌の王者的存在の歌のひとつ「ずいずいずっころばし」。
さあてこの意味は一体何なのだろう? 
これが「童謡の謎」調べのきっかけのひとつでもあります。

ずいきという、芋がらのことであるという説からお茶壷道中の話、さらに私の処女作『案外、知らずに歌ってた 童謡の謎』には詳しく書いたのですが、茶壷やねずみなどにはちょっと艶っぽい意味が隠されているのです。
そのために、この歌は古くは、猥歌(春歌)の一種ではなかったのかとまで言われているのです。
「隠語辞典」によると、茶壷とはズバリ! 女陰のことで、さらにねずみは、月給で2~3人の客を相手し、さらに時たま待合で稼ぐ高級の私娼のことを言うのだそうです。

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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。
本をクリックすると立ち読みできます。

ふるさと

2009年05月12日

今年のゴールデンウィークは最長16日の方もいたそうで・・・。
帰省してふるさとで過ごした方々も多かったことでしょう。
1000円の高速道路を使って・・・?! 
反対に僕は、いろんな町でコンサートや講演に行ってきました。
必ず最後に歌う歌となれば、やはりこの歌、♪うさぎおいしかの山……です。

この歌は大正3年(1914)の「尋常小学唱歌」の6年生の教科書に載せられて以来こん日まで、ずっと小学校の教科書に掲載され、教わる歌なのです。
つまり、日本人のほとんどが学校で習った歌です。
だからこそどの世代の人にとっても、それぞれの思い出の歌としてしっかりと君臨しているのです。
この歌に描かれた故郷は、その人、その人、それぞれの故郷であるのです。
だからどの町に行ってもこの歌は、自分の歌として共感するのです。
それより何より、3番の出だしの、♪こころざしをはたして いつの日にか帰らん……には胸が締め付けられる思いがします。
人は何かに向って必ず何かを求めて生きています。
そしてその希望や目標、こころざしを果たして故郷に帰りたいと思う気持ちはどの人にも通用しているのです。

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アルプス一万尺

2009年05月08日

第1弾の本『童謡の風景』の表紙になったのが、この歌でした。
これは外国曲だし、アルプスと歌われているから、すぐに「アルプスの少女 ハイジ」を思い出してしまいますよね。
だからなんだか、スイスの歌だとみんな思っているんです。本当は日本アルプスの歌だと言ってはよく驚かれます。

♪アルプス一万尺 こやぎの上で……と歌う人が多いのにも笑ってしまいます。
昨年、テレビでハイヒールももこさんとりんごさんと一緒になったとき、彼女たちも、♪こやぎの上……だと信じていました。
こやぎの上に乗ったら痛いでしょう!! と言ったら、「違う違う、こやぎの背中に乗って、やぎが跳ねまわっている」それこそが、“アルペン踊り”だと言われ、「な~るほど!」と感心しました。
いやいや、感心してはいられません。
歌詞自体、こやぎではないのですから……・。
“こやり”です。
やりの上で踊る? これまた痛そうです。
違います! 
日本アルプスの槍ヶ岳のとなりにある、小槍という山というか岩山のことです。
実はその隣には、孫槍ってのも存在しているのです! 
昨年、長野の安曇野に仕事に行った際、槍ヶ岳を臨もうとしましたが、その日は曇りがちで見ることができなくて残念でした。
今年は5月いっぱいまで、長野の善光寺さんがご開帳なので、ぜひ時間を作って行ってみようと思っています。
そのときは見られるかな? 槍ヶ岳。
ちなみに善光寺さんには「ゆうやけこやけ」の歌碑もあると聞いています。
♪山のお寺の鐘が鳴る……。
長野は童謡の故郷です。
たくさんの童謡唱歌や愛唱歌の歌碑が立ち並ぶ町なのです! 

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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。
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こいのぼり

2009年05月01日

5月5日のこどもの日は、男の子の節句だっていうことはよく知られています。
この祝日は昭和23年に公布されたのですが、実は“こどもの日”にはこういう趣旨が書かれているのです。

 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかる・・・

ここまではよく分かりますよね。しかしまだ趣旨は続いているのです。

 子供の幸福をはかる・・・とともに、母に感謝する。

そうです。この日は子供を育ててくれる母への感謝の日でもあったのです。
しかし、今は母の日という感じはしませんね。あくまでもこどもの日。
次の5月の第2週に母の日が設けられていることにもなんか意味がありそうですよね。
こどもの日はお母さんに感謝する日・・・だからこそ、この歌にお母さんが出てこないということも、しっかり覚えておきたいところですね! 
そうです。お母さんがこの歌に登場しないのは、お休みしているからなのです。

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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。
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プロフィール

プロフィール

合田道人
ごうだ みちと。1961年(昭和36年)、釧路市生まれ。高校在学中に渡辺プロダクションからシンガー・ソング・ライターとしてデビュー。翌年数々の新人賞を受ける。その後、音楽番組の構成、司会、CD監修・解説に加え、作詩・作曲など多方面で活躍。著書「案外、知らずに歌ってた~童謡の謎」などで童謡ブームの火付け役となり、「歌う作家」として講演・コンサートで全国をまわっている。
07年4月から北海道新聞で「あの日の歌景色」を連載中。

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※録音物の著作権は、北海道新聞社、ミュージック・オフィス合田に帰属します。

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