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山口香氏の女子柔道監督を待望する

2013年02月28日

 女子柔道15選手の告発から始まった、柔道改革の動きは、「各競技連盟の人事には口を出さない」と腰を上げようとしなかったJOCの姿勢を非難する大きな流れとなり、国際柔道連盟が全日本柔道連盟に対し非難声明をだし、国際的な問題となりました。
 私は当初、JOCが動かなかったことに対し、JOC理事の中にいる山口香氏と、橋本聖子氏はどういう意思を表明したのか、釈然としませんでした。
 山口香氏とは、一度ある会合でお会いしたことがあります。礼儀正しい聡明な方でした。
 橋本聖子氏とは、彼女がスケート選手時代、彼女のスケートウエアを企画していたのが私です。スケートでは、現場でのサービスマン活動まではしていませんでしたから、お会いしたのは数回で、議員になられてからご挨拶をしたことはありますが、議員と一般市民のご挨拶?でした。

 毎日新聞が2月10日に掲載した、山口香JOC理事に聞く、というインタビュー記事は、女子柔道の先駆者山口氏の面目躍如たるものでした。
 最初に全柔連に男性指導者の暴力、パワハラを訴えたのは山口氏。
 全柔連は、園田監督に確認し園田監督は事実を認め謝罪。しかし、次の海外遠征時、園田監督はその選手に対し、何か文句があるのかと脅迫まがいの行動。
 山口氏は再び全柔連に対し、園田監督の交代を訴えた。しかしまた全柔連は取り合わない。
 山口氏は彼女たちに、あなたたちも声を上げなければ抑止力にならないと訴えた。

 山口氏の分析は鋭いのです。
 全柔連は隠蔽でも、軽く扱おうとしたわけでもない。もともと、全柔連幹部たちのなかでは、女子柔道は軽い問題だった。

 この記事を読んで、山口氏のリーダーシップの確かさに頭が下がりました。
 そして、ついに女子柔道選手15名の告発は、スポーツ文化というものを理解できなかった某民放TV局の社長の謝罪を引き出しました。
 「ロンドン五輪の代表選手発表に象徴されるように、互いにライバルとして切磋琢磨し励ましあってきた選手相互間の敬意と尊厳をあえて踏みにじるような連盟役員や強化体制陣の方針にも、失望し強く憤りをかんじました。」これが、告発文に書かれた内容です。

 告発15名の選手たちは、JOCの調査には協力しています。しかし、全柔連が委嘱した第三者委員会の聞き取りは受け付けていません。2か所で同じようなことをする意味はありません。第三者委は、先に全柔連内部の民主的な改革のための聞き取りを行い、改革提言をすべきです。

 日本は、各競技で女性アスリートの活躍が進んでいます。IOCが各競技連盟に女性委員会の有無を問い、理事への女性の登用を必須とするなど国際的にはそれがスタンダードなのです。
 日本も各競技連盟、JOC,日本体育協会などの組織で女性理事と男性理事の同数化を進めてみませんか?そして任期は一期2年、延長二期で定年とし人事の停滞を防ぐのです。

 現在、道新に連載されている「スポーツ指導と暴力」は、大変に興味深いものです。
 柔道女子指導者の暴力指導を、幼稚さが招いたと断罪した方が、昔竹刀で牛や馬のように殴って言うことを聞かせようとしたことの反省から、そう言えるといいます。
 熱血指導の女性監督は、たたくこと、叱り付けることは本来すごく勇気がいる、といいます。
 おそらく、大阪、桜宮高校のバスケ部顧問も、「勇気がなせることだ」と平手打ちを連発したのでしょうね?
 この連載は少なくとも半年は続けてください。
 日本のスポーツ指導の詳細が浮き彫りになります。

 たとえば、手を上げず、足蹴りもせずの指導者でも、大声での叱声、物にあたりバケツを蹴る、壁を蹴るなどの行為は選手に恐怖感を与える暴力、パワハラです。
 普段はおとなしくても酒が入ると狂暴化する指導者や、おとなしくても常に酒の臭いをまき散らす指導者はアルコールハラスメントという暴力指導者です。

 日本は変わらなければなりません。
 高梨沙羅選手は、女子ジャンプの普及を願って昨日帰国して今日札幌宮の森ジャンプ場での宮様大会公式練習に臨みました。1日ノーマルヒル、3日ラージヒルを戦い、その後は8~10日長野での全日本選手権出場。そして次はワールドカップ最終戦に向けて13日には渡欧します。この強行軍にもかかわらず、4日に東京を訪れるIOC評価委員会委員のガイド役として都内を同行するというニュースが入りました。
 冬季競技からは異例の抜擢を受け、ジャンプの女王が20年夏季五輪招致に一役買って出る?
 買ってはいないでしょう!
 大丈夫?女性競技者虐待とは思われませんか?16歳の少女ですよ?
 彼女に必要なのは、競技への集中と、なにより休息なのです。

 山口香さん、日本の女性スポーツの先頭に立ってください。
 まずは全日本女子柔道の監督になって、改革を進めてください。

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コメント

私も40年前までは無名のスキー選手でした。プログを楽しみに読ましていただいています。私も昨日、高梨選手が東京オリンピック招致の活動に参加すると聞いて、伊藤さんと同様に違和感を感じました。ハードな日程で競技に頑張っている彼女に今これ以上何を望むのでしょうか?
言ってしまえば、高梨選手をもっと大切に育てることはもとより、そもそも東京オリンピック誘致は時の●●都知事など一部の人たちが決めたことで?、震災復興もままならない時期に果たしてこれが国民、都民の総意かということです。実際、TV を通じて誘致運動に駆り出されている選手の顔などが、複雑な表情に見えるのは私だけでしょうか。
私は今もいろいろなスポーツ観戦が大好きで、息子もスポーツに関わる仕事をしていますが、スポーツが大好きなうえでの今の思いです。
これからも是非、日本のスポーツ界を良くするために苦言をお願いします。

プロフィール

プロフィール

伊藤 龍治
1947年札幌生まれ。札幌啓明中では夏は野球、冬はスキー。旭丘高では夏はバスケット、冬はスキー。「スポーツ二毛作」実施者。早稲田大でスキー。日本初のアルペンサービスマン、世界初のジャンプワックスマンは自称ながら事実。スキーで4年おきの「骨折五輪」に3度出場。全日本アルペンコーチ。北海道新聞に「いい汗いい話」を12年半執筆。テレビ、ラジオ、講演などスポーツジャーナリストとして活動中。

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