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★ エゾタヌキ ★

2013年01月29日

流氷が根室海峡に今季初めて侵入した1月23日。珍しいエゾタヌキが保護されてきました。
もこもこの、まさに毛皮と叫びたくなる冬毛の若々しいタヌキでした。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                     ■  エゾタヌキ  ■

街の中の民家の玄関先でよたよたになってうずくまっているところをその家の小学生が保護し
ました。抵抗することもなく抱かれ、ダンボウルにいれらました。とても弱っているようなので
わが病院まで連れてきたのです。              

診てみると警戒の姿勢はしていますが、全く威嚇してきません。体を柔らかく触っても、おとな
しくしています。歯の美しさと歯茎の状態から昨年生まれの若者のようです。


背骨を触るとその周りの肉つきが悪く、秋にたくさん食べ物を食べることができなかったよう
です。そのために町の中に出てきた可能性があります。

エゾタヌキは、北海道の動物として馴染み深いキタキツネに比べるとあまり知られていません
が、森の中で静かに暮らす動物です。

森林や川や沼が多い環境で生息しています。キツネに比べ口先が細く尖っていて、ネズミは
捕りませんが、臭覚がとても鋭く、土中の昆虫や木の実などを食べています。

えさが極端に減る12月から3月にかけての厳冬期には「冬ごもり」をします。冬眠と違い、秋
に蓄えた皮下脂肪を消費しながら、樹の洞や雪の下の穴の中で春を待つのです。

食べ物が多いとき、冬籠りする前の体重は通常の1.5倍もありますが、このタヌキは十分に
皮下脂肪を蓄えられなかったのでしょう。

豚の肉と鶏の肉を手渡しでやってみたら嬉しそうに食べてくれました。尾の途中がヒゼンダニ
による疥癬になっていましたが、それ以外は体に異常はなかったので、注射をしてあげました。


保護した小学生が「お母さん、飼いたい」としきりにねだるので、「犬みたいにとても慣れること
もあるから挑戦してみる。それでだめなら役場の人に相談してみて」とあいなりました。

その後嫌がっていたお母さんから電話があって、飼うことにしたそうです。慣れたんだ。


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動物がお腹を空かしてる姿を見るのはとっても辛い。思慮深そうな瞳はどんな色なんでしょう。お肉を食べる様子を想像して、ほっこり幸せになりました。

動物のお腹を空かしてる姿を見るのは辛いものです。思慮深そうな瞳はどんな色なのでしょう。お肉を食べてる様子を想像して、ほっこり幸せな気分です。

勉強も兼ねて楽しく拝見させて戴いてます。
誤解を生まないためにも「鳥獣保護法」との兼ね合いを表記してあれば良かったと思います。

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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