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★ エゾカンゾウを食うエゾジカ ★ 

2012年07月15日

道東の山に登る計画の人には今年の天候はいいとは言えなさそう。これからの天気予報
を見ても、山頂からのスッカーとした晴天は期待できなさそうです。明日は羅臼岳を目指す
つもりでしたが、明後日に武佐岳登頂に切り替えました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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               ■  エゾカンゾウを食うエゾジカ  ■


エゾカンゾウが咲き始めました。野付半島のエゾカンゾウは草原が一時期オレンジ色に
染まるという表現がぴったりなほど一面に咲いていました。

ところが今年は花が極端に少ないのです。特に私が歩き回る竜神灯台付近の草原から
半島の先端に広がる草原です。

ぶらぶらと歩いているとあちこちでシカが寝床にした場所に出会います。シカが丸くなっ
て寝たためにそこだけ草が押しつぶされています。

周りの草を調べると、エゾカンゾウの葉先が食いちぎられた痕だらけです。喰い方から
推察すれば、エゾジカ達が好んで食べているように見えます。


(エゾカンゾウの葉を美味そうに食べる母ジカと寄り添うバンビ)

葉先だけかとシカたちが食べる現場を観察していると、葉を5,6枚まとめて口に巻き込
んで根もとあたりから引き抜きます。実にうまそうに食べるのです。


(花を美味そうに食べる若いオス)

冬の間、オスジカの群れとメスジカの群れが2百頭以上いた場所です。春先になって
かなりの数が半島の外に移動して行ったと思っていました。夏場になってから10数頭の
メスの群れは見かけましたが、それほど多くはいないと考えていました。

でもあまりにもひどい食べっぷりに調べてみようと、日暮れの時間帯に車を走らせて
見ました。するといるはいるは30頭ほどの群れが何組か海岸に出てきていました。

子持ちではなくほとんどが若い鹿ばかりのようでした。集団で行動しています。中に
リーダーらしきオスジカがいます。きちんと統率された群れのようです。


(日没になって林から姿を見せたエゾジカの群れ)

これまでの観察で群れは大きく2群に別れています。半島中央に拡がるナラワラの森を
隠れ家にするグループと半島先端に残るシラカバの林を隠れ家にするグループです。

このシカたちがエゾカンゾウを食べているようです。ちなみに半島の付け根からナラワラ
にいたる草原のエゾカンゾウはまだ食害をあまり受けていません。

この食害の実態調査がようやく環境省によってはじまりました。

他の植物被害を含めて急がないと、知床の二の舞になりそうです。もともと牛と馬の
放牧でずたずたになった野付半島の植物ではありますが。

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プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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