ゴルフと巡礼④
2012年01月31日
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▲白い皿に黒豆を並べ「18」を描いてみた。当たっているは札幌のマイナス10度の光。何かを感じますか
18という数のすごさを、帰納的に証明しようという連中が集った、としてみる。
ある者が野球のグラブにポンポンとボールを投げ入れながら、言った。
「18はエースピッチャーの背番号である。
例えば、レッドソックスの松坂大輔投手、楽天の田中将大投手、今回ソフトバンクから移籍した巨人の杉内俊哉投手…。
なぜ彼らは18か?
これは18という数の持つ力だと私には思われる。
日本のプロ野球の初期に、大活躍した投手がたまたま18番を背負っていて、それが引き継がれたという見方もある。
しかしそのウエートは少なくはないか。
あの不世出の剛腕・沢村栄治投手は14番だったしね。
昭和を経て平成になり、残ったのはやはり18番だ。
巨人だけではない。
背中の18に宿った不思議な力が、肩から腕を伝わって…」
こう説明する者もいる。
「歌舞伎では<十八番>と書いて、<おはこ>と読ませ、その役者、その流派の得意演目を指す。
18である明確な理由はみつけにくい。数字そのものの据わりの良さとしかみえない」
別な者は、
「武芸十八般という。日本の武士が合戦で戦うための武芸は18種類必要だったとの由。
弓、馬、長刀、やり、柔術、水術…。ここでも18が使われている」
また他の者が、
「仏教語には18という数がたびたび登場するね。
例えば、生じる意識や認識の種類を示す<十八界>、
朝廷から高い地位の僧侶として認められた<十八大師>、
浄土宗の関東地区の学問所<十八壇林>。
そしてこれが最も大事な18だと思うのだけれど<第十八願>という仏の誓いがある。
広辞苑によると『無量寿教に説く阿弥陀仏の四十八願中の第十八。念仏を修する衆生は必ず極楽に往生できるという誓願』で、最も大切な項目だという。
なぜだろうか。ここでも使われる数は18である」
さらに、帰納証明の意欲に満ちた声が交錯する。
「18歳で大人とする民族圏、文化圏が多いね。18歳で選挙権を与える近代国家も目立つ。大人と子供の仕切りは、よく考えると複雑な問題で、18とは違う年齢も十分ありうるのに…」
「18歳になり、晴れて18歳未満お断りの映画を見に行ったことがあった。文句ありますか」
「日本国語大辞典によると<娘盛り>というのは17歳の女性を意味するという。じゃあ18歳の女性はどう振る舞えばいいんだ」
「これは単なる思いつきだけど…金は18金、つまり24分の18の純度で合金にすることが多い。万年筆の先とか実地での使い勝手が良いからだが、これにもまた18という数の力が加わっている気がして…」
さあ御大(おんたい)登場だあ-というかけ声のなか出てくる者がいる。
「ゴルフの1ラウンドが18ホールなのはなぜか?
ある説は、昔のスコッチウイスキーの瓶からきたもの。フタに注いで、飲み切るまでに18杯。1ホールごとに飲めば、ちょうど1本分だ。そこから18ホールとした。
別の説があり、これが公式見解に似たようになっているが…スコットランド・セントアンドリュースのゴルフクラブコースは、1ラウンドのホール数が、12ホールとか22ホールとか、時代により動いたが、あるときに18ホールに落ち着いた。
18世紀半ば、同クラブは、名誉ある全英国のゴルフ統括権を付与され、あらゆる点で全英ゴルフ界の模範に。この<ゴルフの聖地>を見習って、現在の1ラウンド18ホールという原則が生まれた、という。
ある種の偶然によって18ホールという形になり、ある思いでそれが権威づけられた。
もっと重要なのは、それが250年以上続いてきたという事実だ。
長く続くのは、やはり人間の体と馴染みが良く、心の本音をヒットしているからじゃないのか。
歴史という重み。
伝統というすごさ。
保守主義の誠実さも読み取れる
神は18という数字の上に降りやすい。
そう言ってみたら、何かが見えてきて…」
<口からシャンク・哲学者編>
ゴルフを始めて間もないパンセ君。
友人らと親睦ラウンドに出かけた。
あるホールのグリーンで、ファーストパットがカップの上40センチについた。
そこからはけっこう下っていて、おまけにラインは曲がっている。
多分1打で入るだろうが、強めに打ってへたをすると、ダーッと勢いがついて、地獄へ…。
動悸が一層強くなった。
そこで同伴の友人の一人が、
「それOK、OK。サービス」
パンセ君は息をはきながら、つぶやいた。
「パスカルなあ」
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