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マキノセンニュウ 草むぐり

2011年07月21日

昔はお祭り男でした。神輿が担ぎたくて、祭りが迫るたびに浅草の祭り衣装屋さんから
足袋やら雪駄やら三角腹巻やら小物を取り寄せては、準備を愉しんでました。神輿を担ぐ
一体感が魅力だったんですかね。昨日は中標津神社の大祭でした。こんなにも若い人が
いるのだと思わず唸るほどの人だかりでした。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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               ■  マキノセンニュウ 草むぐり  ■

マキノセンニュウという鳥に出会ったのは四十三年前の六月。道東の浜中町。霧多布の
とうふつ岬の草原の中でした。

バンガローに泊まっていた夜中に「りりりりりり・・・・・・・・・」と同じ音程の低音で喉を転が
すように長く続く声に気づきました。

虫の声かと思う、か細い声でした。夜の闇の中に同調して滲み込んでいく印象的なもので
した。霧深い日中にも、そこかしこから聞こえてきました。同じ仲間のシマセンニュウに比べ
るととても控えめな声です。

あとで調べて分かったことは、直径30メートルほどの範囲に一番いの割合でなわばりを
持つほど密度の高い生息数をもつ鳥でした。

(マキノセンニュウが多く生息する環境)

声はすれども姿は見えずということがぴったりの鳥です。はじめは全く姿を見つけることが
出来ませんでした。声が全方位的に聞こえるので、囀っている場所が見つからないのです。

(ハマナスのかん木の上に出てきて囀っているのですが、見つけづらい)

しかし、三日もすれば慣れるものです。ヨモギの葉の上に出て囀っている姿を見つけました。
一度見つければ、後は簡単です。次々と見つけることが出来ました。

羽色は枯葉色に縦の縞模様が入る地味なものです。英名は「Lancerolated warbler」と
いい、槍の穂先形をした鳥という、姿から付けられた名前です。実際囀っている姿が槍先に
見えます。

大きさはメジロくらい。とても小さな鳥です。地元の人は「草むぐり」と呼んでいます。草の中に
入って、草の茎から茎をすべるように移動してしまうすばしこさ持っているからです。草の葉が
ゆらゆら揺れて移動しているのがわかります。こういう行動からいつの間にか「草むぐり」と
まとめて呼ぶようになったのです。同じような行動は他にシマセンニュウやエゾセンニュウ、
ノゴマ、コヨシキリなどがいます。

日本名は「牧野仙入」と漢字で書きます。牧歌的な草原で多く見られ、草の中にいる仙人の
ような鳥と見られていたからです。

気温が低くて、鳴く虫の声が目立たない地方で、虫の変わりに鳴いてくれる虫もどきの鳥の
声は貴重です。

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プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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