« 奇景・風化の山 雌阿寒岳 (2) ハイマツ帯 | メイン | 寒気とカモ »

奇景・風化の山 雌阿寒岳 (3) 稜線から頂上へ

2011年10月04日

根室はサンマの豊漁、根室海峡はイカが今年も大漁に獲れだし、それを追いかける
ようにマグロやブリが定位置網に入ってきています。羅臼沖にはマッコウクジラが居座り
イカを食っているらしい。3日ほど沖に出られなかったら定置網がイカの大群に持って
行かれたと漁師さんが言っていた。とうとう羅臼岳が初冠雪です。

おばんです。小太郎でごじゃります。


************************************

         ■  奇景・風化の山 雌阿寒岳 (3) 稜線から頂上へ  ■


ハイマツ帯を抜けるといよいよ剣ヶ峰の裏側を巻く瓦礫の道になります。頂上部に
盛り上がった玄武岩の下を通るので、「もしこの岩が急に落ちてきたらいちころだろな」
と上を見ながらこわごわ登っていきます。

そこを過ぎると、流れ出した溶岩が風化した砂礫の斜面になり、一気に剣ヶ峰のコルに
到着です。ここには石を積み上げたケルンがあります。右側に行くと剣ヶ峰の頂上へ、
左側に行くと雌阿寒岳へ向かいます。

ここから見る剣ヶ峰はのっぺりとした丸く風化した禿山です。表と裏がこんなにも違う山は
珍しい。正面に中チマネシリの火口原が広がります。奥の方に噴火口があり、今でもぷく
ぷくと地獄谷の状態です。

尾根に出た途端、風が急に冷たくなり、あわててヤッケを出して着込みました。気温4度、
寒いはずです。一年中風がきついのか、植物が全く生えていない稜線です。頂上に
向かう外輪山の稜線は起伏の富んだなかなか楽しい登り道です。

ここからの眺望がとても素晴らしい。右に火口原、左に溶岩が流れて行ったなだらかな
ハイマツの斜面が一気に下まで続きます。谷の下の方には湯煙が出ている温泉場らしき
ところがあります。


火山れきに覆われた山肌は長い間に風化して浸食されてできた大小様々な溝ができて、
火口原へ下っています。ここに当たる太陽の光が作る濃淡のグラデーションは地味で
すが、私のお気に入りです。

アップダウンの稜線の登りが終わるといよいよ雌阿寒岳頂上に向かう火山れきの急斜面
に入ります。ここは陽だまりになるのか、ガンコウランの群落が一面にへばりついてい
ます。今年は黒い実がびっしりついています。

ブドウの実みたいに黒い皮のうらは赤い薄皮があり、果肉は緑っぽく透明です。頬張る
とほんのりと甘く、かといって渋みもなく、上品でさっぱりした旨味がします。

口いっぱいに元気をもらって、そのまま直登です。足元を見ながら、滑らぬように、
転ばぬように気を付けて歩いているうちに「オンネトーコース」と合流です。

尾根に出ると目の前に雌阿寒岳の火口淵が直下に見えます。底には阿寒ブルーという
のか空の色を写しあげたような青い青沼が見えます。近くで白い噴煙がもくもくと上がり
その向こうには砂山のような三角錐の形をした阿寒富士が見えます。どっしりとして
何も言わせない迫力があります。

いつも、奈良の大仏さんを想像してしまいます。つい手を合わせて一礼。

そこから頂上へ。ロープ沿いにひと頑張り。

三木 武夫さんが環境庁長官時代のときの直筆「雌阿寒岳頂上」の石版がまだ
しっかりと残っていました。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.hokkaido-np.co.jp/mt/mt-tb.cgi/16595

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

青い鳥動物病院ホームページ

ブログ内検索

カテゴリー

最近のエントリー

バックナンバー

コメント

トラックバック