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愛情物語@豊平川さけ科学館

2012年11月09日

 わが家から歩いて30分ほどでしょうか。散歩にちょうどいい距離のところに、豊平川さけ科学館という札幌市の施設があります。そんなに大きな施設ではありませんが、実は私のお気に入りの施設。先週の土曜日、たまたま妻も私も予定がなかったので、2人で科学館まで散歩。ちょっといい場面に出くわしました。こちらがその科学館。正面のデザインもサケのイメージみたいですね。


 一度は悪化した豊平川の水質が改善され、市民による「カムバックサーモン運動」が始まったのが1978年。翌79年春から稚魚の放流が始まり、81年にはとうとう親魚のそ上が見られました。そうした機運の中、サケについて学び、河川環境を考えるための拠点として84年に開館したのがこの科学館です。

 といっても今回の話の主役は実はサケではなく、本館の裏に建っている「さかな館」の話。豊平川に棲んでいるサケ以外の魚やエビ、カニ、カエル、サンショウウオなどを飼育・展示している小さな別棟です。

 散歩コースがさかな館に近かったのでまずそちらに寄っていろいろ眺めていると、なにやら水槽の生き物たちに話しかける声。飼育担当の方でしょう、ちょうど私たちと同じ年ごろの女性が、生き物たちに餌やりを始めるところでした。聞けば餌やりは週に1度とか。は虫類とか両生類とか、決して嫌いではないので、喜んで見学させてもらいました。



 まずは写真上のサンショウウオ。アカムシという、こうした動物を飼う時によく使われる餌をピンセットでつまんで、与えます。驚いたことに、サンショウウオ、女性がふたを開けて手を入れるだけで、首を上に上げて、なんだかもう食べる気満々。餌だけを食べるのではなく、ピンセットの先にまでかぶりつきます。「こんなに懐くの、珍しいみたいですよ。このサンショウウオは何年も飼ってるんですが、ここで生まれてからずっとアカムシしかやってないんで、ほかの餌は食べてくれないんです」と女性。えっ、サンショウウオって意外と長生き?

 今年生まれたばかりのサンショウウオが入っている別の水槽では「サンショウウオって意外と気性が荒くて、小さい子は餌がとりづらいのよ」と言いながら、石を裏返したりしてサンショウウオを探し、1匹ずつもれなく「もっと食べたいの」などと話しかけながら餌を与えます。その口調は、自宅で大事に飼っているペットに話しかけるような愛情が感じられました。

 トカゲやカエルに与えるのは、施設で増やしているコオロギ。カルシウムだか、不足しがちな栄養分を含んだ粉をまぶして、生きたまま与えます=右下の写真=。特にカエルは、形やにおいではなく、動きで餌を見つけるので、餌がちゃんと動いてくれないとだめなのだそう。それにしてもこちら=写真左下=のカエル、名前は忘れてしまいましたが、すごい色! 水槽のガラス越しに撮っているのでこんな風に見えますが、実物はもっと鮮やかなライトブルーで、最初は陶器かなんかで作った置物かと思っちゃいました。

 サケは北海道にとって大事な資源であり、良好な河川環境の象徴。さけ科学館も、観光客が訪れるような施設ではありませんが、子どもたちが自分の地域に目を向ける手助けとなる、ちょっと地味だけと意義のある施設だと思います。そして、その施設が、生き物1匹1匹に愛情を注いで大切に育てている人たちに支えられているんだということを実感した1日でした。
こちらが、屋外にさりげなく展示されていた、この秋にそ上した親ザケです。


 さけ科学館のホームページはこちらをどうぞ。これから冬にかけても、サケの人工授精体験など、興味深いイベントがいろいろ企画されています。それと、私が以前撮影した科学館のイベントの動画ニュースがこちらにありますので、よろしかったらご覧ください。


 おまけの映像は、科学館がある真駒内公園の様子です。一面の落ち葉、その後の雨と風で、だいぶ様子が変わってしまっていることでしょう。


<編集グループ・飯島>

囲碁・天元戦、釧路から舞台裏をお見せします

2012年11月07日

 囲碁・第38期天元戦5番勝負(北海道新聞社主催)の第1局が、11月5日に釧路で行われました。気鋭の若手棋士による熱戦の末、井山天元が河野九段に中押し勝ちしました。電子メディア局では「どうしんウェブ」を通じて対局の様子をお伝えしましたが、そこで伝えきれなかった「対局の舞台裏」を、このブログ上で紹介します。
(文と写真 電子メディア局・編集グループ・立花幹彦)



◆舞台は釧路全日空ホテル  

 今回の対局の舞台は釧路全日空ホテル。釧路のシンボル幣舞橋(ぬさまいばし=写真手前=)の近くに位置します。高層ホテルのため、釧路市内の建物から頭一つ出ていて、目立つ存在です(=写真中央=)。そう言えば、ホテルの壁のベージュ色が、何か碁盤の色に似てませんかね(?)。

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 なんと、ホテルの正面玄関の立て看板の柱は、色も模様も「碁盤の目」そのもの!(=写真下=)。釧路全日空ホテルさんの粋な計らいなのでしょうか。

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◆対局室の設営完了  (4日午後)

 天元戦は、ホテル内で非公開に行われます。天井には通称「天吊りカメラ」と呼ばれるテレビカメラを設置して、記者室のテレビに碁盤を映します。ネジや釘(くぎ)は使用できないので、頑丈な「つっぱり棒」を両側の壁に渡して固定します。さらにインターネットに対局中の棋士の静止画を配信するため、対戦席の脇に2台のウェブカメラを設置します(=写真=)

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◆対局関係者がホテル到着  (4日午後)

 前日の午後に井山天元、河野九段をはじめ、対局関係者が釧路入りし、会場となる釧路全日空ホテルに到着しました(=写真=)

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◆「世界三大夕日」に感激  (4日午後4時過ぎ)

 対局前日・当日とも、釧路地方は天候に恵まれて小春日和。記者室からは釧路沖に沈む夕日を堪能できました。波もなく穏やかな水面に映る夕日は絶景です(=写真=)。釧路ご自慢の「世界三大夕日」を望めるとは思っていなかったので感激です。

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◆対局室検分  (4日午後5時)

 対局室検分とは、対局に使う碁盤・碁石や、照明などを前日にチェックすること。この検分を済ませて、翌日の対局に万全を期します(=写真下=)。和やかな雰囲気で進められました。

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◆前夜祭  (4日の夜)

 主催者・対局関係者・囲碁ファンなどが集まり、4日夜にホテル内で「前夜祭」が開催されました。立会人の宮沢吾朗九段を中心に、対局者や記録員、大盤解説者のみなさんが壇上に立ち、翌日の対局に向けた抱負を語りました(=写真=)

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◆対局開始  (5日午前9時)

 いよいよ対局開始です。初手は黒番の井山天元。報道陣のカメラが向けられます(=写真=)

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◆棋譜をネット配信

 別室の記者室のテレビに、碁盤のカメラ映像を映し、日本棋院の記者が棋譜をパソコン入力してインターネットに配信します(=写真=)

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◆新聞記事はこちらから

 記者室の別エリアでは道新の記者が、紙面掲載する記事を執筆して原稿を送信します(=写真=)。記事は北海道新聞のほか、提携している中日新聞や西日本新聞などにも配信されて各地の紙面に掲載されます。

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◆大盤解説会  (5日午後2時~)

 午後2時からはホールで恒例の大盤解説会。和やかな雰囲気のなか、松本武久七段と矢代久美子五段が勝負のポイントなどを、会場のみなさんに解説しました(=写真=)

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 平日にもかかわらず、大勢の囲碁ファンが来場し、熱心に解説を聞き入っていました(=写真下=)

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◆対局中の棋士の様子は

 記者室では、ウェブカメラで撮影される棋士の様子を、常時モニターしています。

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 午後3時の「おやつ」は、井山天元は「フルーツ盛り合わせ」を食べましたが、河野九段は真剣な表情のまま(=写真下=)

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◆井山天元の勝利  (午後4時35分)

 熱戦の末、井山天元が先勝しました。直後のインタビューの様子です(=写真=)

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 このあと、両者とも大盤解説会場に足を運び、対戦のポイントなどを解説していただきました(=写真下=)

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◆対戦の労をねぎらう  (5日夜)

 対局の夜は、関係者が集まりホテル内で「打ち上げ」が行われました(=写真=)。第1局を振り返り、第2局に向けての意気込みや抱負などを、両棋士からお聞きすることができました。

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 関係者のみなさま、たいへんお疲れさまでした。第2局は11月16日に岐阜県岐阜市「 岐阜グランドホテル 」で行われます。好勝負になることを期待しています。

        ◆

 今回、釧路からのインターネット中継にあたり、釧路全日空ホテル様には、ホテルの回線設備などを借用させていただき感謝いたします。特にマーケティング部の今村誠さんには、事前準備から、たいへんお世話になりました。ありがとうございます。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

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 電子メディア局に在籍する「不特定多数」「老若男女」のメンバーで構成しています。他のブロガーのみなさんに比べると北海道の「通」とは言えませんが、曲がりなりにも北海道の最新情報を日々発信する職場から、何かしら皆さんのお役に立てればと思っております。

※イラストは道新グループの会員組織「道新ぶんぶんクラブ」のキャラクター「ぶんちゃん」 です。




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