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★ 消えた角 ★

2013年04月24日

昨年11月3日に出会ったエゾジカのオスの断末魔。あれから半年近く、頭が砂に埋もれ、
体は外に曝され白骨化していました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                      ◆  消えた角  ◆

普通、海岸や林の中で見つける死体は1ヶ月もすれば鳥やキツネ、ネズミなどがやってきて
綺麗に処分されます。それが自然の摂理です。

ところが野付半島の先端の砂嘴で死んだエゾジカの遺体は、肉を綺麗に食べられ骨だけが
バラバラになることなく残りました。そこに早めに雪が積もり、雪の下で偶然保存されてしまい
ました。

写真を見た知人はあの大きな角は保存しとくといいよな、と進言してくれていました。氷が融け
雪が消えれば、確認しに行ってみようと思っていたのです。


(亡くなったときのエゾジカの太い角)

ところがなかなか雪が消えず、計画した4月7日は激しい暴風雨でいけませんでした。その
おかげで雪と氷はなくなったのですが、14日に行ってみると埋まっていた頭の部分が掘り起
こされていました。


(肋骨が状態よく残っています。とても6か月近く野ざらしにされた骨とは思えません。)

角は?。頭の部分から消えていました。埋まっていたせいで顔の周りには皮がしっかり残って
います。しかし、角は消えてありません。

よく見ると、角が出ていた頭頂部の頭蓋骨にソフトボールが入るほどの穴が開いています。
ノミのような刃物でも使ったのしょうか、頭蓋骨が見事に削がれてしまっていました。


推定6歳以上のオスジカの角。根もとが太く4尖5角の張り出しの立派な角でした。持って行
かれた方は角だけでよかったのですね。

私ならせっかく落ちないで残った角なら、首の骨をはずして頭骨を丸ごともって帰ります。
残っていた皮をきれいに落とし、角つきのしゃれこうべにしておけばいい骨格標本になった
のに。

ちゃんと採収して持って帰られた方、ご苦労様。しっかりお弔いしてあげてください。

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コメント

先生初めまして!いつも楽しくブログ拝見してます!この鹿についてどうしても言いたい事があって何度も書くのを躊躇いましたが書く事にします!この子のツノは多分ハンターが持っていったのだと思います。この切り方は多分そうです。想定でいうのも何ですが…。ノコで切ったのだと思います。私もハンターなので「気持ち」分からなくもないですが、自分でしとめた訳でもないのにね…。見ての通り大きな立派なツノですから、通りすがりに欲しいと思ったのか、ブログを見て取りに行ったのかは確かではないですが…。ブログを見て持って行ったのなら、先生の所に持っていくと思うんですが…。持って行った方、せめてこの鹿の生き様を思ってあげて欲しいですよね。
ただ「いいもの見つけた」だけでは鹿が可哀想かなーと思いました。
それにしてもこんな大きなツノの子がいるんですね!すごいです。

みみたんさん。こんにちは
メールありがとうございます。ノコですか。考えられますね。手術をするとき頭部はノコで切りますからね。ノミでは割れてしまいますね。
野付半島のシカたちはほとんどいなくなりました。半島から出て牧草地の方に行ったようです。

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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