スーパーボランティアも手紙に泣いた!

2018年08月20日

突然、現れた仙人のような爺ちゃんが行方不明の二歳児の捜索に加わると言ったとき、みんな驚いただろうなあ! 「この人、何者?」

そして捜索する事半時間ぐらいで、二歳児を発見したのです。映像では警察官が「こどもを渡してください」というのに対して、「お母さんに直接渡すと約束してきたから、だめ!」 おそらく警察官も面食らったことでしょうね!

私にはよく分かります。昔、大学1年時の白馬黒菱小屋での合宿の時、雪崩で遭難した明治大のキャプテンの捜索に加わったことがありました。探せど探せど見つからない、その時早稲田大スキー部・山岳部OBでマナスル登頂にも成功している竹節先輩が駆け付けて、地形を読み、雪崩の痕を読み、ひとり全く違うところに棒を差して埋まっている地点を見つけたのです。経験と洞察力、それがプロフェショナルの力量なのです。

御礼は一切受けず、年金を頼りにボランティアを続けていると言います。そこは私も同じです。ですから困るのは財力が限界にくるとボランティアも続けられなくなるのです。さらに私は取り組むと後に引けなくなる「熱中癖」があり、トレーニングに必要なものとか、処置に必要なものは自分で用意してしまうので限界も早く来てしまうのです。

スーパーボランティア爺ちゃんは、豪雨被災地でも東北大震災被災地でも活動を続けていますが、ボランティア奉仕を受けた被災者からの手紙を読んで泣く映像がありました。これも本当によく分かります。私は前十字靭帯断裂した高校バスケ選手の家に通い、3か月間「20分マッサージー20分氷水アイシングー20分マッサージ」をし続けました。結果、幸運にも彼女は断裂後6か月で戦列に復帰できたのです。このときは最後の処置の後、6歳下の小学生の妹から「伊藤さん、はい!」と手紙を渡されたのです。封筒には「伊藤様」とありました。瞬間、ここで読んだらえらいことになると思った私は、おどけて「うれしいなあ!ありがとさん!」と駐車場に向かいました。車内ランプで手紙を読んだとき、ぬぐってもぬぐっても涙があふれ運転はできませんでした。「3か月もの間、お姉ちゃんを助けてくれて本当にありがとうございました」と、小学生とは思えない綺麗な字でつづられていたのです。

そう、お風呂もおいしい食べ物も何もいらないのです。喜んでもらえた、絶望していた選手がもう一度前を向き、希望を持ってくれただけでいいのです。札幌五輪の夢が、足首粉砕開放脱臼骨折で一瞬に散ってから、自暴自棄、スーパーマン症候群といわれる自殺願望、酒にのめり込んだ日々、体の痛みも心の痛みもすべてを経験したから、けがをした選手を助けたいと思うのです。

だから、元全日本コーチなどの肩書などはかなぐり捨てて、高校の廊下にひざまずいてでも選手のマッサージはできるのです。信条は「女性選手と二人きりの場所では行わない」から、生徒や先生の通る廊下に這いつくばるのです。「なに?この爺ちゃん?どこの治療院?」事情を知らない人はそう思ったことでしょう。たとえば、その高校の選手を助けたとしても教頭先生や校長先生にお会いしたことはありません。ひよっとすると、正式に会えば「謝礼」などを考えなければならないと心配されたかもしれません。いいえ、あくまでもそんな必要はありません。ボランティア活動は自己完結です。

私が尊敬するスーパーボランティア爺ちゃんでさえ、手紙一枚で私と同じように泣くのです。そのうれし涙がボランティアが頂ける勲章なのですから!

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