オリンピック・パラリンピックは永遠成りうるか?

2017年12月08日

札幌市のこの冬の除雪は大ピンチなのだという。作業に従事する人の数が大幅に足りないのだ。理由は、東京五輪の建設作業員になる人が多いからだ。これは当然、全国的に見ても各地で作業員の不足問題が起きているということだ。

2020年東京五輪・パラリンピックがもたらす経済波及効果は32兆円だという。ところが今、2兆円に上る損失の危機が迫っているという。展示場問題だ。2020東京では、東京ビッグサイトがメディアセンターになり、幕張メッセも競技会場になる。この結果、20か月に渡り展示場が不足する。両会場は年間300日展示会場として機能し、そこが無くなれば中小企業の命運に関わるのだ。さらには企業説明会の会場にも使用されているから、12万人の大学生にも影響が及ぶという。

来年2月の韓国・平昌冬季五輪からロシア選手団を除外すると国際オリンピック委員会(IOC)が決定した。理由は国主導のドーピングだ。ただし、潔白証明ができれば個人参加は認めるとした。ロシア国内では五輪ボイコットの意見も出ているが、リオ五輪でも結果的にはボイコットはできなかった。それだけドーピング問題への反論はできなかったということだ。しかし、リオで個人参加のロシア選手は「裏切者」と批判され、現在はアメリカで居住せざるを得ない状況だという。平昌五輪では、どのくらいの規模で個人参加となるかはまだ不明だ。

東ドイツという国が消滅したことで、「ドーピング技術」は世界に拡散した。それだけ東ドイツは世界最先端のドーピング技術を持っていたのだ。私も1976年オーストリア・インスブルック冬季五輪に参加したとき、当時世界最強に急成長した東ドイツに敗れたことがある。1985年になり、インスブルック五輪の金メダリスト・東ドイツのアッシェンバッハが西ドイツに亡命し1976年当時のドーピングの実際を告白した。

ドーピングによる死亡事故、女性から男性に性転換を余儀なくされた選手などもいる。共産圏諸国では五輪でのメダル獲得は「国の優位性の証明」とされ、その見返りとして「国家功労スポーツマスター」という称号と生涯遊んで暮らせるだけの「スポーツマスター年金」を受け取れる。自由諸国でもメダル獲得はプロとしての年収を約束する。メダリストにはマネジメント会社がつき、広告スポンサー獲得、コマーシャルタレント契約、競技会出場時の契約金など大金が約束される。だから、「ばれなければ、薬物に頼ってでも成功したい」ということになる。

五輪は「偉大な競技会」であり続けるか? 五輪は既に「巨大な商業主義の競技会であり、国家人種競争、国威発揚競争、国家及び開催都市の再開発競争」に傾き過ぎてはいないか? IOCもかっては「貴族社会」で、五輪から産まれる「裏金」で財を成した者たちも多数いたのは事実だ。

五輪はいま、次々に「住民投票」の前に敗れ去っているのも確かなことだ。

せめて東京五輪は「開催国も参加国も、あらゆる不正がない」五輪であってほしい。そしてドーピンなどの不正がパラリンピックに拡がらないでほしい。

大規模五輪などはもう無理な時代だ。純粋な競技会となれば、各競技の「世界選手権大会」には及ばない。複数都市開催や場合によっては2か国共催などのIOCによる「五輪改革」は評価するが、最終的には「住民投票」で大いなる賛成を得られるかにかかるだろう。

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