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★ あれから1ヶ月 ★

2012年12月10日

朝から猛吹雪。今年は偏西風の進路がかなりグニャグニャ曲がっていて、北海道はその
影響をかなり受けています。北海道らしからぬ湿気のすごかった夏。不安定な天候。そし
て1ヶ月も早い寒波。いい経験になります。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                     ■  あれから1ヶ月  ■

11月3日に偶然、6歳を超える体格の立派なエゾジカの臨終に立ち会ってから早くも36日
が経過しました。

息を引き取る瞬間を見届けたことは、このエゾジカとの因縁をすごく感じています。
息を引いとる前の、宇宙をさまような、力がすべて抜けた瞳が強烈に心に残りました。


お釈迦さんの
 ● これありてこれあり 
 ● これ生じるがゆえにこれ生じ
 ● これなければこれなく
 ● これ滅すればこれ滅す

思い出して、このシカさんの屍が消えるまで見届けてあげようと心の中で決意しました。

野付半島に行くたびに屍のあるところに足を運んでいます。

11月11日に行ったとき首から下の胴体は骨を残してすべて食べられていました。それ
と四肢の橈骨尺骨と脛骨腓骨から下がきちんと残っていました。いつもならすぐに食べら
れる眼球が残ったままです。


11月25日には骨は赤みが全てなくなって白くなっていました。骨の皮が剥がれてきてい
て、骨に糸が絡まっている風です。頭と肢はまだしっかり毛が残り原型のままです。
風のせいか頭のまわりの砂が吹き飛んで、頭が砂の中に埋まっていってました。


12月2日には頭がさらに砂の中に沈んで、角がなければ砂の中に埋まってしまう状態に
なっていました。降った雪が上にかぶさり、このまま冷凍保存されそうです。


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コメント

獣医に看とられて天寿を全うし、その亡骸を野の生き物に捧げ、深い雪の中にその骨を沈めていくエゾシカ物語に大きな感動を覚えます。
小太郎先生有り難う。

先日『羆撃ち』の久保俊治氏の講演を聞く機会がありました。山は「異界=動物たちの世界」だ。と話していました。野付半島も同じですね。動物は生きて、そして死ぬ。死体が他の動物たちの命に変わる。それが自然のありようだということをこの牡鹿の死からも覗えます。かつて風葬や鳥葬など人も同じだった。
文明が、人を傲慢にしたのでしょうね。羅威舞を火葬にしたのも人間の都合で、自然に反した行為だったのかも…と考えさせられました。
諸行無常、合掌です。

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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