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★ 座禅草と水芭蕉 ★

2012年05月17日

神戸の先輩が「榊莫山遺作展」が開催されている三重県立美術館に出かけて、その
図録を送ってくれました。生前に莫山さんと付き合いがあった先輩は、私が大の莫山
ファンと知って、自分がもらったうちわや絵を送ってくれていました。私の宝です。

図録中に、莫山さんが亡くなったときに、娘さんのせい子さんが遺影のそばに置かれた
二曲屏風に書かれた詩が心に響きます。

サラバト小声デ ツブヤイテ
ヒトリトボトボ 山ヘキタ。
山ニハ青イ 沼ガアリ
白イ魚ガ 泳イデタ。
白イ魚ハ 目ニ泪。
泪ニ雲ガ 写ッテタ。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                  ■  座禅草と水芭蕉  ■

根室の奥座敷ではようやく水芭蕉が咲き出しました。気候のせいかこちらの水芭蕉の
花は小ぶりです。林の湿地に咲いている水芭蕉に隠れるようにひっそりと座禅草も咲
いていました。 



私が坐禅草を始めて見たのは根室です。アイヌネギを探しに行ったときに、えんじ色
のお椀をかぶせたような花か葉っぱかわからん植物を見つけたのが初見でした。

えんじ色のお椀はじつは花弁でした。食虫植物にも見えました。とにかくけったいな花
です。見かたによると仏さんの光背に似た花びらが重なって洞みたいになり、その中
に親指を立てたような花柱がありました。

これを坊さんが坐禅を組む姿に見立てたことから付いたのがこの花の名前でした。
いやー感激しました。寒冷地にもこんな変態花があることにびっくりし、一度でお気に
入りの花になりました。

調べてみるとやっぱり変態でした。雪がまだあるときに開花するために花をたくさん
付ける土台の肉穂花序(にくすいかじょ)で発熱が起こって、なんと25℃まで上昇する
んです。

えんじ色のつぼみになっている花弁は熱をすぐに逃がさない保温の役目を持ち、周り
の雪を解かすのに役立っています。

いち早く出た花は、その熱を昆虫を集めるために使い、受粉の確率を上げるそうです。
あらゆる策略を使って生き延びてきた植物みたいです。

同じところに生息している水芭蕉も似たようなもんでしょう。


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年相応に近年友人・知人が世を去って行きます。莫山さん、川柳の時実新子さん…。夜、布団に入って目をつぶると、その人たちの口ぶり、仕草が思いだされて、喪失感に襲われます。

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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