まるもちに 想いは遥か 蝉しぐれ

2017年12月29日

藤沢周平のファンである。 山形県鶴岡市出身の作家だ。

作品のほとんどは読み、映画やTVドラマになったものも見ているが、最も心に残っているのは「蝉しぐれ」だ。私が好きなのは映画編よりNHKドラマで放映された「蝉しぐれ」だ。少年・少女の成長、理不尽な仕置きに対する忍従と対決、男女の愛と想いを断ち切らざるを得ない境遇、愛を貫く献身、そして愛の成就、、、。

舞台になったのは「海坂藩」。山形・庄内藩がモデルだといわれている。海坂藩と「蝉しぐれ」の舞台をめぐる旅は、まだ実現していないがあこがれの旅だ。

尊敬するスポーツの指導者から思いがけず「餅」をいただいた。「私の出身は山形県なんです」と言われ、餅好きの私はありがたさに最敬礼したのだが、中を見て驚き、じわりと喜びが沸き上がった。餅は「おばこもち」、山形庄内産・もち米100%。鶴岡市農業協同組合が販売者だが、製造者大川好雄氏の名も表記されている。「おばこもち」は「しろまるもち」だ。

食べてみて、今まで私が食べてきた餅は何だったのかと思ったが、スーパーのパック餅だからそれはそれでしようがない。ただ「おばこもち」は「海坂藩」で生まれたのだと実感した。次から次へと「蝉しぐれ」の場面が浮かんでくる。

尊敬する指導者は「高校生たちには、誰かがどこかで見ていてくれる。だから、不断の努力が必要なんだ、と言い続けてきました。その言葉を証明するかのように伊藤さんが見ていて書いてくださった。これ以上はないクリスマスプレゼントでした」とおっしゃった。

私は札幌市立新川高校にお邪魔するようになって黙礼はするがお話したことはなかった。ただスポットライトをたとえ浴びなくてもいいものはいい、伝えるべきものは伝えたいと思ってきただけだ。

尊敬する指導者は恐らく年末年始用にご実家から送ってこられた「おばこもち」を分けてくださったのだろう。その段階では「海坂藩」も「蝉しぐれ」も気にはなさらなかっただろう。でも私にはこれ以上はないものだった。

9年前に亡くなった大阪生まれの女房が、正月1日は北海道風お雑煮を、2日には大阪風白みそまるもちのお雑煮を作ったものだ。「東京では、まるもちがなかなか手に入らないのよねえ」とよくこぼしていたものだ。「ほら、絶品まるもちだよ」と、私は写真のまえにお供えした。

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