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日だまりの小さい夏

2011年07月28日

夕方に集まってくるカラスの数が少しずつ増えてきています。今年生まれの子ガラスたちが
親から離れて群れに入ってくる季節になりました。弱いものは集まって何とか知恵を出し合
って生きていくものです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                ■  日だまりの小さい夏  ■

根室地方もようやく夏らしい気温、夏らしい空、夏らしい朝、と夏らしさが実感されます。
朝の散歩で拾った私が感じる小さな夏模様を紹介してみます。

フキの葉の上に薄っすらついた夜露の水分を舐めるように歩いたのでしょうか。小さな
カタツムリの足跡が葉っぱについています。キャンパスに書いた落書きアート的な・・・。

フキの葉の上にはいろいろなハエやハチの仲間が休みにやってきます

虫が活発に動くときはクモもしっかり働きます。葉っぱの上にクモの巣を張り巡らし、
葉の上にやってくる虫を捕らえて食べています。

ウバユリの花からは控えめで、やわらかないい香りが漂っています。その香りに誘われて
いろいろな虫が飛んできます。

キツリフネソウがもう咲き始めました。葉や茎のあちこちに水滴をつける不思議な花です。
この水滴が美味いのか、小さな昆虫が集まっています。

気温が上がってくると、蝶が活発に動き出します。太陽からいっぱいエネルギーをもらって
来年のために飛び回っています。

今年も大好きなクルマユリがひっそり咲きはじめました。この花が咲くとやがて秋風が
吹きはじめます。

ノハナショウブ みごと満開

2011年07月26日

アブが活動する季節になりました。体長1.7センチはどの大きさですが、散歩中にすーと
露出している腕に止り、血を吸うために口器を突き刺します。痛く感じるときは即左手で
叩き潰されます。痛くないときは血を吸われます。皮膚がぼわーと赤く腫れます。
改装中の病院の天窓に100匹以上のアブが集まっているのにはびっくりです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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            ■  ノハナショウブ  みごと満開   ■

野付半島には今、ノハナショウブが満開です。紫色の落ち着いた色の花が海霧にしっとりと
濡れて地味に咲いています。太陽の光が当たらないと緑の草原色にまぎれて目立ちません。

エゾカンゾウやセンダイハギの黄色系の花色に比べ、まったくひと目を引きません。
観光で走って来る車も止ることなく通過して行きます。もったいないなーと思います。

ノハナショウブが一面に咲いているところは、かって牛や馬が放牧してあった場所です。
今はエゾジカがやって来て草を食べる場所でもあります。これはノハナショウブが有毒な
成分を持っているからです。おかげで食べられなかったわけで、一面の草原で咲いてい
るのです。


(ノビタキの夫婦が巣立ちしたヒナたちの保育に選んだ場所です。花にたくさんの虫が集まる
からです)

20年以上前から牛や馬の放牧は行われていません。それでもこんなに広くお花畑が
維持できているのは、どうもエゾジカのおかげではないかと最近は思っています。

湿原や草原を歩いているとエゾジカやエゾジカが食べた草の食痕によく出会います。
半島の中にある林をねぐらにしているエゾジカは50頭以上います。森の中の林床には
たくさんの草は生えていません。そのため彼らは人がいなくなる夕方になると湿原や
草原に出てきては草を食べます。

特に新芽が出る春先は、太陽の燦々たる光が当たる湿原や草原の新芽がいち早く出て
来ますのでシカたちには格好の採食地になるのです。

やわらかいスゲなどの若芽がどんどん食べられます。おかげで有毒のノハナショウブの
ような新芽が残って、生育がよくなるのです。つまり競争に勝ってどんどん増えていける
のです。

その第一人者がエゾジカなのではないでしょうか。ノハナショウブの花園はエゾジカに
よって維持されている、そんな気が最近しています。

タンチョウ ヒナを連れている

2011年07月25日

今、浜辺の草原を歩くとハマナスの甘くて香り高い匂いが惜しみなく入ってきます。バラの中
でもこの野生のバラの匂いが大好きです。いや味なくさらっとして色気むんむんの香りは
一瞬で終わります。この一瞬のために野付半島に通っているのだとこの時季は思います。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■  タンチョウ ヒナを連れている  ■

タンチョウが干潟のど真ん中をヒナをつれて歩いているのに出会いました。
背丈はもう親鳥の八割方になっています。


体に比べ足が太いです。ダチョウの足のように見えます。小さくてひ弱な翼を見るとまだ
まだ飛べそうにありませんが、地上を歩くときは、とても力強い足取りです。
危険を察知すれば、すごいスピードで走れそうです。

二週間前の夕方は、このオスが一羽で湿原の中で食事をしていました。ヒナとメスから
遠く離れてゆったりしている風に見えました。メスが声を発すれば、ひとっ飛びで行ける
距離でしょうが、オスにしてみれば神経を休める貴重なひと時のような感じでした。

こういうオスを見かけると、今年はヒナが順調に育っているなと推察できるのです。

地面から発生する霧もやの中をゆっくりゆっくり餌を求めて歩いてます。ヒナにはとても
危険なことですが、二羽の親鳥は回りを警戒しながらヒナに餌とりを教えているようでし
た。三羽は濃くなった霧の中に吸い込まれていきました。

無事にヒナが飛んでくれるように祈りました。

コウライテンナンショウ まむし草

2011年07月23日

オホーツク高気圧が強いです。毎日最低気温12,3度。このままでは夏らしき天候を今年は
知らずに終わるかもしれません。あと二十日もすれば秋風が吹きます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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             ■  コウライテンナンショウ まむし草  ■

今年はコウライテンナンショウの花がタワラマップ川の林床で多く咲いていました。1ヶ月前に
写真を撮ったのですが、紹介が遅くなりました。

毎年、異様な形をした花だといつも面白く、楽しく見ています。
サトイモ科で、ミズバショウなどと同じ仲間なんですね。
別名マムシグサ。一般にはこの方が通りがいいです。確かに、小さい頃によく見た蛇の
マムシのまだら色の肌に茎の模様が似ています。

私はこの花の形がとても好きです。花の本体は地面からすっと伸びた茎の先についていま
す。毛槍のイメージ。じっと見ると洒落た街灯に見えます。電灯を包むおおいが張り出て、
雨から守るようなすっきりした美形です。

包みの中からひょっこりうす緑の頭を出しているのが、花が付いている棒状のものです。
花そのものは小さくて、花びらは目立ちません。花は棒状になった肉質の太い柄の上に
一面並んでついています。これを肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ぶそうです。

肉穂の根元からは、緑と白の縦縞模様の苞が出ています。苞は葉の形ではなく、花の
穂を包み、覆うような形になっています。見た目、仏さんが座禅しているようです。この苞
を仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ぶのも頷けます。

このけったいな花の構造には意味があるようです。花に寄ってくる昆虫を内部に閉じ込め
て、滞在時間をできるだけ長くすることです。そうすると受粉の確率が高くなるらしい。

植物も花もいろいろ苦労をして生きながらえて来ているのですね。

マキノセンニュウ 草むぐり

2011年07月21日

昔はお祭り男でした。神輿が担ぎたくて、祭りが迫るたびに浅草の祭り衣装屋さんから
足袋やら雪駄やら三角腹巻やら小物を取り寄せては、準備を愉しんでました。神輿を担ぐ
一体感が魅力だったんですかね。昨日は中標津神社の大祭でした。こんなにも若い人が
いるのだと思わず唸るほどの人だかりでした。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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               ■  マキノセンニュウ 草むぐり  ■

マキノセンニュウという鳥に出会ったのは四十三年前の六月。道東の浜中町。霧多布の
とうふつ岬の草原の中でした。

バンガローに泊まっていた夜中に「りりりりりり・・・・・・・・・」と同じ音程の低音で喉を転が
すように長く続く声に気づきました。

虫の声かと思う、か細い声でした。夜の闇の中に同調して滲み込んでいく印象的なもので
した。霧深い日中にも、そこかしこから聞こえてきました。同じ仲間のシマセンニュウに比べ
るととても控えめな声です。

あとで調べて分かったことは、直径30メートルほどの範囲に一番いの割合でなわばりを
持つほど密度の高い生息数をもつ鳥でした。

(マキノセンニュウが多く生息する環境)

声はすれども姿は見えずということがぴったりの鳥です。はじめは全く姿を見つけることが
出来ませんでした。声が全方位的に聞こえるので、囀っている場所が見つからないのです。

(ハマナスのかん木の上に出てきて囀っているのですが、見つけづらい)

しかし、三日もすれば慣れるものです。ヨモギの葉の上に出て囀っている姿を見つけました。
一度見つければ、後は簡単です。次々と見つけることが出来ました。

羽色は枯葉色に縦の縞模様が入る地味なものです。英名は「Lancerolated warbler」と
いい、槍の穂先形をした鳥という、姿から付けられた名前です。実際囀っている姿が槍先に
見えます。

大きさはメジロくらい。とても小さな鳥です。地元の人は「草むぐり」と呼んでいます。草の中に
入って、草の茎から茎をすべるように移動してしまうすばしこさ持っているからです。草の葉が
ゆらゆら揺れて移動しているのがわかります。こういう行動からいつの間にか「草むぐり」と
まとめて呼ぶようになったのです。同じような行動は他にシマセンニュウやエゾセンニュウ、
ノゴマ、コヨシキリなどがいます。

日本名は「牧野仙入」と漢字で書きます。牧歌的な草原で多く見られ、草の中にいる仙人の
ような鳥と見られていたからです。

気温が低くて、鳴く虫の声が目立たない地方で、虫の変わりに鳴いてくれる虫もどきの鳥の
声は貴重です。

牧草刈り入れ サイレージ作り最盛期

2011年07月20日

森の中が静かです。あれだけ爽やかな声で囀っていた小鳥たちはヒナを連れて忙しそう
です。そろそろ南へ旅立つ時季が近づいてきました。寂しくも嬉しき旅立ちの季節に入り
ます。

久々、おばんです。小太郎でごじゃります。

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          ■  牧草刈り入れ サイレージ作り最盛期  ■

牧草刈りの最盛期です。牧草地の中の道路を走ると80%の牧草は無事刈り終わつて
います。

途中でやめた刈り残しの牧草もぽちぽち見られます。自分の経験と天気図との睨めっこ。
そして家族全員が一体となった共同作業。それぞれがうまくいってこそ、良質な牧草を
確保できます。だから途中で止める判断も重要なのです。

草刈りが思うようにならないジレンマはどの酪農家も持っています。

1ヘクタール(1ha)は、100mX100m=10000㎡の正方形の面積です。根室地方の酪農
家は40~150haの牧草地持ち、家族3-5人ほどで刈り取り作業をこなすのです。トラク
ターをはじめとする大型農機がなせる業です。

一番草の草刈りには2通りのやり方があります。
一つは草刈りと同時に細かく裁断してトラックに積み込むやり方
草を刈り、乾草させ、ロール巻きにして、ビニールで梱包するやりかたです

はじめのやり方はバンカーサイロ用です。両側にコンクリート壁を作って、その中に牧草を
運び込み、そしてトラクターで踏みつけ圧縮し、貯蔵密度を高め乳酸菌を発酵させ、サイレ
ージを作ります。使うときもトラクターで簡単に取り出せるやり方です。

二番目はロールベールサイレージといいます。ラッピングすることにより乳酸菌を作用させ
牧草を嫌気性条件下で発酵させます。PHが下がり、カビなどによる腐敗を防ぎます。長期
間の保存を可能にするのです。

両方とも、牧草の漬物を作るやり方です。いい漬物は乳酸菌をいかに条件を整えて、働い
てもらうかにかかっているのです。

ダイサギ 白鷺のなかで一番

2011年07月16日

ここに来て道東らしき寒き天候が続いています。全国的には猛暑連発なのに、最低気温
12度、最高気温16度と肌寒い気候です。海岸では濃霧で晴れてんのやら曇りなのかさっぱ
り分からない状況です。せっかく順調に育ってきた野菜の生育が気になります。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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             ■  ダイサギ 白鷺の中で一番  ■

ダイサギという白鷺がアオサギに混じって逗留しています。以前は野付半島では珍客として
見られていました。最近では毎年姿を見せるようになっているので、ダイサギの分布が北上
してきているのではないかと考えています。

ダイサギは熱帯や温帯で広く分布する鳥です。日本では関東地方から九州まで、各地の
林で繁殖していると言われてきました。冬は大部分が南方へ渡ってしまいます。

そのダイサギが毎年やって来て夏の間生息しています。しかも嘴が黒色に変化し、眼と嘴
の間の裸出皮膚が青緑色に色づいています。これは婚姻色といい、繁殖する気満々の印
です。

いずれアオサギに混じって営巣しているのが確かめられるでしょう。

ダイサギは「白サギ」の仲間の中ではもっとも大きな種です。長い足を利用して水辺をゆっくり
ゆっくり歩き、魚やエビ、カエルなどを電光石火、すばやく捕まえて食べます。この抜き足
差し足で慎重に歩くサギの動作を昔の人は「鷺足(ろそく)を使う」といって使いました。また、
長い足で水中を歩くうちに知らず知らずに深みに入ってしまう様子を「鷺の深入り」と言ったり
サギは人の生活の中で身近な存在だったことがうかがえます。

(嘴の黄色い、まだ婚姻色になっていないダイサギもいます)
道東ではまだまだ数が少ないので、この例えが身近に感じることは出来ませんが、いずれ
白サギが普通になるときが来るやもしれません。

キタキツネ 親子離散の時期

2011年07月14日

グッピーが子供をどんどん産んでいます。知人が増えたのでいらないと20匹ほどくれた
ものです。水草となまずの仲間のプレコと3匹のテトラが入っていた水槽に、いま80匹
以上のグッピーたちがいます。熱帯魚はグッピーに始まってグッピーで終わるそうですが
なんとなく理解できそうです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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             ■  キタキツネ 親子離散の時期  ■

キタキツネの家族が分散しました。

単独の親キツネと干潟で頻繁に出会います。海からの贈り物を食べに来ているのです。
広大な干潟は隠れるところがありません。ですから、双眼鏡を持っている私が彼らを見
つけるのは簡単です。逆に彼らは人がめったに来ないところなので安心して歩き回って
います。

気づかれないように私が接近するのは容易です。

私に気づくとキツネはそっと地面に伏せます。流れ着いたものが転がっているように
見せかけているのです。上目使いにじっとこちらを観察しています。彼らからすると
私が気づいていないと思っている節があります。

そ知らぬ振りしてゆっくり近づいて、20メートルほどになると危機感が増すのか、脱兎
のごとく走り出します。キツネの瞬発力はすごく機敏で早く、体がバネのように伸びて
縮みます。しなやかで、リズミカルで、その走る姿はサラブレッド並みに美しいと思い
ます。

一方、砂浜ではひとり立ちをした子キツネに出会いました。はじめは私の姿に気づいて
歩きをぴたりと止めました。じっとにらみ合い。それから意外なことに私の方に向かって
くるではありませんか。警戒しながらも私から2メートルのところまで来て、あいさつをし
てくれました。

以前、巣穴の前で話しかけていた子キツネかもしれません。親キツネに比べると、
ふっわとした綺麗な毛並みをしています。相手の攻撃性を奪ってしまうようなかわい
らしさがまだまだ残っています。しばらく私のまわりを歩きまわり、ハマニンニクが
たくさん生えている草むらの中に消えて行きました。


エゾジカ 海辺の若雄群れ

2011年07月12日

クモの巣に朝露が付いて綺麗な造形を浮き立たせる季節になりました。散歩道の川端
の草原のあちこちに張られています。餌になる虫が多く発生してくるからでしょうか。
逆光に光るクモの巣を見るが楽しみな毎日です。でも天気がいまいちで、美しさが際立ち
ません。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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         ■  エゾジカの若い雄の群れに海岸で出会いました  ■

夕方、海岸で若い雄ジカの群れに出会いました。
高波防止用に盛られた砂山の後から顔を出して、こちらを注視しています。
何者かを確かめている様子です。

草を食べるエゾジカがよく海岸に出てくるのは、おそらく塩分を摂りに来ていると思われます。

一瞬凍った私が、カメラを向けると我に帰ったように走り出しました。慌てた私も平行して
道路を走り出します。横切って湿原の方へ向かう場所を予想して、必死に走りました。

リーダーの雄ジカが先頭に立ち、毅然とし群れを導こうとしています。顎と体ががっちりして
他の雄よりもひと回り大きい。一瞬止まり、こちらの動きをちらりと見て、そして方向を定め
たのか走りだしました。

(右方向を見定めているがっちりした体をしているのがリーダー)

そのあとを若い雄たちが一団になって追いかけます。毛はすっかり生え変わり、白い斑点
を散りばめた美しい鹿の子模様になっています。

私が必死になって走るもので、彼らはスピードを上げ、私から20メートル先で道を横切りま
した。そして湿原に入っていきました。次々と。葦が背丈まで伸びているので方向性を定め
て、ぴょんぴょん跳躍を繰り返し、湿原の中のかん木林がある方に走り去りました。

夕陽に当たって体の輪郭が金色に輝き、なんとも綺麗なこと。

百花繚乱 in 野付半島

2011年07月10日

夕ぐれにカラスの群れが目立ちだしました。若きカラスたちが集団を作りだす時季にきて
います。我が家の前は集団のカラスが塒に入る前の集合場所になっています。そのときに
出すウンコがあちこちに落ちています。ウンチの中身は今一番美味い食べ物のかすで
一杯です。その中身はサクランボの種がいっぱいです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■  百花繚乱 in 野付半島  ■

この時季の一週間は目まぐるしい。

気温の上昇とともに草花の勢いが止りません。先週までまばらに見えた海岸線の草原は
一面の花・花・花です。


(海岸線はエゾカンゾウのオレンジ色で明るく彩られます)

旬というのはこういう力強いピチピチ感を言うのですね。


(ヒオウギアヤメとセンダイハギの饗宴)

エゾカンゾウ、センダイハギ、シシウドの仲間、ヒオウギアヤメ、キンポウゲ、サギスゲなどなど。

こんなに同時に咲かれるとそれぞれの美しき個性が打ち消されます。残念と思う反面、
俯瞰としてみるとバランスのいい調和を生みだし、全体としての美しさを演出しています。


(シシウドの仲間がいっぱいです)

まさに今、百花繚乱の最盛期です。そして、新しい彩に次々と変化して行くのです。

(馬がつけた道の上には西洋から来たコウリンタンポポが)

(シコタンキンポウゲも負けじと自己主張)

(ワタスゲのあとにはサギスゲが種の穂をいっぱい広げました)

あの素晴らしい夕ぐれをもう一度

2011年07月08日

暑くなりました。酪農家の方々は今がまさに正念場。がんばって。この暑さで虫が開放の
窓からどんどん入ってきます。周りは原野に近いところですから仕方がないのですが、なん
とかしたい。テレビCMの「虫こなーず」が気に入って吊るしてみるも道東の虫には効果が
ないみたいです。仲良くするしかないですよね。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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            ■  あの素晴らしい夕ぐれをもう一度  ■

今日は夕ぐれ気分です。先日久々に空に雲のない爽快な夕ぐれに会えました。

私はハタチ(二十歳)代の五月から八月の三ヶ月間。早朝から暗くなるまで、わずか半坪
のテントの中でシマセンニュウという鳥の行動を7年間も追い求めました。

アメリカから来ていたサルの研究者リンダに「まるで禅僧みたいね」と京都の東福寺・栗
棘庵(りっきょくあん)の下宿で飲んだときに揶揄されました。まさに修行時代のときでした。

当時の研究地は道東の浜中町、霧多布の湯沸岬でした。そのとき良く見た広大な原野に
沈む夕ぐれの美しさ。それまで見たことのない清んだ空気と気温が創りだす夕焼けの美し
さを私の心の中で「素晴らしい」イメージとして残しています。


(日が沈んで暗くなるときのひととき、オオジシギが道路縁の杭に止って鳴いていました)

野付半島でも当時に近い夕暮れに出会います。ぼーとして極上のひと時を愉しみます。
でも、ハタチ代に見た心に残る美しさとは違うのです。

私が今でも北極圏の夕ぐれに憬れるのは、きっとあれ以上の夕ぐれの美しさがそこにある
からと思うからです。

久々の絶品の夕ぐれを見ながら、益々思いが募ります。

ミミカイツブリ 歌舞伎的な変身

2011年07月07日

早朝は上昇気流がまだ起こらないので地面に香りが溜まります。今日はニセアカシアの
花の香りが強烈でした。チモシーやイタリアングラスの花粉の匂いもします。遠くより乾草
させた牧草の香ばしい香りもしています。これからは香りの季節です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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               ■  ミミカイツブリ 歌舞伎的な変身  ■

変身といえばマンガのキャラクターが得意とする術です。それを当たり前にやってしまう
生物が自然界では普通にいます。鳥もその仲間です。

変身する鳥の中でも、極端に色や形状を変える仲間にカイツブリがいます。カイツブリの
中でも極端といえるのが「ミミカイツブリ」です。

六月十九日。通常なら北半球の亜寒帯地域に渡っているはずのミミカイツブリの夫婦に
野付湾に流れ込む川で会いました。完全な夏羽です。

眼の後ろ側に金色に輝く飾り羽が彗星(ほうきぼし)のようについています。真っ赤な瞳。
アイリングと呼ばれる瞼がさらに真っ赤。金と赤のコントラスが実に見事です。鮮やかです。
舞踏会に出したいほどの施しです。

頭と顔が真っ黒なので、いちだんとその彩りが映えます。さらに首から胸は赤茶色の地味
派手色で、より金色を目立てさせます。

これまでに完全な夏羽になった姿を見たことがありませんでした。冬羽のミミカイツブリは
白色と黒褐色のとても地味な色合いをしているので、この変身ぶりを眼にして感激です。

しかもこの夫婦、素晴らしい愛の告白劇を見せてくれました。

川下から泳いできたオスのミミカイツブリが、川上から来たメスにすーっと近づきました。
するとメスが顔全体の羽毛を前に立たせ、さらに大きく広げました。丸うちわを両側に
つけたような感じです。

歌舞伎役者の隈取化粧を思い浮かべました。黒い顔に赤い眼と黄金の隈取。くっきりと
した勇壮な表情です。

一方、オスもすかさず顔の羽毛を立て、くるりと反対を向き、水面に立ち上がる行動に
出ました。そして振り返ると、メスは嘴を下に向け、恥らいでもするかのような仕草を
しました。次にオスが下を向き逆の行動をとりました。交互に繰り返していると、両者が
立ち上がり、嘴をカキカキと合わせました。

次に首を倒すようにして、恥じらいのポーズをしました。オスとメスが交互に繰り返し、
盛り上がったところで、正面で向かい合い、見つめ、立ち上がり、胸を合わせました。
互いの思いを体でぶつけ合う感じです。

はじめて見る愛のディスプレイは一瞬でしたが、美しいダンスを見ているようでした。

ミミカイツブリは野付半島で繁殖したという観察はありません。ただ、この行動を見て
いると、もしかすると繁殖をしているかもしれないと期待を膨らませてしまいます。

花宴景

2011年07月02日

7月になりました。今年も半分、終わりましたね。なんか寂しい感じがします。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                   ■  花宴景  ■

草も木も新しい芽を出し、どんどん成長をしました。初々しさから大人の風景に代わりまし
た。野付半島の花が目まぐるしく更新されています。ちょっと油断すると旬な季を逃してし
まいます。

花はやっぱり咲きたてが一番です。エネルギーがみなぎって、色っぽさがにじみます。
その粋さかげんに惹かれます。

元気のいい花に会えることほどわくわくすることはありません。今年もまた会えたねと
花に話しかけると花もにこっと笑みを返してくれます。最近ようやく花と会話できるように
なったと思えます。見ているだけで涙がにじみます。


(エゾカンゾウの花)


(ヒオウギアヤメ)


(アヤメもどき:北海道の花で調べましたが名前が分かりませんでした)


(チシマフウロウ)

これから一週間ごとに花模様が替わります。

オジロワシ 二羽のヒナが

2011年07月01日

改装中の病院の屋根裏からどでかいスズメバチの巣が出てきました。空気抜きの小さな
すき間から入って巣を作ったようです。そういえば3年前にヒヨドリのために与えていた砂糖
水によくスズメバチが来ていました。まあ刺される事故がなくてよかったものの・・・。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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               ■  オジロワシ 二羽のヒナが  ■

ずっと足を踏み入れずにいた場所に行くことを自分で解禁しました。それはオジロワシが
営巣をしている場所です。

昨年は営巣していなかったので、どうかなと思っていました。巣に近づくにつれ、メスの
オジロワシがケッケッケッと威嚇する大きな声をだしはじめました。子育てがうまくいたんだ
と確信しました。

さすがにメス親は心配そうです。けものといえばエゾジカとキタキツネしか来ないところに、
怖い怖い人間が現れたわけですから当然です。

巣が見やすい場所に移動しようとしたら、飛び立って林の中を旋回し始めました。すると近く
で子育てをしているハシブトガラスの夫婦が、メス親に向かって激しい追撃をはじめました。


(威嚇しようと飛び立つメスの親)

(威嚇攻撃をしてきたオジロワシ)

威嚇しようとした飛び立ちが、逆にカラスたちのヒナを護ろうとする本能に火をつけたようです。

長居は禁物。この騒ぎで様子を見ようと頭を上げたヒナを確認できました。今年は二羽が
無事に育っていました。

シラカバの大木の葉っぱに護られ、悠々と育っています。

今年は六月に入って、大漁のイワシが湾内に入ってきて浅瀬で溺れ死にました。オジロワシ
が腹いっぱい食べるには有り余る量でした。おそらくこのおかげで、ヒナたちは急激に成長を
したにちがいありません。

夕方、干潟には二十羽以上のオジロワシが集まってきていました。


プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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