小説に登場しました・・・
2009年02月20日
と言っても、インターネット上のお話ですが・・・
最近は旅の思い出をブログなどで公開している方も多く、夏場ライダーさんが多い時期には休憩室の片隅で夜な夜なデジカメとノートPC を広げ、その日の旅の風景や出来事を缶ビール片手に打ち込んでいる姿を頻繁に目撃します。
過去数回、バイクでお越しいただいているSさん。
もちろん旅の日記なども公開しているんですが・・・以前宿泊された際、食事中に話したとき「旅で訪れた先々の事をおりまぜて推理小説書いているんです」と。
そのお客さんから先日「小説に登場してもらいました」とメールが届きました。
大和旅館が登場している部分を抜粋してここで紹介させていただきます。
週末の日曜日には、清川と島牧巡査の婚約式が迫っていた。
*
木曜日の昼過ぎ、洞爺湖温泉の旅館から、坂上みどりが宿泊しているとの通報があった。清川は、伊達警察署に坂上みどりの身柄の確保を依頼、小樽から、国道5号線をパトーカーの赤色灯を回し、けたたましいサイレンの音を響かせて疾走した。が、途中、伊達警察署から、すでに坂上みどりは、旅館を出た後であったという連絡がはいった。清川は、事情を詳しく聞くため、そのまま洞爺湖温泉に急行した。
大和旅館は、洞爺湖温泉の湖畔から有珠山にのぼる中腹にある。平成十二年の有珠山噴火では、数十メートルまで溶岩流が迫り、火山弾、火山灰が降り注いだという。築四十年の建物は、初めて訪れると、泊まるのを一瞬と惑ってしまうような外観の古い建物である。一転、建物の中は、ロビー、廊下、部屋、温泉の脱衣場など隅々まで掃除が行き届いている。自慢の温泉は、湯量豊富な、ろ過循環なしの天然温泉、寒い季節には、この上ない贈りものとなる。夕食は、旅館を切り盛りする大将と若女将が作る夕食は、分厚い、さしがはいったラム肉たっぷりのジンギスカンに、地元食材を使った料理、品数は少なくても、一品、一品が満足すると評判である。
清川は、旅館のロビーで、二人から話を聞き始めた。
「坂上みどりは、何時から泊まっていましたか?」
落ち着いた表情で、大将が答えた。
「十日前からです」
「××日の火曜日からです」
若女将が付け加えた。
「一人でしたか?」
「はい、一人で来られて、暫く逗留したいと」
「今日、警察に連絡されたのは?」
「はい、午前中に、観光組合の会合がありまして、そこで、みどりさんを警察が捜していることを知りました。もっと、早く気がつけば良かったのですが、すみません」
清川は、質問を続けた。
「今日になって旅館を出たのは?」
「はい、会合からもどり戻り、みどりさんに、警察が捜していることを話すと、「ちょっと事情があるの」と言って、簡単な荷物をまとめ、出ていきました」
「バスか、タクシーで?」
「はい、タクシーを呼びました。地元のタクシーですので、運転手さんに来てもらいましょうか?」
「お願いします」
清川は、大将が、坂上みどりのことを、お客様とか、坂上様とか言わないで、みどりさんと言うことが気になった。
「坂上みどりさんは、十日間、どう過ごしていましたか」
「一日に、一、二時間、湖畔や溶岩公園のほうに散策に行くほかは、部屋にいることが多かったと思います」
「電話とか、誰かが訪ねてくるとか」
「誰も訪ねてきませんでした。電話は、ご自分の携帯電話を使っていたようです。部屋の前を通った時、話声が聞こえましたから」
「そうですか。つかぬことをお聞きしますが」
大将は、怪訝な表情を浮かべて聞いた。
「なんでしょうか?」
「大将は、坂上みどりのことを、みどりさんと言いますが?」
「ああ、坂上みどりさんとは、昔の知り合いで、つい」
「幼馴染なんです」
若女将が、悪戯っぽい目をくりくりさせて言った。
「小学校の二年か三年まで、いっしょだっただけです」
「そうですか、坂上みどりさんの生い立ちのようなことをお話いただけますか?」
「はい、うろ覚えですが」
大将は、坂上みどりについて、次のような話をした。
坂上みどりの家は、洞爺湖温泉で芝居小屋を営んでいた。ストリップショー、大衆演劇、歌謡ショー、浪曲や津軽三味線などの公演を小屋にかけ、昭和五十年代までは、繁盛していた。祖父が津軽三味線の名手で、洞爺湖温泉の小屋で唄会を開く他、小樽、函館から苫小牧まで、道内の小屋を回って公演していた。みどりは、いつも祖父に連れられ、出かけていたという。坂上みどりは、小さいときから愛くるしい顔に、いつも笑みをたたえ、周りから可愛がられた。小学校に入っても人気ものであった。大将も、三十年ほどの時がたっても、旅館に訪れた時には、すぐに分ったという。
有珠山の噴火で、客足が減り、温泉街にかげりが出始めた頃、いつの間にか小屋を閉め、いつの間にか一家は、洞爺湖温泉からいなくなっていたという。
大将は、すまなそうに言った。
「何せ昔のことなんで」
清川が答えた。
「よく分りました。ありがとうございます」
ちょうど、坂上みどりを乗せたというタクシーが旅館に来た。運転手は、客をJR伊達紋別駅で降ろした。車中で、「レンタカーの営業所はあるか?」と聞かれたので、室蘭まで行かないとないと答えたという。
清川は、大将が温泉をすすめるのをやっと断って、何かあった時の連絡先のメモを残し、国道5号線を小樽に向かった。運転しながら、大和旅館の大将と若女将のことを思い出していた。「島牧巡査と、あの二人のような家庭を作れたら……」。
そのまま小樽署に泊まった清川は、外出していた鬼無里警部が帰署する時間を見計らって、連絡をいれた。坂上みどりの消息についての話が終わろうとした時、鬼無里警部の大きな声が、受話器をゆすって、耳に響いた。
「ちょっと、このまま待て!」
(もちろんフィクションで、私が坂上さんと幼馴染と言うことや、レンタカー会社の営業所が室蘭にしかないと言うことは架空のお話です。)
もともと、私ら夫婦は流行のドラマやバラエティーより「2時間サスペンス」を見るのが大好きで、昼の休憩時間は再放送、夜は月曜、水曜、金曜、土曜の9時台はもちろんサスペンス・・・
洞爺湖で収録がある際は常にエキストラ出演を狙っているぐらいなもので・・・
(息子風雅が妻のおなかにいる17年10月(その年の12月に生まれました)にも、大きなおなかを抱え寒さの中「十津川警部シリーズ」のロケのため朝から晩まで弁当1つで4回(計2秒ほど。うち1回は森本レオとすれ違う)の出演にこぎつけました。)
インターネット上とはいえ、重要な役柄での出演に夫婦で大喜びしておりました~
とっても面白い小説ですので、興味のある方は是非全文をご覧ください。
http://geta-nyokki.cocolog-nifty.com/suiri/
Sさんへ
さりげなくいろいろと大和旅館をいろいろとご紹介いただき有難うございました。
