父の形見のカメラ 春の羊蹄山に連れ出し

2017年05月27日

 5月3日、羊蹄山に写真を撮りに出かけたことを、前回のこのブログに書きましたが、GW明けの北海道新聞に、こんな記事が掲載されました。

「写ルンです」人気再燃 道内でも販売好調 (道新電子版 2017年5月10日)

 アナログレコードと同じように、フイルムカメラのレトロ感が若者に流行しているようです。おじさんも負けてはいられないと思い、父の形見のキャノンEFで羊蹄山を撮影しようと思い立ちました。

父の形見・42年前のカメラで網走を写す (道新スタッフブログ 2015年4月29日)

 父の形見は、今でもカメラとしては機能しますが、さすがに44年が経過し、レンズの絞り羽根が動かなくなったりと、ガタが出てきているので、今回はフィルム装填はしないことにしました。フィルム撮影はできずとも、最高の被写体の前に連れ出し、自慢の機械式シャッターを切ってあげるだけで、きっと親父の形見は喜んでくれることでしょう。


▼5月20日、キャノンEFを連れ出し、前回のブログの場所に行きカメラを構えました。前回の撮影から約2週間、手前の牧場はすっかり新緑に覆われ、羊蹄山の雪渓も小さくなっています。

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▼ファインダーで羊蹄山にピントを合わせます。レンズのフォーカスリングをゆっくり回転させていくと、「スプリット」という中心の円に、雪渓の細部がくっきりと像を結んでいきます。この手動のピント合わせこそが、今のカメラでは決して味わうことができないレトロな感覚です。同時にファインダーの隅々まで目を凝らし、フレーミング(構図)を決めていきます。右の目盛りの露出計で明るさが測定でき、下側がシャッター速度表示です。44年前の当時のカメラとしては最先端の機能。昔のカメラファンには、たまらなく懐かしいことでしょう。

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▼フィルムを通していないので、フィルムカバーを開けてシャッターを解放にして、レンズが結ぶ羊蹄山を直接見ることができます。

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▼原理的には「人間の目の水晶体と網膜」と同じで、上下左右が逆像でフィルムに感光されます。上下に2本づつ平行に「フィルムが走る銀のレール」も確認できます。

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 ◆


▼帰り道、私が今愛用しているコンパクトデジカメ(キャノン PowerShot SX130)で、羊蹄山のスナップを撮影しました。今回の撮影で、一番のお気に入りです。程よい残雪で少しモヤがかかった羊蹄山。手前の古い小屋の存在や、その間の畑や木々も含め、写真全体に人間味や土着感が出ていて、春の雰囲気を醸し出しています。

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▲若い頃は、フィルムが高価でもったいなく、こういうスナップ的な写真は決して撮影しませんでした。デジタル時代になり自由度が増え、写真の好みは昔とずいぶん変わってきました。今度この写真を大きくプリントして、自宅のリビングの「24年前の羊蹄山」の隣に飾っておこうと思います。こうして並べると、やっぱり羊蹄山の雄姿は変わっていませんね。▼

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 今回2度にわたり羊蹄山に出向き、このブログを書きながら、わかったことがあります。それは『昔も今も変わらず、自分は写真が好き』という極めて単純な事実です。好きなことを続けられるのは、それだけで、じゅうぶん幸せなんだと、この年齢になってやっと気付きました。

(文と写真=電子メディア局・編集グループ・立花幹彦)

 

※希望するかたに本ブログ掲載写真を無償でお分けします。 mtatibana@yahoo.co.jp にメールをください。メールでご返信いたします。メールの件名は「道新ブログ 羊蹄山の写真希望」としていただきますよう、お願いします。営利目的ではなく写真を趣味にしている個人・団体が対象です。ブログの感想もお忘れなく。

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