北海道ぐるっとローカル線の旅・夏の宗谷本線(稚内駅~兜沼駅)

2018年05月30日

 宗谷本線は、北海道第二の都市・旭川市と日本最北の街・稚内市を結ぶ日本最北端の大動脈(259.4km)で、国内4番目の長さを誇る「天塩川(北海道遺産)」や、利尻礼文サロベツ国立公園の代表的な景勝地で日本百名山のひとつ「利尻富士(利尻山、標高1,721m)」の美しい車窓の風景のほか、厳冬期のラッセル車の活躍など、とても魅力ある鉄道。いつか旅したいな~と思ってましたが、2017年7月、遂に夢が実現!今回はその中から、稚内駅~兜沼(かぶとぬま)駅(28.5km)などの旅をご紹介します。


 7月23日、稚内は朝から晴天!よかった!天気予報を信じ急遽旅に出て!早速、稚内駅周辺を散策。おや?駅前に線路の「車止め」と駅から延びる線路を発見!これは珍しいな~。実は、旧・稚内駅は2011年に新築された現在の稚内駅よりも北側にあったため、稚内市がJR北海道から寄贈を受け、当時の記憶を継承するためモニュメントとして元の位置に復元したもの。これは凄い!鉄道の歴史を大切にしていることがよくかる。旅人の皆さん、珍しそうに記念撮影をしてました。

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駅前にある珍しい線路の「車止め」(稚内駅前)

 旧・稚内駅を伝える写真を発見!現在の稚内駅の線路は1本ですが、旧・稚内駅の線路は3本だったようです。天北線(南稚内~音威子府)が廃止される前の1977年の時刻表によると、当時の稚内駅の一日の旅客列車の発着数は現在の13本より19本多い32本(宗谷本線19本・天北線13本)。当時は多くの人々が稚内駅を利用して、きっと賑やかだったのでしょうね。

2.jpg「日本最北端の線路」のモニュメントにある旧・稚内駅の写真

 駅を背にして「車止め」を見ると線路が更に北側に延びている。これは1945年まで稚内港北防波堤ドーム横にあった稚内桟橋駅までの線路を復元したもの。昔は海岸近くまで線路が延びていたんですね。

3.jpg日本最北端の「車止め」から更に北に延びる線路(稚内駅前)

 稚内駅に入ってみよう。おっ!これは驚き!「車止め」から延びる線路は駅の中を通り抜け、駅南側の宗谷本線に繋がっている。徹底した歴史の継承、凄いこだわりだ。

4.jpg稚内駅内から北側(駅前側)を見る

5.jpg稚内駅内から南側(宗谷本線・プラットホーム側)を見る

 次の写真は稚内駅改札口(東側)。早速、稚内駅の「JR北海道わがまちご当地入場券」を購入。7月20日から発売が始まったご当地入場券。表面には鉄道のレアな写真が、裏面には観光スポットなどが印刷されていて、すっかり気に入ってしまった。裏面にある宗谷丘陵(北海道遺産)、稚内港北防波堤ドーム(北海道遺産)、ノシャップ岬には是非、行きたいな~。折角なので宗谷本線の他の駅のご当地入場券も集めよう。えっ?発売日が駅によって異なるの?これは困った...何回も来なければならない。嬉しい(笑)。

6.jpg稚内駅内から改札口(東側)を見る

7.jpg稚内駅の「JR北海道わがまちご当地入場券」

 折角なので反対側(西側)もご紹介しなくては。駅中央のホールは窓が大きくとても明るい雰囲気だ。稚内発の列車がしばらくないせいか、駅内は閑散としている。奥に見えるのがショップ「ワッカナイセレクト」。それは後ほど、ご紹介しましょう。

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稚内駅内から中央部(西側)を見る

 午前8時9分、音威子府発稚内行き普通列車が現役の「日本最北端の線路」に到着。

 ちなみに日本最南端の線路は鹿児島県・指宿枕崎線の西大山駅。「線路は続く~よ、ど~こまでも~」という歌があるが、西大山駅までは果たして何キロあるのだろうか?

 え~!およそ3,000キロ?いつかは鈍行列車で完全走破!と思ったが、何日かかるのか見当がつかない、白紙撤回(笑)。さて今日の鉄道旅のスタートは、午前10時27分稚内発名寄行き普通列車。まだ時間がある。駅周辺をもう少し散策し、旅本番に備えホテルに戻り一休み。

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稚内行きの一番列車・音威子府発稚内行き普通列車到着(稚内駅)

 午前9時30分、再び稚内駅へ。稚内は晴天だが、本日の一番のお目当て「利尻富士」の天気は、果たしてどうなのだろうか?どうか快晴でありますように...。お気に入りの席を確保するため、誰もいない改札口にいち早く並ぶが、一両編成のローカル列車に乗るためこんなに早くから立って待っている人は私だけ。少し回りの目が気になる(笑)。
 午前10時15分、稚内発名寄行き普通列車の改札が始まった。キハ54形気動車に一番乗りし、進行方向右側(利尻富士側)窓側席を確保。これで準備OK!夏の暑さは車内にも届き、乗客の皆さんは窓を開け、北海道名物「車内扇風機」も首を振って大活躍。乗客は15人程度。車内はのんびりした雰囲気に包まれ、午前10時27分稚内駅を発車!今日も車窓の風景を思いっきり楽しめる、幸せな一日になりそうだ。

10.jpgまもなく発車!稚内発名寄行き普通列車(稚内駅)

 列車はまもなく高架橋に入る。海と丘に挟まれた平地に住宅・事務所・商店などが密集する市の中心部を眺めながら高架橋を下りると、南稚内駅に到着。南稚内駅は、かつては宗谷本線と天北線との分岐点で鉄道交通の要所、駅構内の敷地も広いので、当時は多くの車両で賑わっていたんだろうな~。


  11.jpgかつての鉄道交通の要所・南稚内駅

 午前10時31分、南稚内駅発車!列車は南へ進み街の郊外にやってきた。それにしても今日は何と澄み切った青空なのだろう。爽やかな夏風に包まれ、実に気持ちがいい!

12.jpgキハ54・稚内市郊外を快走(南稚内~抜海(ばっかい))

 丘の間を縫うように線路が続く。列車は加速と減速を繰り返しながら、曲線が続くこの区間を通り抜けていくが、高馬力のキハ54は今日も俊足ぶりを如何なく発揮している。


13.jpg丘の間を力走するキハ54(南稚内~抜海)

 宗谷地方は一年を通して風が強い。特に冬は日本海から冷たい季節風が強く吹き続ける。稚内の郊外から続く、丘にへばり付くように広がる笹藪と低木林は、まさにそのような北国の厳しい自然環境を物語っている。ところで...利尻富士はいつ姿を現すのだろうか?少しずつ遠くに姿を現すのかなと思っていたが、列車は丘の間を縫うように走っていて回りの視界が広がらないので、一向にその姿を見ることができない。ただ、低木林が増えてきたので、きっと列車は海岸線に近づいているはず。進行方向を見ると左カーブの先には樹木がない!もしかしたら、いきなり目の前に日本海の大海原と利尻富士が姿を現すかも。急にわくわくしてきた!どのような風景が私を待っているのか、とっても楽しみだ。

14.jpgまもなく利尻富士が見えるのかな?(南稚内~抜海)

 列車が減速し左に曲がり始めると、目の前に日本海が一気に広がってきた!うぁ~これは凄い!真っ青な空、日本海の大海原、山の姿がとても美しい利尻富士!綺麗だな~。この絶景は宗谷本線からしか見ることができないのかもしれない。本当に素晴らしい!あっ!慌ててシャッターを切ったので、写真が少し斜めになってしまった、う~残念(泣)。ただ今日は帰りにもう一度チャンスがある。今度は落ち着いて撮ろう。実は、宗谷本線に乗るのは今月2度目!え~?(笑)。ちなみに前回は快晴の旭川から普通列車を約6時間乗り続けたものの、途中から雲行きが怪しくなり、利尻富士はまったく何も見えず惨敗(泣)。諦めないで、また来てよかった!念願叶い、バンザ~イ(笑)!

15.jpg車窓の風景・絶景!日本海に浮かぶ利尻富士(南稚内~抜海)

 あ~利尻富士が遠のいていく~。この絶景に出会えるのは限られた時間と思っていたが、まさか10秒程度(電柱5本程度の区間)とは...(苦笑)。でも、だからこそ、とても貴重な車窓の風景なんだと、あらためて思う。帰りは瞬きせずに見ることにしよう!列車は海沿いを走り抜け左にカーブし原生林へ入っていく。この絶景区間を走る列車を写真に撮るのは、素人にはかなり難しいようだが、実は稚内駅の「JR北海道わがまちご当地入場券」の写真が、ここの列車通過シーンなんですよ。

16.jpg車窓の風景・うっそうとした原生林の中へ(南稚内~抜海)

 列車はうっそうとした原生林を通り抜け、見晴らしのいい平地にやってきたが、車窓からは笹薮と低木林に覆われた風景が続く。この植生はまるで高い山の中腹のよう。もちろん人の気配などまったくない。このような車窓の風景は日本で他にあるのだろうか?冬になると大地の向こうに広がる日本海から容赦なく風雪が吹き荒れる。本当に厳しい自然環境だ。北国を象徴する一見の価値十分の車窓の風景と私は思う。

17.jpg車窓の風景・笹薮と低木林に覆われた北の大地(南稚内~抜海)

 直線区間が続き列車の速度が上がってきた。車内を流れる「ガタン~ゴトン~」の線路走行音のリズムが速くなり、列車も気持ちよく走っている感じだ。進行方向右側後方を見ると、松の木が整然と並んでいる。きっと鉄道防風林であり防雪林なのだろう。冬の吹雪から列車を守る重要な役割!厳しい自然環境だけど、たくましく育って欲しい。

18.jpg厳しい自然環境の中で育つ鉄道防風(防雪)林(南稚内~抜海) 

       
 午前10時43分、抜海(ばっかい)駅が見えてきた。稚内の街を過ぎてからここまで人里を離れた地域を通ってきたせいか、少しほっする。きっと冬は、もっとそんな気持ちになるんだろうな~。プラットホームは短いが駅の線路はとても長い。さすが宗谷本線、かつて長編成の急行列車や貨物列車が活躍していた証。


19.jpgまもなく抜海駅到着(南稚内~抜海)

 

 午前10時44分、日本最北端の無人駅で木造駅舎の抜海駅到着。懐かしいな~木造駅舎。以前はたくさんあったが、今となれば昭和を彷彿させる貴重な駅舎だ。それにしても抜海駅は日本最北端の「冠」が多い。しかもそれだけではない。1983年の大ヒット映画、南極犬「タロ・ジロ」でお馴染みの「南極物語」のロケ地としても有名で、日本を代表する名優・高倉健さんが演じた地でもある。この駅を訪れる旅人は少なくないと聞く。一見普通の無人駅だが、魅力はかなりある。ちなみに抜海駅から約3km離れた所にある抜海港はゴマフアザラシの越冬地。大勢のゴマフアザラシが港の波消しブロック上でのんびり休んでいる光景を以前ニュースで見たが、その姿は何とも愛らしい。ただ大勢で長期間いられると漁業被害が心配ですね。

20.jpg日本最北端の無人駅で木造駅舎・映画のロケ地・抜海駅

 列車は抜海駅を発車し再び原生林へ入るが、やがて進行方向左側に牧草地が広がってきた。冷涼な気候を活かした宗谷地方の酪農業は、漁業と共にこの地域の基幹産業。青と緑のコントラストと白のアクセントがとても印象的な風景だ。牧草地に点在しているのは牧草ロールを白いビニールで梱包したもの。牧草を刈取り乾燥させ、機械でロールケーキのようにし(牧草ロール)、それをビニールで梱包し発酵させるもので、以前はサイロで作っていた牛の大切な飼料なんです。ところでこの牧草ロール、初めて見る人はいったい何だと思うのだろうか?きっと謎でしょうね。


21.jpg車窓の風景・北海道の夏らしい色のコントラスト(抜海~勇知)

 次の勇知駅を過ぎると線路は右へ大きくカーブ。進行方向右側に牧草地が広がってきた。あ~!利尻富士が見えてきたぞ~!ここで会えるとはまったく思っていなかったので、ほんとにビックリ!しかも山が大きく近くに見える...ということは、このあたりは利尻島に近いのかもしれない。進行方向左側を見ていたら見逃すところだった。間一髪セーフ。それにしても利尻富士が随分険しく見える。北の大地を見下ろすような猛々しい利尻富士!とても印象に残る車窓の風景だ。

22.jpg車窓の風景・突然姿を現す利尻富士(勇知~兜沼)

 お~!次は牛さんたちの登場!いいな~この北海道らしい風景!みんな美味しそうに牧草を食べている。少し早いランチタイム?白黒のホルスタイン種の乳牛なので、きっと美味しい牛乳や乳製品を私たちに提供していることでしょう。私の故郷も日本を代表する酪農地帯、この風景を見ているとつい故郷のことを思い出す。本州や海外からのお客さんに、是非見て欲しい北海道らしい一コマ。きっと癒されますよ。

 

23.jpg車窓の風景・これぞ北海道!広大な牧草地をお腹一杯食べる牛さんたち(勇知~兜沼)

 いや~いいね~!もう最高!真っ青な大空と広大な緑の大地!とても色鮮やかだ。宗谷地方ではどこにでもある当たり前の風景と思うが、多くの旅人を魅了する素晴らしい絶景!牧草地はまるで心地よい緑の絨毯(じゅうたん)のよう。遠くには利尻富士も見える。何と贅沢な風景か。他にはない北海道らしいこの車窓の風景を、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。

24.jpg車窓の風景・真っ青な空!緑の大地!北海道らしい夏の絶景だ!(勇知~兜沼)

 あっ!湖が見えてきた。あれは兜沼。自然に囲まれた小さな湖だが、水鳥たちにとっては命をつなぐ大切な楽園だと思う。兜沼駅に到着したら湖畔を訪ねてみよう。
25.jpg車窓の風景・水鳥たちの楽園!兜沼(勇知~兜沼)

 午前11時、兜沼駅到着。乗降客は私一人、プラットホームで列車を見送る。今日は天気に恵まれているので、旅人の皆さんはきっと車窓の風景を満喫することでしょう。
 いい旅でありますように!兜沼駅の滞在時間は約30分。早速、兜沼散策開始!


26.jpg兜沼駅で名寄行き普通列車を見送る

 鳥の囀りが聞こえる兜沼のほとりを散歩し、のどかな雰囲気を一人満喫。なんかいいな~、の~んびりしていて。午前11時32分、旭川発稚内行き普通列車(321D)がやって来た。実は321Dは宗谷本線を約6時間かけて完全走破する唯一の普通列車。きっと日本最北端の地を目指す乗り鉄の方々がいることでしょう。車両はキハ54・529。窓の上の赤い帯が特徴で、かつて宗谷本線で活躍していた「急行礼文」で使用していた急行用キハ54の証。ここで乗車するのも何かの縁ですね。ちなみに2017年3月のダイヤ改正前は兜沼駅で上下線の列車交換をしていたので、ここでの乗り換えは難しく、抜海~兜沼間の素晴らしい車窓の風景を満喫することはできなかったと思う。


27.jpg宗谷本線を唯一完全走破する321D!兜沼駅到着

 

 兜沼駅から見た稚内方面の天気は快晴。帰りも素晴らしい車窓の風景が期待できる。

 午前11時32分、321D定刻どおり兜沼駅発車!


28.jpg兜沼駅から稚内方面を望む

 車内の座席は地域の人々や旅人などでかなり埋まっているが、幸いにも進行方向左窓側席が空いていたので早速確保。これでまた利尻富士の素晴らしい風景に出会える。まずは一安心。おっ!牛さんたちが再登場!さっきはみんな一目散に牧草を食べていたが、満腹になったせいか、食後の昼寝のように休んでいる牛さんもいる。その気持ち...よ~くわかるよ。モ~おやすみ(笑)。


29.jpg車窓の風景・昼寝かな?ランチタイムを楽しむ牛さんたち(兜沼~勇知)

 列車は次の勇知駅を過ぎ、線路の向こうに見えるように、宗谷地方独特の地形である丘陵地帯に入って行く。アップダウンがきつそう...。頑張れキハ54!


30.jpg車窓の風景・宗谷地方独特の地形である丘陵地帯へ(勇知~抜海)

 進行方向右側に北海道らしい広大な風景が広がってきた。うぁ~これはとにかく広い!青い空、白い雲、そして遥か彼方まで続く緑の大地!まさに北海道らしい夏の風景だ!都会の人はこの風景を見てどう思うのだろうか?きっとスケールの大きさに圧倒されるのかもしれない。こんな雄大な風景を目の前にすると、日常の様々なことが実にちっぽけに思える。これぞ北海道!ここで降りたいね。ちなみに広大な大地の遙か彼方には、真っ青なオホーツク海が広がっているんですよ。

31.jpg車窓の風景・これぞ北海道!実に雄大な風景だ!(勇知~抜海)

 利尻富士が目の前に広がるビューポイントに近づいてきた。左カーブは日本海に近づく道筋、まもなく進行方向左側後方に利尻富士が再び姿を現すはず。また、わくわくしてきた!絶景は僅か10秒程度、瞬きをしている暇はない。カメラ、セット!集中!

32.jpgわくわく!まもなく利尻富士に再会(抜海~南稚内)

 うぁ~見えてきた!いや~凄いな~何度見ても美しい!空と海と利尻富士が青一色で、本当に素晴らしい絶景だ!列車本数の少なさ、山に雲がかからない気象条件の難しさ、利尻富士に出会える時間が極めて短いことなどを考えると、かなり貴重な車窓の風景と思う。写真も今度は斜めではない(笑)。私にとって想い出に残る最高の一枚が撮れ、そして日本でもここにしかない絶景を1日に2度も見ることができ、実に幸運に思う。ところで...乗り鉄の方々の中に長旅の疲れか居眠りをしている人を見かけたが、果たしてこの絶景を見ることができたのだろうか?列車は減速してこの区間を通過したが、そのような旅人もいるので、できれば一言車内放送を入れていただき、更にゆっく~り走行してくれると有り難いですね。


33.jpg車窓の風景・再登場!絶景!日本海に浮かぶ利尻富士(抜海~南稚内)

 利尻富士を遠くから見ていると、大学時代の夏の日、自転車を借りて仲間と利尻島を一周した時のことをつい思い出す。あの日も今日のような快晴で楽しかったな~。そんなことを思い浮かべながら車窓の風景を眺めているうちに、列車は稚内の街に入り、午後0時7分定刻どおり稚内駅に到着。稚内駅を出発して1時間40分の小旅行だったが、予想以上の鉄道旅となり、気持ちよくプラットホームに降りる。この企画、お勧めします。私もまたチャレンジしたいですね。


34.jpg本日の乗り鉄旅終了!321D稚内駅到着

 プラットホームから改札口へ行くと、朝、逆方向から見た日本最北端の現役「車止め」を発見。北緯45度の夏をもう少し楽しんでから、帰路に就くことにしよう。


35.jpg発見!日本最北端の現役「車止め」(稚内駅)

 宗谷本線に乗って稚内駅に到着したので、その記念に稚内駅「来駅証明書」を購入。
 今回は宗谷本線を完全走破していないので少々複雑な気持ちだが、やはり手にすると、とても嬉しい。でも...まさか僅か2週間でこの「来駅証明書」を2枚もゲットするとは...人生とはわからないものとつくづく思う(笑)。皆さんも稚内駅に来られた際は、記念にご購入されるといいと思いますよ。


36.jpg旅の記念!稚内駅の「来駅証明書」

 

 時間を惜しんで稚内駅をぐるりとチェック!驚いたのはその多機能ぶり!バスターミナル、地元ショップ、コンビニ、観光案内所、椅子もあるフリースペース、更に映画館と幼児向けプレールームなど、様々なものがここにはある。コンパクトだけど凄い駅だ。ショップ「ワッカナイセレクト」は地元の名産品・お土産品などが揃っていて、その奥には地元のお食事処もある。お腹が空いたのでショップで駅弁探し。種類もいろいろあり迷った結果、地元名物「宗谷黒牛とかに弁当」に決定!ショップ内カフェコーナー隣のフリースペースで、いただきま~す!美味しいわ~この駅弁!2ついけるかも?今度は「たこしゃぶランチ」にしたいな~(そんなメニューあるのかな?)。


37.jpg地元ショップ「ワッカナイセレクト」の様子(稚内駅)
38.jpg稚内駅弁「宗谷黒牛とかに弁当」

 

 稚内と言えば真っ先に「たこ」、かつては「かに」などの海産物が思い浮かぶが、宗谷黒牛(肉牛)も地元名産物の一つ。濃厚な赤身と淡白な脂肪のハーモニーが絶妙なブランド牛と聞くが、流通量が少ないので希少価値が高いとのこと。今回の旅では宗谷黒牛に出会えなかったが、宗谷丘陵(北海道遺産)で放牧されている宗谷黒牛をご紹介します。宗谷地方は一年を通して風が強いので、その利点を活かした風車も建ち並ぶ。近隣には人気の宗谷丘陵フットパスコースがあるので、今度は時間をかけ歩いて雄大な景観を楽しみたいですね。


39.jpg雄大な宗谷丘陵(北海道遺産)を歩く宗谷黒牛たち

 午後0時40分、午前7時30分札幌発稚内行き「特急宗谷」が稚内駅に到着。5時間10分の長旅、ご苦労様。実は「特急宗谷」は私の通勤列車でもあるので、個人的にはとても愛着があり、夏の晴天の日は時々「このまま稚内まで行ってみようかな?」と思うことも...(我慢!我慢!笑)。車両は最高速度130km(現在は125km)を誇る高馬力のキハ261系気動車。稚内と札幌との日帰りをより可能にした地域貢献度の高い車両です。冬期間は厳しい気象条件との闘いだが、一日も長く活躍して欲しい。

40.jpg札幌発稚内行き「特急宗谷」稚内駅到着!お世話になってま~す!

 「特急宗谷」の勇姿をここで一枚!ここは宗谷本線・士別~下士別間にある天塩川の鉄橋。札幌発稚内行き「特急宗谷」は午前9時40分過ぎにここを通過(左から右に通過)し、更に3時間かけて終点・稚内駅を目指す。

41.jpg天塩川の鉄橋を通過する「特急宗谷」(士別~下士別)

 旅を続けましょう。私はその後、稚内駅周辺を散策。駅周辺には、稚内港フェリーターミナル、道の駅、有名ホテル、美味しい海産物を堪能できる味処の名店などがあるが、何と言っても一番目に付くのは駅北側にある稚内港北防波堤ドーム(北海道遺産)!

 1936年、波よけ用に建設された全長427m、高さ13.6mの半アーチ型ドームで、テレビコマーシャルや観光パンフレットで知っていたので、近くで見るのを楽しみにしてました。うぁ~これはお洒落だな~。遠くから見ると、まるでヨーロッパの建造物のよう。とても約80年前に造られたとは思えないデザインだ。横から見ると、冬の日本海の荒波がこの上を越えないためには、こんなに高さが必要なのかと驚く。一見美しい建造物だが、かなり過酷な使命を負った建造物だと、あらためて知る。


42.jpg43.jpg稚内港北防波堤ドーム(北海道遺産)

 北防波堤ドームの海側はどうなっているのか?常々そこが気になっていたので、ドーム手前の階段を上りあたりを見回す。目の前に広がる海は青く穏やかで、爽やかな海風がとても気持ちいい。東側の宗谷湾越しに遠くに見えるのが宗谷岬方面。写真左側の陸地の先端が、きっと日本最北端の宗谷岬!三拍子でお馴染みの「宗谷岬」の曲が心の中で流れてくる。海を眺めながらのんびりしたい...ところだが、まだ行きたい所があるので、ぼちぼち稚内駅エリアを去ることにしよう。「たこしゃぶ」は次回のお楽しみ!(残念...泣)

44.jpg稚内港北防波堤ドームから東側を望む

 次に訪れたのは、稚内駅から約5km北にあるノシャップ岬。日本最北端の宗谷岬は宗谷地方北端の東の岬で、ノシャップ岬は西の岬。利尻富士を見ることができる岬で、日本海に沈む夕日はとても美しいと思う。何で気づかなかったのだろう?...昨日の夕方ここに来ればよかった...後悔先に立たず(泣)。あっそうだ!稚内駅の「わがまちご当地入場券」の裏面にその風景が映っていたはず。今回はこれで満足しよう(笑)。

45.jpg利尻富士を望むノシャップ岬の風景

 礼文島から稚内港を目指しているフェリーが、ノシャップ岬沖を通過していった。
 利尻島・礼文島と稚内を結ぶフェリーは、それぞれ1日3往復で所要時間は約2時間弱。地域を支える重要なフェリー航路で、夏には多くの観光客がこのフェリーを利用し利尻島や礼文島を訪れている。私も大学時代に乗船した思い出のフェリー。懐かしいな~当時のことを思い出しますね。


46.jpg利尻島・礼文島と稚内を結ぶ大切なフェリー(ノシャップ岬)

 ノシャップ岬を後にした私は、ここにしかない大好きな風景に出会うため、日本海の海岸線を南へ車を走らす。ちなみに稚内駅からノシャップ岬や宗谷岬へはバスが運行しているが、それ以外の観光スポットに行くには時間を有効に使うためにも乗用車(レンタカー)を利用するのがベター。光り輝く日本海を右手に、車は道道254号線から道道106号線(稚内天塩線)へ。
 よ~し、このあたりでいいだろう!いや~凄いな~!いつ見てもスケールの大きい雄大な絶景だ!大自然と直線道路だけのコラボレーション。日本広しと言えども、まるで外国のようなこの風景は他にあるのだろうか?このような風景が続く道道106号線は、全国のライダーたちの憧れの人気スポットと聞く。ここに来たら間違いなく誰もがそう思うだろう。


47.jpg絶景!雄大な大自然と直線道路のコラボレーション(浜勇知~稚咲内)

 ノシャップ岬からず~と右手前方に見える利尻富士は、今このような姿を見せている。時刻は午後4時頃、太陽が西に移動し逆光の利尻富士だが、日本海がキラキラ輝き、とっても美しい!列車から見た青々した順光の風景とは異なるが、ともに素晴らしい。
 しばらくここで佇んでいこう。

48.jpg絶景!キラキラ輝く日本海と幻想的な利尻富士(浜勇知~稚咲内)

 旅の最後に、利尻富士を背景にした花咲き誇るサロベツ原野(ラムサール条約登録湿地)に出会いたいと思っていたが、エゾカンゾウなどサロベツ原野を彩る花々の開花時期を既に過ぎていたのでそれは諦め、豊富町にあるサロベツ湿原センターに立ち寄り、その風景を伝える映像や写真を見ることに。おっ!いいものを発見!環境省作成の「利尻礼文サロベツ国立公園」のパンフレットの表紙、これは美しい!この風景を楽しみに6月から多くの旅人がここを訪れていると聞く。私もいつか見てみたい。


49.jpg花咲き誇るサロベツ原野と残雪の利尻富士を伝えるパンフレット

 宗谷地方の天気予報を信じて急遽前日に決定した鉄道旅でしたが、北海道の夏らしい風景に出会い最高の旅となりました。「花咲き誇るサロベツ原野」「宗谷丘陵フットパスコース」「たこしゃぶ!」など、今回の旅では楽しめなかったことがまだまだあるので、また夏の爽やかな季節に宗谷地方を訪れたいと思います。

(文・写真)平瀬 一弘

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コメント

私はもう少しで68歳になる者ですが、稚内高校時代、勇知から南稚内まで汽車通をしていました。3年間毎日抜海南稚内間の利尻富士を見て過ごしました。千回以上、いろいろな景色の利尻富士の様子を見ながら、同級生と語り合ったものです。今回の写真は、涙が出るくらい懐かしいもので、このような写真をアップしていただき感謝しております。欲を言うと、50年前よりすっかり寂しくなってしまいましたが、勇知の集落の写真があればと思いました。当時は稚内全市の町内対抗運動会があり、「宗谷線チーム」や「天北線チーム」などもあったと思います。わが「宗谷線チーム」が優勝したことが私の高校生時代の良い思い出となっています。

私は1999年から4年間ほど稚内で暮らした経験がありますが、JR宗谷線から日本海沖に望む利尻富士は何度見ても感動したものです。投稿されたお写真を拝見し、ノシャップ岬、抜海、サロベツ原野、宗谷丘陵等、家族でドライブした当時のことを改めて思い起こしました。宗谷の大自然は当時のままですが稚内駅がすっかりモダンになり、やはり時の流れを感じます。素晴らしい寄稿ありがとうございました。

メッセージありがとうございます。素人の旅日記ですが、少しでもお役に立てたのであれば、とても嬉しいです。利尻富士や北海道らしい広大な風景!本当に素晴らしいです。私も高校時代は列車通学をしてましたので、ローカル線に乗って窓を開け車窓の風景を眺めていると、青春時代の日々を思い出します。宗谷本線にお乗りになる機会はあるのでしょうか?私が高校時代にお世話になった標津線は既に廃止されましたが、宗谷本線は健在ですので、いつか思い出いっぱいの南稚内~勇知を旅されてください。ありがとうございました。

森田さま
メッセージありがとうございます。稚内や宗谷地方には大切な思い出がたくさんあるのですね。つたないブログですが、ご家族で昔話に花咲く時にでもご覧いただければ幸いです。宗谷本線完全走破の旅も、あらためてご紹介できればと思っています。ありがとうございました。
平瀬

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