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砂山

2009年01月30日

新潟・佐渡を歌った名作童謡ですが、作曲がクラシックっぽい山田耕筰のものと、民謡調な中山晋平のものが有名です。
有名です・・・と書くとほかの作曲家も書いたということになりますが・・・、実はそうなのです。
童謡最初の作品「かなりや」や「浜辺の歌」の作曲者、成田為三や国立音大の教授や宝塚歌劇団の音楽部長なども務め、童謡の作品も多い宮原禎次もこの詩にメロディーをつけているのです。
当時はひとつの詩に異なるメロディーがつくということは不思議ではなかったのですね。
どうしてかというと、童謡は最初、詩だけが作られ発表されるのが普通だったからです。

では誰が一番最初に曲をつけたのでしょうか? 
この詩を書いた北原白秋は新潟での童謡音楽会で講演し、その後聞いてくれた2000人ほどの子供たちに向って
 「新潟の童謡を今度つくろう」
と約束したそうです。
そしてこの詩が雑誌「小学女生」に発表されるのですが、それと同時に中山晋平の曲も一緒に発表されていたのです。
それが5年後の昭和2年(1927年)に耕筰もメロディーをつけ発表するのです。
そこには晋平、耕筰の熾烈な作曲家としてのトップ争いがあったとも、耕筰がちょうど金に困り楽譜集を作るため、その一曲としてメロディーを当てたとも言われていますが、そこらは次の本でしっかりと書きたいな・・・と思っています。


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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。

庭の千草

2009年01月27日

「庭の千草」は新聞で書いたとおり、原曲は「薔薇」、そして日本の唱歌としては「菊」というタイトルで発表されています。

よく、この曲が外国曲とは・・・と驚く方にお会いします。
確かに詩とメロディーがぴったり。
だからこそ、いつの間にかタイトルも「菊」から出だしの、♪庭の千草…と自然に呼ばれるようになったのだと思います。
現在、この歌を「菊」として歌う人は誰もいません。
その作詞者ですが、当時の学校で習う唱歌は訳詞家(作詞家)を公表していませんでした。
ですから戦後、著作権が取りざたされ、唱歌も作者を明らかにするようになったときでも、作者不詳という作品が大変多かったのです。
この歌はアイルランドの作品であることは判明しましたが、作詞者は最初は分からなかったのです。
それが「明治音楽史考」という著書を戦後すぐの昭和23年(1948年)に発刊した遠藤宏氏が、「埴生の宿」の訳詞も手掛けている里見義(さとみ・ただし)の筆跡による「菊」の下書きを発見、それがもとで里見の作品と認められたのでした。


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こうま

2009年01月23日

この唱歌、知っている人はもう相当なお年かもしれませんね(失礼!)。でも僕はちゃんと小さいときにこの歌を母から教わりました。
たぶん小学一年生の時だと思うのですが、母と妹と3人でピアノを弾いたり、まじめに歌を歌ったりしてその頃のオープン・テープに家族コンサートのような形で録音したことがあります。
いまでも記憶しているのですが、1曲目は僕が「はち」と自分で曲を紹介して、習いたての「ぶんぶんぶん」をピアノで弾いたのです。そんな中で母が歌ってくれたのが、この「こうま」だったのです。
今回久しぶりに歌ってみてとても懐かしく感じました。


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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。

黒田節

2009年01月20日

九州福岡の民謡として名高い「黒田節」は「黒田武士」だったのも面白いのですが、さらに元をただせば雅楽の「越天楽」の節を借りた「筑前今様」でした。
ですからこれは本質的に言えば民謡ではないのです。
しかし「黒田武士」と題名を替えたことで、雅楽から有名な民謡曲になるのですから、すごいことです。
この歌を流行らせたのが福岡出身の芸者歌手、小梅姐さんです。
小梅さんは昭和初期、上京して赤坂のけんばんから出ていたので、赤坂小梅としてレコードでたくさんの民謡を知らしめた人です。「黒田節」のほかにも「熊本甚句」(おてもやん)「久留米のそろばん踊り」「炭坑節」(月が出た出た)「田原坂」「豪傑節」「鹿児島浜節」など九州民謡を数多くヒットさせました。
「紅白歌合戦」の第一回から出場の名歌手です。


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金太郎

2009年01月16日

先週の「あんたがたどこさ」もどこか日本の歴史を感じるのですが、この「金太郎」も実在人物とよばれていたりして、調べましたねえ。この話も面白かった。
これはね『歌になった「日本昔ばなし、伝説」の謎』という本で書いたのです。

「童謡の謎」シリースとは直接関係がないのですが、結局は「金太郎」や「花咲かじじい」など童謡、唱歌にまつわる昔話を取り上げたので、今では童謡シリーズの一つに数えられるようになりました。
僕の推理は金太郎のお母さんは山姥だと言うが、お父さんは一体誰だったのか? というところです。
今回の本では少しさわりを書いたつもりですが、もっとじっくり読みたい方はぜひ、読んでください。
ぼくのHPでも本は販売されていますので、サインして送りますね! 
ぼくのHP は「童謡の謎」か「合田道人」でも一番にヒットしますんで・・・。
こちらも一度遊びに来てください!!


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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。

桃太郎

2009年01月13日

この桃太郎を調べてみると、なかなか面白いことに気づきます。
桃太郎の銅像は新幹線の岡山駅に立っていますが、考えてみれば岡山は桃の産地として有名。
そして吉備津彦神社の祭神こそが桃太郎だと言われているわけです。
この歌にもお話にも出てくる、きび団子ですが、私たちはひえやあわのきび、そうです! 黍団子だと思っていますが、おばあさんが作ってくれたきびだんごの“きび”は、黍ではなく吉備。そうです! 吉備津彦の吉備です。ここらは昔、吉備の国と言われていたではないですか。

その吉備津彦に仕えた人物、いわば家来を調べるとまた面白いことを発見しました。
伝えによれば、狩猟に従事する者を犬飼部、木に登ったりして相手を監視し追い詰める役目を猿飼部、さらに鳥を自在に弓でとらえる弓矢の名人から相手を攻撃する者を鳥飼部とよんでいたのです。
まさにこれは、犬、猿、きじ…。桃太郎の家来たちそのままです。
つまり人間として犬たちも実在していたということになるわけです。
鬼の正体、鬼が島の実状等も調べて、これは「童謡の秘密」という本で書いています。
ぜひとも面白いので読んでみてください。


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あんたがたどこさ

2009年01月09日

この歌を最初に取り上げたのは「童謡の謎2」でしたが、どうも小さいときからひっかかる歌ではあったんですよね。
「煮てさ焼いてさ喰ってさ・・・」って子供の歌にしては実に残酷極まりないでしょう。
昔はタヌキを食べることもあったんでしょうが、実際タヌキは臭くて、よく言われる「タヌキ汁」というのはアナグマだという話も聞きました。
でもこれはタヌキに見立てた殺人事件ではないのか? と合田探偵、調べに調べてタヌキの正体を発見したのです。
今回の本では時数の関係上、そこまで書ききれなかったのですが、僕はこの謎解きが今までの中で一番好きかも知れない。
歴史的背景なんですなあ。家康とかも出てくるんですから・・・ぼくの推理では。
どうしても「童謡の謎2」(文庫本にもなっています~)で読んでいただきたいエピソードです。


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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。

ふじの山

2009年01月06日

♪富士は日本一の山・・・。
はじめて飛行機に乗ったときに、おそらく中学生だったと思うけど、「ただいま右手後方に富士山がご覧いただけます」というアナウンスを聞いて、一生懸命写真を撮った覚えがあります。それほど日本人にとって、いえ世界の人でも「日本と言えば富士山」なのです。
これを今年の最初のテーマとして取り上げられたことに、うれしく思います。
今年もいい一年でありますように。

この新聞の連載も昨年は「童謡の風景」として、童謡シリーズ第8弾目の本として店頭に並び、思いもかけずヒットさせてもらいました。ありがとうございます。
1冊目の本は新聞で書いた1話から50話までを集めたものです。
現在進行形中の100話までになったら、再び、本になることを祈りながら・・・。


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船頭さん

2009年01月02日

2009年、あけましておめでとうございます。
実は昨年は99歳で祖母が亡くなったので、本当は年始の挨拶は控えなければならないのでしょうが、そろそろ一周忌だと言うこと、そして99歳という天寿全うはもう喜ばしいことでもあるのですね。いいですよね・・・長く生きることは。
しかしおばあちゃんに、戦争の頃の話を聞いたことがあります。
この歌「船頭さん」も戦争の時代に書かれた作品でした。
戦後詩は変わりましたが、一生懸命お国のために働いた人たちを忘れることもいかがかなと思います。

一番は長く平和が続くことです。
平和な一年であるようにと思わずにはいられません。
そして現在の平和をありがたいと思う心を養いましょう。
もしそのために童謡が役立つなら、今年は全国どこへでも行ってそういった講演やコンサートをしていきたいと思います。
おばあちゃん、空から見守っていてくださいね。

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*** この作品の歌詞とエッセイは「童謡の風景」(北海道新聞社刊)に収録されています。

プロフィール

プロフィール

合田道人
ごうだ みちと。1961年(昭和36年)、釧路市生まれ。高校在学中に渡辺プロダクションからシンガー・ソング・ライターとしてデビュー。翌年数々の新人賞を受ける。その後、音楽番組の構成、司会、CD監修・解説に加え、作詩・作曲など多方面で活躍。著書「案外、知らずに歌ってた~童謡の謎」などで童謡ブームの火付け役となり、「歌う作家」として講演・コンサートで全国をまわっている。
07年4月から北海道新聞で「あの日の歌景色」を連載中。

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※録音物の著作権は、北海道新聞社、ミュージック・オフィス合田に帰属します。

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