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ネズミイルカ ご馳走

2011年12月30日

12月の根室地方は寒さが居座りました。最低気温がマイナス10度以下になった日が
今日までに19日間ありました。まさかまさかの寒冷地気温です。雪が多くないので
地面が凍っていくスピードが例年をはるかに上回り、中標津ではすでに30センチを
超えてしまいました。ジャガイモを作っている農家はにんまりです。病原菌を持った取り
こぼしの小芋が凍ることで春には地面になってしまうからです。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■   ネズミイルカ ご馳走  ■

海岸にオオワシが30羽以上集まっていました。遠くから見るだけで壮観です。世界に
5ー6000羽ほどしかいない大型の美しい海ワシがカモメやカラスみたいに一所に
塊になっているわけですから。

           

彼らが寄るときは食べ物があるからです。野付半島は根室海峡に5キロ以上沖合に
突き出ていますので、海の中で死亡した生き物が風向きで打ち上げられることが多い
のです。


野付は「ノッケ」というアイヌ語から来ています。「クジラの下顎」という意味で、昔は
クジラが流れついて、カラスやカモメ、ワシ、キツネなどに食われて、大きな骨が残って
いたのではないでしょうか。

地名にもなるくらいクジラやトド、アザラシ、トリ、サカナ、貝などが台風や低気圧の
通過の時に吹く強風により打ち上げられてきたのです。

オオワシは警戒感が強く、私が姿を見せて近づいて行くと500mくらいで一斉に
飛んでしまいました。行ってみると砂浜の上に体長1mほどのイルカが遺体で打ち
上げられていました。

頭が小さく、背の方は黒く、腹は顎下から尾の付け根あたりまで白く、体の肉付き
からまだ若いイルカの体型です。自信はありませんが、ネズミイルカのようです。

ネズミイルカは初めて見るイルカです。クジラ目の中で最も小さくて、平均体長が
1.5メートル前後ほどの小さな小さなイルカです。

小さいのに彼らは北半球の寒いところに住んでいます。ベーリング海やアラスカ湾、
カナダ、グリーンランド南部などです。日本では北海道で見られるそうです。

浅瀬を好み、港や湾内でよく見られるそうです。ほかのイルカと違って海面をジャンプ
することはしません。海水の中で体をゆっくり回転させながら前に進んだり、水面で
ぼーっとしていたりする、まったりしているイルカのようです。どこか親近感の持てる
イルカです。

もしかして貴重な写真かも。

ワシがいなくなるとすぐにハシブトガラスとシロカモメがやってきて、ワシが切り裂いた
皮の中から肉を引きちぎって、急いで食べていました。


明日になればほとんど骨しか残っていないでしょう。そして1週間後には影も形も
なくなっているでしょう。

夜明けだ、朝日だ、ダイヤモンドツリーだ。

2011年12月27日

体調悪し。右足の親指の付け根が腫れて、神経を圧迫、ズキンズキンと痛みます。朝の
散歩を控えています。コーヒーと日本茶用の沢水が汲みに行けません。あまりにも痛い
ので、とうとう犬用の痛み止めを飲みました。見事に痛みが止まっています。今夜は
眠れます。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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            ■   夜明けだ、朝日だ、ダイヤモンドツリーだ  ■

日の出前の光は透き通って、凍って、青っぽくて、とても魅力的です。カメラを向けて空
気をを撮ってみると、朝と夕では全く違います。この違いは気温です。

しっかり凍った気温から太陽の光を浴びてゆっくり暖められて行く瞬間、瞬間の空気の
色合いは目に見えてわかります。

柔らかな黄色に染まりだした空がだんだん青味を増してくるとき、空から反射してきた
光が雪面をより青く染めます。この青さは北国ならではの蒼です。私はなだらかな丸み
を帯びた雪面の蒼の微妙な濃淡が好きです。

じっとして変わりゆく蒼色の変化だけでも、十分に満足できます。

いつも地平線に必ず雲があります。雲のない地平線はなかなか見られません。地平線
から顔を出す太陽を1度お目にかかりたいのですが、なかなかそのチャンスは巡ってき
ません。その代り雲から出てくる太陽さんが雲の縁をきれいに染めて上がってくる瞬間
の美しさは愉しませてもらっています。

雲の形はいつも同じではありませんから、時々でいろいろな雲のライン、縁取りアートを
愉しめます。いつか最高のお気に入りのラインができればと思っていますが、なかなか
です。

日が上がってまず輝くのは空気です。キラキラ輝く空気の結晶です。その日その日の
気温によって、原野のどこでも見える時もありますが、普段はほとんどありません。

必ず見たければ、川のそばに行くことです。川面から蒸発する水分が凍るときに見られ
るダイヤモンドダストです。風のない日に揺らり、揺らり空気のダイヤモンドは漂います。

太陽の光を正面に見て、空気を透かすと結晶が七色の光を反射させながらゆっくりと
移動して行きます。何もない無の境地です。

そしてまわりの木々の枝には、ダイヤモンドの結晶が見事に付着して、川畔の林を
白く彩ります。これが太陽に輝き、ダイヤモンドツリーに変身してしまうのです。

かってイルミネーションで飾られたクリスマスツリーを演出したことがありましたが、
これを見てからは早起きをして楽しむ方がずっと楽でいいと思うようになりました。

根室ではただでこんな美しいものが、運よくば毎日、見られるのです。

道路のエゾジカ

2011年12月25日

べと雪の翌朝はマイナス8度。シャーベットの雪はすべて氷になりました。雪かきをした後
の路面は凸凹になって歩きにくいったらありゃしない。ツルツル、ボコボコ。一寸先は危険
だらけ。神経使って、筋肉使って、バランスとって。歩くだけで体をきたえられます。ありが
たい季節です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                  ■   道路のエゾジカ   ■

3月11日の大震災以来、野付半島に来られる観光の人が随分と減りました。車の通行量
がほとんどないようなときもあります。そのせいか、エゾジカの家族が道路を横切る機会が
多く見られるようになりました。

車が来ない時は、堂々と道路を歩いて移動してきます。大きくなった小鹿は行動をみて
いるとおどおどしてぎこちない動きをしています。その点、母鹿は注意深く、周りに視線を
飛ばし、環境状況を把握して、子供を守ろうとするオーラをだしています。


鹿は見ていると車を怖がっています。道路に立って車を凝視していると、足音を立てずに
近づいてくる車のスピード感が分かりずらい。ゆっくり走って近づくと、大きくなってくる車に
反応して、急に横切ろうとする鹿が必ずいます。それがきっかけになって、家族が動き始
めます。

スピードを落とさず、道路わきにいる鹿が待ってくれるだろうと予測して来る車が鹿との
衝突事故を起こす例が多いのは、この鹿の行動ゆえです。


かってオーストラリアの車がヘッドにカンガルーとの衝突防止用のパイプを付けて走行
しているのを見て、すごい国だと思ったものです。砂漠の中を走る道路を120-30キロの
スピードをだし、不意に道路に飛び出してくるカンガルーから身を守るにはこれが一番
なんだと。

あとでブリスベーン大学の人が話してくれたことが、今でも印象に残っています。年間に
交通事故で死んでいくカンガルーの仲間とコアラの数がこのまま続くとどんどん生息
地域が減ってしまうと。

実際コアラは交通事故と伝染病でかなり生息数が減っているそうです。

日本でも一時期車のヘッドに鉄パイプつけた車が走っていましたが、最近は見かけま
せん。鹿の行動を理解してきた人が多くなってきているからでしょうか。

でも、まだ鹿との衝突事故と思われる事故は続いています。

オオワシはどこから来る?

2011年12月23日

昨夜から早朝にかけ雪が降りました。ひたすら降るな降るなと祈りましたが、ドカ雪が来ま
した。朝方の気温はプラス2度。湿って重い雪です。こんな時に右足の親指の付け根が
なんでか痛い。クッソと思いつつ覚悟を決めて7時から雪かきを始めました。重い。水気
たっぷり。始めちょろちょろ、中ぱっぱでやりました。12時まで約5時間。何とかなりました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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               ■  オオワシはどこから来るの?  ■

オオワシは、海洋性で魚を主食にするオジロワシ属の8種のワシの仲間で最も大きい鳥
です。世界的な分布を見ると、東アジアにのみいる鳥です。

オオワシのほとんどはロシア東部の沿岸地域、主にカムチャッカ半島やオホーツク海の
沿岸と島、ベーリング海沿岸、アムール川下流沿いの内陸湖、で繁殖しています。

少数がチュトカとサハリン島の北部、シャルタン島、千島列島の一部の島で繁殖しています。

ロシア産のオオワシが冬は何処に行くか、気になります。

多くのオオワシは餌が確保できれば繁殖地域から移動したくないみたいです。実際、
カムチャッカ半島のオオワシは、結氷しない海域の地域に移動する程度で、ほとんどが
1年を通して同じ地域で生活しています。

でも、冬季に流氷に覆われるサハリン島北部やシャルタン島およびアムール川地域の
オオワシは、流氷に押し出されるように北海道やプリモエ南部、ウスリー川流域に向けて
移動して行きます。

特にサハリン北部のオオワシのほとんどが、北海道と千島列島南部の国後島や択捉島
などにやってきます。

移動の時期やタイミング、そして越冬地域の範囲は、氷の状態と利用する食べ物に依存
しているようです。

越冬は流氷とおおいに関係があるようです。

野付湾 凍る

2011年12月22日

知り合いの漁師さんから「今日で漁が終わったから食べな」とたくさんホタテをいただきま
した。12月のホタテは美味い。根室海峡のプランクトンが旨味を増すのか身が引き締まり
甘みもさらりととして嫌みがない。グリシンというアミノ酸の甘みの口当たりがいい季節な
のでしょう。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                  ■   野付湾 凍る  ■

野付湾がどんどん凍っていきます。その勢いが止まりません。毎週行くたびに湾内に氷が
張っていきます。

18日現在で、湾内の60%ほどが凍りました。まだ薄い、厚いがあって安心して歩けま
せんが、厚いところは10センチの氷の厚さがあります。

凍り始めたのは湾の一番奥に流れ込む川からです。川の真水が流れだし湾内に広がり
ます。海水が入ってきていますから、比重の軽い真水は海水の上に浮いてきます。真水は
鉄板の上に撒いたように海水の上に広がり、凍っていきます。

氷になると、あとから流れ出してくる真水は海水と氷に挟まれて、湾全体に広がっていき
ます。地形により広がりやすい場所とにくい場所があるために、ところどころに海水面が
残っている場所があります。


(一面凍った野付湾。視界の海面はほぼ氷です。)

いつもなら凍っては解けて、また凍るを繰り返し、12月末から1月初めに急速に凍ります
が、今年は快調に前進、前進を繰り返しています。

氷の厚さから氷の下で魚を捕る氷下漁が今月中に始まるかもしれません。

オオワシが氷の上でたくさん休む光景がすぐに見られそうです。


(12月の氷の表面はでこぼこです。)

ツメナガホオジロ 北極圏のネズミドリ

2011年12月21日

雪が降りません。べと雪が降って以来、晴天率が極めてよく、毎日明るくて気持ち良き
日々を送っています。気温が低いせいで大地はもう30センチまで凍ってしまいました。
スコップで地面を掘ることはもう無理です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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            ■   ツメナガホオジロ 北極圏のネズミドリ  ■

ツメナガホオジロは地味で、地味で、とても地味で、見つけるのが大変なスズメほどの
小鳥です。地面に降りて餌を探すことが多くて、狙って歩かないとなかなか見つけられま
せん。

9月くらいには渡ってきている節がありますが、草がぼうぼうに生えている時期に出会う
のはむつかしい。草の茎に止まって餌をついばむことをしないので、姿を見つけられま
せん。飛んできては、すぐに地面に降りて、みっちり茂った草むらの中に入り込み、すぐに
ちょこちょこ歩き回り消えてしまいます。

羽の色は枯れ草色で、地面に降りてしまうと溶け込んでしまいます。じっと動かないと
わずか2メートル先にいてもわかりません。こちらが先に見つけ、動かず、彼らが動き出す
姿を見つけたときに、初めて彼らの姿を拝めます。

動きは俊敏で、枯れ茎の間をすり抜けて動き回ります。ヤチネズミがキツネやフクロウを
警戒しながら、物陰に隠れながら餌を探す姿にとても似ています。

私はこの行動からネズミドリと呼んでいます。誰もわかりませんが。

北極圏の繁殖地では、岩場で繁殖しているようです。丈の低い植物が多いところですから
おのずと歩き回ることが多いのでしょう。そのせいで後ろ指の爪が前3本の爪に比べ長く
発達したのです。ツメナガホオジロの名前の由来はここから来ています。

飛び方は翼を開いて羽ばたき、その勢いで上昇します。次に翼を閉じて体にぴったりと
付け勢いを付け下降します。それを繰り返して飛び回ります。ですからかなり早い速度で
飛べるのです。

地面に飛び降りる時は電光石火形のおり方をします。見つけづらいのはこの下り方が
上手いからです。

あたりまえの朝のために

2011年12月20日

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                  ■   あたりまえの朝のために  ■

                   朝は毎日、同じようにやってくる。

               あたりまえすぎて、特に意識することもない時間。

                   でも今年、私たちは気づいた。

                    あわただしいいつもの朝が、

           実はどんなにか穏やかで、かけがいのないものか、ということに。
                  

                                (WWFのパンフレットより)                   



コクガン アマモ大好き

2011年12月19日

池の氷の厚さが20センチ以上になりました。安心して歩けます。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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              ■   コクガン  アマモ大好き  ■

コクガンはアマモが大好きです。私が知る限り野付湾はコクガンが日本で一番多く集まる
場所です。さらにアマモの生育地としても日本最大級の面積を有する湾です。


(アマモを食べる親子のコクガン。前の1羽が今年生まれの若鳥です。)

コクガンが南下して越冬することで知られる津軽海峡に面する函館周辺や青森周辺、
大震災に見舞われた三陸海岸にはアマモの大きな生育地があります。

アマモは日本中に生育する植物ですが、水深が1~2メートルの海底に根を張って繁殖
するために、開発で生息地が急速に減少しています。コクガンにとってはけっしていい
状況ではありません。

アマモは漢字で「甘藻」と書きますが、胞子で増える藻類ではなく花を咲かせる種子植物
の仲間の海草です。地下茎を噛むとほのかに甘いことから付いた名前だそうです。


(海岸に大量に打ち上げられたアマモです)

海水温が高くなってくる8月ころから枯れだし、葉っぱが地下茎から離れて海面に浮きま
す。それが海岸に打ち上げられます。葉は細くて長く、イネの葉に似ています。形から
竜宮の乙姫の元結の切り外し」(リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ)という最も
長い植物名として知られます。

川が流れ込み、海水と混じり合う汽水域を好みます。森からの栄養分をしっかり吸収して
大きくなります。アマモ場という大群落を作り、潮の流れを和らげ、外敵からの隠れ家に
なります。おかげで多くの魚やその稚魚、エビやカニなどの生息場になったり、産卵場
にもなります。

多くの生物にとりゆりかご的な存在のアマモですが、実りの秋になって実をつけると
まだ青々したままで茎から離れ、浮き草になってコクガンやオオハクチョウの餌として
役立ちます。

海岸に打ち上げられたアマモは微生物に分解されて、カニやエビ、貝の仲間の餌として
利用されます。

とにかく役立つ海草です。

凍る夕陽が燃ゆる

2011年12月17日

オホーツク海から下りてきている寒気団が安定しています。根室地方はこのところ真冬
日になる日が続きます。天候も快晴の日が多く、毎日目にさわやかな日が続きます。
日本海側は大雪だというのに氷ばかり厚くなっています。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  凍る夕陽が燃ゆる  ■

西から寒気がやってきた。夕方にやってきた。どんどん気温が下がってきます。太陽の
茜色がだんだん澄んで来るのが分かります。

日中にはびこっていた太平洋からの暖気が2時ころから冷たい空気に凌駕されだして
きたのが分かりました。水けを含んでぼやけていた空気がだんだん澄みだしてきます。

一時強めの風が吹き、千切れ雲が東の方に足早に流れていきました。風が治まると
それまで雲に隠れていた太陽がちらちらと顔を覗かせ始めました。

光のシャワーが釧路の方にある雲の隙間から漏れています。黒い雲を背景にシャワー
は見事なカーテンに変わります。雲の移動するのに合わせてカーテンは東の方に移動
していきます。

地平線と雲の間に切れ目ができて、その隙間から太陽がとうとう大きな顔を出しました。
もう沈みかけです。刻一刻と大地に沈んでいきます。橙色の光が澄んだ朱鷺色に変わっ
てい来ます。

寒気が来ているなと思う瞬間。沈みかけの丸い太陽が燃え上がるように光が上に昇り
ます。サンピラー現象と同じ現象です。凍った空気に光が当たって、空気の中の結晶が
ダイヤモンドのように光を放散させるのです。

凍った野付湾とシラカバの林、根室の地平線に沈む夕日と雲の絶妙なバランス。初冬の
凍った夕陽です。


荒波のクロガモ

2011年12月15日

猫も年を取ると、寒い外は出たくありません。最近出不精になっています。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                     ■  荒波のクロガモ  ■

クロガモは姿を愉しむカモではありません。声を愉しむカモです。クロガモの声は口笛を
強く吹く感じで、透明感のあるとてもよく通る声です。

フィーーー・フィーーーと遠くからでもよく聞こえます。野付半島に立ち、じっと耳を澄ますと
波の荒い波間からその声は聞こえてきます。

大げさに言えば500m離れたところからでも聞こえます。海面に群れでいることが多く、
移動しながら海に潜って貝を捕って食べています。その移動しているときに悲しげな声を
出しているのです。

シベリアやアラスカで繁殖しているのに春は6月くらいまで群れで残っているし、秋には
9月に入る頃に姿を見せます。ですから野付半島近辺ではよく見かける鳥の一つです。

湾内の穏やかな海面にいることは少なく、主に外洋の波が荒い海にいることが多いです。
うねりの大きいときは、波乗りを愉しんでいる泳ぎをしています。

大きな波が襲いかかってくると、さっと水の中に潜ってしまいます。群れの仲間が一斉に
潜るときはシンクロナイズスイミングみたいで、とても楽しんでいるように見えます。

嘴の基部は鮮やかな黄色のこぶがくっ付いたようで、全身真っ黒の体の中で光を放ち
ます。このワンポイントの黄色が私は大好きです。オスしか持たない特徴です。

寒くなって流氷がやってくると氷の合間から聞こえてくるクロガモの声は、凍った空気に
よく通り、寂しくて切なくて、しみじみと心に響いてきます。一度聞くと決して忘れないと
思います。

一度聞きに来てください。


(波の飛沫が当たっても決して慌てません)

オオワシが群れでやってきた

2011年12月14日

日ごとに水たまりの氷が厚くなっていきます。7日前だと乗ると割れていた氷がいくら力を
入れても全く割れません。今季は綺麗な霜柱を見ることなく雪に覆われてしまいました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■   オオワシが群れでやってきた   ■

とうとうオオワシがカムチャッカ半島方面から群れでやってきました。12月11日の
野付半島にはあちこちにオオワシの姿を見ることができました。

総観察数は126羽、たいそうな数です。

まずは電柱の上に。凍り始めた湾内の氷の上に2羽、4羽、2羽と。シラカバの林には
ぽつりぽつりと枝に止まっています。

海岸線に出ると砂浜の上に22羽のオオワシが旅の疲れをいやすように集まっています。
投げ出された魚を食べに来てる様子でもなく、ただのんびりと集まっているのです。

湿原の中にも隠れるように降りているオオワシガいます。彼らは木の上に止まるより
地上に降りて休む方が好きなように見えます。

これから海風が強くなると、風を避けるように湾内の氷の上に降りたり、湿原の草陰に
降りて風よけをしている風に見えます。

これから1月まで半島近辺にやってくるコマイを狙って過ごします。2年前はあふれん
ばかりのコマイがやってきて浜は賑いました。オオワシは沖に出て大きなコマイを掴んで
きては浜に降りてむさぼり食べていました。


オジロジカ

2011年12月13日

エゾヤマセミが現れました。厳寒が来ると現れる鳥です。ヤマメのピンコを狙ってきていま
す。凍らない水温が暖かい小川に集まります。今は1羽ですが、多いときは3,4羽きます。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  オジロジカ  ■

オジロジカという鹿が北アメリカにいます。その地域に住む鹿の仲間の中では最も小さい
鹿ですが、エゾジカによく似ています。

夏は原野や草地に住み、針葉樹や広葉樹の林で日射しや人目を避けて暮らしています。
冬の間は森をねぐらにして、厳しい寒さから身を守って暮らしています。

毛色も夏は赤茶色で、秋とともに次第に色あせてきてふゆは灰色ががった枯れ草色にな
ります。

オスの角は毎年エゾジカと同じく生え変わり、秋になるとりっぱな枝角を持ち、メスを巡って
その角で争います。そして用がなくなる冬には落ちてしまいます。

食べるものもよく似ていて、葉や小枝、木の皮、果実、木の実、草、穀物、苔、キノコなどを
食べます。

名前は尾の裏が白いことから由来します。危険が迫ってくるとき、何か危険を察知した時
に尾をピンと立ち上げ、尾の裏側の白い部分を見せて左右に振ります。その時お尻の
まわりの毛を立てて、さらに目立たせます。

エゾジカを観察すると何故「蝦夷に住む鹿」という単純な名前にしたのか残念でたまりま
せん。エゾジカこそオジロジカと名付けた方がいいような「尾が白く見える鹿」にふさわしい
尾っぽと尻まわりが白い毛色をしていると思うのですが。

さらにオジロジカはエゾジカと同じように乱獲されて生息数が激減していました。それが
厳しい狩猟制限で再び増えてきています。これもまたエゾジカとよく似ていますね。


(警戒ではなく威嚇をしているときです。エゾジカもしっかり尾を立てます)

厳寒の月食

2011年12月11日

見ました。見ました。天気が良くて最高の月食でした。
前に見たときは庭に椅子を出して女房と日本酒を飲みながらじっくり見た記憶があります。
今回は忘年会から帰ってきてから待機しました。外気温マイナス6度、大気がカキーンと
澄んで最高の条件でした。

月食はちょい欠けから始まりました。

酒が入ってぽかぽかの体で、眠気を寒気で払いのけ、月が欠けだしていくのを観察し
はじめました。

前に撮影した時にとても難しいと思ったので、今回は条件をいろいろ変えて撮影してみま
した。影か、月の表面か、バランスか、悩みました。

ハイスピードで月の表面をくっきりさせました。

7日月ほどに欠けてきました。

三日月まで入ってきました。

すっぽり陰に入ってしまった月です。赤っぽい月の表面です。

カワガラス 水辺の忍者

2011年12月09日

寒くなった途端、小鳥たちの始動が遅くなりました。餌台に来る時間は太陽が出てから
温度が4,5度上がるまで遅くなります。やってくる数は午後の方が多くなっています。
今季は寒くなるでしょうか。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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            ■   カワガラス  水辺の忍者  ■

タワラマップの川に黒い鳥が姿を現した。嘴の先から足の先まで黒っぽい怪鳥です。
大きさはヒヨドリくらい。尾と翼が短く、ずんぐりむっくりの体型です。短い尾羽を上下に
ピッコンピッコンと振り、垂直に立ててます。機敏が全身から発してます。

水辺の忍者、カワガラスです。普段は(早春から晩秋の間)オショロコマを釣りに行く武佐川
や忠類川などの水温が16度以下の上流、大きな石がゴロゴロしている渓流にいますが、
12月になると必ず我が家の裏のタワラマップ川のような下流の小川に姿を見せます。

黒っぽく見えますが、太陽の光の下ではこげ茶色の光沢のある羽色をしています。分かり
やすく言うと全身チョコレート色だと思ってください。カラスとはついていますが、ツグミの
仲間に近い鳥です。

日本では北海道から九州までどこにでもいますが、この鳥のすごいところは水陸両用だと
いうことです。川の中の石の上にいたかと思うと歩いて水の中に入ってしまいます。スズメ目
の中で唯一潜水できる変鳥です。

水に入ると全身空気の層で覆われます。空気のマントを身に着けたように見えます。
水底にしっかり足をつけて前傾で普通に歩きます。

さりげなく見えますが、これはすごいことです。水の流れをうまく利用しているのです。
足をアンカーにして、翼に流れてくる水の流れの抑揚力をコントロールして、水底に押し付
けられる力を駆っして歩くのです。その自然なこと。

足裏にスポンジみたいな指だこがあり、苔の生えたぬるぬるした岩の上でも滑ることなく
歩けてしまう、水中の忍者という呼び名にふさわしい鳥です。


ハマナスの実 赤い巾着袋

2011年12月08日

地面がコチンコチンに凍っています。その上に薄っすら雪が積もると危険です。背筋を
伸ばして普通には歩けなくなります。そんなことをしたら足が先に行って頭から倒れて
しまいます。滑るぞと警戒しつつ、膝を軽く曲げて小走りに走るようなスタイルで歩きます。

おばんでです。小太郎でごじゃります。


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               ■  ハマナスの実 赤い巾着袋  ■

ぷりんぷりんだった赤いハマナスの実が水気が抜けてしわしわになってきました。周りの
葉が落ちて、実だけが寂しく残っています。その赤さが目立ちます。

12月になって野付半島で目立つ植物といえば、ハマナスの赤い実とナナカマドの橙色の
実です。風蓮湖のハマナスはエゾジカに食べられ、見事な群落がどんどんなくなっている
ようですが、野付のハマナスはがっつり残っています。

毎年ハマナスの実を採ってきて果実酒と乾燥実を作ろうと思っているのに、また今度と思
っているうちに面倒くさいで終わります。数年前に作った酒があと10本ばかり残っている
から「まだ」という安心感があるのです。

この時期のハマナスの実は一言でいえば使い込んだ赤い巾着袋です。しょぼくれていま
す。しなだれています。でもじっと見ているとしわしわの黒ずんだ赤い実に熟してあっさり
した色気を感じます。

いいのです。見返り美人的な魅力についつい引き込まれます。

ハマナスは英語では「Japanese Rose」と言われています。日本特産ではないのですがね。
バラ科の仲間で棘が木肌にいっぱいついていて、群落の中を歩くとパンツを通ってちくちく
と痛いです。アイヌの人は「マウ」と言って煎じて飲んでいたそうです。

この実は赤くなりだしたころは酸っぱくて美味くありません。熟したころにはぱさぱさして
ほんのり甘いかなくらい。好んで食べたい実ではありません。でも実にはビタミンCが豊富
に含まれていて体にはいいのです。

夏から秋にかけて野付半島をふらつくとき、疲れてきたと思うと口にハマナスの実を2つ
頬張ります。酸っぱ味が甘さになって、旨いと感じるから不思議です。

食べですぐ効くわけではないのですが、長期に服用していると動脈硬化を引き起こす
原因になる中性脂肪を下げる効果があるそうで、意図的に食べています。

雪が降り出してもしょぼくれたまま赤い実が残ります。鳥は誰も食べません。
食べるのは私くらいです。


ユリカモメ  飛び込み名人

2011年12月07日

今回の雪は根雪になりそうです。夜の気温がマイナス5度以下になってきているので、
日中に解けた雪の水分が地面に吸い込まれ凍ってしまうからです。道路にはその防止の
ために塩化カルシウムが撒かれだしました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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            ■   ユリカモメ  飛び込み名人  ■

カモメが集まってくる季節になりました。冬になると根室海峡にはオオセグロカモメ、セグロ
カモメ、シロカモメ、ワシカモメ、ミツユビカモメ、ウミネコ、ユリカモメの7種類のカモメが見ら
れます。

そのうち冬の間に見られるのは6種類です。ユリカモメだけがもっと南の方に渡っていきま
す。他のカモメに比べ一回り小さく、俊敏です。ふわふわ喋々が飛ぶようなリズム感があり
とても軽やかに見えます。

野付湾では河口の砂浜に集まっていることが多く、気をつけて見ないと通過していく群れを
確認しないままになります。

ユリカモメはほかのカモメに比べ飛び込んで魚を捕ることが多く見られます。ゆりかごの海と
云われる野付湾は多くの幼魚が群れを作って回遊しています。その群れを空中で見つけ
追跡しながら垂直に降下して小魚を捕まえます。

遠くからこのダイビング姿を見かける時、一見アジサシかと間違えるほどです。大きな魚の
群れに出会うと、たくさん集まってきて次々に飛び込んで行きます。深くは潜れないので、
よく他の水鳥の群れと一緒のことがあります。

ハジロカイツブリやスズガモの群れが一斉に潜って、魚を水面まで追い上げてくるときに
上から狙いをつけてとびこんでいきます。

追い上げてくるカモたちにとっても、上から飛び込んでくるユリカモメのおかげで魚の群れが
あわててパニックになることで、捕りやすくなるからです。

海面が凍りだすと浅瀬の魚が捕りづらくなるので、南下して行ってしまうのです。
東京や京都などにこれから向かいます。



オオワシ  今年もカムチャッカから

2011年12月05日

とうとう根室にも雪が降りました。水分をたっぷり含んだ雪でした。雪掻き初日。今年も
体力つくりに除雪を利用したいと思います。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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             ■   オオワシ  今年もカムチャッカから  ■

極東ロシアで繁殖するオオワシが姿を見せました。例年なら11月はじめに先鋒が見られ
ますが、野付半島では20日ごろだったようです。

コマイが野付半島で釣れだすとオオワシがやってきます。カムチャッカ半島の南端には
サケを狙って多くのオオワシが集まりますが、野付半島に来るオオワシはタラやコマイ
狙いです。

オオワシはやってくると浜辺や電柱、枯れ木に止まって目立ちます。道路から双眼鏡で
探せば大まかな数を出せます。11月27日は24羽がすでにやってきていました。

この時期の彼らの狙いは沖合に群れるコマイと雑魚狙いの定置網から出るおこぼれ魚
です。カジカやガジと呼ばれる見た目が美しくなく、商品として成り立ちにくい魚たちです。

警戒心が強くて、海岸に下りているオオワシにはなかなか近寄れません。しかし、これから
多くのワシが渡ってくるにつれて人に対する警戒感が薄れてきます。

堂々とした黒と白のコントラストが美しい姿を心行くまで観察できる季節に突入です。極東
地域だけしか見れない、わずか6000羽くらいしかいない世界最大級の麗しきワシを普通
に見るすごさを味わいます。

昨日は猛吹雪で野付には行けませんでしたが、5月まで彼らの姿をじっくり愉しめます。

土食うタンチョウ

2011年12月03日

今夜は勢力の強い低気圧が接近してくる予報。しばらく雨らしい雨が降っていませんから
大降りになるかも。急いで冬タイヤに履き替えました。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■   土食うタンチョウ  ■ 

居酒屋で飲んでいるとき、標津町から通ってくる大将が「タンチョウがいっぱい道路沿いの
畑にいたよ」と情報をくれました。

そういえば町の中から10分ほどのところにデントコーンを作っていた畑がありました。
早朝に行ってみました。国道沿いの畑が鋤きこまれ黒々としています。その向こうは
標津川が流れています。

いました、いました、林の手前のでこぼこになった畑の上に23羽のタンチョウが集まって
います。朝陽がほんわかとあたって薄紅色に染まっています。ゆったりと掘り起こされた
土の上を歩いて、嘴を刺しこんでいます。

ときどき車が通り過ぎていきます。運転している人は全く気が付きません。動きがないと
人は道路わきにたくさんのタンチョウがいることが分からないようです。

まずは観察。23羽のうち今年生まれの幼鳥はたった1羽でした。あとの22羽はすべて
夫婦のようです。2羽ずつで行動しています。歩いて移動するときも、飛んで行くときも
必ず2羽です。体が少し大きく見えるのが雄です。雌は小ぶりで、見ているとかわいらしく、
どことなく色っぽい。

鋤きこまれた土の中にあるとうきびの実を掘り起し、ついばむ。時には土に隠れたミミズ
や昆虫の幼虫などを見つけては食べている様子。ゆっくりとゆっくりと歩き回っています。

吐く息が白く吹き出ます。霜がところどころに立っています。静かな静かな朝のひと時
です。

これから雪が降り、餌がとれなくなるまでタンチョウたちはこのあたりをうろうろしてして
いることでしょう。


(23羽のうち、ただ1羽の幼鳥。今年は繁殖率が悪かったようです。)

鷲羽山 わしゅうざん

2011年12月01日

乾燥してきました。地面が凍りました。風が吹きました。残っていた落ち葉が風に掃かれて
すっかり駐車場からなくなりました。時にはこういう自然の掃除機に感謝です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■   鷲羽山  わしゅうざん  ■

大相撲の元関脇・鷲羽山(わしゅうやま)が好きでした。小柄で技能派の渋い力士でした。
この人が岡山の出身で、倉敷の名勝地・下津井鷲羽山から四股名をつけていたのは
有名な話です。

鷲とつくからには昔から多くの鷲や鷹が春や秋にこの山をかすめて渡っていくので付け
られた名前かと思っていました。ならば是非行ってみたものだと憧れていました。

ところがこの名前はこの山が鷲が羽を広げたように瀬戸内海へ突き出ていることから付
けられた名前なのだそうです。

このたび鷲羽山に来たのは、ここから見る瀬戸大橋がとても美しく見えると聞いていた
からです。四国と本州とを結ぶ総延長13.1kmの巨大な高架橋を自分が車を運転して
渡ってきて、橋から山を眺め、渡りきったところで鷲羽山に登っていき、頂上から瀬戸
大橋を眺めたかったのです。

頂上まで車で行けました。駐車場が広く、普段はすごい人で賑わう観光地だと思いまし
た。大きな岩肌が露出しています。説明によると全山が花崗岩からなっていて、へばり
付くようにマツなどの木が生えています。

頂上に立つと瀬戸大橋が塩飽諸島の五つの島伝いに延びて、遠くに高松市街がよく
見えました。眼下の橋の下をタグボートに引かれた船などが次々に行きかっています。

宇宙からでも見えるという瀬戸大橋は迫力満点。よくもまあこんな壮大な橋を10年も
かけて作り上げたと感心します。やはり現物はすごい。

日本夕日の百景に入る鷲羽山から見る備讃瀬戸に沈む夕日も素晴らしかった。天候
もよかったけど、海と島、夕日と橋、薄暮と太陽といい組み合わせがここには揃って
いるとと思いました。


来てよかった。まる。


(かってはここは海の中だった)

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

青い鳥動物病院ホームページ

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