葛西紀明、エゾモモンガジャンパー・最年長表彰台に乗る!

2017年03月22日

1973年5月、まだ雪深い中山峠の沢の中にあった60m級ジャンプ台で、「新型エゾモモンガジャンプスーツ」がテスト飛行の日を迎えたのだ!

すでにジャンプスーツの開発では、広島・マツダ自動車や東京大学の風洞実験を繰り返し、「揚力は速度の2乗に比例する」という航空力学の公式に則り、東レの開発した200gの糸で引っ張れば月にも届くほど細いナイロンを使用した生地でジャンプスーツが作られていた。

さらに、私は新しい形状のスーツを考案するためにNHKフィルムライブラリーで「ムササビ」と「エゾモモンガ」の飛行を研究し、ついに「エゾモモンガジャンプスーツ」を完成させたのだ!

それは手首から腰にかけ、ひれをつけ、飛行時には手を体側につける従来のフォームではなく、逆に手を広げ(ひれを膜として)正にエゾモモンガのように飛ぶスーツだった。

テスト飛行の前夜には、合宿所でその新型スーツを手渡しながら「明日から皆様の飛行フォームは変わります」と宣言したものだ!

テスト飛行では「スキージャンプが変わる」はずだった!が、最初の3人が揃いもそろって「悲鳴をあげて墜落した」!!かろうじて、下まで滑り降りた先輩選手が怒鳴り声をあげた。「りゅうじ、ばかやろう、助走で手が前にでないべや!!」

今のように手を後ろにして滑ってくるのなら、何の問題もない。ところが当時は手を前にして滑ってくるため、膜に引っ張られて手が前に出なかったのだ。前夜、「おれらは、モモンガか!」と言われ、急きょ「ムササビ」に変更した新型スーツはジャンプ3本で消滅した!

しかし、この「ムササビスーツ」の原理はその後世界各国が参考にした。つまり、上半身をゆるゆるに作り、上半身を逆三角形にして浮力を得ようと設計したのだ。

結果的にはこのことで、ジャンプスーツも体に沿ったもの出なければならないとルールが変更された。しかし、飛行フォームそのもので「エゾモモンガ飛行」を追及しているのが「世界のレジェンド・44歳9か月の葛西紀明」だ。そして、今季不調といわれながら、ノルウェー・ビケルスンのW杯、フライングヒルで2位となり「W杯最年長表彰台記録」を更新した。飛距離は239m50、241m50という自己記録を1m更新する超絶飛行だ!!

今季の不振を振り払い、「自信が湧いてきた」と笑い、風で待たされる競技の進行にも「全然平気、ストレスはない、頭の疲れが無いのが一番」と悠遊としている。

「エゾモモンガの化身・葛西紀明」は来年の平昌冬季五輪でも間違いなく活躍する!!

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