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★ タカブシギ ★

2012年05月31日

コゴミが毎日新芽を丸めて出てきます。出てきた新芽はゼンマイがはじけるように1日で
大きな葉っぱを広げてしまうので、採るときは出たてを狙って摘んでいきます。はじめは
その朝に食べる分だけ採りましたが、あまりにも多く出てきだしたので2日前にとうとう
1年分を採ってきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                     ■  タカブシギ  ■  

タカブシギ。鷹斑鷸と漢字で書きます。羽の模様が鷹の羽の斑模様に似ていることから
付けられました。確かに夏羽のくびの縦じまや背中の黒っぽいまだら模様が鷹の羽の
模様に似ています。

とはいっても、タカを見たことのない人には鷹の羽の模様なんて普通は分かりません。
ならば学名のglaredaの意味の方が分かりやすい。「河原の小石」のイメージです。羽の
模様が小石が並んでいるように見えると思ってください。


まあ、模様がとても地味な鳥だと思えばいいのです。タカブシギは野付半島では干潟
には出てきません。いつも湿地の水の中で見つけることができます。

英名がwood sandpiperとつけられているように森林地帯の中の湿地で繁殖している鳥
なので、渡っていくときは内陸の湿地に寄ることが多いシギなのです。

私が見つける時はいつも1羽で、水の中でお腹が浸かるくらい入って餌を探しています。
水生昆虫を食べているようですが、いつも抜き足差し足の前傾姿勢をとりながらときどき
尾をぴこぴこ上下させてリズミカルに移動して行きます。

私にはいつも忍者のように見えるシギです。

★ 萌え走る ★

2012年05月29日

ツツドリが増えてきました。遠くで鳴いていたのに今朝は我が家の近くでホッホッと
力強く鳴いてくれました。いよいよカッコウのお出ましを待つばかりです。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                      ■  萌え走る  ■


桜が終わって、木々の葉が開きはじめました。シラカバの葉が日に日に広がって、透
け透けながら木の輪郭がしっかりしてきました。ハンノキもヤナギもマユミも若葉色に
塗られてきました。

畑が少ない南知床原野にも野菜の植え付けが始まりました。鋤きこんで真直ぐに延
びた畝には双葉の苗が出てきました。黒々とした土に直線がいっぱい並びました。


太陽の光をいっぱい吸い込んだ大地からたくさんの恵みをもらって、やがて黒土は
緑一色になっていきます。

遠くを見渡すと知床の山にはまだ雪がたくさん残っています。まだ重そうな雲がいっ
ぱい張り付いていますが、きっと大量の雨を降らせて雪解けを速めています。


雨雲が切れて黒い姿を見せる武佐岳のすそ野には、かすかに淡い緑が。雲漏れ日
に光る木々の新芽がふっくらと尾根の鞍まで上がっていました。


平地から山の尾根まで萌える絨毯が走るように延びて行っているのが分かります。


まだ朝は5度以下の気温が続いていますが、それにもめげず植物は走っています。

今週の日曜日は標津岳の山開き。来週は武佐岳の山開きです。

★ オオソリハシシギ ★

2012年05月28日

夜の森には香りばかりではなく、もっと魅力的なものがあります。それは鳥の囀りです。
染み入るように聞こえる声があります。フィー、フィーとか細いが遠くまで聞こえそうな
トラツグミの囀り。ソプラノで滑らかで心が明るくなるように囀るノゴマの声。ジーコ、ジー
コと夜中も飛び回って鳴くオオジシギ。五月ならではの楽しみです。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                  ■  オオソリハシシギ  ■



野付半島を経由して春と秋に渡って行くシギには、春に多く見られるものと秋に多く見ら
れるものがいます。その中でも、オオソリハシシギは春だけに見られるシギです。

オオソリハシシギはドバトより一回り大きく、足が長い大型のシギです。根もとが太く、長
くて上に反った嘴を持っています。この特徴ある嘴から名前が付けられました。

五月に姿を見せる時は、すでに夏羽になっています。オスは顔から下が赤褐色で、近く
で見ると派手に見えます。メスは胸から腹が白く、オスより大きく見えます。


(おすのオオソリハシシギ。お腹が赤褐色の夏羽です。)


(めすのオオソリハシシギ。お腹が白いです。)


10羽から30羽ほどの群れで来ることが多く、干潟にいる時は目立ちます。メスが大きい
せいか、落ち着いた姐さん達のまわりにアロハを来た兄ちゃんがうろうろしているように
見えて笑えます。

オオソリハシシギが春に多くやってくる理由が最近分かってきました。北上して北極圏の
ロシアの北東部やアラスカ西部で繁殖を終えると、そこから太平洋を休まずに、1万1千
キロもの縦断飛行をやってしまうのです。

アラスカで発信機を付けたオス2羽、メス7羽が衛星で追跡されました。その結果、最長
で1万1千キロもの距離を無着陸で飛んで行ったのです。

オオソリハシシギはアラスカを飛び立つ前にしっかり食べて体力を付け、追い風に乗って
高度数千メートルを飛び続けました。下降や上昇による無駄なエネルギーの消費を抑え
るためなのかノンスットプ飛行をしているようです。

渡り終えたときは体重が半減していますが、そのあとは体力回復にだけ努めればいいわ
けです。

逆に春に北上するときはアジア大陸寄りにルートをとって北上して行きます。途中中継地
に寄り、餌を食べながら繁殖地に戻ります。栄養状態がいい方が繁殖に有利になると
考えられるからです。

春だけに見られるのは、オオソリハシシギの偉大な知恵が働いているからなのですね。

びっくり。

★ キョウジョシギ ★

2012年05月26日

夜中に裏の林に足を運びます。昼に比べるとしっとりとした空気の湿りが何とも気持ち
がよろしいこと。草の香りが、李の花の香りが、森の香りがしっかり嗅ぎ分けられます。
上昇気流が無くなると匂いが地表に溜まります。アロマの森になるのです。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                     ■  キョウジョシギ  ■



野付半島を春に通過して行くシギの中で一番多いシギはキョウジョシギです。4月の
最終の週に大群が次々に入ってきます。黒い塊になって一の字になったり、丸く膨らん
だり、白くなったり、黒くなったり変幻自在に変わる怪獣に見えます。


300羽から500羽くらいの塊で根室海峡から野付湾の入り口を通って湾内に入って
きます。干潟に降りたり湿地に降りたり、一つの群れがそれぞれ別々に行動している
ように見えます。

広範囲に散らばってしまうので、どのくらいの数のキョウジョシギが入ってきているかは
分かりませんが、見つけた群れを足し算してみると4000羽から7000羽ほどになり
ます。実際はもっと多いような感じです。

ヨーロッパでは5000羽とか10000羽といったすごい群れを作るらしいのですが、
野付半島ではそんな群れにお目にかかったことはありません。



向かう先は北極海に面した海岸線。千島列島を北上してカムチャッカ半島から北極
地域に向かうのでしょう。実はキョウジョシギの移動ルートはあまりわかっていません。
日本より南の南半球で広く越冬し、北極に向かうのですが、どこで越冬していたシギが
日本を通過して行くのか、そのルートは、となるとまだわからないのが実情です。

かなりの数が野付半島では通過して行くので、キョウジョシギには重要な場所になって
いることは間違いないようです。

すでに夏羽になっているオスは、背中の鮮やかな茶色と黒のまだら模様が特徴です。
鮮やかな橙色の足と黒い足は体長に比べ短めです。嘴はくぎ抜きの狭い場所に挿し
込む扁平な先みたいに上に反っていて、大きな石や土の塊を跳ね除けるのにうまく
使います。

1羽1羽を見るととても派手なように見えますが、干潟に降りているときや、海岸の
岩場や砂浜で採餌しているときは、周りの色に溶け込むように目立たなくなります。

海岸線を歩いているときに目の前からと飛び立つまで全く気付かないことが多いの
もキョウジョシギです。

今年は五月六日がピークでした。

★ のんびり干潟のタンチョウ ★

2012年05月25日

タンポポが咲き出しました。まだ花の茎が短いので絨毯のようできれいです。一斉に
咲く光景は北国の風物です。路肩や芝生がまっ黄色になります。ほんの数日ですが
見事です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  のんびり干潟のタンチョウ  ■

5月は干潟が1年のうちで一番広く出てくる季節です。アサリやホッキ貝がプランクトン
がたくさん発生するために一番美味くなるときです。小魚もプランクトンを求めて浅瀬を
うろうろします。それを狙って大型の魚がアマモの陰に潜みます。さらに鳥たちが・・・。

野付半島のタンチョウは干潟の鳥です。湿地で食べ物を探しますが、それは満潮の時
です。たいてい干潮の時にお腹いっぱい魚を食べて、あとはのんびりしています。


5月はタンチョウにとってはいちばん大切な時季。交尾を終えて産卵を済ませ、抱卵に
入っている頃です。卵がヒナになるまでは約30日。ヒナが大人の大きさになるまでに
だいたい100日。子育てには最低4か月はかかります。

遅れればヒナの成長には大きな影響を及ぼすはずです。

連休最後の5月6日に顔見知りのタンチョウ夫婦がのんびりと干潟に出てきて食事を
していました。シギを見るために干潟を歩いているといつの間にかこちらに向かって
歩いてきました。


おいおい今年は卵を産まないのかな。去年もヒナを連れてなかったよね。お前ら、なん
か事故でもあったのか。ゆったりと二人で食事なんかしているときではないっしょ。

そういえば2日前に強力な低気圧が通過して行きました。海には大量の流木が流れて
きて定置網に引っ掛かり、けっこうな被害があったようです。海岸にはコンブや海草、
ホッキ貝、ホヤが大量に流れ着いていました。てんこ盛りです。泳ぎの上手いゴマフ
アザラシが2頭、死体になって上がっています。

湿原は水位が上がって、倒れた枯れ茎が水没しています。雨もけっこう降ったようです。

これか、と思いました。せっかくの巣が水没してしまったようです。1週間前は、オスが
1匹で餌を漁っていたし、警戒感も強かったはずです。

そうか、喪失感で一杯かもね。だからのんびりしているように見えるのかも。警戒感が
ないように見えるのもきっと巣をあきらめたからなんだ。

かってに想像して、カメラにその姿を収めました。


★ オバシギ ★

2012年05月24日

屈斜路湖のコタンに住む仙人からワカサギとチップをきれいに料理してたくさんいただ
きました。ワカサギは湖から産卵に遡上してきた魚を小さなたも網ですくったもの。
チップは岸辺から100mほど沖合で釣ったもの。新鮮で香り豊かで美味そうです。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                     ■  オバシギ  ■


どういうわけか8月にいつも見かけるオバシギと5月3日に遭遇してしまいました。わずか
2羽ほどの群れでしたが、とても感激をしてしまいました。というのは・・・。


オバシギは世界的な分布をみるとシベリア東北部・北極圏のコマリからアナジルにかけ
ての限られた山岳のツンドラ地域で繁殖する地域限定の鳥なのです。


冬季はオーストラリア大陸やインドなどに渡って越冬します。日本では秋と春の渡りの
季節に姿を見せますが、最近春に渡って来るオバシギの数がとても減っています。

70年代以降の30年間で90%減になってしまいました。最近は九州以外の地域では
大きな群れを見ることができません。主要な通過地の韓国の干潟もかっては5万羽以上
の群れが真っ黒になるくらいに見られたのに、今や大規模な干潟の開発によって、激減
しているそうです。

英名は「great knot」と言います。knotに「群れや集団」という意味がありますから、かって
はとてつもない大きな群れが干潟を埋め尽くしていたように想像します。

野付湾でオバシギを春に見ることは本当に珍しいことです。びっくりした私の顔が想像
できるでしょうか。

オバシギは貝が大好きで、野付湾の干潟ではそこらじゅうにいる巻貝やアサリの稚貝
をこまめにあさっています。秋口に渡ってくるオバシギは他のシギに比べて警戒が薄く、
近寄ってもあまり逃げません。それに比べると先日に出会ったオバシギは近寄ると
すぐに逃げてしまいました。

カムチャッカ半島に向かうために緊張感が増してきていたかもしれません。


★ 七つ笛のチュウシャクシギ ★

2012年05月23日

21日は二十四節気の小満にあたりました。気候的には初夏です。朝から気合が入
って金環日食を見る気満々でした。写真を撮ろうと用意しているとき、不思議なことに
気が付きました。日食が始まって光量が落ちてくると、餌場にやってきていたヒヨドリや
シメ、カワラヒワなどが姿を消してしまったのです。とうとう終わるまで姿を見せません
でした。彼らも日食を愉しんでいたのでしょうかね。

おばんです。小太郎でごじゃります。


(日食を撮るのは難しい。フィルターがいりますね。)

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                  ■  七つ笛のチュウシャクシギ  ■


ピピピピピピピ。一年ぶりに聴く澄んだ笛の声です。その声の主は満潮になった砂浜
の波際にいました。嘴が下の方に湾曲して、頭の長さより二倍くらい長く伸びています。
大きさはカラスより少し小さく、スラッとして引き締まった体つきです。

通称セブンホッイスゥラーとかわいい名前を付けられているチュウシャクシギです。
シギの仲間では大型のシギに入ります。


野付半島は彼らの渡りコースから外れているらしく、あまり見られません。それでも
一羽とか五羽とかくらいで姿を見かけます。多くは中国や韓国の干潟に寄って、繁殖
する北極圏のツンドラ地帯に行くようです。

というのは、野付湾には彼らが主食にしている干潟のカニが全くいないからではない
でしょうか。ゴカイや小魚がいても嘴が曲がっているので捕りにくいから、きっと寄り
たくないのです。

曲がった嘴はカニが逃げ込む穴から引き出しやすく、また食べる時にカニの足をバラ
バラに落とすのに好都合に発達してきました。カニを捕まえ、その長い嘴で振り回して、
足をバラバラに落としてから甲羅のついた体を丸呑みするのにとても便利です。

エサが捕りづらい野付半島ですが、太平洋沿岸を北上してきたチュウシャクシギが
千島列島を北上して行くには丁度良い中継地としての価値がある場所のようです。


少なくてもいから毎年会いたいさすらいの笛吹きさんです。

★ 湿地のタシギ ★

2012年05月19日

今日、根室の奥座敷中標津町の我が家の桜が満開になりました。もう5月18日だよ。
下の森ではコゴミが突然出てきました。シイタケは雨後椎茸ごとく一斉に大きくなって
食べきれないほどです。我が家の天然の畑はいろんなものが出てくるので、目が離せ
ません。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                   ■  湿地のタシギ  ■


しばらく春のシギ特集です。今日はタシギです。

タシギは名前の通り、稲刈りが終わった田んぼに集まって、泥田に長い嘴を刺しこんんで
ミミズや昆虫を捕って食べます。北海道では見られなかった光景です。


(水の中を抜き足、差し足で餌を探すオスらしきタシギ)

田んぼでよく集まって休んでいることが多く、昔の人は見つけては捕って食べていたよう
です。弓で矢を放つと横をかすめて当たらなくても、ショック死したそうです。

昔からフランスではジビエとして料理され、食べられています。英語でSnipe(スナイプ)
と呼ばれています。この言葉の古い意味に「狩猟する」という意味があって、欧州では
狩猟の対象になっていました。


(メスに向けてのディスプレイなのか時々尾を直角に立てて扇形に広げる)

日本でも、欧州でも食べられているタシギの生息圏はとても広いことが分かります。実は
南極とオーストラリア大陸を除くすべての大陸に生息しているのです。

本州では冬季、越冬しているので珍しいシギではありませんンが、野付半島では秋と
春にわずかな期間だけ立ち寄って行くだけです。しかも、羽根が枯れ草の濃い色と
薄い色が混じったような色合いで、水辺にたたずむと枯れ茎や地面の色に溶け込んで
しまいます。じっとしてしまうと全く見つけられないほど保護色です。


(枯れ茎の中に入ってくつろぐタシギ)

春の野付半島のヨシが生える湿地はタシギが好む環境になり、目立たないけどタシギが
寄っていきます。秋ほどは多くありませんが、突然、足元から飛び出していきます。

★ ハマシギ群来 ★

2012年05月18日

桜がとうとう咲き出しました。花が開かないので、葉芽が先に開き出して今年は美しく
ないかなと諦めかけていました。昨日ポツリポツリと開きだし、今日は一気に五分咲き
になりました。根室地方はエゾヤマザクラとチシマザクラが主流ですから、葉っぱ先行
の桜にならなくてよかった。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                  ■  ハマシギ群来  ■

いよいよシギとチドリの北極圏への本格的な渡りがピークになってきました。野付半島
は彼らの渡りのコースのひとつです。大型のシギは多くありませんが、小型のシギは
多く見られます。先行してくるのがハマシギです。

ハマシギは北極圏のツンドラ地帯で繁殖するシギです。アフリカの方まで南下して冬を
過ごす鳥ですが、寒さには強く、厳寒の一月にも野付半島では見られます。

そのせいか、シギとチドリの中では最も早く渡ってくるシギです。三月には群れがやって
きます。先行群で氷が落ちた干潟や海岸でゴカイや子貝を食べています。たぶん彼ら
は千島列島を時間をかけて北上する群れなのでしょう。

でも本隊は四月の20日ごろからやってきます。300羽、400羽の群れが海から湾内に
入ってきます。海面すれすれに飛んできた群れは、湾内に入ると大きく膨らんで上昇し
それから干潟に降りてきます。


ハマシギ独特の群れが一斉に方向転換したときに羽裏や腹が真っ白に輝く光景は見て
いてとても感動します。ところが4月の群れはどの個体もお腹が真っ黒になっています。
すでに夏用の羽に衣替えをしています。


夏用の衣替えはほとんどのシギやチドリがします。ハマシギは冬羽は灰色の地味な色
ですが、夏羽は上面が赤茶色に色づき、お腹は腹黒いという表現がぴったりなほど黒
く変わっています。


繁殖地の環境色になじむ保護色になっていると思いますが、単独でまじまじ見るととて
も美しい色合いをしています。

野付湾での滞在はわずか2週間ほどで、大きな群れはいなくなります。まだ氷や雪が
残っているツンドラの草原に向かいます。


★ 座禅草と水芭蕉 ★

2012年05月17日

神戸の先輩が「榊莫山遺作展」が開催されている三重県立美術館に出かけて、その
図録を送ってくれました。生前に莫山さんと付き合いがあった先輩は、私が大の莫山
ファンと知って、自分がもらったうちわや絵を送ってくれていました。私の宝です。

図録中に、莫山さんが亡くなったときに、娘さんのせい子さんが遺影のそばに置かれた
二曲屏風に書かれた詩が心に響きます。

サラバト小声デ ツブヤイテ
ヒトリトボトボ 山ヘキタ。
山ニハ青イ 沼ガアリ
白イ魚ガ 泳イデタ。
白イ魚ハ 目ニ泪。
泪ニ雲ガ 写ッテタ。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                  ■  座禅草と水芭蕉  ■

根室の奥座敷ではようやく水芭蕉が咲き出しました。気候のせいかこちらの水芭蕉の
花は小ぶりです。林の湿地に咲いている水芭蕉に隠れるようにひっそりと座禅草も咲
いていました。 



私が坐禅草を始めて見たのは根室です。アイヌネギを探しに行ったときに、えんじ色
のお椀をかぶせたような花か葉っぱかわからん植物を見つけたのが初見でした。

えんじ色のお椀はじつは花弁でした。食虫植物にも見えました。とにかくけったいな花
です。見かたによると仏さんの光背に似た花びらが重なって洞みたいになり、その中
に親指を立てたような花柱がありました。

これを坊さんが坐禅を組む姿に見立てたことから付いたのがこの花の名前でした。
いやー感激しました。寒冷地にもこんな変態花があることにびっくりし、一度でお気に
入りの花になりました。

調べてみるとやっぱり変態でした。雪がまだあるときに開花するために花をたくさん
付ける土台の肉穂花序(にくすいかじょ)で発熱が起こって、なんと25℃まで上昇する
んです。

えんじ色のつぼみになっている花弁は熱をすぐに逃がさない保温の役目を持ち、周り
の雪を解かすのに役立っています。

いち早く出た花は、その熱を昆虫を集めるために使い、受粉の確率を上げるそうです。
あらゆる策略を使って生き延びてきた植物みたいです。

同じところに生息している水芭蕉も似たようなもんでしょう。


★ クロガモの集い ★

2012年05月16日

桜の開花をこの1週間待ち望んんでいます。でも寒い天候が邪魔をしています。晴れ
た翌日は雨が降る、これじゃ桜も踏ん切りがつきません。今朝の気温はプラスの4℃。
お隣の弟子屈はマイナス0.4℃でした。


おばんです。小太郎でごじゃります。

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                  ■  クロガモの集い  ■

北極圏で主に繁殖するクロガモが4月の下旬ごろから10羽前後の群れを作って岸辺
の近くでよく見られるようになりました。


冬季は2,3百羽ほどの群れで沖合にいて、警戒心が強いのかなかなか岸の方に近
寄って来ることはありませんでした。それがこの頃小さな群れを作って目の前にやって
くるのです。

群れのメンバーを見るとメスが1羽にオスが8-10羽という構成です。メスは黒褐色の
くすんだ色合いをしておとなしそうに見えます。そのメスを囲むように鮮やかな黄色の
嘴を持った全身黒づくめのオスが活発に動き回ります。


オスがメスにダッシュして近寄ったり、体を押し付けるようにしたりと見た目ラブアタック
を繰り返している感じです。

群れは海岸から20mのところから岸辺に向かって移動してきます。ときに一斉に潜水
して浮き上り、また潜るを繰り返します。好物の貝を採っている風でもありません。
どう見ても1羽のメスを巡って多数のオスが懸命に自己主張をしているように見えます。


(真ん中のにじみ墨色をしたのがメス。黄色い嘴をした黒色がオスです)

群れは忙しく飛び上がって、小移動を繰り返します。バッシャと着水、シャカシャカ水面
を移動、スポッと潜り、スーッと浮いてまた移動、なんと張りつめた行動です。

これでメスは相方になるオスをどうやって決めるのやら、見てる方はわくわくのどきどき
です。これから北上して行くうちに決まるのでしょうが、オスは大変なエネルギーがいる
ものだと感じ入ります。


(前から4番目がメス)

この地域にいるクロガモは千島列島でも繁殖しています。根室や阿寒湖畔でも繁殖が
確かめられているそうです。

熾烈な猛アタックで結ばれるカップルなのですから、生まれてくるヒナたちは過酷な生存
競争に耐える力が備わったエリートたちでしょうね。


★ フノリの浜 ★ 

2012年05月15日

今日は朝からため息ばかり。ふぅーん。あーっあ。空を見ては唸っていました。皆さん、
朝から快晴無風の、しかも湿度のないかっらとした爽やかな天候。年に何度かしかな
い上天気。昨日、強風と寒気にさらされ野付半島をうろついていたのが嘘みたい。
恨めしやーの快晴でした。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                     ■  フノリの浜  ■

私の遊び場の干潟には、いまフノリがいっぱいおがっています。フノリといえば波の
荒い岩場にびっちり生えているイメージしか持っていませんでした。砂浜が広がる
干潟に生えているフノリを見つけて口にしたときには、ちょっと感激しました。


野付半島は毎年成長している半島で砂や石がどんどん運ばれてきます。干潟は毎年
砂や小石が打ち寄せられて変化して行きます。フノリは運ばれてきた小石に付着して
おがります。ですから、毎年おがっている場所が変わり、増えたり減ったりしています。

毎年通っていると、ここ2,3年運ばれてくる石や砂の量が増えていて泥どろしい干潟
が減って砂地の干潟が広がってきています。

ですからフノリの生息場所が拡がってきています。パラパラしか生えていなかったの
今や、一面に生えています。


中標津では3月ごろに根室半島で採れた生のフノリが魚屋に出回ります。寒い時期の
採れたてのフノリは風味が強くて私は大好きです。野付でも採りたいのですが、氷が
あって干潟が出てきません。

4月になってようやく姿を見せます。たくさん採っても食べきれませんから、いつも手に
ひと盛りほどです。味噌汁が最高。カツオとコブの出汁にフノリの風味が上手く合い
ます。

刺身のつま、イカやタコのぬた、クレソンと合わせたサラダ。納豆にもぶち込みます。

最近は、フノリの粘性のもとになる多糖質が抗腫瘍作用や血液中のコレステロールを
下げる作用などが注目されてきて、私の中では「体にいいもの」というイメージが定着
してきています。

おいしく食べて、体に良ければいいことばかり。遊びついでにほんの少し自然のおこぼ
れをいただいています。

★ キタキツネの衣替え ★

2012年05月13日

7日ぶりに太陽の光を拝みました。眩しかった。地平線に沈む太陽が雲の隙間から
顔を出して、シラカバの白い幹を鮮やかに浮かび立たせました。黒い雲をバックに
何とも美しい日本画の世界を見せてくれました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                 ■ キタキツネの衣替え  ■

あんなにふわふわとしていたキタキツネの毛がボッサボッサと抜けてきています。


冬の毛って意外に長い。先は茶色なのに先から3分の1くらいから黒い毛になっていて、
冬の寒い時期には太陽の弱い光をしこたま貯め込んでやろうという意欲の表れでしょ
うか。

黒い毛の根もとからは、短いが硬そうな夏の毛がびっちり生えてきています。長髪を
思い切って短くするとすっきりするぞと云いたそうです。

頭の方から赤茶色の短い毛に変わり始め、今は首のところまで抜けてきています。
慌てて抜けてしまうと5月に入って雪が降る日が来たりすると困るよな、寒いよな。


衣替えもあらゆる気候の変化を想定して行かないと命を落とすということがありますね。
暑さは何とか凌げるが、寒さは耐えられません。しっかり衣を着ている方が安全安心。

今年のように5月になっても零度近い寒さがやってきて、体温を奪っていく強風が吹く
ことがあるとなおさらです。

急いては事をし損じるということを野生に暮らす動物は現実にやってるんだわね。

ふむふむ・・・。

★ ウミネコ ★

2012年05月12日

阿寒横断道路を車で通って来たクライアントさんが雪が降る中を帰ってきました、と
おっしゃっていました。今朝、我が家の居間から見えた斜里岳や武佐岳に雪が積もっ
ていました。さすがに平地では降りませんでしたが、寒い日が続いてます。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  ウミネコ  ■

ウミネコの数が増えてきました。3月くらいからよく目にするようにはなっていたのですが
5月に入ってから、海岸の砂浜で休むウミネコの姿が多くなりました。


根室海峡ではウミネコは一年中見られますが、冬季は少数しか居残らず、ほとんどの
ウミネコは本州の方へ南下して行きます。厳しい冬を根室海峡で過ごすよりも暖かで
エサが豊富な本州を選ぶのは、ごくごく普通のことです。

ウミネコは日本ではどこでも見られるカモメで、「カモメ」とか「ゴメ」いうとウミネコといわ
れるほどです。でも北海道では「ゴメ」というとオオセグロカモメです。


ウミネコは世界的な分布では、北西太平洋だけにいる固有のカモメです。国内では
広く分布している珍しくもない普通のただのカモメなのです。

根室海峡に春にやってくるのは繁殖のためです。知床半島には営巣地があってオオ
セグカモメと一緒に繁殖しています。国後島の情報はないのですが、北側に切り立った
断崖が多く、ひとが近寄りにくい場所があるのできっと営巣地がありそうです。

5月に入ると海峡にはイカナゴやイワシなどの小魚が大群でやってきて、ハシボソミズ
ナギドリなどの群れが集まります。当然オオセグロカモメやウミネコも魚を捕りに集まっ
てきます。ただ、海面が真っ黒になるほど集まるハシボソミズナギドドリに比べると
かき消されるほど少なく見えます。

野付半島にやってくるウミネコは漁の合間に休みに来るって感じで、砂浜に集まって
休んでいます。そろそろ営巣に入るなという光景がそこかしこで見られます。


すでに番いになったオスとメスが嘴の先と先を合わせ、オスが口の中から魚を吐きだし
メスに与えています。もらったメスはとても穏やかな表情になっています。するとオスは
メスの後ろに回ります。メスは体を水平にして身構えます。それを見たオスがひょいと
メスの腰の上に飛び乗ります。

メスの体はとても安定していてオスが乗ってもびくともしません。オスはここから交尾の
体制に入って、バレリーナのようなアクロバテックな動きをして交接します。


この儀式を終えると彼らは営巣地に向かいます。


★ アカマルハナバチ ★

2012年05月11日

海霧と零度近い気温が続く根室地方です。暖房復活です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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               ■  アカマルハナバチ  ■

フキノトウの花に全身赤茶色の毛に包まれた丸ぽちゃのマルハナバチが懸命に蜜を
吸っていました。毛先が長くふっくらして達磨さんみたいです。

背中から腰・腹にかけて鉄さびの鮮やかな赤茶色、黒そして先端が白とコントラスが
はっきりとした特徴的な組み合わせを持っています。

体の毛が長く、ポンポチみたいにふっくら丸みを帯びたかわいらしいマルハナバチです。


調べてみると、北海道ではコマルハナバチと並んで春真っ先に現れるアカマルハナ
バチのようです。

しかも女王蜂です。秋に交尾を済ませて越冬していた女王蜂が出てきて、フキノトウの
花蜜を食べて体力つくりに勢を出しているところです。足や体にいっぱい花粉を付け
どこかで食べるつもりなのでしょう。


アカマルハナバチは国内では北海道にしかいません。しかし、種としてはノルウェー
からユーラシア大陸北部に広く分布しています。

北海道のものは、分布的には東の端に位置して、固有の亜種とされます。亜種名の
「koropokkus」はアイヌの森の妖精「コロポックル」にちなんでつけられたものです。

春一番に出てくるクジャクチョウと仲良くフキノトウの花めぐりをしていました。


★ 雷シギのオオジシギ ★

2012年05月10日

テレビでは桜の開花の話題は遠き昔みたいです。日本列島で一番最後に咲く根室
地域の中標津では、つぼみがふっくら膨れてきて花芽だと分かるくらいにやっとなり
ました。あと数日です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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             ■  雷シギのオオジシギ  ■

マイナス21度の寒気が大陸から下りてきて、各地で竜巻や集中豪雨が起きて大変な
被害が起きました。こちら根釧台地でもカミナリが各地に落ちて、広域で停電になって
しまいました。今年は季節外れの雪ではなく、カミナリでした。

遠くでカミナリが光っているときに、我が家の上空ではカミナリシギがガッガッガッガッー
と繰り返し鳴きながら飛んでいました。


カミナリシギはこちらで呼ばれいるオオジシギの愛称です。遥かオーストラリアから
長い旅をして来ました。8000キロ以上を飛んでくるのですから、ご苦労さんと毎年
姿を見るたびに思います。

4月には来ていますが、静かです。そのうち上空を飛び始めます。ライバルができて
互いに自己主張する為に飛びながら鳴きはじめます。縄張りの宣言ソングであり、
メスへのアタックソングです。

ガッガッガッガーと喉をつぶしたような声を出しながら、上空を半径100メートルほど
の円旋回を繰り返し、ときに急降下をして地面すれすれをかすめて、再び上昇します。

この急降下のとき、シャープな翼を半分たたむようにして加速します。途中から尾羽
を扇形に広げてブレーキをかけ、地面すれすれで急上昇に移ります。このとき、翼と
尾羽にかかる空気抵抗でガガガガガガーというすさまじい音がします。


空気を破る音が雷の音に例えられてカミナリシギと呼ばれるようになったと聞いてい
ます。

でも、今回のように5月の雷が遠くで鳴り響いている最中にも、怖がることなく上空を
鳴きながら飛んでいたことから、名前が付けられたかもしれないとふと思いました。

カミナリシギは道東では5月の風物です。

★ 頭の黒いユリカモメ ★

2012年05月09日

卵の中で黒く成長していたエゾアカガエルのオタマジャクシが次々にふ化しています。
わずか5ミリの小さなオタマがくねくねと体を振って泳いでいます。水の中のミズナラ
の枯葉の上に集まって、これからのことを考えているふうです。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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               ■  頭の黒いユリカモメ  ■

昨日のキバナノアマナはユリの仲間でした。春に咲くユリは確かに質素でかわいらしい
姿をしていました。そこでふと頭によぎったのがユリカモメでした。


           

ユリカモメは野付半島では旅鳥です。春と秋にちょこっとの間滞在して、すっといなく
なるカモメです。


冬の間本州各地で過ごしていたユリカモメのほんの一部が4月20日ごろから5月
10日ごろまで滞在して行きます。でもあまり目立ちません。湾内の河口の中州に集
まって、湾内で小魚を捕っているせいか遠くでしか見られないからです。

春のユリカモメは頭の部分が真っ黒です。黒頭巾を被った白いカモメという表現が
ぴったりします。目のまわりの瞼が白い色をしているせいか、マスクを被っているよう
に見えてしまいます。


冬羽が頭も含め白っぽく見えるので、この黒頭巾の変わりようにいつも魅了されます。
これって夏に繁殖するときの大事な衣装です。メスもオスも同じ衣装でなにかメリット
があるのでしょうか。


飛ぶ姿は蝶々みたいに軽やかです。小さなカモメですからオオセグロカモメやシロ
カモメみたいにおおらかさはありません。ちょこまかとして俊敏です。

空中に一点止まりして、狙いを付けた魚めがけて水中に飛び込みます。アジサシと
同じようなシューティングをします。


ギャーオー、ギャーオーとかギュギュギューという顔に似合わない汚らしい声を出す
ので、いつも美人なのに嗄れ声の女の人に会った気分になってしまいます。

でもまあ、綺麗だから許してしまいます。

これからカムチャッカの北の方に飛んで行きます。

★ キバナノアマナ ★

2012年05月07日

昨日は62回目の誕生日。皆さん、お祝いありがとうございました。輪島塗の筆ペンは
綺麗でした。これから、はがきを書くときはこの筆ペンで書くべ。さだまさしが筆だと一字
だけでも済ませれると言っていたこと思い出しました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  キバナノアマナ  ■

枯れ草の中で黄色いユリに似た小さな花に出会いました。毎年見つけていたけど、
ついつい見過ごしていた花。エゾエンゴサクの近くで、春一番を競うようにひっそりと
咲いていました。


ユリの仲間のキバナノアマナ。漢字で書くと黄花甘菜。球根を煮て食べると甘みが
あることから甘菜(あまな)の名前になったとか。黄色い色の花をつけることから付い
た名がキバナノアマナ。見た目と食感から付けられた名前では、素人にはさっぱり
イメージしにくい植物です。

花の形を見ればユリの花です。野付半島でのイメージはエゾカンゾウやエゾキスゲ、
エゾスカシユリです。これらに比べると、キバナノアマナはとても小さくて、清楚で爽
やかです。外側が緑色がかった黄色で、内側は落ち着いた黄色が印象的。どこか
ランの仲間という雰囲気をもっています。

地面に伏せて横から見るときれいですよ。枯れ草と枯れ茎の下からようやく春を待
って元気よく咲いたぞという喜びにあふれている雰囲気がいっぱいの花です。


北海道の原野で春一番を飾る美しい黄色い花・キバナノアマナです。

★ のたりタンチョウ ★

2012年05月05日

5月の連休の私の行事は、冬に落ちた木の枝拾いと木の剪定です。それと餌台用の
柱を立てることです。ですが大雨に邪魔されて、只今待機中です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                  ■  のたりタンチョウ  ■

雪解けが遅くて、なかなか自分の繁殖地に戻れなかったタンチョウですが、最近よく
見かけるようになりました。


(夕暮れどき。1羽のタンチョウがのんびり餌どり)

営巣に入る前のタンチョウは夫婦で見かけることが多いです。牧草地に現れたり、
干潟で仲良く魚を探しています。


(牧草地に来た夫婦。のたりのたりと羽づくろい)

繁殖に入る前はまだ警戒心が少なく、出会っても慌てて逃げてしまうことはありませ
ん。追いかけなければのんびりとした歩きで離れて行きます。


(警戒感がまったくない。体の手入れに熱中)

のたりのたりと歩くタンチョウはすでにしっかりとした縄張りを持っていて、巣を造る
場所の周辺にほかのタンチョウが入ってくると激しく追廻します。時には、クッルルル
ルル・・・、と甲高い声を出して威嚇します。

餌を捕りになわばりから遠くに行くときは片方が残って、片方が捕りに行くようです。
そんな時は、きっとメスが営巣する場所を決めて巣作りに入りかけている気配を感じ
ます。

タンチョウの研究が進んできていますので、時々足に色のついたリングを付けている
タンチョウに出会います。遠くからでも分かるように目立つ数値が掘り込んであります。


(リングナンバー128)

たいていはまだヒナの時に、狙いをつけて多人数で追いかけ捕獲してリングを付けた
タンチョウです。こうすれば出生場所と生年月日が分かるので、数字を確認すれば
何処から来て、いくつなのかがすぐにわかります。

広い野付半島には昨年や一昨年に生まれた若いタンチョウが春には見られます。
若鳥は2,3羽でつるみ、夫婦のタンチョウを刺激しない場所を選んで餌を探してい
ます。まだ頭の上の丹頂が鮮やかな赤ではなくてくすんだ赤をしています。


(頭の丹頂の赤みがまだ6分色)

のたりのんびりしたタンチョウを見るのはこの時期が一番です。


★ 跳ねる仔牛 ★

2012年05月04日

久々の本格的な雨です。枝に滴が溜まって、白く光ってぽつんぽつん落ちて行きます。
湿って寒く感じますが、零下20℃のことを思うと本当に暖かくて動きやすい。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                   ■  跳ねる仔牛  ■

NHKの投稿ビデオを見ていたら乳牛が放牧されて、嬉しそうに飛び跳ねている光景
が珍しいシーンとして放映されていました。イギリスの投稿者だったと思います。

それを見て、「え、なんで」と叫んでしまいました。根室地域の牧場では春先の放牧は
よく見かける光景ですから。


こちらでは雪が少ないせいもあって、冬でも放牧する農家があります。運動させること
で乳の質の向上を図り、美味い牛乳を作ろうと努力しているのです。

凍れがとれて、盛り上がっていた土の表面が締まってかたくなって来ると放牧が可能
になります。土の中に張り巡った牧草の根から一斉に新芽が湧きだしてきて、一日ご
とに青々してきます。日が当たると地面から水分が蒸発して、ゆらゆらの陽炎が昇り
ます。

手で地面に触れてみるとほんわか暖かくて、心地がよろしい。この気温ならクモやフ
ンコロガシ、ミミズなどが活発に動き回ります。

牧草地に向かって立ち小便をしていたら、2,3歳になった仔牛たちがこっちに向かっ
て走ってきました。足さばきが歌うように軽快です。後ろ足を思い切り後ろに蹴り上げ
左に右にスッテプを繰り返します。

嬉しくて仕方ないという表情をみなぎらしています。私の方に近づいて飼い主ではない
ことに気付いたのか、いったん止まり確認してました。周りを見渡すとこの牧草地には
バラ線を張り巡らした柵がありません。

どうやら脱走してきたようです。若いから遊び心満杯で、棲み処のまわりを探検して
回っているようです。

遠くには行かないでしょうが、飼い主さんはあわてていることでしょう。

★ 目立ちやノビタキ ★

2012年05月03日

マユミの新芽が出てきました。昨日は丸めの芯だったのに今日はもう葉が広がりだし
ました。毎日が彩りを変えていく、目には愉しい季節がきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                   ■  目立ちや ノビタキ  ■

枯れ野にノビタキが目立ち始めました。ヒバリやハクセキレイが三月の中・下旬に姿を
見せるはずだったのに、今年は雪が多くて四月に入って見られました。いつもならノビ
タキが渡ってくる時期です。ノビタキが見られたのがなんと22日(20日前後には来て
いたかな)、2週間近い遅れです。

厳冬のすごさをどうやって知るのかわかりませんが、棲みやすくなる時期をきちりと
調整してやってくる野鳥の柔軟性はすごい。

車で移動しているときにノビタキが一番目立つ季節です。道路が縄張りの境界になる
ことが多いのか、道路わきの灌木やススキの茎に止まっています。


(テロラポットの上に止まったオスのノビタキ)

この時期に頑張らないとオスは自分の生活空間を確保できなくて、ひとシーズンを
一人もんで過ごさなくてはなりません。いわゆるあぶれオスです。縄張りを持ったオス
がいなくなった時の補充オスです。

オス同士が近くに止まって睨みあったり、追いかけ合ったり、メスを挟んでアプローチ
したりしているので、周りより高くつくってある道路わきがよく使われるのです。


(オスに口説かれているメス)

ゆっくり車を進めると、ここにも、あそこにもとノビタキの姿を見ることができます。

野のヒタキと江戸の中期から名前が知れ渡っていた鳥です。その美声に聞きほれ、
花の上に止まる姿に見惚れたに違いありません。

私は大好きな鳥です。

★ オオハクチョウ北帰行 ★

2012年05月02日

二十四節気の第7番目の立夏が来ます。ようやく雪が消えた根室地域ですが、すでに
カエルが鳴きだし産卵が終わりました。夏鳥が続々到着して、自然界はすでに夏に突
入です。昨日は道北の紋別で29度の気温を記録。こないだまで雪が降っていたのに、
というのが北海道です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  オオハクチョウ北帰行  ■


雪解けが遅く、春水牧草地で旅立ちの来るのを待っていたオオハクチョウが先週から
大きな群れになって知床半島沿いに北上を始めました。


海霧(じり)が毎日のように発生して、天候が安定しなかったのですが、先週から移動
性高気圧が次々に通過して来だしました。

そのせいか、我が家の上空を百羽前後の大編隊で飛んで行くオオハクチョウの群れ
が目立つようになりました。本格的な北帰行の始まりです。

野付半島は全国で越冬していたオオハクチョウがロシアの北極圏繁殖地に向かうとき
に使う集合地点の重要な基地です。家族群で生活していたオオハクチョウが集まって
きて千羽以上の大集団に成長してきます。

今年はなかなか氷が融けず、集まりが悪かったのですが、ここにきて群れが膨らみま
した。

旅立ちの時、それまで分散して湾内で過ごしていたオオハクチョウたちは野付湾の基
部に流れ込む茶志骨川河口に集まってきます。十羽前後の群れがやってきて、やがて
七十羽から百羽ほどになると、首を真直ぐに伸ばして鳴き合いがはじまります。


クゥーコッ、クゥーコッとトランペットを上に向けて吹く姿勢でみんなが鳴き交わし始めま
す。やがて一羽が水面を走り出すと、そのあとを追ってみんなが走りはじめます。滑走
して飛び立つと、湿原の上でユーターンして真横に拡がり「一の字」になります。


それから縦に編隊を組み、知床連山に向けて飛んで行きます。しばらく川沿いに進むと
半島の基部で右に曲がって標津の海岸に入り、海岸に沿って知床半島を左に見ながら
北上して行きます。


白い体はすぐに空と春霞に溶け込んで見えなくなります。今年の10月に新しい家族を
連れて無事に帰ってくることを祈りながら、なぜか涙が出てきます。

旅立ちはすごくエネルギーを感じる季節です。

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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