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礼儀正しい好青年 ハッシーからの手紙

2008年06月27日

第49期王位戦挑戦者決定戦は本当に大熱戦でした。新鋭・橋本崇載七段が羽生善治名人・王座・王将に全力でぶつかり、残念ながら敗れ去りました。

北海道新聞のインターネット中継を全国の多くのファンのみなさんが見てくださいました。北海道から上京したネット中継班も「やって本当によかった」という満足感でいっぱいです。

そんな興奮も一服した27日、一枚のはがきが北海道新聞メディア局に届きました。なにげに見ると、差出人の名は「日本将棋連盟 橋本崇載」とあるではないですか。えええーーーっ! そう、橋本七段から届いたはがきだったのです。

「日本将棋連盟の橋本です。先日の王位戦挑戦者決定戦では、遠路はるばるお越し頂いてのネット中継ご苦労さまでした」

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感謝状でした。ハッシー(親しみを込めて、そう呼ばせていただきます)は私たちのネット中継を喜んでくれていました。ちょっと挨拶しただけなのに。なんだか、とってもうれしくなりました。

ハッシーはネット中継のアクセス数がとても多かったことも知っていました。投了後のコメントを取り損なったのが気がかりだったのですが、手紙の中で潔く次のように述べています。

「結果は残念でしたが、相手が相手なのでしょうがないですね。力不足でした」

そう言いながら、また来年頑張るという決意も忘れていません。

そうだよ。ハッシー。私たちもハッシーがまた王位戦の頂点をめざしチャレンジしてくれることを待っているんだ。そして、全国のファンを熱狂させてほしいんだ。

橋本七段は北海道が大好きだそうです。

私たち北海道新聞メディア局のスタッフも全員ハッシーが大好きです。初めて会った時以上に好きになりました。あなたは誤解されることも多いけど、とってもいいよ。なにか普通の人にはない魅力があるんだ。

ハッシー。北海道に来たら、必ず私たちを訪ねてください。おいしい食べ物がいっぱいあります。ファイト、ハッシー。人生って、素晴らしい!

勝って忙しい羽生三冠

2008年06月19日

 第49期王位戦七番勝負への挑戦が決まった羽生善治名人・王座・王将。

 喜びにひたる余裕もなく、今度は取材が続いています。

 将棋が終わったのは午後6時50分。すぐ、橋本崇載七段との感想戦が約40分続きました。これは対局を振り返って、お互いに研究しようというものです。

 その後、主催者である北海道新聞を含む新聞三社連合(今日は西日本新聞の記者が担当しました)が入りました。続いて、NHKの将棋番組のインタビュー取材が入りました。そして、三社連合の特集ページ用の取材、最後に王位戦に関するエピソード取材が入ったのです。

 あまりに忙しすぎるので、なかなか羽生さんをつかまえることができないため、こうした機会に一気に取材が入ってしまうようです。

羽生さん多忙

 羽生さん、お疲れさまでした。
 7月14日からは網走で第1局です。北海道でお待ちしております。

【挑戦者決定戦】 80手目△95角

2008年06月19日

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▲89銀が決め手といわれる。以下△87歩成▲95香△78と▲73銀。

【挑戦者決定戦】 68手目△62飛

2008年06月19日

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▲75歩△73桂▲56銀に△75角以下の銀損が最善の粘りといわれている。

【挑戦者決定戦】67手目▲77桂

2008年06月19日

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△62飛には▲75歩が巧手で先手優勢とのことです。

【挑戦者決定戦】 65手目▲76歩

2008年06月19日

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△84角▲77桂は先手好調。なにかなければ後手が苦しそう。

【挑戦者決定戦】 64手目△74歩

2008年06月19日

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▲47馬の局面は後手を持ちたい人がいなくなった。橋本七段の指し手は△74歩。角にヒモをつけました。
▲76歩を検討中。

【挑戦者決定戦】61手目▲65歩 その3

2008年06月19日

△74同歩に▲47馬が好手で、やはり難しいとのことです。

【挑戦者決定戦】61手目▲65歩 その2

2008年06月19日

△同歩▲同銀△74銀▲同銀△同歩。これは後手の方を持ちたい感じ。と渡辺竜王と鈴木八段。98銀が使えていない。
どうやら形勢混沌のようです。

【挑戦者決定戦】61手目▲65歩

2008年06月19日

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△同歩▲同銀△64歩なら▲85馬から▲76銀で大成功。

【挑戦者決定戦】60手目△85銀まで

2008年06月19日

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中原十六世名人に聞きました。形勢はどうですか。
先手の方が少し・・・(良さそうです)

<将棋会館の1階は将棋グッズでグー>

2008年06月19日

 東京・千駄ヶ谷にある将棋会館。日本将棋連盟の本拠です。
  
 この1階には売店があります。最新の将棋雑誌や専門誌、あるいは棋士が書いた定跡や戦法の研究書がずらりと並んでいます。そして、名人(といっても職人さんですが)がつくった素晴らしい将棋の駒も当然ながらあります。
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 定番は扇子と色紙。棋士の好きな言葉のセンスがわかります。
 
 面白いのは棋士の携帯ストラップや手ぬぐい、「王将」せっけんや栓抜き、定規などもあります。バラエティに富んでいます。お値打ち品というか、ディスカウントものもあって、大人買いしたくなる衝動を抑えなくてはなりません。
 
 会館の2階には将棋道場もあって、将棋少年らが腕を磨いています。プロ棋士たちの対局が行われる場所ですが、普及や広報のセンターでもあるのです。

【挑戦者決定戦】53手目▲58馬まで

2008年06月19日

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▲67金△6五歩▲76歩△同銀▲同金△5七角成。これが意外に難しい。▲47馬も▲48玉も検討されましたが、結論は出ず。
羽生三冠の選択は馬引きでした。検討されていなかった手です。

【挑戦者決定戦】52手目△75角まで

2008年06月19日

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▲58金△87歩▲79銀△95歩は後手が良さそう。
▲67金が有力か。

勝又六段が参加しました。

【挑戦者決定戦】控え室の光景 検討も本気モード

2008年06月19日

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 島朗九段が午後一番にさっそうと登場。指し手をびしばしと予想して、そこはこうね、ピタリと当て、じゃあね、と風のように格好よく消えていったのでした。

 その後は先崎学八段も姿を見せました。もっぱら、名人戦の検討や連載コラムの構想を練っています。(時々です。念のため)。だんだん本局にも気合いが入ってきています。

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 渡辺明竜王。ブログで北海道新聞の速報ホームページを紹介してくれた恩人です。竜王ブログで本ページを知った将棋ファンも多いはずです。新聞三社連合の観戦記者が甘納豆をおやつに食べていると、「初めて見ました」とのこと。勧められて、一粒いただき、「うーむ。豆ですね」と初体験のお答え。正解です。
 
 そのほか、いろいろな方が出入りしていますが、北海道から出てきた人間には「あの人はだれ?」という瞬間もしばしば。汗~~。

【挑戦者決定戦】46手目△85銀まで

2008年06月19日

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▲65歩△同歩▲同銀△75角▲58金△87歩。これは後手も悪くはなさそう。単に▲58金がいいのかも。控室の検討陣。

【挑戦者決定戦】45手目▲36角成まで

2008年06月19日

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△85銀▲65歩△同歩▲同銀。これは先手が悪くはない。と先崎八段。

この将棋、後手を持って羽生さんは途中まで経験があります。そして負けている。と渡辺竜王。

【挑戦者決定戦】43手目▲6三角まで

2008年06月19日

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島九段の丸当たりです。以下△85銀▲36角成△74銀と予想されてます。

【挑戦者決定戦】38手目△33銀まで

2008年06月19日

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▲86歩△75角▲77歩△86角▲63角でどうか。と島九段。

【挑戦者決定戦】対局再開

2008年06月19日

島九段・佐々木五段によれば△95歩▲同歩△97歩に、▲同銀△87銀成は意外に先手難しい。△97歩に▲77歩で先手が良さそう。
引きにくいが△85銀ではないか。△33銀でした。

トロロせいろ来ました

2008年06月19日

 キツネの後に、トロロが来ました。 

 とろろの中には元気なタマゴが入っています。
 そばもボリューム感あります。

 しかし、控え室では、橋本七段派が優勢でした。
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冷やしキツネ来ました

2008年06月19日

 橋本七段の頼んだお昼の食事が来ました。

 ボリューム感たっぷ~り。
 炭水化物がいっぱい。
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【挑戦者決定戦】37手目▲66歩まで

2008年06月19日

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先手の狙いは▲86歩△同飛▲77歩△85銀▲87銀。

ここでの△95歩▲同歩△97歩は考えられるが、やや無理っぽい。単に△85銀と引くのでしょうか。ご指摘を受け棋譜を訂正しました。

近藤六段に聞きました。どちらを持ちたいですか。
「どちらも持ちたくないです。中飛車以外は持ちたくない」控え室に笑い声が起きました。

【挑戦者決定戦】35手目▲56銀まで

2008年06月19日

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気合なのかわずかな考慮で▲15歩と突き越しました。持久戦になれば先手の成功。
ですから後手は△6五銀と攻めにでました。△76銀まで、次は端攻めが狙いになりそうです。△95歩▲同歩△97歩。
それは怖くないと▲56銀でした。▲97同銀△87銀成▲85歩△同飛▲96銀。これは後手の失敗。

本日のお昼ごはん

2008年06月19日

 午前10時45分、塾生の方が各対局室をまわり、お昼ごはんの注文を取っていました。

 両対局者のきょうのお昼です。千駄ヶ谷のお店の出前です。

 橋本七段 冷やしキツネうどん 700円
        おにぎり2個     300円

 羽生名人 トロロせいろそば   800円

 ちなみに、橋本七段のおにぎりの具はおまかせ。
 さらに、水2リットルもリクエストされました。

 実物の写真は後刻アップ予定。
 下は、お金を支払う橋本七段です。

橋本七段お支払い

【挑戦者決定戦】28手目△54銀

2008年06月19日

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結局は飛車先交換腰掛銀に落ち着くのかと思われましたが、▲16歩に考慮中。普通に△14歩と受けるのなら時間はかけないはず。
受けずに△54銀でした。後手番ながら先攻を狙っているようです。

【挑戦者決定戦】16手目△3四歩まで

2008年06月19日

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△94歩から△72銀と趣向を凝らした立ち上がり。何か秘策がありそうです。
例えば▲76歩に△86歩▲同歩△同飛▲87歩△76飛として、角交換から▲82角には△93香と逃げられる。

【挑戦者決定戦】対局開始

2008年06月19日

紅リーグを5戦全勝。名人位を獲得した羽生三冠、貫禄の決定戦進出。現在棋聖にも挑戦中、四冠、五冠をも目指す。

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初戦で渡辺竜王に快勝、白リーグの台風の目となった橋本七段。島九段に破れたものの、丸山九段との最終同星決戦を制して決定戦進出。ひのき舞台へ後一歩。

記録係りの杉本和陽(かずお)二段は米長門下の16歳。
振り駒の結果は歩が4枚。羽生三冠の▲2六歩で対局が開始しました。

朝から午後の紅茶

2008年06月19日

 橋本崇載七段は大きなバッグを手にやってきました。

 取り出したのは、午後の紅茶。どうやら、レモンティーのようです。

 羽生善治名人・王座・王将が初手、2六歩を指す間に、コップに移しかえて、ゴクリ。

 周りには、箱入りマイティッシュ、グレープフルーツジュースも並んでいます。

 写真は対局開始前に、駒を並べる二人です。
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橋本七段、午前9時40分に到着

2008年06月19日

 黒っぽい背広に、茶髪にメッシュを入れた髪型で、橋本七段が姿を見せました。

 そこで、ネット速報班の独占のコメントをいただきました。

 「今日の対局の抱負をください」

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 「ええっ、何も考えていませんよ。勝った後なら、しゃべろうと思ってましたが」

 やる気まんまん。

高まる決戦ムード

2008年06月19日

将棋会館の対局室の前。

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 掲示板に本日の挑戦者決定戦の表示が出ました。一部、手書きというのがうれしいような悲しいような。

決戦の朝、道産子にはなまら蒸し暑いっしょ

2008年06月19日

 さあ、ついに決戦の朝が明けました。

 東京管区気象台の予報によると、19日の東京は曇りの天気、最高気温は25度が予想されています。しかし、午前9時現在の視認状況では薄雲が広がっていますが、明るい太陽が顔をのぞかせ青空も見えます。ただ、北海道からの上京組には蒸し暑く、少し歩くと汗がにじんできます。

 将棋会館は渋谷区千駄ヶ谷にあります。その最寄りのJR線千駄ヶ谷駅の中央ホームに将棋の駒の形の水飲み場がありました。モニュメントの大駒には「王将」と彫り込まれ、「15世名人 大山康晴書」の文字が添えられていました。

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 暑さのために、水を飲もうかとも思いましたが、名人水を飲むのはなんだかもったいなくて、写真を撮るだけにしました。

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 午前9時前から対局室や控え室で速報のための最終点検をおこなっています。鯖を落とすな、との声援をいただいているそうですが、さて。

ネット速報班、将棋連盟に到着その2

2008年06月18日

 日本将棋連盟では事務室に行くと、渉外・事業担当理事の青野照市九段がいらっしゃいましたので挨拶です。青野さんとはもう10数年来のおつきあいです。将棋関係の原稿を北海道新聞に書いてもらっていますが、いろいろお世話になっています。渉外手合課は青野さんの担当だそうで、心強くなりました。

 挑戦者決定戦の行われる特別対局室は4階にあります。そこを下見して機材をセットします

 準備作業現場に青野さんもいらっしゃったので、一息入れてお話をうかがいました。今朝、天童から戻られたそうです。羽生善治新名人の様子を聞くと、「さすがに疲れていましたよ」とのこと。この挑戦者決定戦の後には、棋聖戦のタイトル戦が休みなく続きます。「羽生さんは将棋に専念しているから体がもちますが、節制しないと大変です」

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 渉外担当の青野さんは明日も対局を見てくださるようですが、目下の最大の仕事は将棋の普及拡大と企業や自治体、マスコミなどとの折衝です。「よほどおかしいものでない限り、どんどん新しい試みをやっていいと思っているんです」とのこと。
 
 天童帰りということもあるせいか、「人間将棋で女流タイトル戦をやれないか」なんてアイデアも出たそうです。公開対局への拒否反応は今はなくなっているそうで、「王位戦七番勝負も2日目午後からは公開なんて、いいんじゃないですか」と提案されてしまいました。各社、事業担当さん、いかがでしょうか。
 
 確かに、羽生さんと橋本崇載七段の公開対局なんて面白いかもしれません。

 日本将棋連盟の公式ホームページに王位戦挑戦者決定戦のネット速報のリンクが出ていません。IT担当さんにご挨拶のついでに、よろしく、とお願いしました。念のため。

ネット速報班、将棋連盟に到着その1

2008年06月18日

 北海道新聞メディア局のインターネット速報班は18日午後、無事、東京に到着しました。渋谷区千駄ヶ谷の日本将棋連盟の入っている将棋会館には同日3時半集合です。

 鳩森八幡神社の横を歩いて、将棋会館の前に来ると、北海道出身(稚内市、今は実家は移ったそうです)の女流棋士、中井広恵さん(女流六段)にバッタリと出会いました。「一枚いいですか」とお願いして、写真を撮らせてもらいました。

 「今日は何ですか?」というので、「明日、王位戦の挑戦者決定戦なんです」と答えると、「ああ、もうそんな時期なんだ」と驚かれてしまいました。

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 「忙しいですか」と聞くと、「ええ、ものすごく」という返事でした。中井さんは日本将棋連盟から分かれて、日本女子プロ将棋協会(LPSA)という新団体のトップとして活動もしています。
  
 「今年は北海道でもいろいろイベントがあるので、結構お邪魔しますよ」とのこと。札幌以外にも旭川や帯広などにも来られているようです。将棋と団体の仕事の二足のわらじですが、がんばってください。
 

羽生さんの新たな決意を示した名人戦

2008年06月18日

 羽生さんの名人位奪取-第19世永世名人獲得となった第66期名人戦。それは羽生さんの新たな決意を示した戦いでもあったように思われます。

羽生善治二冠と森内俊之名人の第6局の棋譜を見ながら、例によって並べてみました。

 羽生さんは2筋からの森内陣への切り込みを始め積極的に攻めているのが印象的です。一方、森内さんは8二飛や9二角といった大胆な狙い手を繰り出します。お互いの名刀が相手に肉切らせ骨を切るように刻まれます。

 対局中の羽生さんは少し蒼白く見えていましたが、白刃舞う決戦場では緊張の糸が途切れるはずがありません。
 
 105手という比較的短い手数で先手番の羽生さんが勝利しました。普通は120手くらいの将棋が多いと思うのですが、羽生さんの5三桂成からの森内玉に迫る攻撃はまぎれもなく、凄みすら感じさせました。
 
 長年にわたり将棋界の発展に貢献し、名人戦を支えてきた主催社の毎日新聞は社会面トップで羽生さんの快挙の表情を伝えています。それによれば、「棋士人生は長く、マラソンみたいなもの。走り続ける姿勢が大事だと思います」と羽生さんが語っています。
 
 羽生さんは言うまでもなく希代の天才棋士です。1989年、19歳で竜王を奪取した早熟にしてある完成された世界観を持っていました。95年に初めて7大タイトル全冠制覇に挑みますが、尊敬するライバルの谷川浩司さんに敗れます。しかし、翌96年、ついにその谷川さんを破り7冠王となります。
 
 この時、忘れてはならないのは、谷川さんという揺るぎなき存在です。マスコミの異常なフィーバーの中でも決して時勢に阿ることなく、谷川さんは自らの将棋能力に従って粛々と若い天才と戦い抜き、敗れたのでした。その潔さは際立っていました。羽生さんは谷川さんという本当に優れた先輩に巡り会って良かったな、と思ったものです。

 その羽生さんが永世名人の資格を獲得して、「棋士人生はマラソン」と言うのです。感動するばかりです。心配なのは20代の若さは今はなく、30代、さらには40代に向かう中でハードスケージュールが続くだけに健康管理だけです。
 
 羽生善治、37歳。天才が新たなステージに立ったことは間違いありません。 

名人位奪取 おめでとう! 羽生さん

2008年06月17日

 ついに羽生さんがやりました。北海道新聞のホームページの文化・芸能ニュース欄には次のように記されています。
 
 <将棋の森内俊之名人に羽生善治2冠(王座・王将)が挑戦していた第66期名人戦7番勝負の第6局は、16日から山形県天童市の天童ホテルで行われ、17日午後8時10分、先手の羽生が105手で勝ち、4勝2敗で5期ぶりに名人位に返り咲いた。羽生はこれで通算5期獲得となり、永世名人(19世名人)の称号を獲得した。>

 今期の羽生さんの勢いからすると、名人位がぐぐぐと引き寄せられていた印象でした。第6局の羽生さんの表情を見ても、一意専心、俗世間を離れ、将棋に打ち込んでいる感じが伝わっていました。

 現在の実力制名人戦は1935年にスタートしました。そこで永世名人の資格を獲得したのは木村義雄、大山康晴、中原誠、谷川浩司、そして森内俊之さんに続いて6人目となります。名人位には羽生さんが先に就いていたのに、永世名人は森内さんに先んじられました。前人未踏の七冠を制した「最強」の羽生さんが永世名人を名乗れないのは不自然だっただけに、本当に良かったと思います。
 
 王位戦だけでのおつきあいですが、将棋の普及のため、身を粉にしてどこにでも出かける姿を何度も間近で見てきました。北の果て、そして東の果てへ。環境が良くないこともありましたが、不快を漏らすこともなく、変わらぬ礼儀正しさと謙虚さで、ファンや関係者に接してくださりました。羽生さんの快挙が将棋界の発展への大きな推進力になることは間違いありません。
 
 19日の王位戦挑戦者決定戦は羽生新名人の最初の対局となります。新名人がどんな将棋を指すか、ますます全国のファンの関心は高まります。その最初の相手となる橋本崇載七段には持てる最大の力を発揮してもらわなければなりません。
 
 とにもかくにも、羽生さん、本当におめでとうございました。

期待できそう! 素晴らしい挑戦者決定戦

2008年06月17日

 羽生善治二冠と橋本崇載七段の対局は2004年12月27日に行われた第54回NHK杯争奪戦本戦の一回のみです。

 この時は先手の羽生二冠が159手までで勝っています。橋本七段の奇抜なファッションに注目が集まりましたが、将棋のほうはどうだったのか。わかりませんでした。そこで。

 探してみると、ひょんなことから棋譜を入手できました。並べるだけの素人ですが、実際に指し手どおりやってみました。

 びっくりしました。すごい、大熱戦です。

 先手の羽生さんが▼2六歩と初手を指すと、橋本さんは3四歩で応じて動き出しました。双方、一歩も譲らず駒組みを進めます。そして、穴熊に囲います。48手目に角を交換するのですが、その当たりからお互いの仕掛けが激しくなります。飛車(龍)角(馬)の大駒が乱れ飛ぶのですが、そのころから羽生さんの馬がよく走って、駒得になったように見えます。
 
 9一に置かれた橋本玉は羽生馬の猛攻にさらされ、ギブアップモードとなります。しかし、首の皮一枚で耐えて、ねばり強く反攻を試みます。ボクシングで言うと、羽生さんが打ちまくっているのに対して、橋本さんは相手のパンチミスを待ってカウンターを狙っているようです。トリプルクロスカウンターが出るか?
 
 それでも、全く動じないのが羽生さんです。手を変え品を替え、敵陣をほんろうし、159手で陥落させたのでした。並べ終わって、疲れるなあ、でも、すごいなあ、という感想が洩れる戦いぶりでした。
 
 一度あることは二度あるかどうかは分かりませんが、この強烈な将棋は両者に脳細胞の中に、しっかりと刻印されていることでしょう。
 
 将棋ファンのみなさんから、「道新のネット中継と速報を楽しみにしているよ」という声援をいただいています。プロの棋士の方のブログでも注目して取り上げていただいていると聞きました。ありがとうございます。羽生さんと橋本さんの二人は、その大きな力に動かされて、会心の戦いを繰り広げてくれることは間違いありません。
 
 あしたの上京へ、札幌組の準備は順調です。ご期待ください。
 

羽生奪取なるか 16日から名人戦第6局

2008年06月16日

 さて、16、17日は第66期名人戦七番勝負の第6局が指されます。開催地は将棋のまち・山形県天童市の天童ホテルが会場です。

 これまで、森内俊之名人の2勝に対し、羽生善治二冠3勝で、羽生二冠が名人位に王手をかけています。羽生さんがこの第6局でタイトル奪取なるのか、森内さんが踏ん張って最終第7局にもつれ込むのか。両雄まさに正念場です。

 名人戦での両者は1996年に羽生4-1森内、2003年羽生4-0森内、04年森内4-2羽生、05年森内4-3羽生と、タイトル戦に限っては完全に互角です。

 ただ、近年は森内さんが名人戦に全力を傾注。羽生さんに敗れた03年を除き4連覇、通算5期就位を果たしているのに対し、羽生さんは複数タイトルを保持しているものの名人戦では苦しんでいるのがわかります。

 それだけに、優勢に戦いを進めている今期は羽生さんには絶好のチャンス。タイトルを奪取すれば、羽生さんもまた通算5期の名人就位=永世名人の資格を得るという「最強棋士」にふさわしい偉業を成し遂げるので、その勝負執念は大変なものと推測されます。

 天童での第6局が死闘になれば、羽生さんの疲労は極限に達しているかもしれません。とすれば、東京での19日の王位戦挑戦者決定戦は橋本崇載七段に有利な状況となるかもしれません。

 橋本七段にとって、名人位奪取の羽生さんと戦うがいいか、第7局を残した羽生さんと戦うのとどちらがいいのか。微妙なところですね。

 興行的に言えば、名人位奪取の羽生さんの初戦となるほうが王位戦挑戦者決定戦の注目度は増します。橋本さんもそのほうが闘志が湧くような気がします。もっとも、羽生さんが敗れた場合、26、27日に名人戦第7局が行われます。その副立会人の一人が橋本さんというのも因縁です。

 名人戦は持ち時間各9時間の2日制ですので、終局は17日夜の見通しです。

橋本七段秘話3・ 人間将棋 武将姿で大活躍 

2008年06月13日

 橋本崇載七段のエピソードその3です。
 
 北海道新聞のバックナンバーを調べてみると、2008年4月に「山形・天童の『人間将棋』 寡黙な棋士も冗舌に」という記事がありました。文化部の藤谷洋記者の署名記事です。

 これは4月20日に行われた将棋のまち・天童市の名物行事に、片上大輔五段とともに橋本崇載七段が参加していたのをリポートしたものです。ちなみに大盤解説は、わが北海道札幌市出身の異才!屋敷伸之九段が担当していた。
 
 橋本七段は後手を持ち、武将姿で、マイクで指し手を告げています。その時の様子を藤谷記者は次のように書いています。
  
 <「これは見落としたでござる」。相手の指し手を見て、武者言葉でぼやいたのが橋本七段だ。
 大盤解説の屋敷伸之九段(札幌出身)も「これは本当に見落としたんでしょう」と苦笑い。普段はポーカーフェースで通さねば相手につけ込まれてしまうのが将棋だが、こんな言葉も思わず飛び出し、観客も沸く。人間将棋ならではの醍醐味(だいごみ)と言えようか。>
 
 <相手の私生活を尋ねて動揺させるなどの話術で勝利を引き寄せる巧者ぶりを見せ、会場を沸かせたのは橋本崇載七段。「二転三転した将棋で、みなさんも楽しめたと思う」とにっこり。>
 
 どうやら、橋本七段は勝ったようですが、見落としをしたり、巧妙なマイクプレーで相手を追い込んだり、本当の対局とはひと味もふた味も違う世界を演出したようです。楽しそうです。
 
 ちなみに写真を見ると、武者姿、お茶目で、なかなか似合っていました。

橋本七段秘話2・ 電脳対局で「人間敗北」寸前

2008年06月13日

 橋本崇載七段のエピソードその2です。

 2005年9月18日、ところは橋本七段の地元、石川県小松市。ここで橋本七段(当時は五段でしたので、以下は五段の肩書きにします)は風変わりな対局をしていました。

 対する相手は羽生さんならぬコンピューター。それもただものではない。北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)の飯田弘之教授らが開発した「タコス」。
 
 タコスはその年、台湾で行われた第10回コンピューターオリンピックの将棋部門で優勝したという強者。いわば、世界トップクラスの実力を持つ将棋プログラムを組み込んだコンピューター様だったのです。
 
 勝負はハンディキャップなしの平手戦です。互角の展開で進み、終盤まではコンピューター有利の様相となり、電脳が橋本五段人間を倒すまで、あと一歩のところまで迫りました。

 最後は踏ん張った橋本五段の勝利となりました。しかし、その激闘を振り返り、橋本五段は「一時は『人間敗北』という見出しが頭をよぎった」と、語ったと言います。
 
 当時の新聞には「コンピューターと対局、難しい局面に頭を悩ませる橋本崇載五段(右)」といった説明のついた写真が掲載されています。
 
 ちなみに、この際どい対局が話題(波紋?)を呼び、日本将棋連盟は棋士・女流棋士全員に連盟の許可なくコンピューター将棋ソフトとの公開対局を行うことを禁止する通達を出した、と言われています。
 
 でも、「人間敗北」なんて見出しを考えつくハッシーは素敵じゃありませんか。
 

橋本七段秘話1・衝撃のNHK杯 お茶の間くぎ付け

2008年06月13日

 知っているようで知らない橋本崇載七段の真実に迫るため、今回からいくつかのエピソードを紹介。王位戦挑戦者決定戦を盛り上げていきます。
 
 別に愛称「ハッシー」の橋本七段を応援しているわけではなく、橋本七段が羽生善治二冠に比べると圧倒的に情報露出が少ないのを補うためです。
 

 橋本七段と羽生二冠の唯一の対局は2004年12月27日に行われた第54回NHK杯争奪戦の本戦です。橋本さんは当時四段。羽生さんは王位・王座の二冠でした。この勝負は四間飛車で戦われ、羽生二冠が159手で勝っています。
 
 テレビ放映は2005年1月23日に行われたようですが、その時の映像がインターネットのホームページのあちこちに張られ、今も残っています。衝撃的でした。
 
 なにしろ金髪です。ビジュアル系です。もっとも、過去には「金髪パンチパーマに紫シャツ」というシュールなスタイルで登場したこともあるのですから、このときは相手がタイトルホルダーの羽生さんだけに少し抑えたのかもしれません。
 
 これがきっかけで、若者たちに「ハッシー」人気が起きたというのですから、世の中何がいいのか悪いのか、わかりません。別の対局中には、たびたびカメラ目線をすることもあり、そうした仕草への期待がファンの注目を集め、橋本七段はテレビ将棋の視聴率男となったのです。
 
 もし、羽生さんを破っていれば、橋本七段は「下克上男」か「反逆のカリスマ」になっていたかもしれないと考えると、ワクワクします。
 
 それから4年。竜王戦や順位戦などで橋本七段は着実に前に進んできました。そして、その躍進の大きな分水嶺となる一戦こそが、19日の王位戦挑戦者決定戦なのです。期待が募ります。

見逃せない! 羽生善治vs橋本崇載戦

2008年06月12日

羽生善治王座・王将の大活躍で今年も将棋界は盛り上がっています。

7月14日からは、北海道新聞、中日新聞、東京新聞、西日本新聞、神戸新聞、徳島新聞が主催する第49期王位戦七番勝負が、いよいよ始まります。

それを前に、深浦康市王位との対戦相手を決める挑戦者決定戦が6月19日(木)に東京・渋谷区千駄ヶ谷の将棋会館で行われます。

北海道新聞は昨年、神奈川県秦野市鶴巻温泉の「陣屋」で行われた第48期王位戦第7局を担当。羽生王位と挑戦者・深浦康市八段の死闘をインターネット速報しました。まれに見る好一番は深浦新王位誕生というビックニュースとなりました。このネット中継は、幸いにも多くのユーザーの支持を得ました。

今回の挑戦者決定戦は前哨戦ではありますが、特別にインターネット速報をすることにしました。夏のメーンイベントである王位戦七番勝負を大いに盛り上げたいという狙いもありますが、対局者が羽生二冠と橋本崇載七段という顔合わせということも大きな要素です。

タイトル戦以外を速報するのは、北海道新聞としても初めての試みです。舞台裏を言いますと、ふだん札幌で仕事をしているメディア局員が東京まで出て行くのですから、ちょっとした大仕事です。なんとかファンのみなさんに喜んでいただける速報になるよう準備の真っ最中です。ご期待ください。

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 電子メディア局に在籍する「不特定多数」「老若男女」のメンバーで構成しています。他のブロガーのみなさんに比べると北海道の「通」とは言えませんが、曲がりなりにも北海道の最新情報を日々発信する職場から、何かしら皆さんのお役に立てればと思っております。

※イラストは道新グループの会員組織「道新ぶんぶんクラブ」のキャラクター「ぶんちゃん」 です。




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