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核のごみはどこへ(下)

2011年08月17日

原発を運転すると、使用済みの核燃料が残ります。燃料といっても、まきや石炭と違って、燃えて炎が出るわけではありません。原発では、ウランが核分裂反応をして、そこから膨大な熱が出ます。核分裂反応で使用後の核燃料には、多くの種類の放射性物質が含まれています。

 日本では、この使用済みの核燃料の処分方法について、

①まだ発電で使えるウランとプルトニウムを取り出して(再処理)、核燃料として再利用して、通常の原発で使う。つまり泊原発3号機で計画されている「プルサーマル」のこと。

②ウランとプルトニウムを取り出して残った、核分裂生成物などの高レベル放射性廃棄物を、ガラスの塊に閉じ込めて、地下深くに埋設する。

 幌延町で、実験・研究されているのは、②の部分です。

 全国交流会の2日目は、幌延町にある日本原子力研究開発機構(略称・原子力機構)の「深地層研究センター」を訪問しました。

 牧草地と原野が広がるのどかな風景の中に、突如、「深地層研究センター」の巨大な建物が見えてきます。

      


   <見渡す限りの牧草地と原野ですが…>

      

  <突然、巨大な建物が見えてきます>

「深地層研究センター」には、「ゆめ地創館」というPR施設があります。センターの研究目的のほか、原子力のエネルギーが生活にどのように役立っているか、原発の使用済み核燃料がどのように処分されるか、などを展示するパネルやPRビデオなどがあります。今回は、時間がなく、じっくりと見学できませんでした。原発のPR施設とよく似ているという印象でした。

 この「ゆめ地創館」に隣接して建設されている「地層処分実規模模擬施設」にも、地層処分のPR施設があります。同じ敷地にはありますが、運営主体は、別です。

 「ゆめ地創館」は、日本原子力研究開発機構が運営しますが、「地層処分実規模模擬施設」は、財団法人・原子力環境整備促進・資金管理センター(略称・原環センター)です。どうして原子力関連の団体や施設の名前は、長くて覚えにくいのでしょう。

 ところで、地層処分実規模模擬施設には、高レベル放射性廃棄物を閉じ込めるガラスの塊(いわゆるガラス固化体)や、そのガラス固化体を入れる巨大なドラム缶のような鋼鉄製の容器、その容器を保護する緩衝材などが展示されています。

   <展示物のひとつ。ガラス固化体を入れる鋼鉄製の管です>

 高レベルの放射性廃棄物は、何万年という気の遠くなるような年月、地下深くに埋設して、地表に放射能が出てこないように管理しなければなりません。まさにSFの世界の話のようです。

 しかし、地震で地下深くに作った処分場がダメージを受け、高レベル放射性廃棄物を閉じ込めた頑丈な容器が破損したり、長年、地下水にさらされて金属性の容器が腐食して、中から放射性物質が漏れ出る可能性もあります。

 全国交流会の参加者たちは、一生懸命に、容器や施設の耐久性について質問していました。

 そもそも、地層処分について周知したいのなら、幌延のように人口密集地から離れた場所よりも、首都圏や札幌にPRセンターを作った方が効果的なのではないでしょうか。

 

<日曜日の午後とあって、幌延町の市街地の人どおりは極めて少なかったのですが…>
     
 
  


 <町役場は、城のように、立派でした>

 北海道の高橋はるみ知事は、17日午後、北電の泊原発3号機の再開容認を正式表明しました。知事がどのような根拠で、3号機の安全が担保されていると判断したのか、明らかにされないまま、再開となりました。

 道民が原発の安全性やその必要性について、真っ向から議論する好機でしたが、知事や道庁幹部はその機会を生かそうとはしませんでした。そして以前とかわらず、安全の担保を国や北電にゆだねています。

 一方、幌延では、着々と、埋設処分の研究と実験を目的として、地下深くへと坑道が作られています。道民の安全や安心を求める声よりも、政府の意向が尊重されるような体制の中で、果たして、幌延に核のごみを持ち込ませないという道の条例が守られるのか、不安でなりません。

<KAMU>

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コメント

北欧の各廃棄物の処分場の番組を見ましたが 恐ろしいもんですね きっと人類はそのうち太陽へ向けて ロケットで廃棄物を打ち込むようになるかもしれません 星新一のショートショートのようです

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