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★ タンチョウの英名が変わった ★

2012年11月30日

今年発行された「日本鳥類目録」(日本鳥学会発行)の第七版で、タンチョウの英名が突然
変わりました。

Red -crowed crane (レッド・クラウンド・クレイン)になったのです。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  タンチョウの英名が変わった  ■


タンチョウの学名は Grus japonensis (グルス・ヤポネンシス)。
学名は原則ひとつ。勝手には変えられません。

1922年の初版以来、タンチョウの英名は一貫してJapanese crane(ジャパニーズ・クレー
ン)を使ってきていたので、びっくりです。


「クラウンド・クレーン」とは頭に冠のような羽のあるカンムリツルのことです。アフリカにいる
カンムリツル類を指す名前なのです。タンチョウにはその冠羽はありません。

鳥の俗名はいくつでも付けられますが、使う人の好みで名前を選べます。というのは鳥は
ある国だけにいるというわけではなく、国境に関係なく広く分布しています。各地の言語に
それぞれの呼び方があり、中には3つも4つもの呼び方を持つ鳥もざらにいます。

タンチョウもしかり。国際自然保護連合のレッドリストには3つの英名が付いています。

今回選ばれた「レッド・クラウンド・クレイン」はその1つで、1970年代に中国を念頭に政治
的配慮から創り出された名前だったのです。

5年前にタンチョウが中国の国鳥の候補にあがったときに、学名や英名に「日本」が含ま
れているとの反発で、決定が見送られたことがありました。

日本鳥学会は苦難の選択だったように思えますが、変更理由については明らかにされて
いません。


我われ道東に住む庶民には関係ないことです。道東地方を棲み処にしているタンチョウは
あくまでもジャパニーズ・クレインです。

★ ほっこらキツネ ★

2012年11月29日

久々に近くでキタキツネに出会いました。今年は出会いが少なくてさびしい年でしたが。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                  ■  ほっこらキツネ  ■


太陽が沈み、サンピラー状に光が空に立ち上がった西の森を眺めていた時、ほっこらもっ
こりの毛をまとったキタキツネのメスに会いました。


黒い鼻、鼻筋がまっすぐ伸びて目元がきゅっと引き締まっています。口元から頬にかけて
の白い毛が、顔を仮面のように際だてます。

なかなかの美形です。

茶色だった毛が下から伸びてきた柔らかな白っぽい毛で、ぼやけてきています。毛の層は
厚く、ぬくぬくして見えます。

キツネの毛は、雨や雪から体を守ってくれる剛毛と体温が外に逃げないように保温の役目
の柔毛があります。

下毛と言われる柔毛は寒い地方になればなるほど密になって、空気をたっぷり含み、しかも
逃げ出さないような工夫を凝らしています。冷たい水の中に落ちても、熱を逃がさず、水を
弾きます。

この毛のおかげでマイナス20℃の世界を快適に過ごせるのです。頸回りの毛も長く伸びて
細い首をしっかりマフラーとして守っている感じです。


いよいよ冬本番。準備万端。といった装いになっています。こっちをちらり一瞥して、すたこら
夜のハンティングに海岸の方に消えて行きました。


★ オオハクチョウの水のみ場 ★

2012年11月28日

普通に見られるとついつい気を抜いてしまいます。たとえばスズメ。一年中家の周りにいる
せいか注意を向ける真剣さがいつもだらけます。でもじっと見ていると彼らの表情も魅力に
溢れます。

おばんです。小太郎でごじゃります。


(羽田空港のスズメ)

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                ■  オオハクチョウの水飲み場  ■

11月と12月の野付湾にはオオハクチョウが集まります。休んでは本州の方へ旅立って行
くハクチョウもいますが、氷が張って餌としているアマモが採れなくなるころまで残っている
ハクチョウたちもいます。


大きくて、遠くからでも見れるので、それほど自分の中では闘志を燃やして観察してみよう
とは起きませんでした。

でも野付半島の自然環境中で秋から春にかけて生活をするオオハクチョウは世界的に
見ればとても魅力的な対象です。それを意識してやる気を出しさえすれば、きっといい仕事
ができるはずです。

そう思い始めてからは、オオハクチョウをとても意識しています。意識すれば関心度は
自分の中でどんどん上がっていきます。彼女を初めて意識してアプローチしていくときと
似ています。情報をどんどん集めて見たくなります。

ただオオハクチョウはとても警戒心が強いので思うほど新しき発見が見つかりません。
それでも通っているうちに何がしらの新しい知見が取れたりするものです。それを多く集め
ると何かわくわくすることにつながります。


広大な野付湾の中でオオハクチョウが集まる場所があります。そこに集まる目的はと考え
はじめると、途端にそこまで行ってみたくなるものです。車での移動、歩く距離がどんどん
多くなります。

今週はいつも対岸にぽつぽつ集まるオオハクチョウを見に行ってきました。当幌川が流れ
込む岸辺です。20羽ほどのオオハクチョウが上陸していました。脅さぬように見ていると
森の縁から流れ出している小さな真水を長い首を伸ばしてすくっていました。

彼らは水を飲みに集まっていたのです。実においしそうに飲んでいました。


真水のある池などに飛んで行かず、湾内に注ぎ込む水を飲む。いろいろな水飲み場があ
るものだと感心させられます。


★ 凍っちゃった ★

2012年11月27日

関東に木枯らし1号が吹いたあとに中標津に帰ってきたら、見事に冬に突入しているところ
でした。今季は霜柱を愉しめずに雪の季節に突入です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                     ■  凍っちゃった  ■


ちんたら続いた生温い気候に慣れてきたところだったのに、なにこの気温の急激な下がり
かたは。よう体が付いて行かんわ。

皆さん、お体の方は大丈夫ですか。久々に大都市圏をうろついてしまったせいで、緊張性
免疫力低下症に侵されてしまいました。

気管をやられました。乾燥性気管炎。気管の壁にイガラ虫がへばりついて、咳をするたび
にお腹が引きつります。苦しい。声がかすれて自分の声に非ず。いやになっちゃいます。

週末にかけて寒気が押し寄せてきました。天窓を見ると晴れているのに解けかけた雪が
凍ってしまっています。雪は窓の汚れを押し流してくれるので、年に1度の窓掃除の時期
なのです。

道路の雪には車の痕がしっかり刻まれ、それがそのまま凍ってしまっています。輪立アー
トとでも言いますか、車が雪の中をふらつきながら走った痕跡が見事に残され、それが
いい曲線になっているのが大好きです。


違和感を放っていた牧草ロールの白い包装がこの雪ですっかり周りになじんで、いい風景
を作っています。冬の景色に合うように農家の人がこの色を選んだとすれば、「なかなか
やるねー、君たち」。

わずか1月前はTシャツ1枚で外を歩けたのに、今日は羽毛の入ったダウンジャケットを
しっかり着込んでいるありさまです。


★ 京都嵐山のカワウ ★

2012年11月24日

京都の嵐山、井川多美子先生の御仏前に手を合わせてきました。華頂短期大学の元教授
で、東映京都撮影所で60年以上の長きに渡って映画美術監督として活躍されてきた井川
徳道さんの奥様。お二人には京大に通っているときに親代わりとしてお世話になりました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                   ■  京都嵐山のカワウ  ■ 

3年ぶりに嵐山に行きました。大阪から阪急京都線の桂駅で乗り換え、嵐山に向かいました
が、平日でも電車は満員でした。皆さん紅葉が目的で行かれる人々です。      

朝10時だというのに、渡月橋はすれ違うにも苦労するくらいの人また人。紅葉時期の嵐山は
昔も今も人気抜群です。


でも、橋の上から桂川を眺めるといたってのんびりとした景色です。中州には草が生えススキ
や双子葉の植物が程よく生え、そこにはコサギやイソシギ、セグロセキレイが集まっていまし
た。

流れの速い瀬が深みに入るところでは、カワウが集まって水の中のオイカワやフナ、コイなど
の小魚を狙っています。

40年前には見慣れなかった光景です。カワウは1970年のころわずか3000羽以下まで減少
していました。農薬や河川の汚染で棲めなくなっていたのです。

その後全国で自然保護運動がおこり、身近な自然を回復させる地道な努力が続けられてき
ました。おかげでカワウは1980年代には2万羽以上に回復しだし、2000年代になると5万
羽を超えてきました。

そのせいもあってきっと桂川にも姿を見せるようになったのです。渡月橋の上から川の中を
覗くとコイやフナ、オイカワ、ウグイの稚魚らしいのが群れで泳いでいます。それをカワウが
2,3羽で岸辺の方に追い込んで捕っています。

岸からはコサギが浅瀬に逃げ込む小魚を狙って歩き回ります。大勢の人がいなければ、
とても素晴らしいバードサンクチャリーに見えます。

人気の大観光地ですが、その近くでカワウが魚を捕ったり、羽休めをしているのんびりとした
光景に出会えました。


★ 東京スカイ・ツリー 634m ★

2012年11月23日

11月16日から京都の方へ上京してきました。
お墓参りと動物臨床学会出席、友と大阪と東京で仕事をしている子供に会うため。盛りだくさん
の計画を持っての上京でした。

お久しぶりでした。小太郎でごじゃります。


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                ■  東京スカイ・ツリー 634m  ■ 


中標津と東京を結ぶ空の便は1日1本しかありません。でも家から10分で行けて、何日も
車を駐車しておいても無料という地の利はけっこういいかも。              

今回の東京フライトの最大の目的は、今年5月22日に開業した東京スカイ・ツリーを空から
眺めることでした。2か月前にネットで航空券を購入して、ツリーが見える窓辺の席を確保し
ました。

あとはその日の天候にお任せ。見えなければわが天運を嘆くだけです。

行きの16日、帰りの20日の両日ともなんとなんと快晴で、視界良好。遠くには富士山が顔
を覗かせる視界が広がっていました。

飛行機は千葉県上空から三番瀬、東京ディズニーランドをかすめて東京市街に沿うように
降下してくれました。カメラを構えて右側の窓辺に陣取って待っているとついに東京スカイ・
ツリーが目の前に現れました。


空から見るスカイ・ツリーは断トツに高い塔でした。周りの高層ビルが四分の一ほどしかあ
りません。街を覆うスモッグの層さえ下の方にあります。遠くで見る形も傑作、すっきりして
美しい。・・・感動しました。

高さ634m。プロジェクトの当初は「約610m」だったらしいのですが、高さ世界一を目指し
検討された結果、634mに決定されました。

この数字は、世界一のタワーと地域のシンボルであるタワー、として覚えやすい数字で
<634=むさし>としたそうです。

「むさし」は我われ日本人にとり馴染みの深い言葉です。宮本武蔵、戦艦武蔵、ポケモン
のムサシ、格闘家の武蔵、武蔵の国などなど。

東京スカイ・ツリーが立っているところが歴史をひも解くと、かっては武蔵の国だったところ
から採用されたとか。


なるほど。世界的な建築物にはいろいろな所に意味づけがなされ、それを知ると愛着を覚
えます。

羽田空港のデッキで見るスカイ・ツリー。帰りにより近くで見たスカイ・ツリー。それぞれに
美しく存在感のあるツリーでした。今度は実物に登ってみたいものです。

★ トドワラ散歩 ★

2012年11月19日

トドワラは野付湾の内側に伸びた砂嘴にかってトドマツの大木の林があったところです。

地震で津波に襲われて、トドマツはほぼ全滅してしまいました。枯れて倒れた木々と残った
根もとが塩漬けになって、ゆっくりとした時間をかけて大地に吸収されゆく奇妙な景色です。

今でこそ道が整備され歩きやすくなっていますが、40年前は標津駅から歩いて行って愉
しんだ風景でした。

今は歩きやすいように高架の木道が作られ、気安く行けるようになりました。離れた砂嘴に
行けるように干潟になる海に橋と木道が作られ、今ではその先に尾岱沼から来る観光船の
船着き場ができています。


そんな木道も冬の厳しい寒さで地面が凍るため杭が浮き上がり、毎春になると必ず凸凹
になってしまいます。

私的にはとても好きな歩道です。

この凸凹のおかげで、観光客の人たちがとても慎重に歩く姿が魅力的です。


★ 日没の時、東の空は ★

2012年11月18日

夕暮れ時の尾岱沼の町並みは美しい。

尾岱沼は小さな港町。野付湾に面した漁港です。ホタテ漁、ホッカイシマエビ漁、サケ定置
網漁、カレイ漁、ホッキ漁、アサリ漁、コマイ漁と1年中美味い魚獲れる豊かな海を持つ街
です。

野付半島から街の方を見ると遥か後方に雄阿寒岳と雌阿寒岳がどっしりと構え、雄大で
美しい風景が広がります。

海と街並みと地平線、夕日が少し覗き見え、その上にどっしりした重そうな雲。幻想的な
風景がときに浮かびます。


沈む太陽に当たって輝く枯れ穂が金色に染まる光景は、色気を亡くした草原をほんの少し
だけ活気づけてくれます。

そんな時、東の空を見るととてもパープルな色合いに染まっています。西の夕焼け色も
感動しますが、東の淡く染まる紫と桃色の濃淡が美しいのです。

ほんの一瞬なのですが、日本画的な柔らかさに魅入られます。


★ おみくじとヤマガラ ★

2012年11月17日

最近、我が家のバードテーブルにヤマガラが来るようになりました。気ぜわしく、動きが速く
おいてあるヒマワリの種をくわえるとすぐに飛んでいってしまいます。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                   ■  おみくじとヤマガラ  ■


ヤマガラは日本全土の林に留鳥として生息する鳥。常緑広葉樹が自生する暖かい本州で
はごくごく普通にいますが、北海道はシジュウカラやハシブトガラに比べると数の少ない鳥
です。


根室地方は20年前にはほとんど見られなかった野鳥でした。しかし、5年前ほどからぽち
ぽち見られるようになりました。すっわ、何か森の中で生息しやすい環境ができてきている
のか。温暖化というやつなの。ついつい興味が湧いてきます。

ヤマガラと言えば・・・?

すぐに小学生のころ、神社のお祭りに来ていた「おみくじ屋」さんのことが頭に浮かびます。
おじさんに賽銭を渡すと、竹籠を開け、中にいるヤマガラにそれをくわえさせます。

するとヤマガラが小さな参道をぴょんこぴょんこと進み、賽銭箱に小銭を落とします。次に
垂れ下がっている組み紐を引き、鈴を鳴らします。それから階段を上り、お宮の扉を開け、
中からおみくじを選びだし、持ち帰ってきます。

そしておみくじの封を開け、おじさんに渡します。麻の実を1個もらうと籠にもどってお仕事
が終わります。

あまりにも素晴らしい芸にいつも釘づけなっていました。


ヤマガラが木の実をその場で食べず、移動して食べる習性と器用に木の実を割る能力を
観察した結果、生み出された芸です。

子どもにとり、とても魅力ある出し物でした。

★ スカイ・ハイ ★

2012年11月16日

タンチョウが空高く飛んで行きました。高く高く上昇して、風をつかんで滑空して西の方に
流れるように消えて行きました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                   ■  スカイ・ハイ  ■

海を眺めていると、時々いいことに遭遇します。先日、コクガンがカムチャッカ半島の方から
飛んでくるのを見つけようと根室海峡の海面を双眼鏡で見張っていました。

そこに白い大型の鳥が飛びこんできました。はじめはオオハクチョウかなと思いつつ見て
いたらどうも飛び方が違います。頸を真直ぐ伸ばし、足が長く後方に伸びています。近づく
につれ白と黒の羽がはっきり見えました。

タンチョウです。タンチョウが国後島の方から海峡を渡ってきたようです。野付半島に近づ
くと、海面すれすれに飛んできていた飛行高度をどんどん上げ始めました。


翼の先の羽を指を広げるようにして風を切っていきます。高度を上げていくうちに風をうまく
つかめたようで滑空を始めました。


幅のの広い翼をしっかりと固定して、グライダーのように飛んで行きます。向かうは西の
方向です。

たぶん釧路湿原の近くにあるタンチョウが冬場に集まる餌場でしょう。

★ 死んだ鹿が残したものは ★

2012年11月15日

11月3日に亡くなったエゾジカのオス。その後どうなったか、11日に見に行ってきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                 ■  死んだ鹿が残したものは  ■


あの時はハシブトガラス達が集まって、懸命にびっちり毛の生えた硬い皮を引きちぎろうと
引っ張っていました。

しかし、カラスの嘴ではシカの皮は引きちぎれない。オジロワシもオオワシも姿を見せては
いるものの少ない。せいぜいこの広い野付半島に10羽もいないでしょう。

はたしてどうなるか、1週間後に再び訪ねてみようと思いました。

やはり自然界は無駄なことはしませんでした。丸々としたオスジカの体は骸骨になって横た
わっていました。


肉は骨からすべて引きちぎられ、骨が見事に露わになっています。骨を覆う骨膜も剥が
され、かすかに赤みが残っているほどです。

肋骨や胸椎、腰椎に付着していた肉さえ見事に削ぎ落され、美しい骨格に変貌しています。


体を覆っていた皮も全くなくなっています。貪欲に、見事に食べつくされた遺体です。

食べた者たちの姿はなかったけど、周りにはオオワシの姿が9羽も見られました。ようやく
羅臼の方から移動してきたワシたちです。彼らが皮を引き裂いて、内臓をだし、肉を裂き
食べていったのです。


その隙をぬって、ハシブトガラスやキタキツネ、カモメたちがおこぼれを頂戴したのでしょう。

エゾジカは死んで、自分の体を多くの生き物に提供しました。食べ物として彼らの体に入って
また体の一部になっていく。たくさんの生き物に供養され天に昇っていたのです。

こんなに役立ったと喜んでいることでしょう。

★ 漁火 ★

2012年11月14日

このところ夜に、我が家から知床の方を見ると空が明るく見えます。10月後半から気に
なりだしましたが、だんだんと明るさを増してきています。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                      ■  漁火  ■


明るさの原因はイカ漁に出ている船の明かりです。10月は昨年の10分の1ほどしか
水揚げがなかったのに11月に入ってようやく漁が上向き出しました。

漁が好調になったなとわかるのは、漁師のクライアントさんが魚箱一杯のスルメイカを
持ってきてくれたことから察せられます。

過去2年は2万トンを超える大豊漁で、全国のイカ釣り船が100隻以上集まって来て
いました。今年は獲れなくてやきもちされていましたが、獲れ出してからは情報を聴き
つけた船が大挙して集まってきたようです。

午後3時になると港から船が一斉に出て行くそうなので、日が沈んで暗くなる5時頃には
羅臼沖の空が異様に明るくなります。

野付半島から知床半島沖を見ると空が日が暮れた西の空みたいに明るくなります。
一見太陽がそちらに沈んだように錯覚していまうくらいです。


船影は見えませんが(地球が丸いことを実感させられるときです)、船から出た光が
船の姿を想像させてくれます。

雲が低く垂れ込めていると、雲が下から照らされて明るく浮き上がります。いかに多くの
船が漁をしているか、とてもよく理解できます。


これを演出でやればとてつもない金がかかるだろうな思いながら、暗い浜辺から一人
愉しんだ次第です。

★ 冬へ加速 ★

2012年11月12日

雨と曇天ばっかり。雨の量が多くて、川の水量が降るたびにたいへんです。河口に設置して
ある採卵用の鮭の止め場は止めを外して、上から流れてくる流木やごみを流します。その
隙に、サケたちが上流に向かいます。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                     ■  冬へ加速  ■


根室海峡に設置してあった鮭の定置網が野付半島では撤去され始めました。柔らかった
イクラの皮が硬くなると秋サケの価値が下がります。



わが家では皮が硬くなったイクラをひたすら待っているのですが、噛んでも割れない
プリプリのイクラはなかなか出てきません。

これが出る時は鮭たちは赤黒く変色して商品にはなりません。水温が下がっていよいよ
海の中も冬の温度になっていきます。

山にもようやく雪が積もりました。知床の山並みは6合目あたりまで雪が下りてきました。
これで根雪になるでしょう。


遅かったカラマツの黄葉が終わり、細かい葉が風が吹くたびにさらさらと小雪が降るように
落ちてきます。葉はとても小さいけれど、雪が降り積もるみたいに路面が茶色に染まります。

車が通るとわだちができて、アートな路面になります。


これから霜が愉しめます。


★ 寄り道 ★

2012年11月11日

立冬を過ぎてようやく最低気温が零度近くになってきました。肌寒くなりました。いよいよ
寒波が来そうです。それは南に渡る鳥の気配で感じます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                   ■  寄り道  ■

野付湾に集まってきているカモやコクガン、オオハクチョウがこのところつぎつぎと群れで
飛び立っていきます。それは明らかに上空高く舞い上がり、太平洋の方面に向かって行く
からです。

この時期、よく見かける光景があります。

刈入れが終わったデントコーン畑や牧草地に、オオハクチョウの家族やヒシクイの群れ、
タンチョウの家族が下りて、落穂の実を拾っている風景です。

春先は群れで集まっていることが多いのですが、秋は家族がほとんです。オオハクチョウは
白く、体が大きいのでよく目につきます。


(白いハクチョウが親鳥。灰色のは今年生まれ。幼鳥のオオハクチョウ)

一家族か、二家族のオオハクチョウがデントコーンを刈り入れた畑の中をよちよち歩いて
います。機械で刻まれたトウモロコシの穂から一粒づつ拾って食べています。

アマモなどの水草を食べた方が効率がいいと思うのですが、トウモロコシの方がカロリー
高いんでしょうね。


(二家族のオオハクチョウが仲良く餌さがし)

牧草地の中にできた水たまりで食事してるのも牧草の種や草がお腹を膨らませるいい食材
なんでしょう。

もうすぐ越冬地に旅立つタンチョウの夫婦と同じ畑で仲良く食事をしていることもあります。


きっとこんな寄り道が彼らの体力つくりに役立っているかも。

すぐそこに寒気が来ています。寒くなるぞ。

★ 美しきものには棘がある ★

2012年11月10日

野外で生け花用の材料を探すのは、もう限界です。何とか使えそうなのが実を付けた木
です。ほとんどの木が葉を落とし、立冬もすぎると目立つのは赤い実を付けた灌木です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  美しきものには棘がある  ■


散歩道でメギ(?)の赤い実を見つけました。ラグビーボールの形をした赤い実は、この
時期とても目立ちました。

別名「コトリトマラズ」と言います。変な名前ですが木に触ってみると意味が分かります。
生け花にいいと思って、手を伸ばした瞬間にぐさりと刺さりました。

鋭い棘がありました。葉の間に隠れていて、よく見ると茎にびっちり細くて鋭いトゲが
付いていました。コトリトマラズというより人触れずです。

「?」としたのはメギの分布が関東地方から西の地方だということです。調べてみると、
道新ブログの「高橋みつる」さんの2010年10月14日のブログの写真に入っていまし
た。なんだ北海道の大雪山のふもとにも生えてるじゃん。安心。


メギ科メギ属の落葉灌木。メギとは目木と書きます。茎や葉を煎じて目薬として用いた
ことに由来します。

ベルベリンという成分を多く含むので、古くから各地で使われていたそうです。ベルベリン
と知って、そういえば犬猫の下痢止めでよく使っている薬です。めっちゃ苦くて黄色い
色をしてます。

メギがとっても身近に感じた瞬間でした。もう忘れません。

ちなみに英名でJapanese barberry。日本名では「鎧通し」と呼ばれることもあります。

★ 念願の洞に・・・ ★

2012年11月09日

タワラマップの森には大きなハルニレの木があります。その中でも私が散歩の途中で1日
のお祈りをするご神木のハルニレ。中腹にエゾフクロウが1羽入れる洞があって、いつか
フクロウが使ってくれるように祈っていました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                    ■  念願の洞に・・・  ■

でも、散歩を初めて23年になるのに、これまで1度も姿を見たことがありませんでした。
春、夏、秋、冬と毎日のように洞を眺め、合掌し続けてきたのに、願いがかないませんでし
た。

ところが先日、洞の中にご神体が・・・。いや、白っぽいふっくらしたフクロウが鎮座して
いたのです。一瞬、飛び上がりました。(と思う。体重が重いのでありえない)


イメージしていた通り、光背を背負った如来菩薩を思わせる風格でエゾフクロウが洞に
入っています。朝陽に浴びて輝いているではありませんか。

ニレの樹肌に紛れてしまうほどのフクロウの縦じま。樹肌より白っぽい羽の色ですが、
それがまたフクロウを浮き立たせ、神秘的に見えてしまう。

23年もの思いがかなった瞬間でした。

この間に森が成長して懐が深くなり、フクロウが住み着いてやってもいいかとおもった
のでしょうか。

明るいときのフクロウは、かなり近づいても逃げません。使う洞はいつでも飛び出せる
広い空間が前に必ずあります。足場を確かめながらゆるりと近寄ってご挨拶。閉じてた
眼を小さく広げ、私の行動を監視しています。


23年も待ったんだよ。よろしくな。これからも時々来てくれよな。そして仲良くなって、
お前さんの姿を皆さんにじっくりと報告するからね。

★ 虹日和 ★

2012年11月07日

虹日和でした。見たいと思っていても、なかなかそのチャンスに巡り合えない虹。
だからこそ見たい、見たいと神様、仏様にお願いし続けなければなりません。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                     ■  虹日和  ■


自分にとって、いや偶然私がいた野付半島近辺で虹ができやすい気象条件が揃った
幸運に出会いました。

朝、中標津から野付半島に行く途中から虹に出会い、昼から2時ごろまで虹三昧の
一日を愉しみました。

北海道全域が雨模様で、釧路から根室地方の海岸線だけに晴れ間が見えるという
予想でした。山沿いに暗い雲が覆いかぶさり、朝方は雨が降っていました。片道50
キロの野付半島の方は明るく見える空模様。太陽が見られる可能性が大きいと期待を
膨らませて出発しました。

海岸線に出る2キロ前で太陽の光が牧草地に射し始めました。牧草地が光に明るく
輝きだしたら、黄色く色づき始めたカラマツの林の向こうにくっきりとした虹が現れました。


(黄色に染まりだしたカラマツの後ろに出た虹です)

これが虹三昧の始まりでした。

10分経っても虹の鮮やかさが消えず、飽きちゃいました。海岸に出るまでいろいろな
ロケーションで虹を見れました。

野付半島の茶志骨川の川べりに立っても、原野の中に大きな虹がしっかり出ています。


(枯れヨシ、湿原、後ろに森。その上に出た虹)

基本的には七色と言われる赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の色がくっきり、はっきり区別が
できるほどです。偶然浮かんでいる水滴の中を進んだ太陽光が、波長によって屈折率
が違う色が分かれて、色鮮やかな色彩となって出てきているのです。

なんと美しいことか。

走っていく先々で見えるは見えるは。最後は野付半島の先から知床半島の方を眺めて
見たナラワラの森の上に出た虹。そしてその中を飛んでくれたコクガンに感激です。


(ナラワラの森の上に現れた虹)


(虹をバックに群れで飛ぶコクガンたち)

★ 戦い済んで、日が暮れた ★

2012年11月06日

野付半島の砂浜で、偶然エゾジカのオスの断末魔の瞬間に出会った。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  戦い済んで、日が暮れた  ■


年齢は6歳以上はあるがっちりとした体格のオスです。角がなかなか立派で、根もとが
太くがっちりして、先が磨いたかのように鋭く尖っています。枝分かれをした叉の数を
見ると5叉もあります。


6歳以上という判断はこの叉の数からできるからです。1歳になって初めて1本の小さ
な角が出て、1歳増えるごとに叉が増え、4歳になって初めて3叉4尖の成熟した角の
形になるのです。

普通成熟したオスは5歳になっても3叉4尖の角を持つものが一般的です。ですから
5叉6尖のオスとなるとめったにいるものではありません。

見つけたときは伏せて昼寝をしているかと思いました。でもどこか様子が違います。
鼻先が砂に押し付けられて、べっとり砂が着いています。普段は絶対ありえないこと。

近寄ると眼を開けて、頭を重そうにゆっくり上げてきました。それから首を上げ、顎を
さらに伸ばすようにしました。

それが精いっぱいだったようで、そのまま横に倒れてしまいました。最後の力を振り
絞った感じでした。大きく胸を膨らませ、そのまま呼吸をしなくなりました。

怪我をしているか体を隈なく点検しましたが、外傷は何処にも見当たりません。

痩せている訳ではありません。頸回り、肩の筋肉はしっかり隆々しています。背骨の
周りの筋肉もしっかりついています。病気で死んだようではありません。

これは発情期と関係がありそうです。今がメスの最高の発情が来ています。メスを
争ってオス同士の戦いが勃発しています。

きっと若くて力の強いオスと戦って負けたのでしょう。先の尖った角がナイフみたい
に突き刺さり致命傷になったとか。強い力が内臓に大きなダメージを与えてしまった
とか。

風貌、角の大きさ、頸回りの太さ、体格の大きさからして、冬場に100頭以上のオス
の群れを率いていた大将ジカではないか。そんな思いがよぎりました。

翌日その場所に行ってみると、ハシブトガラス達が10数羽集まっていました。冬場
ならオオワシやオジロワシが集まって、鋭い嘴で内臓を取り出しているでしょうけど、
まだ昨日のままで横たわっていました。

★ 今年は黄葉 ★

2012年11月04日

今年の自然模様は「例年の」があてはまりません。とっくに葉っぱが散っているはずな
のに今年はしぶとく残っていました。

わが家のモミジがなかなか色づかず、「今年は本州並みにゆったり色づくかな」と話して
いたら、ここ1週間で急激に変色、黄色に染まりました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


さあ鮮やかな赤に変わるぞと心待ちにしていたら、赤みが増す前にどっさと散りだしま
した。

黄色の紅葉も悪くはないのですが、木の上から下に赤く変わっていくグラデーションを
愉しむことができませんでした。

京都の東福寺や嵐山の紅葉がゆっくりとした気温の変化で、鮮やかな紅葉になって
人々を愉しませてくれるのに、根室の紅葉は黄葉で、しかも短く終わってしまいます。

はかな・・・・・・。寂しい。

それでも落ち葉の紅葉をなんとか自分で愉しみました。


★ 百合鷗 ★

2012年11月02日

ユリの花のように美しいカモメ。冬を前に本州に渡っていくユリカモメの語源には、この
説を当てはめる人もいます。

冬が来る前に毎年見ておきたいカモメです。それは清楚で美しいからです。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                      ■  百合鷗  ■


白を基調とした配色。透明感のある翼の白っぽいグレーと頭から尾の先まで真っ白の
羽が清潔感と気品を漂わせます。そこに嘴と足の赤がワンポイントで美しさを際立てます。

さらに眼とその後方にある黒のポイントが優しさを強調し、ユリカモメが愛される要因を
形成しているのです。

すっかり冬羽に衣替えをしたユリカモメがユリの花に例えられるゆえんではないでしょう
か。


野付湾にやってくるユリカモメは湾内の奥に注ぎ込む当幌川と茶志骨川の河口に集ま
って、そこを拠点に小魚を探して飛び回ります。

河口から川の上流の方にも飛んできて小魚を捕っています。潮が動くときに小魚の群れ
が動くのでそれを狙っての行動です。

静かな水面の中にいる魚を捕るので、空中で静止して飛び込んでいきます。その間、
ゼロコンマ何秒の時間です。頭を下げ、足を下に向け、翼を上の方でホバリングした姿
は飛び板飛び込みの姿です。


そこから一気に体を伸ばし、魚が逃げないうちに飛び込んでいきます。訓練された美しさ
がそこには見られます。

見事なダイビングに、いつも感動をもらいます。


他のカモメと違い、ユリカモメは主に湾内で過ごします。外洋には出ず、主に湾内で群れ
る小魚を狙って過ごしているようです。カムチャッカ地方の湖沼で繁殖している生活様式
を旅先でも実証しています。

これから東京や京都に向かいます。


プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

青い鳥動物病院ホームページ

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