札幌市26年五輪断念に思うこと

2018年05月11日

札幌市が2026年冬季五輪招致を断念し、2030年に切り替えた。

国際オリンピック委員会(IOC)が、五輪招致に対し巨額な経費がかかることから立候補都市が住民投票などで相次ぐ撤退が重なり、「五輪改革」に迫られ「アジェンダ2020」という新基準を決定したことから、2018韓国・平昌、2022中国・北京、2026日本・札幌という「アジア3連続開催」などはあり得なく、必ず欧州、アメリカ、カナダからの立候補は必至だった。

アジェンダ2020の五輪改革案は、「複数都市OK」、場合によっては「複数国OK」という「とてつもなく柔軟」なものなのだ。さらにIOCは開催国に対し、「徹底した経費削減」を指示するという徹底ぶりだった。札幌に対しても「そり競技コースの新設は経費がかかりすぎるから認められない」、かわりに「長野」や場合によっては「韓国・平昌」の既存コースを計画に入れては?とも漏れ伝わってきていたのだ。

この流れに敏感に反応したのは、スイス・シオン、カナダ・カルガリ、スウェーデン・ストックホルム、オーストリア・グラーツ、トルコ・エルズルム、イタリア・ミラノートリノーコルティナダンペッツオ の6か国で札幌が加われば7か国での競合だ。

しかも、立候補となれば正式書類や正式手続きは1999年。この年、日本では2020年東京五輪プレ大会と、ラグビーワールドカップ開催が重なり、JOC,文科省、スポーツ庁、東京五輪組織委員会あたりからは、「手続き関係は札幌市がほとんどやってくれなければ、、、」という「冷酷な意見」も聞こえてきているのが実情だ。

スイス、カナダ、スウェーデン、オーストリア、イタリアなどの強みは国内にすべての競技施設が完備されており、毎年のようにW杯などを行い実績がある。また、スウェーデン・ストックホルムなどは、ストックホルム市内には雪は降らないが王宮を取り巻く1・8キロの「人工雪コース」を創りクロスカントリースキーのスプリントレースを開催し観客数30万人を記録し大成功も収めているのだ。日本の夏見円選手がW杯3位入賞したのがこの大会だ!

札幌が不利な理由は明らかだ。1972年札幌五輪で札幌は「北方圏に存在する100万人都市で、1シーズン根雪が存在するスポーツ都市」という位置づけを獲得したが、近年では「市民の冬季スポーツ参加率は20%を切っている」。分かりやすく言えば、「札幌市民は冬は外に出ず、スポーツ観戦などはせずTV観戦の方が寒い思いをせずいい」と思っている。スキージャンプ大会は毎年、国際大会・国内大会を問わず行われているが、宮の森・大倉山での観客数の平均は「2000~3000人」だ。欧州などで観客数数万人~10万人を経験している選手・役員は帰国後「日本ではスキーはマイナー競技・時差調整が大変で行きたくない」と報告している。

2030年は新幹線が札幌延伸されるから、2030年に期待しようではまた勝ち目はない。2030年といってもわずか12年後だ。その間に「札幌がオリンピアシティとして、冬季スポーツに熱心で市民の間にも冬季スポーツ文化が浸透し、降雪の心配のない200万人人口の巨大都市」というアピールが必要なのだ。

そのためには「ニュースが世界に衝撃を持って届けられるイベントが必要だ」。1つは、さっぽろ雪まつり期間中の「大通公園内でのスプリントW杯」。もう1つは札幌ドームを使った「フィギュアスケート世界選手権」か「NHKフィギュアスケート大会」もしくは「ショートトラックスケートW杯」。あるいは札幌ドームを発着場にしての「ノルディックスキー男女リレーW杯」などだ。つまり、札幌の持つ最高の強みをアピールする必要がある。大通公園でのスプリントレースでのウオーミングアップゾーンは、もちろん「チカホ」地下歩行空間の一角を利用する。世界中のマスコミが「アンビリーバブル!」と報道するだろう!!

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