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母が倒れた ③

2012年08月29日

 仕事が立て込んで、その後の報告がすっかり遅れてしまいました。気にかけていただいた皆さん、本当に申し訳ありません。

 間が空いてしまったので、前回までのおさらい。7月14~16日の連休直前に東京への出張があり、連休を久しぶりに神奈川県内の実家で過ごそうと思っていた矢先、土曜日の14日早朝に母が脳梗塞で倒れ、救急車で運ばれました。母は76歳、そして父は81歳。衰えは当然だと頭で分かっていても、離れていると実感もなく、介護などということを具体的に検討したこともなかったので、うろたえながら土日を過ごし、祝日の月曜日だった16日、とりあえず実家近くの包括支援センターに電話。担当者の方と電話がつながり、介護サービスについてちょっとだけ説明を受けた、というところまでご報告しましたね。今回はその続き、最終回です。

 ようやく連休が明けた17日の火曜日。夜には札幌に戻る飛行機に乗らなくてはいけません。母の入院中、実家に残る父をどう支えていくか、大急ぎで情報収集に歩きました。

 まずは午前11時からの病院の面会時間前にと、朝一番で病院の近くにある区役所へ。父の介護認定の内容と、受けられるサービスについて聞きました。それによると、父は、介護は不要だが、要介護状態にならないためのサービスが利用できる「要支援」の、2段階あるうち軽い方の「1」。要支援だと担当窓口は地域の包括支援センターというところになるそうです。

 受けられるサービスでは、ヘルパーさんが週2回来てくれて、1時間ほど家の中のことを手伝ってくれるとか。また、介護保険とは別に、自己負担ながら食事を届けてくれる「配食サービス」というのもあるということで、地域の業者さんの連絡先一覧もいただけました。

 とはいえ、こうしたサービスを使って、父の生活をいかに支えるか、どうにも具体的なイメージがわきません。

 病室で母の顔を見た後、今度は出勤前の妹も合流し、病院のソーシャルワーカーさんとの面談です。意外だったのは、家族構成について結構詳しく聞かれたこと。家族のことは、包括支援センターの方と話したときも、区役所を訪れたときも、特に聞かれませんでした。それに対してソーシャルワーカーさんは、家系図入りで私たちの話をいろいろメモします。

 で、提案されたのが、父がしばらく妹の家で過ごすか、妹がしばらく夜、実家に泊まる、という方法。これと、介護保険のサービスを組み合わせ、母が退院して、母自身も介護保険のお世話になるようだったら新しい介護保険のサービスを考えましょう、という案でした。

 それを聞いて、目からうろこが落ちたような気分になりました。というのも、自分が、出張と休みが終われば札幌に帰る身で、なにもできないせいか、妹に何らかの負担をかけるようなことはまったく頭になかったのです。

 言われて初めて気づいた、家族という福祉の資源と、公的に用意された福祉の制度をうまく組み合わせて父を支えるという“作戦”。なんだかようやく、母の入院中、父をサポートする具体的なイメージがわいて来て、急に肩の力が抜けたような、ほっとした気分になりました。

 妹もソーシャルワーカーさんに言われてハッと思ったのか、面談が終わった後、「そうね。お父さん、これまで自由気ままにやってきたから、うちに来るのは気詰まりだろうけど、休みの前の日とかに私が泊まることはできるわね」と言い始めました。

 ヘルパーさんに来てもらい、妹が泊まり、実家にやっかいになっている私の息子にも、大学通いの間にできる範囲で家事を手伝わせる。妹とあわただしくそんな打ち合わせをして、17日の夜、札幌へと向かう飛行機に乗りました。

 その後、包括支援センターの方が実家に来てくれて、父、妹と家事支援の内容を打ち合わせ。24日から実際にヘルパーさんが来てくれて、冷蔵庫の中をチェックしてお昼の支度をする、というサービスを始めてくれました。合わせて週2回、夕食用の配食サービスも受け始めました(父は「味付けが甘すぎる」と不満のようでしたが)。

 肝心の母の容態ですが、思いがけず順調で、入院5日目からリハビリとして歩く訓練が始まり、8月4、5日と試験外泊の後、9日に無事、退院することができました。後遺症が起こることが多い脳梗塞ですが、脳の他の部位が機能を肩代わりしてくれることの多いという小脳での発症だったことが、不幸中の幸いだったようです。しかも、リハビリで頑張ったせいか、入院中の体力の衰えもあまりなさそうで、妹に買い物を頼んだりしながら、家の中のことはほぼこれまで通りできているそうです。

 ちょうど30年前の春、神奈川の親元を離れて北海道で社会人としての第一歩を踏み出してから、北海道で家庭を持ち、3人の子どもにも恵まれ、しかも記者生活も充実していて、帰省は年に1回程度。親は遠くでいつも元気でいる、と思いこんでいましたが、今回の“事件”で初めて「ずいぶん遠くに就職してしまったな。子どもが楽しくやっているんだから親も満足だろうと勝手に思ってたけど、ちょっと親不孝だったな」と気づかされました。これからどれだけ親の世話ができるか分かりませんが、親孝行ができなくなってから後悔することのないよう、妹とも協力しながら、できる限り親孝行していこうと思っています。高齢の親を持つ皆さんも、親が元気なうちから、今後の介護のことをたまには家族で話してみてはいかがでしょうか。

<編集グループ・飯島>

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※イラストは道新グループの会員組織「道新ぶんぶんクラブ」のキャラクター「ぶんちゃん」 です。




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