フレンドシップ最高は、「奈緒ーサンファ物語」!日本スキーの課題は!

2018年02月26日

平昌五輪の閉会式でIOCバッハ会長が名指しで呼び寄せたのは、小平奈緒選手でした。本来は各大陸代表選手を呼び寄せるという趣旨でしたが、バッハ会長は「奈緒―サンファ物語」にも触れました。

奈緒-サンファのスピードスケート500mの死闘後の「フレンドシップ・フェアプレー」シーンは韓国内の新聞各紙の一面を飾りました。もちろん、日本でも世界でも、そのシーンは駆け巡りました。

女子スキージャンプ伊藤有希が自分自身に降りかかった不運、ソチ五輪をはるかに越える悔しさを封印して高梨沙羅の銅メダル確定に「おめでとう」と駆け寄り抱きしめた姿は、これも日本中に「フレンドシップ・フェアプレー・本当のオリンピアンの姿」を知らしめ、感動を呼びました。そして日本ジャンプ陣は帰国しました。2月24日には第29回TVH杯・札幌スキー連盟会長杯があり、25日にはHBC杯があったからです。

TVH杯は第1回が平成2年ですが、第1回・第2回には札幌スキー連盟伊藤会長から直々にお電話を頂き、私の師匠笠谷幸生さんと一緒に解説者として出演した思い出の大会なのです。平昌五輪ジャンプ日本代表は観客のみなさまにも帰国報告・応援御礼報告をし、疲労はありながらも大会に出場し伊藤有希選手も140mの大ジャンプで観客に御礼報告をしたのです。私は伊藤有希選手と克彦コーチに挨拶とブログを手渡すために大倉山に行きました。

そこで観客の方々の素朴な疑問の声を聞きました。「えっ?なんでメダリストの沙羅ちゃんはいないの?」「なんだよ、高梨選手だけ出ないのか?」「出ると思うでしょ、だから入場料払ってきたのに」

例えば、小平選手は日本選手団の主将で旗手は葛西紀明選手でした。葛西選手は国内大会があるということで帰国が許され、その分を金メダリスト小平選手が旗手として閉会式に参加しました。こういうことが「オリンピアンの任務・責務」なのです。全日本スキー連盟やジャンプナショナルチームからは、「高梨不参加」について説明はありませんでした。

スピードスケートナショナルチームは大成功し多くのメダルを獲得しました。その一方で「小平―結城コーチ」というマンツーマン方式も認め、両方で成功を収めました。それに比べ、全日本スキー連盟はその「編成力」を問われています。分かりやすくメダルでいうならば、ジャンプ銅、複合銀の2個で、モーグル銅とハーフパイプ銀は「フリースタイル」です。

組織が「編成力」「チーム構成力」「チーム強化力」を失い、その結果「プロ選手の個人活動」だけを認めるのならば、「国民的支援」は受けられなくなるでしょう。TVH杯のため、「高梨沙羅を見たいがため」大倉山に来てくれた観客の疑問がそれを象徴しています。

アメリカのスノーボード・ハーフパイプの絶対王者ショーン・ホワイトがNHKのインタビューに応えました。「ゴールドメダリストで生きて行くのではなく、オリンピアンで生きて行く。同じユニフォーム、同じ場所、同じものを食べ、チームを意識できるようになったからだ」!!アメリカXゲームで勝利を重ね巨万の富を手に入れ、「五輪?出て欲しいのなら出場料はいくらだ?」と豪語していたショーンの心の変化です。これが五輪がもたらす「五輪精神」なのです。

改革は組織のトップに頼るのではなく、「現場の責任者」が担う必要があります。結城コーチが小平を、ヨハンコーチがナショナルチームを改革したように、全日本スキー連盟も「現場のコーチ」が折れない意志と希望とチーム組織力を発揮できなければ、近い将来日本のスキーは消滅するでしょう。

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