スポーツ・体育で死なせてはいけない!臆病は英雄的な行為だ!

2017年03月28日

甲子園では2試合連続の15回引き分け再試合が行われ、選手・応援団・ファンが大声援を送っている。

高野連は高校球児の健康面を考えて、翌日の試合ではなく中一日の休養を挟んでの再試合だ。もちろん野球でもデッドボールという危険性はあるが、健康面を第一に考えるようになっている。

栃木県から届いた大災害のニュースは、同じ高校生が7人死亡、引率の教師も死亡、さらに40人が負傷、うち7人が重傷というあまりに痛ましい災害となった。

那須町湯本の「那須温泉ファミリースキー場」では、27日朝から新雪が降り、雪崩注意報が出されていた。27日は当初は登山の予定であったが降雪のため中止し、代わりに生徒40人と教師8人が「ラッセル訓練」をしていて雪崩に襲われた。

この「春山安全登山講習会」は栃木県高体連が2泊3日の日程で開催した。参加高校生は62人、「ラッセル訓練」には14人が加わらなかった。

スキー場名は「ファミリースキー場」だが、その上部は裸山でかなりの斜度がある。那須地方は27日に一日で30センチ~40センチの新雪があり、その新雪の下は古い雪が「解けては凍り」のアイスバーン状になり、表層雪崩の危険性が極めて高い状態だ。私たちスキーヤーでも絶対に急斜面には入らない天候状態だ。

私たちスキーヤーは登山家のことを「山屋」ともいうが、今回の事故はスキーヤーから見れば「絶対に防げた」と言わざるをえない。

スキーヤーであろうが、山屋であろうが、一流は「臆病、慎重、道具の手入れには時間をかける、天候調査とルート調査にはあらゆる手段を使う」者たちのことだ。

死亡した7人は栃木県立大田原高校山岳部員、顧問の男性教師も大田原高校山岳部の顧問だ。あまりにも痛ましい。

雪崩の恐怖は私も大学1年時に白馬八方尾根で感じたことがある。黒菱にある明治大学小屋から布団を持ってケーブル駅に向かう途中に、沢に落ちた布団を取りにロープを巻いて降りた明治大学スキー部主将が雪崩に巻き込まれ行方不明となった。我々、早稲田大スキー部にも知らせが入り、現地に急行したがどこをどう探せばよいかすらわからないのだ。発見したのは、早稲田大スキー部の大先輩でマナスル登頂の経験のある竹節先輩だった。みんながこのあたりだろうと掘り返しているところではなく、地形と雪崩の流れをみて竹竿2回目で発見した!

雪崩に巻き込まれると、雪が締まってきて身動きが出来なくなるという。口の周りに手を当て呼吸ができるスペースを確保しなければ窒息の危険性が増すのだという。雪崩の経験のある竹節先輩の教えだ。

栃木県警は業務上過失致死傷の疑いで捜査に入るという。

スポーツマンも山岳家も、思い切り臆病であってほしい。臆病であるからこそ、体を鍛え、意思を鍛え、道具を手入れし、戦略戦術を考え、天然自然に敬意を持てるようになるからだ。

犠牲になった高校生、16歳―17歳の7名と29歳の顧問の先生の冥福を祈り、重軽傷40人の方々の回復を祈ります。

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