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映像取材・おまけの話(動画はみんなと古里を結ぶ)

2011年07月20日

 「今年も取材してくれたんですね!」。知り合いの女性から弾んだ声でそう声をかけられました。なんのことか分からず、「えっ?」と思わず聞き返すと、「ほらほら、こないだ『どうしんウェブ』に載った、羽幌神社の神輿(みこし)行列の動画ニュースですよ」と教えてくれました。つい先日、共通の友人の結婚披露パーティーに出席したときのことです。

 羽幌神社のお祭りは、赤、青2頭の加賀獅子が激しく競いながらみこしに迫る「練合(ねりあい)」が一番の見せ場。大正時代からの歴史を誇る行事ですが、終戦後の混乱で中断してしまい、1974年に赤獅子だけが復活して獅子舞を続けていたそうです。

 それが近年、練合の伝統を復活させたい、という機運が高まり、羽幌町加賀獅子保存会が道具を集めるなど復活の準備。昨年、およそ60年ぶりに赤・青の獅子のそろい踏みが復活したのです。

 昨年の、復活第1回の記念すべき練合、現地の羽幌支局長がしっかり撮影して送ってきてくれました。高校生らしい若者もたくさん参加して、元気いっぱいです。町の伝統を復活させようという住民の取り組み、そしてなにより20人以上が入っているという全長10メートル近い獅子が疾走し、激しく身をくねらせる迫力いっぱいの映像に、私たちも「これはいい映像だ!」と大喜びで編集し、どうしんウェブで公開しました。

 獅子舞の動画は今年も届きました。それが知り合いの女性が言っていたこの動画ニュースです。

 彼女は30代半ばで、今は羽幌を離れ、札幌で働いていますが、お祭りのにぎやかな様子は古里の大切な思い出の一つだとか。そしてたまたま見つけたのが、昨年の練合復活を伝える道新動画ニュース。実は、2頭の獅子舞が復活する原動力になったのは、町内や近郊で働いている、彼女の同級生たちの世代だったんだそうです。

 動画ニュースのことは、すぐに仲のいい東京の友達に知らせ「そのうち一緒に里帰りして、生の獅子舞を見ようね」と約束したそうです。今年は友達のお腹に赤ちゃんがいて実現できなかったのですが、彼女、「近いうちに必ず実現します!」とうれしそうに話していました。

 私たち地方紙の記者が地方で撮影し、どうしんウェブで紹介している動画ニュースは、テレビが全国中継で伝えるようなニュースと比べるとニュースバリューとしてはささやかなものが多いかもしれません。でも、そのニュースがウェブを通じて日本中に、いや、世界に発信されると、生まれ育った土地を離れて働いている人たちと故郷とを結びつけるきずなとなることができる。私たちの動画ニュースが持つそんな力を、彼女の言葉は教えてくれました。

 地方が疲弊してきたと言われます。人口流出になかなか歯止めがかからず、地方都市の商店街は「シャッター街」などと言われています。それでも、まちを離れた人にとっても古里は永遠に古里。心ならずも職を得るために都会に出た人なら、古里への思いは逆に強いかもしれません。これからも、故郷に残って頑張っている人たちの姿を動画ニュースで取り上げ、離れた土地で故郷を思っている人たちに届けられれば、と願っています。

<編集グループ・飯島>

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