高梨沙羅を誇る!課題があるとすれば、、

2017年02月17日

高梨沙羅、20歳、152cm、44kg、プロフェッショナル・スキージャンパー、W杯参加年数6年、出場89試合、優勝53勝、勝率5割9分5厘、それぞれの識者が言うように「努力」の成果である。

同じ53勝の男子、シュリ―レンツアウアーは8年間で達成だから、高梨の6年での達成は「超速」だ。ただし、高梨自身が言うように、「同じ土俵ではない」のだから、比べること自体は「正確な意味」は持たない。

男子の世界最年長スキージャンパー、葛西紀明は44歳だが、もし高梨が葛西並みに現役生活を続けるとしたら、まだ24年もあることになる。そうすれば、今回の53勝はあくまでも「通過点」でしかない。

スキージャンプとはいかなる競技なのか? 発祥はノルウェーで、昔の王様が冬は雪ばかりで退屈なので、牢屋に入っている犯罪者にスキーを履かせ、丘を滑らせ途中のコブをジャンプさせ転ばなければ罪を許したことだ、と言われることもあるが、これは事実に反している。

スキーは、かんじきから進化し、狩人が冬のハンティングの際に使うようになり、やがてスピードやコブを飛ぶ距離などを競い合うようになったのだ。

スキージャンプは、航空力学で証明される競技で、スキージャンプ台の設計も航空力学で行われている。従って「原始的な競技」ではない。「揚力は、速度の2乗に比例する」ため、すべての選手は助走速度を高めるため「クローチング姿勢」を取りスピードを追及する。ただし、勝負は「踏切」にかかる。なぜかというと、助走速度は80kh~90khになり、これは1秒間に20mは進むスピードで、踏切をピタッと合わせることは「神業の領域」なのだ。

かって私がワックスマンを担当した1972年札幌五輪金メダリスト笠谷幸生氏は「生涯に25000回ぐらいのジャンプをしたと思うが完全なジャンプといえるものは、3回しかない」と語ったものだ。

高梨沙羅に課題があるとすれば、1、ソチ五輪ショックを引きずらないこと。2、女子ジャンプレベルが年々進化すること。伊藤有希が成長し、ノルウェーのリュンビやドイツ、オーストリア、スロベニア勢が急速に上達している。3、ビックゲームに強い特殊型の選手の存在。ドイツのカリーナ・フォクトは2014年ソチ五輪、2016年世界選手権ともに金メダル獲得。W杯では7~10位レベルの選手。4、スキージャンプに飽きないこと。長く世界のトップで戦い続けることで、毎年の「練習ー試合―練習」という生活に飽きることで、競技に対する姿勢が後退する。

要は、新鮮な気持ちを持ち続けることだろう。そのためには、化粧、大学生活、東京での生活、今後は恋愛、結婚、子育て、ママさん選手というような事項も、選手生活を続けるためのモチベーションになりうるだろう。

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