平成最後の日の奇跡!

2019年04月30日

北海道新聞社出版局から過去に2冊の本を出した。1995年から12年6か月、北海道新聞夕刊に連載したスポーツコラム「いい汗いい話」を単行本化したのだ。1冊目は1998年長野五輪後に出した「試走者たちの金メダル」、2冊目は2000年シドニー五輪後に「もっとスポーツ北海道」だ。

この2冊の本のおかげで、「スポーツライター」という肩書も、「北海道初のスポーツライター」と呼ばれることも多くなったと思っている。ただ、この2冊は奈良県在住の女性により、「全国区」になった。私が書いた2冊は今も日本全国の「視覚障碍者施設」の図書館に、カセットテープ、CDとして蔵書されている。

北海道新聞出版局から突然電話があった。「奈良県の女性から伊藤さんの連絡先を教えて欲しいと電話がありました。何か心当たりはありますか?直接はお教えできないというと、先方の連絡先を伝えて欲しいとのことでした」

ここから奇跡の扉が開いた! 読者の皆様は「音訳奉仕」という言葉をご存知だろうか?私は全く知らなかった。いうならば「視覚障害の方々に、本を一冊丸ごと読み聞かせるのだ」!!

前田勝子さんという女性は私と年齢は近く、奈良市にお住まいだった。まず素朴な疑問が湧いた。なぜ、奈良で北海道の本が?「入所者の方が、この本をぜひ読んで欲しい」と持ち込まれたという。

「ひと通り、読ませていただきました。あのお、お願いがあるのですが、、人名、地名が多く、間違えるわけにはいきませんから、その都度確認したい」とのこと、私は簡単に「何の問題もありません!FAXで流してください。ひらがなをつけて送ります」と答えた。

FAXは何度往復しただろうか?「どうして奈良なの?北海道人なら、地名、人名も読めるのに、、」と正直何度思ったことか!長万部も北海道人なら「おしゃまんべ」と分かるが、北海道以外の方なら「ちょうまんぶ」「ながまんぶ」としか読めないだろう。 やがて、次第に「音訳奉仕家」の前田勝子さんのお仕事ぶり、苦闘の数々が伝わってきた。同時に「見ず知らずの方が、視覚障碍者の方々のために、これほどまでに人は動けるのか!」と感謝と尊敬の気持ちが沸き起こった。

試走者たちの金メダル、音訳版が完成した! 一冊の本がテープ6巻にまとめられていた。聞いた。「本のタイトル。目次。そして本文」すべてが、柔らかな温かな声で再現されていた。数ページ分を聞いた時、涙が止まらなくなった。

「人は人のために、これほどのことができるのか!」 

突然、私がまだ使い慣れないラインに連絡が入った。富良野―旭川とまわり、30日に札幌入りされるという。前田さんご夫婦と息子さんご夫婦、小3と小1のお孫さんでGWを北海道旅行に当ててくださるという。

「もっとスポーツ北海道は、機械も進歩して録音はCDになりました!」

平成最後の日を「恩師、前田勝子さんとそのファミリー」の方々と過ごすことができる。これを「奇跡と言わずして何が奇跡か!」

平成に、ありがとう! 令和に、いらっしゃい! 心弾む夕方のために、まずはぼろ車を少しは綺麗にするとしますか!!

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