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大震災1年で見る「脱原発映画祭」

2012年03月15日

 東日本大震災から1年の節目に、道内のミニシアターや市民団体が、脱原発をテーマにした映画を上映しています。

 札幌市中央区のミニシアター「シアターキノ」では3月23日まで、「脱原発映画祭」というテーマで、原子力発電に関する作品を連続上映しています。先日、そのうちの一つ、「イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘」というドイツのドキュメンタリー映画をみてきました。

 イエロー・ケーキとは、原発の燃料であるウラン鉱石を精錬して作られる黄色い粉を固めたものです。
 
 映画は、旧東ドイツにあったウラン鉱山の閉山跡地から始まり、アフリカのナミビア、オーストラリア、カナダとウラン鉱山の荒涼とした採掘現場が映し出されます。鉱山で働く人たちの多くは、のちのち癌などの病気にかかり、命を落とします。また鉱山の周辺は、放射性物質を含む残渣や廃液などで甚大な環境汚染にさらされます。

 原発は発電する過程だけでなく、鉱山で働く人たちにも被ばくを強いています。しかし、ナミビアの鉱山会社のトップは「私たちは貧しい人たちを経済的に豊かにしている。この国の人々から感謝されるべきだ」と言い放ちます。

 ほかにも、「脱原発をめざす女たちの会・北海道」が23日に札幌市民ホールで、ドイツの反原発をテーマにしたドキュメンタリー映画2本を上映します。「核分裂過程」(1987年)は、核燃料の再処理工場の建設をとめた住民たちの運動を描いたもの。「第八の戒律」(1991年)は、ドイツの使用済み核燃料を再処理してきたフランスとイギリスの再処理工場の実態を映したものです。「核分裂過程」は、1日3回、「第八の戒律」は1日2回の上映です。

 入場料は1作品800円、2作品で1200円。日本の将来を考えるうえでも見ておく価値があると思います。チケットの問い合わせは、脱原発をめざす女たちの会・北海道(電話090・8426・5262)へ。

               

編集G・川村史子

ベテランダイバーが見た積丹の海

2012年03月08日

 2月中旬、海浜の清掃活動を続ける札幌のNPO法人「北海道海浜美化を進める会」が主催するフォーラムが札幌で開かれました。漁業団体の代表やベテランのダイバーらが、北海道近海の漁場を守るとりくみや、大規模な漁具を使った漁法が海の生態系に与える影響などを報告しました。

 基調講演は、道漁連環境部長の石川清さんと、積丹町幌武意(ほろむい)でダイビングショップを経営する藤田尚夫さんの二人です。

 石川さんは、海や河川など「漁場」の環境を守る仕事をしています。土砂や工場排水が流れ込んで、漁場や養殖場を汚さないように、工事関係者や酪農家、加工業者らとも頻繁に意見交換しています。

 石川さんは、道内だけでなく、サハリン沖で進められている油田開発プロジェクトにも目を向けています。サハリンでは、原油と液化天然ガスの出荷が本格化しており、宗谷海峡を行き交うタンカーが年々、増加しているからです。

 北海道の北方の海は、大油田地帯に変貌しつつあります。石川さんはタンカー同士の衝突など万が一の大事故に備えて、タンカーの航行ルートを分析する取り組みを地元漁協などと進めているそうです。

 もう1人の基調講演者、藤田さんは30年以上のキャリアを持つベテランのダイバーです。積丹半島の断崖絶壁の自然をこよなく愛し、積丹を拠点にダイビングのツアーや自然観察のクルーズ船を運航しています。

 見た目は、スキンヘッドにきりり眉毛の強面ですが、海の生き物たちについて話す藤田さんは本当に心優しい海の紳士です。

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<左が藤田さん、右が石川さん>


 藤田さんは、積丹の海の生き物の中では特にトドに愛着を持っていて、基調講演では、海中で、悠々と泳ぎながらダイバーたちに愛嬌をふりまくトドたちの様子を撮影した映像を見せてくれました。トドは世界的には保護動物ですが、1日に自分の体重の4―10%の魚を食べるため、日本では漁師の敵として、駆除され、缶詰用の肉にされてもいます。映像では、トドが撃たれて海中に沈んでいたり、血まみれになって殺されている場面があり、参加者たちからため息がもれていました。

 藤田さんは、基調講演のあとのパネルディスカッションにも参加して、ダイバーから見た積丹の海の変化を報告しました。一度にたくさんの魚を獲る近代的な漁法がいかに海中の自然にダメージを与えているかを熱く語っていましたが、藤田さんがいま、もっとも心を痛めているのが、大きな熊手のような道具で海底をかいてナマコを獲る桁引きとよばれる漁法です。伝統的なナマコ漁は、かぎのついた長い棒で大きくなったナマコを狙って獲っていました。ですから、ナマコ以外の海の生き物には影響は少なかったのです。しかし、桁引き漁は海底の地形まで変えてしまうほどのダメージを与えるのだそうです。

 閉店近くにスーパーに行くと、売れ残った魚が店頭にたくさん並んでいます。たくさん魚を食べるからという理由でトドが殺されている半面、人間たちは大量に獲った魚の何分の1かを食べずに捨てています。

 たくさん魚介類が獲れて北海道の近海は豊かだと思い込んでいますが、どのような方法で魚が獲られて、その結果、海の生態系がどうなっているのかについて、あまり議論されることはありません。それだけに、持続的な漁業のありかたについて深く考えさせられました。

              

(編集グループ・川村史子)


息子の巣立つ日

2012年03月01日

 道内の公立高校は大半がきょう1日が卒業式。わが家の息子も学びやを巣立つ1人です。昨日は卒業式の予行練習の後、クラスのみんなでカラオケに行ったとか。15歳から18歳というかけがえのない3年間を一緒に過ごしたんですら。クラスメイトと別れがたい気持ち、よく分かります。

 自分も式に出席するという妻から昨日のうちに「車で送ってほしい」というリクエストがあったので、夜勤明けではありましたが、朝、起こしてもらって、車で2人を学校まで送っていきました。

 2人を下ろして家に帰る途中、つえをついた男性が、交差点の横断歩道のあたりで、渡るような渡らないような、不思議な動き。白いつえだったので、おそらく視力に障害のある人なのでしょう。

 ちょうど赤信号だったので、「なにか困っているのかなぁ」と気になって見ていると、杖をついた母親?の手を引いて横断歩道を渡ってきた中年の女性が男性に声を掛け、母親?を待たせておいて、男性の手を引きながら一緒に横断歩道を渡って行きました。こちらは車の中なので声もかけづらく、どうしようかと思っていたので、無事に歩道を渡っている様子を見てホッとしました。

 つえを頼りに足元を確認しながら歩く視力障害の人にとっては、雪や氷ででこぼこになってる雪国の冬道を歩くのは大変なのでしょうね。それでも、隣にいる人がちょっと手助けするだけで、障害のある人にとってぐっと暮らしやすい社会になるのかもしれません。

 息子は来月からわが家を離れて本州で新しい生活を始めます。困ったこともいっぱいあるでしょう。「生き馬の目を抜く」世知辛い世の中ですが、そんな中でも、困っている人を放っておけずに声をかけた女性のような人たちに出会い、支えられながら、なんとかやっていってくれれば、と思います。そしていずれ、困っている人を見かけたら手助けできる大人になってほしいと願っています。

<編集グループ・飯島>

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