« タンチョウ ヒナを連れている | メイン | 日だまりの小さい夏 »

ノハナショウブ みごと満開

2011年07月26日

アブが活動する季節になりました。体長1.7センチはどの大きさですが、散歩中にすーと
露出している腕に止り、血を吸うために口器を突き刺します。痛く感じるときは即左手で
叩き潰されます。痛くないときは血を吸われます。皮膚がぼわーと赤く腫れます。
改装中の病院の天窓に100匹以上のアブが集まっているのにはびっくりです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

*************************************

            ■  ノハナショウブ  みごと満開   ■

野付半島には今、ノハナショウブが満開です。紫色の落ち着いた色の花が海霧にしっとりと
濡れて地味に咲いています。太陽の光が当たらないと緑の草原色にまぎれて目立ちません。

エゾカンゾウやセンダイハギの黄色系の花色に比べ、まったくひと目を引きません。
観光で走って来る車も止ることなく通過して行きます。もったいないなーと思います。

ノハナショウブが一面に咲いているところは、かって牛や馬が放牧してあった場所です。
今はエゾジカがやって来て草を食べる場所でもあります。これはノハナショウブが有毒な
成分を持っているからです。おかげで食べられなかったわけで、一面の草原で咲いてい
るのです。


(ノビタキの夫婦が巣立ちしたヒナたちの保育に選んだ場所です。花にたくさんの虫が集まる
からです)

20年以上前から牛や馬の放牧は行われていません。それでもこんなに広くお花畑が
維持できているのは、どうもエゾジカのおかげではないかと最近は思っています。

湿原や草原を歩いているとエゾジカやエゾジカが食べた草の食痕によく出会います。
半島の中にある林をねぐらにしているエゾジカは50頭以上います。森の中の林床には
たくさんの草は生えていません。そのため彼らは人がいなくなる夕方になると湿原や
草原に出てきては草を食べます。

特に新芽が出る春先は、太陽の燦々たる光が当たる湿原や草原の新芽がいち早く出て
来ますのでシカたちには格好の採食地になるのです。

やわらかいスゲなどの若芽がどんどん食べられます。おかげで有毒のノハナショウブの
ような新芽が残って、生育がよくなるのです。つまり競争に勝ってどんどん増えていける
のです。

その第一人者がエゾジカなのではないでしょうか。ノハナショウブの花園はエゾジカに
よって維持されている、そんな気が最近しています。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.hokkaido-np.co.jp/mt/mt-tb.cgi/16131

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

青い鳥動物病院ホームページ

ブログ内検索

カテゴリー

最近のエントリー

バックナンバー

コメント

トラックバック