北海道ぐるっとローカル線の旅・釧網本線SL冬の湿原号(釧路駅~標茶駅)

2019年04月08日

 今回は、多くの鉄道フアンや国内外の観光客に根強い人気のある釧網本線「SL冬の湿原号」の旅。2017年は牽引役のSL(C11型蒸気機関車)が故障、満を持して挑んだ2018年は「SL冬の湿原号」に接続する釧路行特急列車が急遽運休し札幌駅改札口で呆然...とするなど縁遠い列車でしたが、今年(2019年)遂に2年越しの夢が実現!子どもの頃、SL(C58型蒸気機関車)が牽引する客貨混合列車(客車と貨物車の併結列車)に乗って何度も釧路~標茶間を往復したので、私にとって「SL冬の湿原号」は、その時の想い出が蘇る特別な列車です。それでは旅日記をご紹介します。

 午前10時30分過ぎ、「SL冬の湿原号」がまるで呼吸しているかのように「しゅ...しゅ...」と重低音を響かせながら、釧路駅3番ホームに入線。うぁ~いいな~。かつて我が故郷の標津線(1989年4月廃止)で活躍したC11-171号機との再会は、いつもとても嬉しい!子どもの頃「SLに乗って石炭くべてみれ!」と機関士さんに声を掛けられ「友だちと代わる代わるSLに乗って、釜の中にスコップで石炭を放り込んだ」今ではあり得ない出来事を思い出していると、あっという間にSLに人が集まり、あちらこちらで記念撮影が始まった。大人も子どももSLに夢中、凄い人気!

01.jpgまもなく発車!「SL冬の湿原号」(釧路駅3番ホーム)

 駅員さんがプラットホームを歩きながら「カラン~カラン~」と発車を知らせる鐘を鳴らしている。実にレトロな雰囲気だ。平成の世も終わるが、この瞬間は完全に昭和!私も急ぎ乗車しなくては...おっとその前に、平成最後の「SL冬の湿原号・エンブレム」を撮ろう。

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平成最後の「SL冬の湿原号・エンブレム」

 午前11時5分、満員の乗客と旅の期待を乗せ「SL冬の湿原号」は「ポオー」と遙か彼方まで轟く大きな汽笛を鳴らし発車!「しゅ・しゅ・」と、煙と蒸気を噴き出す音を響かせながら、ゆっくり動き出した。天気は快晴!きっと素晴らしい旅になるだろう。

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「SL冬の湿原号」発車!(釧路駅)

 釧路駅を発車するとすぐに最初のハイライトを迎える。それは「釧路川鉄橋」。乗り鉄さんも撮り鉄さんも、決して外せない重要なスポットだ。釧路川鉄橋が迫り「鉄橋に来たぞ~」と伝えるような大きな汽笛が「ポオー」と空一杯に広がる。お~見えてきた~釧路川!今朝の釧路の最低気温は何と氷点下18度!厳しい寒波が続き川面が凍り付いているが、実に北海道らしい。乗客も釧路川を見て「うわ~!」と歓声を上げている。おっ!鉄橋近くの川岸には、ざっと見て50人は遙かに超えるカメラマンが、ずら~と並んでいる。ここは全国の撮り鉄が集まる超人気スポット。週末はいつも凄い賑わいだ。SLは全国で走っているが、SL単機のみの牽引で運行しているのは少ない(現在はない?)と聞く。皆さんお気に入りの写真が撮れますように。

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車窓の風景・厳寒で川面が凍りつく釧路川(下流の風景・釧路~東釧路)

 私もこの人気スポットで写真を撮りたくなり、後日、愛用のコンパクト・デジカメでチャレンジ!約2時間待ち続けて撮った貴重な写真、大切にしたいですね。

06.jpg07.jpg美しいSLと鉄橋のコラボ!釧路川鉄橋を渡る「SL冬の湿原号」(釧路~東釧路)

 ちなみに「SL冬の湿原号」外国人向けポスターもこのシーン。ここの人気は国際レベルかもしれない。あれ?ポスターをよく見ると、SLはかつて日高本線などで活躍し「通称・カニ目」で知られるC11-207号機。そして列車後方にはDL(ディーゼル機関車)がプッシュ役として連結されている。以前はC11の重連もあった「SL冬の湿原号」、様々な編成があったことをあらためて知る。

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「SL冬の湿原号」外国人向けPRポスター

 車内をご紹介しましょう。5両編成の客車(全車指定席)の魅力は、まず、石炭ストーブ。いや~懐かしいね~ダルマストーブ!石炭ストーブの火力は強く、ストーブ周辺はかなり暖かい。車内の売店で「ししゃもやコマイ」の干物を買ってストーブ上の網であぶり「香・珍味・風情」を楽しむ人、ビール片手に「珍味と呑み鉄」を楽しむ人、楽しみ方は色々だが、皆さん笑顔で幸せそう。そして何と言っても大きな窓から広がる車窓の風景!自然豊かな風景がゆっくり流れ、実に贅沢な眺めだ。最高速度45kmの「SL冬の湿原号」の魅力が、ここでも十分発揮されている。

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満員!「SL冬の湿原号」の客車内

 2号車はカフェカー。売店があり、お弁当、飲み物、お菓子、デザート、オリジナルグッズなど様々なメニューが用意され、営業開始から順番待ちの列ができていた。車掌さんから「人気商品は売り切れますよ」とアドバイスをいただいたので、すぐに人気商品の「ランチボックス」と「SL冬の湿原号」限定商品「SLプリン」を購入。更にもう一つ、オリジナルグッズも購入!えっ?何を買ったのかって?それは後ほど登場します。

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乗客が次々と訪れる2号車カフェカーの売店

 午前11時12分、東釧路駅を発車すると間もなく、C11-171を紹介する車内放送が流れ、その後も車窓の風景に合わせるように「岩保木(いわぼっき)水門」「釧路湿原」「釧路湿原駅」「釧路川」「塘路湖」「シラルトロ沼(こ)」「タンチョウ」などについて紹介する車内放送が流れる。これはとてもありがたい。列車は遠矢駅を通過し左にカーブ、茅沼駅まで進行方向左側に広がる湿原と、右側に続く山裾の境目をくねくねと縫うように走るが、ここは数少ない直線区間。SLも快調に飛ばしている。

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直線区間を疾走する「SL冬の湿原号」(遠矢~釧路湿原)

 進行方向左側に「岩保木水門」が見えてきた。今から約1世紀前の釧路は大雨が降ると釧路川が溢れ、度々洪水が発生。そこで1930年、新たな水路「新釧路川」が造られ、その分岐点に設置されたのが岩保木水門。ただし、写真に大きく映っている新水門も含め、何とこれまで「開かずの水門」と聞く。当時の釧路川は上流から材木等の物資を運ぶ重要な水路だったので、当初は物資運搬船がこの水門を通って釧路川河口へ移動する計画だったが、1927年、釧網本線・釧路~標茶間が開通すると物資の運搬は次第に船から鉄道に変わり、岩保木水門が果たす役割がやがて消滅したとのこと。釧網本線に乗りながら岩保木水門を見ると、少し複雑な気持ちになる。

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車窓の風景・釧路川の歴史を今に伝える岩保木水門(遠矢~釧路湿原)

 午前11時37分、釧路湿原駅に到着。駅舎のない進行方向左側を見ると、まるで大自然の中で臨時停車した感じだ。写真は釧路湿原駅の「JR北海道わがまちご当地入場券」。表面は2017年SL故障のため急遽誕生した「DL(ディーゼル機関車)冬の湿原号」。裏面は駅近くにある「細岡展望台」からのスケールの大きい釧路湿原の眺めと「細岡ビジターズ・ラウンジ」。「わがまちご当地入場券」はここで購入できます。

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釧路湿原駅の「JR北海道わがまちご当地入場券」

 午前11時38分、釧路湿原駅発車!「SL冬の湿原号」は上り坂を右にカーブしながら進むが、SLが黒煙を噴き上げて全力で牽引するも、そのスピードは実にスロー。でも、その姿がとても魅力的で、撮り鉄さんが線路隣の斜面に並んでレンズをこちらに向けている。手を振っている人もいる。ここにまで、こんなに多くの人が来ているとは...恐るべし「SL冬の湿原号!」いかに多くの人に愛されているか強く感じる瞬間だ。

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車窓の風景・驚き!凄い人気の「SL冬の湿原号」(釧路湿原~細岡)

ここで2019年「SL冬の湿原号」のポスターをご紹介します。毎年「SL冬の湿原号」のポスターを楽しみにしているが、今年は、釧網本線に現れる動物たちも登場!今日は誰が姿を現すのかな~?釧路湿原で出会う幻想の世界に期待!

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2019年「SL冬の湿原号」PRポスター

 列車は細岡駅を通過し釧路川に沿って左へ大きくカーブ。ここは進行方向右(東)側遠くに白く見える達古武(たっこぶ)湖から、進行方向左(西)側に続く湿原を縦断する区間。夏は緑一色の自然豊かな風景が旅人を迎える。毎年6月~9月に釧路~塘路間を季節運行している人気列車「くしろ湿原ノロッコ号」で、楽しみたいですね!

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車窓の風景・遠くに見える達古武湖と冬の釧路湿原(細岡~塘路)

 列車は湿原を通り山裾に沿って右へカーブ。ここから塘路駅までは、進行方向左側を流れる釧路川が最も線路に近づく第2のハイライト「釧路川接近エリア」。釧網本線からしか見ることができない絶景が度々姿を現す。お~!見えてきた~!ゆったり大きな流れを見せる道東の大河・釧路川。うぁ~凄い蛇行だ!釧路川は上流と下流の標高差が少なく、下流にあたる釧路湿原ではこのような蛇行を見ることができる。自然の姿がそのまま残っていて、とても日本の川とは思えない。車窓の風景が右から左に通り過ぎていくのが何とも惜しい。ここで臨時停車しないかな~。あれ?エゾシカの足跡を線路脇に発見!彼らは毎日にように、この眺めを楽しんでいるのかもしれない。

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車窓の風景・冬の絶景!大きく蛇行する釧路川(細岡~塘路)

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車窓の風景・青と白のコントラストが美しい冬の釧路川(細岡~塘路)

 夏の風景もご紹介します。ここは「釧路川接近エリア」最後のスポット。大きく蛇行する釧路川は何度見てもいいですね~。夏はカヌーや釣り人も見かけるんですよ。雄大な流れの釧路川、きっと多くの乗客を魅了しているのでしょう。

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車窓の風景・絶景!大きく蛇行する夏の釧路川(細岡~塘路)

 釧路川に別れを告げ、午前11時56分、列車は塘路駅に到着。停車時間は僅か2分なので、早速、SL隣の1号車から降りSLを撮影。小走りで車内に戻り写真を見ると、何と驚き、レインボーSLではないか!今日は幸運の予感がする。(笑)

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虹色光るC11-171(塘路駅)

 プラットホームには記念撮影のためか、次々と乗客が降りていくが、発車を告げる車掌さんの笛が鳴ると、皆さん大慌てで車内へ。でもこのような賑わいは一日の中で一瞬の出来事。「SL冬の湿原号」が去った後は、いつもの閑静な塘路駅に戻る。夕方、駅の線路を散歩しているエゾシカに遭遇。みんな仲良さそう~列車には気をつけてね。

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とても閑静な夕方の塘路駅

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駅の線路を散歩する仲良さそうなエゾシカさん(塘路駅)

 午前11時58分、「SL冬の湿原号」は「ポオー」と遠くまで響く大きな汽笛を鳴らし、塘路駅を発車!この周辺にも多くの撮り鉄さんが来ているので、皆さんも汽笛を聞いてスイッチが入ったと思う。塘路駅を発車した「SL冬の湿原号」は左にカーブしながら鉄橋を渡り、黒煙をなびかせながら直線区間を北に向けて力強く走り出した。

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黒煙をなびかせて走るC11-171・気持ちよさそう!(塘路~茅沼)

 凄い...凄い黒煙だ!遠くから見ているが、その迫力に完全に脱帽!まさにこれぞSL!子どもの頃踏切で、SLと共にやって来た黒煙から逃げ切れず、すっぽり煙に包まれたことが何度もあったが、あの濃厚な煙と香りは今も忘れない。また、浴びたい。(笑)

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豪快!黒煙を力強く噴き出すC11-171(塘路~茅沼)

 塘路湖北側の山にある「ザルボ展望台」から南側を眺めると塘路地区の地形がよくわかる。写真左側の雪原が湖面凍結の塘路湖、写真中央を上から斜め右下に伸びる太い直線に見えるのが、釧網本線と国道391号。列車は写真右側にある塘路市街地から左にカーブし直線区間に入り、そこから手前に(北に)走ってくる。

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塘路地区の美しい冬の風景(ザルボ展望台)

 直線区間に入ると進行方向右側に釧路湿原最大の湖沼「塘路湖」が広がってくる。風向きの影響で車窓の風景がSLの煙に覆われる中、運良く塘路湖の写真を撮ることができた。おや?これは面白い...まるでSLの煙でできたアーチの中から塘路湖を覗いているようだ。今日は天気もいいし、冬の風物詩「ワカサギ釣り」のカラフルな可愛いテントが、きっとたくさん張られているだろう。私も湖の氷にドリルで穴を開け、リール付きの短い釣り竿を片手に持ち、ワカサギ釣りを楽しんだ経験がありますよ。

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車窓の風景・何とか撮れた塘路湖の風景(塘路~茅沼)

 「SL冬の湿原号」は噴き出す煙と共にこちらにどんどん迫り、「しゅ・しゅ・しゅ・しゅ」の噴出音と「がたん・がたん」の大きな車輪音を引き連れて目の前を通過!この左カーブを過ぎるとSL泣かせの難所だ!頑張れ!C11-171!

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轟音と共に目の前を過ぎ去るC11-171(塘路~茅沼)

 列車は進行方向右側に迫ってきた山裾を走る。山の斜面は日当たりがいいので、ほとんど雪がない。ここは柔らかい木の芽や草好きのエゾシカにとってありがたい場所で、頻繁にエゾシカと遭遇する運転士泣かせの区間だ。列車は切り通しの上り坂を白い煙を噴きながら進んでいくが、勾配がきつくなってきたせいか、列車のスピードが落ちてきた...と思ったら「ポー」と汽笛が鳴り「ガタン・ガタン・ガタン...」と、車両の連結器がぶつかる音が響く。おそらく線路上を歩くエゾシカを発見し、ブレーキをかけたのだろう。幸いにも衝突はなし。本当によかった。

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車窓の風景・日当たり抜群!エゾシカ楽園エリア(塘路~茅沼)

 山裾に沿って右にカーブしながら上り坂の切り通しを通り抜けると、お~!視界が一気に広がってきた!ここは第3のハイライト「シラルトロ沼エリア」。釧網本線からしか見ることができない絶景だ!進行方向右側遠くに見えた湖面凍結のシラルトロ沼がどんどん近くなってくる。進行方向右側の席にとっては、本日一番の車窓の風景!皆さん、嬉しそうにカメラのシャッターを切っている。まさに「SL冬の湿原号」の名に相応しい、広大な湿原のど真ん中を走り抜ける、素晴らしいスポットだ!

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車窓の風景・冬の絶景!釧路湿原とシラルトロ沼(塘路~茅沼)

 進行方向左側にも湿原は広がるが、そのスケールは実に大きい。乗客から「ここは日本ではないみたい」との声を聞いたが、まさにそのとおり!空の上から広大な湿原を走り抜ける「SL冬の湿原号」を見れたら、きっと最高だろうな~。あ~見えた!湿原の遥か向こうにある阿寒の山々!小さいながらも何とか見える。乗客の皆さん、気づいているのかな~?私のカメラではズームに限界、上手に撮影できず残念。(泣)

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車窓の風景・冬の絶景!広大な釧路湿原(塘路~茅沼)

 シラルトロ沼の夕暮れの写真をご紹介します。これはシラルトロ沼の対岸から釧網本線方向を撮った一枚、本当に綺麗だった!寒かったけれど見とれてましたね。道東の冬の空気はピリッとして冷たいですが、いつもとても澄み切っています。

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美しい冬の夕暮れシラルトロ沼

 列車はシラルトロ沼エリアを通り過ぎ、午後0時11分、国の重要天然記念物「タンチョウ」が来る駅として知られる茅沼駅に到着。かつては絶滅が危惧されたが、長年の保護活動が実り、今は多くのタンチョウが釧路管内に生息。子どもの頃、茅沼駅の駅長さんが駅北側の畑に来るタンチョウに餌を与え続け、タンチョウを保護している様子がニュースで度々放送されことを今も覚えているが、その地道な活動が今に繋がり成果を生んだことを、当時の方々に伝えたいですね。「進行方向左側にタンチョウがいます!」と車内放送が流れると、乗客の皆さんは左側の車窓に釘付け。「どこだ?あそこだ!いた~!」などの声が車内のあちらこちらで聞こえる。皆さん、タンチョウに出会えてよかった!後日、あらためて駅の北側からタンチョウと茅沼駅を撮影。貴重な機会なのでタンチョウを「じ~と」見ていると、美しさは勿論ですが、感情のやり取りがわかるような気がして、人間ぽく、とても愛らしかったですね。

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タンチョウの来る駅・茅沼駅

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カメラマンの人気スポット・美しいタンチョウと茅沼駅

 午後0時12分、茅沼駅発車!「SL冬の湿原号」は少しづつ湿原エリアから離れ、牧草地の近くや林の中を走っている。車窓の風景を楽しむ旅は、一旦ここで一休み。冬の林の中を走る「SL冬の湿原号」...釧網本線では、どこにでもあるような風景と思うが、自然との調和が実にいい。とても魅力を感じますね。

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魅力一杯!林の中を走る「SL冬の湿原号」(茅沼~標茶)

 ここで2018年「SL冬の湿原号」のポスターをご紹介します。「汽笛が鳴れば、夢の旅。」このフレーズいいですね~まさにそのとおり!右カーブを疾走するSLの姿もお見事!釧路管内から遠くに住み「SL冬の湿原号」を撮影する機会が少ない私にとっては、とてもありがたいポスターだ。元号が変わる2020年は、どのようなポスターになるのだろうか...興味津々...。

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2018年「SL冬の湿原号」PRポスター

 標茶駅到着までは約20分。ここで楽しみにしていたランチタイム!地元食材をふんだんに使用した「ランチボックス」と「SLプリン」を、いただきま~す!ほ~これは美味しい!もう一つ「SLプリン」を買っておけばよかった...(苦笑)

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これは美味しい!待望の「ランチボックス」と「SLプリン」

 午後0時35分、「SL冬の湿原号」は終着・標茶駅1番線に到着。多くの乗客がプラットホームに一気に溢れ、SLと記念撮影する人、改札口を通りツアーバスに乗り旅を続ける人、地元の人が出迎えたワゴン車に乗り昼食と温泉を楽しむ人など、動きは様々。私はまず標茶駅の「JR北海道わがまちご当地入場券」を購入。表面は茅沼駅付近を走るキハ54形気動車だが、タンチョウが随分列車近くにいる。列車慣れしてきたのだろうか...驚きの光景だ。裏面は塘路湖付近を走る「SL冬の湿原号」。「ザルボ展望台」から西に位置する「通称・三角点(若しくはサルルン展望台)」から撮影した写真と思うが、ここも撮り鉄さんには知られた人気スポット。塘路湖は大きいね~。

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標茶駅の「JR北海道わがまちご当地入場券」

 「わがまちご当地入場券」購入後、私は一目散に2番ホームへ。楽しみにしていた網走発釧路行「快速しれとこ摩周」は2番線に既に到着。かつて「急行しれとこ」が釧網本線や標津線で活躍していたので、私にとってはとても馴染みのある列車なんです。間に合ってよかった!2月は網走~知床半島間のオホーツク海に流氷が来るので、網走駅から知床斜里駅まで臨時列車「流氷物語号」で流氷の眺めを楽しみ、知床斜里駅からは「快速しれとこ摩周」に乗車、標茶駅から「SL冬の湿原号」に乗り換えSLの旅を楽しむ旅人が結構いると聞く。冬の釧網本線を満喫するこのプラン...これはいい!

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嬉しい初対面「快速しれとこ摩周」(標茶駅)

 午前0時40分、「快速しれとこ摩周」が標茶駅を発車。2番ホームに静けさが戻り、私は1番線に停車中の「SL冬の湿原号」を写真撮影。やっとゆっくりSLが撮れた。

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標茶駅1番線で休憩中の「SL冬の湿原号」

 プラットホームに標津線の起点を示す「ゼロキロポスト」を発見!いや~これは歴史を感じるな~。標津線は廃止から約30年が経過しているが、標津線のゼロキロポストとC11-171のツーショットを今撮影できるのは奇跡!まるで時を越えた旅のよう。

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標津線の「ゼロキロポスト」とC11-171(標茶駅)

 午後0時50分、釧路行のためのSL付け替え作業が始まった。1番線に停車中の「SL冬の湿原号」は2番線に移動するためバックで動き始め、線路の切替ポイントの向こうに一旦停車。今日は快晴・無風、SLの煙がモクモクまっすぐ立ち上る最高の一日。

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まっすぐ立ち上るC11-171の白い煙(標茶駅)

 「SL冬の湿原号」は2番線に入線。これもいいな~。今日初めて「SL冬の湿原号」を正面かつ間近から撮影した待望の一枚!とっても嬉しい!

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C11の美しい顔を見せる「SL冬の湿原号」(標茶駅)

 午後0時55分、「SL冬の湿原号」は2番線へ移動し停車。

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2番線に停車した「SL冬の湿原号」(標茶駅)

 「SL冬の湿原号」は、すぐにC11-171を切り離す。動画を撮っている人も!

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点検・給水のため切り離されたC11-171(標茶駅)

 午後1時、切り離されたC11-171は3番線へ移動。一人は、はしごを掛け給水作業などを開始。もう一人は長い金棒で石炭の燃えかすを落とす作業を行っている。SLは多くのサポートがあって走れることを、あらためて感じる光景。お疲れ様です。

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準備万端!点検・給水中のC11-171(標茶駅)

 午後1時30分、C11-171は2番線に移動するため、線路の切替ポイントの向こうへ素速くバックで移動。これぞ、機動性に優れるC11の見せ場!

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機動性抜群!素速くバックするC11-171(標茶駅)

 C11-171は白い煙を高く上げ、蒸気を勢いよく噴き出しながら前進!小型のSLだが、実に迫力ある入線シーンだ。

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単機で勢いよく2番線に入線するC11-171(標茶駅)

 鉄道フアンが見守る中、複数のSL乗務員のサポートを受けながら、C11-171は慎重に客車との連結作業に入る。青と白のコントラストがとても美しい、北海道らしいこの光景。今日ここに来て、本当によかった!

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クライマックスを迎えるSL付け替え作業(標茶駅)

 午後1時35分、C11-171は客車との連結完了。さて、ここで写真撮影。「SL冬の湿原号」乗車早々、売店で購入したオリジナルグッズが、遂にここで登場!それは平成最後の「SL冬の湿原号」のサボ(列車の行き先表示板)!もちろん金属製なので少し重いが、それを持ちながら記念撮影。勢いで買ってしまった感のあるサボだったが、何とかこの旅に活かせることができて嬉しい!でも...持ち歩く時は少々目立つ。(笑)

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「SL冬の湿原号」と平成最後の「SL冬の湿原号・サボ」とのメモリアルショット!(標茶駅)

 午後1時45分、釧路行「SL冬の湿原号」の改札が始まり、プラットホームは一気に賑わいを取り戻す。後ろ髪を引かれる思いだが、私も列車に乗り込む。標茶駅では、まったく休むことなく「SL冬の湿原号」を追い続けたので、暖かい車内の座席に座ると、体が「ぽわ~」として疲れがどっと出てきた感じ(笑)。ここからはSLがバックで牽引するが、何か記憶に残る写真が撮れないか考え、撮った写真がこれ!自画自賛の一枚?

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SL隣の5号車デッキ奥通路窓から撮ったC11の顔(標茶駅)

 午後2時、「ポオー」と豪快な汽笛を大空に放ち、釧路行「SL冬の湿原号」は、地元の方々に手を振って見送られながら標茶駅を発車!「SL冬の湿原号」の車内の雰囲気は標茶行とは異なり、何となく静かでのんびりしている感じがする。もしかしたら、私だけがそうなのかもしれないが...(笑)。帰りは車窓の風景を眺めながら、のんびり旅を楽しみたいと思う。列車は茅沼駅付近を「ガタン・ゴトン・ガタン・ゴトン」と音を立て走っている。おっとその時!凍り付いた湿原の川(?)が突然現れた!動物の足跡があり氷が割れて落ちないのか心配だが、湿原ならではの風情ある風景だと思う。

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湿原らしい風情のある車窓の風景(標茶~茅沼)

 午後2時38分、塘路駅に到着。塘路駅では10分停車。ここで釧路発網走行普通列車と行き違いとなる。私はSL隣の5号車からすぐに降りSLを写真撮影。その後、次々と乗客が降り、向かいのホームにもたくさんの人が...。SLを撮影する最適な場所がホームの渡り通路なので、人より先に来てよかった。セーフ。

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SLがバックで進む釧路行「SL冬の湿原号」(塘路駅)

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「SL冬の湿原号」から降りた乗客で賑わう塘路駅

 この時間の塘路駅での列車待ち合わせ...懐かしいな~。子どもの頃、釧路駅午後2時発のC58型蒸気機関車が牽引する網走行普通列車(客貨混合列車)に乗ると、塘路駅で午後2時50分頃、4両編成の「急行大雪1号」(前2両は根室標津発釧路行・後2両は旭川発釧路行。車両は前3両がキハ22・後1両がキハ56)と行き違いになるんです。標津線では4両編成の急行列車や急行仕様のキハ56には出会えないので、私はこのホームに立ち駅に近づいてくる急行列車を、わくわくしながら眺めてましたね。当時はフィルム白黒写真が主流なので、その時のカラー写真はありません。ただ、私の心の中には、今もそのシーンがカラーで残っています。網走行普通列車がやって来ました。私も「SL冬の湿原号」に乗車しなくては...。またいつか、ここに来たいと思います。

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※写真55:想い出の列車交換が蘇る!網走行普通列車到着(塘路駅)

 それでは、旅を続けましょう。午後2時48分、塘路駅発車!「SL冬の湿原号」は終着・釧路駅を目指します。日が少しずつ傾いてきましたね。岩保木水門付近からは時々遠くに美しい阿寒の山々が見えます。旅が終わりに近づくと、いつも少し寂しい気持ちになりますが、今日も同じ...。でも、天気に恵まれ、素晴らしい車窓の風景とC11-171の勇姿に出会い、心から「SL冬の湿原号」を満喫した、思い出に残る旅となりました。2年間待った甲斐がありました!

 午後3時38分、「SL冬の湿原号」は釧路川鉄橋を渡ります。今日の釧路の最高気温は氷点下4度。川面の氷が消えることはありません。川岸に撮り鉄さんを発見!きっと素敵な写真を撮ったことでしょう。

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車窓の風景・釧路川鉄橋を渡る「SL冬の湿原号」(上流の風景・東釧路~釧路)

 午後3時40分、「SL冬の湿原号」は、旅の終点・釧路駅3番ホームに到着。多くの人がSLに集まり、皆さん最後の記念撮影。私も同じですね。これで「SL冬の湿原号」の旅は、全て終了です。

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「SL冬の湿原号」旅の終点・釧路駅到着

 最後に「2019年SL冬の湿原号・乗車証明書」をご紹介します。「標茶行」「釧路行」それぞれに乗車証明書があり、乗車中に車掌さんが改札と共に提供してくれました。これをいただくと「SL冬の湿原号」に乗れたんだな~と、あらためて実感しますね。ありがとうございました。またいつか「SL冬の湿原号」の旅を楽しみたいと思います!

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旅の証「2019年SL冬の湿原号・乗車証明書」

(文・写真)平瀬 一弘

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コメント

今回も北海道ならではのJRローカル線の旅を楽しませていただきました。「ここは日本ではないみたい。」との乗客のコメント。秘境とも言える道東の大自然はローカル線であればこそ味わえる時空間なのでしょう。写真もすべて見応えがあり、そのままポスターにしたいほど。写真集はもとより、郷土資料のデジタルアーカイブとしても活用しつつ、後世の人に鑑賞してもらいたいものです。書籍出版される際には是非、お声かけください。楽しみにしております。

メッセージありがとうございます。素人の旅日記にも関わらず、このようなお褒めの言葉をいただき恐縮しておりますが、鉄道ブログを続けていてよかったな~と思っています。釧網本線は、夏は釧路湿原、釧路川、緑一杯の牧草地、色とりどりの畑、原生花園、真っ青なオホーツク海に出会い、冬は魅力一杯のSLの旅、壮大な流氷の大海原や美しい山の風景に出会う、本当に素晴らしいローカル線です。私の故郷に近いこともあり、いつまでも元気に活躍して欲しいと願っています。最近は多くの旅人が訪れ列車も混んでいるようですが、機会がござましたら、是非、釧網本線の旅をお楽しみください。

力強く吐き出される煙が迫力満点ですね。SLはここ数年乗る機会がなく、見るだけのことのほうが多かったのですが、臨場感あふれるブログを読んだら乗りたくなりました!道東の広大な風景が美しく、そのなかを誇らしげに走るSLがとても眩しく見えます(^^)

メッセージありがとうございます。SLの魅力はたくさんあると思いますが、やはり「音」が凄い!豪快!そして生きている感じがします。現代社会ではあり得ないあの豪快な汽笛が、広々とした道東の大空の遙か彼方まで轟く瞬間が、私はとても好きですね。人気の高い「SL冬の湿原号」のチケット確保には少々苦労しますが、是非、「SL冬の湿原号」の旅をお楽しみください。冬の道東は晴天率が高いので、きっと素晴らしい旅になると思います。

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