突然ですが、ドキュメンタリー映画の上映会のお知らせです。
「こつなぎ---山を巡る百年物語」。岩手県の山村で、山の入会権を巡る60年にわたる農民たちの裁判を記録し続けた作品です。
映画の舞台となる小繋(こつなぎ)は、盛岡市から北へ50キロ、青森との県境に近い山間の小さな集落です。山がちで耕地に恵まれない集落では、江戸時代の昔から、農民たちは、近くの小繋山に自由に立ち入り、生活に必要な薪炭材や、山菜や木の実などの食料をとっていました。小繋山は、農民たちの生活を支える入会地(いりあいち)、そこに住む人たちの共有の土地でした。
1915年(大正4年)、集落に火事が発生。集落のほぼ全戸が焼失します。農民たちは、集落を再建するために、小繋山に入り、木材を伐採します。しかし、そのとき小繋山を所有していた県外在住の地主は、住民たちの山への立ち入りを禁止します。
その闘争の中で、地主に従う賛成派と地主から独立の立場をとる反対派に二分し、地主は賛成派だけに入山許可を与えます。火事から2年後の1917年、反対派の農民たちは「山に入れなければ、生きていけない」と、「入会権確認」の民事訴訟を提訴します。これが「小繋事件」の始まりです。反対派の農民の担当弁護士が、戦前、「人権派弁護士」といわれた布施辰治です。
この事件は、戦後の1966年(昭和41年)の第三次最高裁判決まで、法廷での争いが続きます。
小繋事件から少しそれますが、この布施辰治の生誕130年を記念するドキュメンタリー映画の上映会が今月27日午後6時30分から、札幌市中央区の札幌市教育文化会館で開かれます。料金は1000円。問い合わせ・主催は、自由法曹団北海道支部(電話011・231・1888)です。
再び「こつなぎ」に話を戻します。1960年代から、この事件を追いかけ、農民たちのインタビューや日々の生活を記録してきたのが、カメラマンの菊地周、写真家の川島浩、ドキュメンタリー作家の篠崎五六の三人のジャーナリストたち。その1人、菊地さんは映画の制作を構想しながらも、2002年に病没します。この意志を継いで、菊地さんの妻の文代さんがプロデューサーとして企画、中村一夫監督が膨大な記録をもとに、ドキュメンタリー映画にまとめました。
北海道や日本各地の美しい水源の森が、知らぬうちに、中国など海外資本に買い取られているというニュースが報じられています。木材の価格が下がる中、高額な相続税を払うため、先祖代々守ってきた山林を手放し、それがブローカーに転売され、海外のお金持ちの手に渡るケースも多いようです。
そもそも森や海、川などの自然はだれのものなのでしょうか。お金で土地を買い取った人のものなのでしょうか。所有権を買い取った人が自由に山林の木材を伐採したり、また山林に立ち入らせないようにできるものなのでしょうか。それは、国や都道府県が所有・管理する森や海岸、河川にもあてはまることです。
映画「こつなぎ---山を巡る百年物語」の札幌上映会は2月5日と8日の2回。5日は午後7時から、札幌エルプラザ4階(札幌市北区北8西3)。鑑賞券は前売り500円、当日1000円。
8日は午後6時30分から、「フェアトレード雑貨&レストランみんたる」(札幌市北区北14西3、電話011・756・3600)で。前売り1000円、当日1500円。前売り券は、両会場分とも、みんたるで販売しています。
主催は、Sapporo「こつなぎ」上映実行委員会、北の里山の会・ハーモニスト。問い合わせは、後藤さん電話011・685・1320へ。
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