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★ トリックスター・ワタリガラス ★

2013年02月06日

野付半島には、冬季、スターがロシアからやってきます。肉への志向が強く、アザラシやシカの
死体があるところ、間違いなくやってくるスカベンジャースターです。その名はワタリガラス。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                  ■  トリックスター・ワタリガラス  ■

意味不明な行動をとる道化者。残酷であり、偉大でもある不思議な存在を持つ社会の逸脱も
の。それが「トリックスター」です。

ワタリガラスはそのような特徴的な行動を備えるがゆえに、「トリックスター」と呼べれてきました。


12月から4月、野付半島のカラスは3種類のカラスがいます。細身の嘴を持ち、小柄な
ハシボソガラス。おでこがでっぱて、数が最も多いハシブトガラス。2種に比べ数が少ない
ワタリガラス。

3種は大きさが明らかに違います。大きさの順では、ワタリガラス>ハシブトガラス>ハシボソ
ガラスになります。

ワタリガラスはタカ(ハヤブサ)よりも大きく、がたいがでかい。翼が長く、その翼で風を捉え
帆翔する飛行姿はワシかなと思わせます。


(おでこのないカラス。くちばしの半分以上に羽毛が生えています)

他のカラスに比べ、周囲に神経を張り巡らせ、警戒感が強い。そのため近寄る前に飛び立
ってさっさと避難して行きます。


比較すると大きさは確かに違いますが、野外で見ると他のカラスとなかなか区別がつきません。
そんな状況で頼りになるのは、体のイメージとは違うひょうきんな声です。


喉の下を大きく膨らませて鳴く「カポン、カポン」という小馬鹿にしたような声です。カラスの声の
イメージ、「カーカー」や「ガァー、ガァー」とは全く違う発声で目立ちます。生態を知らない時は
ひょうきんな声がとても頼りになるのです。

ただ、いつも鳴いてくれるとは限らないので見つけるのは大変ですが。

なんとか会える手段は野付半島によく打ち上げられるアザラシの死体です。ワタリガラスは
肉への嗜好が強く、アザラシの死体を見つけてしばらく粘ることです。警戒して逃げても少し
時間を置くと、必ず帰ってきます。


(ワタリガラスは逃げた後。みんなハシブトガラスです。おでこが出ていますね)

それを遠くから見ればいいのです。時たまこっちに向かってきてくれたり、海沿いに飛んで
くれたりして、思わず近くで見れるチャンスに恵まれることがあるのです。

夫婦なのかよく2羽でつるんで飛んでいます。4,5羽で集まっていることが多いようです。
遊び好きらしいのですが、そこまで見る力がこちらにありません。


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コメント

星野道夫さんの本で、ワタリガラスの話を読んで、一度この目で見たいなと思っていました。これからちょっと野付へ行ってきます。うまく声だけでも聴ければいいなと思います。

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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