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六月二十六日のタンチョウ

2011年06月29日

毎日の散歩で気になるのが、室内でいける花です。最近は単子葉植物の稲のような
穂花です。牧草の仲間が多いようですが、名前が分かりづらいです。それとシシウドの
仲間の葉っぱです。目立たない地味なものが多いです。でも活けると涼しげでいいもので
すよ。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■  六月二十六日のタンチョウ  ■

タンチョウのヒナがあちこちで産声を上げている時季になりました。

抱卵中は神経質になっている親鳥に警戒心を持たれないように、巣のある場所には近づき
ません。オスのタンチョウが一羽で歩き回っているときは、まだ抱卵しているサインにしてい
ます。

ですから、見通しの良い干潟や湿地に夫婦のタンチョウを見かけると、卵がヒナになってい
ると判断します。

ヒナが小さいと親鳥は警戒心が強く、餌を食べに干潟に出てくるときはヒナを見つかりにくい
場所に潜ませています。

毎年、私が勘違いさせられることがあります。夫婦のタンチョウがのんびりと干潟で食事をし
たり、休んでいるのを見て「繁殖に失敗したな」と早とちりをすることです。

1ヶ月後に親と背丈が同じくらいのヒナを連れているのにびっくりさせられます。今年はどうで
しょうか。

いつも気に掛けている三番いのタンチョウ夫婦を同じ日に見かけました。ヒナがいるかなと
思える夫婦は一番いだけ。あとの夫婦はのんびり休んでいる風で、なんとなく繁殖に失敗
した落ち着きようでした。

さて、1ヶ月後。どうなっていますでしょうか。

一番草の刈り取りスタート

2011年06月29日

エゾハルゼミが鳴いたり、静かになったり、その日の気温に振り回されています。今年は
まだ鳴ける日があっていいほうです。何度くらいになると鳴ける温度にになるのですかね。
知っている人いませんか。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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             ■  一番草の刈り取りが始まりました  ■

一番草の刈り取りが始まりました。朝6時頃からトラクターのエンジン音は快調です。


日の出が3時30分頃。2時間も経てば露も乾き、刈り取りには絶好調のコンディション。

牧草の良し悪しが牛の健康を左右するとなれば、酪農家の人は天気図ととにらめっこで
草刈の日を決断します。

良い牧草を作るには、刈り取って乾草させ、ロールに巻いてしまうまでの天候まで読み取
らなければなりません。

大陸からのしっかりした高気圧がやっぱり頼りになります。はじめたら突っ走るのみ。
今年の収入の最大のヤマ場です。

キタキツネ 仔キツネ遊び盛り

2011年06月27日

サクラマスが帰ってきています。下のタワラマップ川の浅瀬をばちゃばちゃと尾びれを力強く
使って深みに移動して行きます。かなりの数が瀞のある場所で溜まっていると思います。
海に下らなかったヤマメのオスがうろちょろするのがやがて見られます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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               ■  仔キツネ遊び盛り  ■

かって野付半島は馬の放牧地でした。今でも馬が歩いた踏み分け道の跡が残っています。

その道は硬く踏みしめられているので植物があまり生えません。ですから草地の中を歩くに
は、とても歩きやすく便利です。
特に六月から八月の花の季節は、おおいに利用しています。

先日踏み分け道を歩いていたら、茶色毛の仔キツネがかん木の中にさっと逃げ込むのを
目撃しました。れれと思い、少し丘になったところに行って見ました。

10メートル先の草の中から仔キツネが3匹、顔を上げてこちらを見ています。少し近づこう
としたら、素早くかん木の中に走りこみました。

近くに巣穴がありました。穴の前には掘り出された砂がこんもり盛り上がっています。仔キ
ツネにとっては清潔で、あったかい遊び場と憩いの場所です。小さい足跡がいっぱいついて
います。海鳥のオオハムの干からびた死骸が転がっていました。仔キツネたちが遊び道具
にしているみたいです。

調べてみると同じような穴が四つありました。きっとどの穴も地下でつながって、どこから
でも出れるようになっているはずです。

いったん隠れた仔キツネたちは、しばらくすると巣穴の前に戻ってきて遊び始めます。とっく
みあい、体の上に乗る、寝そべる、大あくびををする、まあ際限もなく遊びます。

私に慣れてきたら目の前まで来て、興味深げに探りにきます。そこでちょっと動くと、とたん
に逃げ、また寄ってきます。見飽きるとまた穴の前に戻って、なにごともなかったように遊び
始めます。

私も緊張しますが、見飽きません。

夕方、母キツネに出会いました。口いっぱいに食パンをくわえています。綺麗なパンです。
誰かにもらったのかもしれません。キツネは雑食です。ネズミだけでなく、魚や鳥、アザラシ
などの死体、人の捨てたものを食べます。バイタリティにあふれた食生活です。

呼びかけるとこちらを振り向いてくれました。美味そうな食パンを一刻でも早く食べさせて
やりたい、母キツネの優しさが目にあふれていて、とっさにカメラを向けてしまいました。

ワタスゲ 白いポンポチ 

2011年06月24日

今日は夕方になって晴れてきました。爽やかですが、冷たい空気です。あまり上昇気流
が起こっていないのか、ハリオアマツバメが低空でわが家の上空を飛び交っています。
虫たちが上昇気流に乗れないで、林の上をうろちょろしているのでしょう。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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             ■  ワタスゲの白いポンポチが目立ってきた  ■

ワタスゲの白い白いぽんぽちが目立ち始めました。ふわふわした小さな綿菓子みたいな
白い玉が一本一本風にたなびき、白い海原になります。


このポンポチに気付いたとき、今年もまたワタスゲの花を見ずに終わったかと、忘れていた
ことにがっかりします。

ワタスゲの花は五月の終わり頃に咲き始めます。大名行列の先頭で持ち歩く毛槍の先の
飾りに似ています。花穂といわれ抹茶色の小さな花がたくさん付いています。地味で、つく
し坊みたいにひっそり咲くので、ついつい見逃してしまうのです。

ですから、白いふわふわのポンポチは花ではありません。タンポポと同じく、実を包む白い
綿毛のかたまりです。遠くに実を飛ばそうという戦略のひとつです。ワタスゲが大群落に
なるのは綿毛のおかげといってもいいのでしょう。

夕陽に日にあたって赤く染まるのも、あと少々。

水辺の貴婦人 セイタカシギ

2011年06月23日

昨日は27度でむんむんしてました。今日は8度でぶるぶる震えています。道東の気温は
気まぐれです。北海道は梅雨がないと言いますが、太平洋岸は梅雨前線もどきがかかりま
す。6月はどんよりとしてなかなか太陽が出てくれません。爽やかな天気早く来てクレイ。

おばんです。小太郎でごじゃります。

                ■  水辺の貴婦人 セイタカシギ  ■

憧れのシギに野付半島でとうとう出会えました。水辺の貴婦人・セイタカシギです。

白い体に、真っ黒な翼、頭と嘴が黒く、濃い桃色の足が体から長く伸びています。
嘴先から足の指先まで一直線。飛んでいるときの姿勢は背筋が伸びて、凛とした気品に
満ち溢れています。

水の中に入って餌を捕るときは、長い足を抜き足差し足でゆったりと進め、動き自体に品格
が漂います。

セイタカシギは世界的に広く生息する鳥です。アフリカやオーストラリアなどの水辺で野生
動物が出てくるテレビ画面にちょくちょく見かける鳥です。

しかし、40年前に鹿児島の出水平野で見たときは日本では珍しいシギでした。ところが、
1970年過ぎからは日本各地で見かけられるようになりました。東京や愛知県では繁殖を
しはじめました。根室地方では最近、ポツリポツリと姿を見せていますが、この地域では
珍しいシギです。

野付半島に流れ込む河口でカモを観察しているとき、3羽のセイタカシギが目の前に飛ん
できたのです。しかも、私からわずか20メートル先の水辺に降り立ったのです。一瞬呼吸
が止りました。じっとしてセイタカシギであることを確かめて、一息入れました。

黒い翼と白い体のコントラストに見とれました。翼の黒は黒光りして、緑や紫、藍、赤などの
色を反射しています。足の赤みが映えます。体を前のめりにして小魚を狙う姿は精悍です。

セイタカシギの日本名は、付け根から指先まで25センチほどある長い足からきています。
英名は「Black-winged stilt」といい、外観の特徴をそのままあてています。
Black-wingedは黒い翼、stiltは竹馬のことです。

黒い翼をした竹馬の足を持つシギ。深みに入って餌をとる姿を見て、笑ってしまいました。

ハマエンドウ 嵐にも負けず

2011年06月21日

だんだん朝の散歩のときに聴く鳥たちの声が少なくなってきています。シジュウガラが嘴に
いっぱいの虫をくわえています。まさに子育て真っ最中。どの鳥も忙しいのです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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             ■  ハマエンドウ 嵐にも負けず  ■

ハマエンドウが青紫の花を咲かせてはじめました。

野付半島の先端。強い低気圧や台風が通過するとき、必ず激しく波をかぶるところです。
波によって海から砂が打ち上げられ、毎年新しい砂が堆積します。

それにもめげず地面に這いつくばり、毎年再生してきては花を咲かせます。

先日、東北地方のブログを見ていたら、津波に見舞われ、すっかり地形が変わった海岸に
ハマエンドウの花が咲いて、元気をもらっているという報告がありました。

スイートピーに似た青系の美しい花は他の花に比べると目立ちませんが、「這いつくばって
もがんばる」というエネルギーを発しています。

花はやがてエンドウマメそっくりの実になります。旬の豆を毎年摘んで、味噌汁の具にいた
だいています。

イワシがやってきたのに、カモメがいない

2011年06月17日

六月は寂しい。鳥やキツネやエゾリスが子育てに忙しいのに、私はなんか置いてきぼりを
くっているようで、あせってしまうのです。子育てに参加したい。一生懸命になりたい。
だから・・。どうなのよ。と言われそうですが。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■  イワシがやってきた日、スズガモ喜ぶ  ■

海の中のことはよく分かりませんが、六月になるとカモメの仲間が海岸からいなくなる日が
あります。決まって好天の風のない日です。

こんな日は「来るぞ」と期待します。

カタクチイワシの群れが野付湾に迷い込んで(?)来るのです。浅瀬に真っ青の背をしたカタ
クチイワシがやって来て、砂浜に押し寄せます。

パチャパチャと銀色の腹が光ります。必死で跳ねています。うろこが剥げ落ちて、波ぎわが
うろこで縁取られます。海水へ戻るイワシもいれば、そのまま息を引き取るイワシもいます。

群れが去ってしまうと、浜は銀色の鱗とイワシの死体できらきらです。しかし、いつもならすぐ
に姿を見せるウミネコやオオセグロカモメの姿は見かけません。不思議です。

たぶん・・・です。根室海峡に大群のイワシが押し寄せていて、カモメたちはその群れを追い
回すのに忙しいのです。イルカやクジラに追い回されるイワシたちを海面の上から狙って、
美味い食事にありついているに違いありません。

カモメに代わってイワシにありついているのは、スズガモたちです。日頃は潜ってアサリなど
の貝類を好んで食べるスズガモが砂浜に上がってきた新鮮なイワシを食べに来ています。


砂浜をぺたり、ぺたりと歩いて上がってきます。一匹一匹イワシをくわえ、頭から丸呑みしま
す。素早くくわえ、丸呑みするカモメに比べ、なんとのんびりした食べ方でしょう。

スズガモにも、年に一度の好日なのです。

黄色メガネのコチドリ

2011年06月15日

冷たくて湿った風が吹き付けるので冬より寒く感じます。とうとう暖房を入れました。もう六月
だというのに。作物の生長が心配です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                   ■  黄色メガネのコチドリ  ■

六月五日の夕方、コチドリが鳴きながら飛んでいました。同じ場所を繰り返し旋回飛行をして
いました。

「ピーコ、ピピピ、ピーコ、ピーコ・・・」とか細くよく透る高い声を発して飛び回っていました。

地上に降りている小さな姿からは想像できないほど、翼を広げると大きく見えます。その形
はオーストラリアのアボリジニの人が使うブーメランに似ています。ぐるぐる旋回して同じ所
に戻ってくるからよけいです。

コチドリは野付半島ではめったに見かけません。数が多くないのです。本州や四国、九州
では、夏に渡ってきて砂礫のある砂浜などで繁殖しますが、北海道では少ない鳥です。

コチドリの目は歌舞伎役者の隈取化粧みたいで好きです。目の周りを黒く塗って、まぶた
だけを黄色く縁取って、目がとても大きく見えるようにした感じです。これは夏だけに見られ
るのですが、黒い瞳がよけいに黒く見えます。

飛行して鳴く行動は、これまでの私の経験からしてメスに恋するオスのデモンストレーション
アタックです。たびたびメスを引きつけようとする切実な思いが、飛行求愛(フライト ディス
プレイ)をさせるのです。

砂浜や湿地の上空を何度も何度も旋回している様は、野付半島でも繁殖をしているように
見えます。

知床半島 カムイワッカの湯壷

2011年06月13日

中標津の小学校の運動会が日曜日にありました。わが病院の従業員さんは小学生のお子
さんがいるお母さん。なんとしても日曜日に運動会をやって欲しい願っていました。延期にな
ると翌日、翌々日になってしまうので、見に行けなくなるからです。切実です。なんとしても
見に行ってあげたい大切な一日です。いい天気でよかった。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■  知床半島 カムイワッカの湯壷  ■

酒飲み友達の信ちゃんが「カムイワッカの湯に行ってくるね」と夜の七時に出かけていきまし
た。

知床半島の硫黄山のふもとにあるカムイワッカの湯は、私が42年前に一日がかりで歩いて
行ったところです。当時、岩尾別ユースの前にテントを張らせてもらい、朝早くに軽装で歩い
ていきました。往復30キロほどで、半日かかった記憶があります。

その頃、「知床旅情」や「岩尾別旅情」といった歌がユースホステルでひそかに流行っていて、
口コミで「カムイワッカの湯壷」は有名でした。

カムイワッカの沢川は明治時代に良質の硫黄を産出していた硫黄山を源流にしています。
活火山で登山道の途中にも湯煙が出ているところがあります。

川の支流のようなところから熱い温泉が出ていて、沢川に流れ込みます。川の途中に小さな
滝壺がいくつかありました。上って行くにつれお湯の温度が高くなり、自分好みの滝壺を選ん
で入ったと記憶しています。私は一番上の小さいが深い滝壺の湯加減が一番よかったと思い
ます。


(写真では分かりづらいですが、小さめの滝壺が下の方に写っています。)

カムイワッカはアイヌ語で「神の水」という意味です。当時、「クマが傷を癒しに入っているから
気をつけてね」とユースのペアレントが夜のミーティングで注意していました。

最近はたくさんの人が訪れるので、車両が制限され、夏場は気楽にいけません。信ちゃんは
まだ制限される前に出かけていったのです。

信ちゃんのメールをそのまま記しますね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10日午後七時過ぎに中標津を出発。雷雨の根北峠を下り、峰浜を過ぎたあたりで小雨に
なった。オシンコシンの滝の手前を走行中、除雪の幅員を指す矢印標識の上にシマフクロウ
が止っているのを見つける。思わず緊張。カメラを取り出し撮ろうと用意しているうちに、闇の
中へ消える。残念。

宿は岩尾別ユースの前庭を借りて、車中泊。

11日。午前七時にカムイワッカ到着。ハルゼミの声がとても賑やか。こちらは早い。
天気はまっ晴れ。沢を登る。
しばらくして滝壺が次々に出てくる。適当な滝壺にまっ裸ではいる。しかし湯かげんはぬるく
ていまいち。(どうも下の方の滝壺だったようだ)
ただし、景色は最高。人一人おらず、気分は爽快。

それから知床大橋に行きました。その途中、林道の斜面に仔クマ発見。動きが早く、こちらも
動揺していたので、写真のクマはピンボケになっています。

知床大橋から見えた硫黄山と渓谷。男っぽくて荒々しい山姿。

帰りにイタシベツ川で、水をお土産に汲みました。(羅臼岳の伏流水は美味い)

嬉しいことがひとつ。途中に立ち寄った沢で偶然、シマフクロウに会った。ミズナラの枝木に
止ってじっとこちらを睨んでいました。森の神様です。風貌は畏怖堂々として、眼光鋭し。

目が飛び出しました。なにせ憧れのシマフクロウですよ。
最高の日になりました。わはははははは・・・。

根室原野のスズメ

2011年06月11日

林の空間がどんどん狭くなってきています。葉っぱが太陽の光を求め、広がってきたから
です。おかげで散歩道は緑のトンネルと化し、暗くなってきています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                   ■  原野のスズメ  ■

牧草地のタンポポを見ているとき、牧柵の杭の上にスズメが出てきました。周りに家屋が
なく、どうも森の中で生活をしているスズメです。


根室地方ではスズメはけっして多くはありません。厳しい冬の対策としてほとんどの家が
高気密性になっていて、スズメが巣を作るすき間がないのです。

そのため、巣の作れる場所が多い酪農家の牛舎や廃屋、森の中の木の洞などで営巣
します。夏場はあまり見かけない鳥になってしまいます。

寒くなってくると、街の中に集まってきてチュンチュンと鳴くののでスズメのいることに気付
くほどです。

スズメは「チン、チン」とか「チュンチュン」と鳴くことから、その声が鈴の音に見たてられま
した。秋には群れを作ることから「カモメ」や「ツバメ」のように集団を作る意味の「メ」が当
てられ、鈴の音を発する集団の小鳥たちということで「スズメ」と名づけられたようです。

初夏の頃の根室地方では、スズメは目立たない郊外にいる鳥というイメージが強く、
「スズメ」の名にふさわしくない生活を送っています。


袋角。エゾジカの角の芽吹き。

2011年06月09日

ここ1週間の好天で草が急激に伸びています。私が散歩道にしている道の草丈が膝の上に
まで伸びてきて、歩くと朝露でズボンがびっちょりになります。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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            ■  エゾジカの袋角が生えてきました  ■

美しい若き雄シカに出会った。私の目にはとても美形の雄に見えました。

きりっとした鼻筋。黒々した瞳。長い睫毛。精悍な大きな耳。それぞれがバランスよく整って、
引き締まった顔になっています。

額の上には二本の角の芽がでています。ふっくらしたマッシュルーム形です。
首から先だけ見ると、キリンの優しい顔にみえます。

この角の芽は袋角といわれます。四月頃に落ちた古い角に代わって出てきた新芽の角です。


表面は産毛みたいな柔らかな毛が生えています。一度だけ触ったことがあります。とてもす
べすべで心地良くビロード地みたいな感触です。

しかも暖かい。皮膚の下の血液がどくどく音を立て流れ、栄養を大量に送り込んでいる風な
印象です。実際、血管によって栄養が補給され、根元から骨を形成しながら伸びていくそうで
す。

この先端はある種のホルモンが生成されていると思われ、中国や韓国では、漢方薬として
珍重されます。

これから急激に伸びて、秋にはりっぱな枝角をつけた雄になるんですね。
また会う日まで、楽しみにしておきます。

クロユリ満開

2011年06月08日

とうとう夏鳥として最後に現れるエゾセンニュウが鳴きだしました。トッピンカケタカ、トッピンカ
ケタカと抑揚のある高い声で夜中に鳴いています。気温が低くなる夜は本当によく透って聞
えてきます。鳥の囀りを楽しめるのもあとひと月。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                   ■  クロユリ満開  ■

花の季節が始まりました。野付半島は今、クロユリが満開です。

黒紫色の花を下に向けてひっそり咲いています。咲く場所を知っていて見に行かないと花を
見過ごすことが多いのです。


クロユリといえば、小さい頃に「クロユリ城の兄弟」というNHKの子供向けドラマを思い出しま
す。子供心にクロユリは険しい崖に咲いていて、採りに行くのが大変な花という印象があり
ました。しかも本当にある花だとは思っていませんでした。

ですから、北海道に来てクロユリを見たときは感激しました。しかも海岸の原生花園で普通
に咲いているのです。高い険しい山の岩場ではなかったから、ひとしおです。
それからクロユリの大ファンです。

北海道から千島列島、カムチャッカ半島で咲く花。北方志向の人間にとり夢を持たせてくれ
る花です。

雌を巡って。カッコウの雄たちが。

2011年06月07日

夜中の散歩が神秘的です。闇夜の森から冷めた空気に溶け込んで湧き出してくるような
「フィー、フィー」という声がしてきます。遠くでお坊さんが手持ちのかねを鳴らしている風にも
聴こえます。(ぬえ)と呼ばれるトラツグミの声です。心が透き通るようで好きな声です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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               ■  雌をめぐって、雄たちの争奪戦  ■

カッコウがやってきました。

野付半島では、さっそく「カッコウー、カッコウー」と熱気を帯びた鳴き声が聴かれました。

自分の存在をアピールしようとする雰囲気にあふれた声です。それに呼応するように「ピピピ
ピピピピピ・・・・」とカッコウらしからぬ鋭く、高い声がします。

その声の近くまで行って、姿を探しました。いました、いました、メスのカッコウが。
牧柵の壊れかけた丸木の上に、木肌と同化するように止っています。

じっと動かず、ただ橙色の瞼の奥の瞳がきろきろと動きます。声の主、オスたちの行動を
しっかり見ているのです。

二羽のオスが激しい追いかけ合いをしています。どうもすでに番いを誓い合ったと思える
強気のオスが、後から来て猛アピールしているオスを追う払おうとしている様子です。

追いかけ合いは、雌の止っている場所を中心に繰り広げられています。新参のオスが近くの
ナナカマドのかん木に入り込んだメスにしきりに接近を試みるからです。

強気のオスはとにかく近寄らせないようにしつこく懸命に追いまわします。相手が止るとすぐ
に攻撃をして、飛ばせます。遠くに行かせようと何度も何度も追い回します。

しつこい。20分経って、30分経っても続きます。「いい加減にしろよな」と声を掛けたくなるく
らいです。

渡ってきた当初のオスのメスへの思い。猛アッタクがこんなにも情熱的な表現で繰り広げられ
ます。自分の遺伝子をしっかり残したい。この気がどんな相手がいようとも、それを弾き飛ばし
奪おうとする、ほとばしる情熱と意気込み。なんとも感動させられるシーンです。

咲いた咲いた、タンポポ見事。

2011年06月06日

天気予報が見事にはずれてくれました。日曜日は快晴になりました。しかも無風。朝5時
から野付半島に行ってきました。約一ヶ月の空白。風景がしっかり変わっていました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■  咲いた咲いた、タンポポ見事  ■

タンポポが牧草地一面に咲きました。

輝く黄金色の畑。朝日に向かって一斉に開いた黄色の花は太陽を見るよりまぶしい。

この美景はわずか一週間で終わります。

気温の上昇と伴に茎がどんどん伸びるからです。伸びてしまうと不ぞろいのタンポポになって
でこぼこの花畑になってしまうのです。

シンクロの美しさは一瞬です。

そして、ようやくカッコウの声を聴きました。

ベレー帽の鳥 ハシブトガラ

2011年06月05日

まだカッコウの声が聞こえません。遅いような気がします。今年の夏は寒いのでしょうか。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                ■  ベレー帽の鳥 ハシブトガラ  ■

わが家のえさ台に一番多くやってくる鳥はハシブトガラ君です。一年中やってきますから
留鳥です。

ハシブトとは「くちばしが太い」という意味ですが、何に比べて太いのか。
これは、ほとんど外観が同じコガラと比べているのです。しかし、ぱっと見ではほとんど
見分けの付かない難儀な鳥たちです。

ただこの二種は生息する環境が違うので、おおよそ見当をつけることができます。
ハシブトガラの学名の<palustrlis>は「水辺」を意味します。一方、コガラの
<montanus>は「」を指します。

これはハシブトガラが好む生息環境が広葉樹林や水辺の林に対し、コガラが棲むところが
山地の針葉樹林だということから付けられているのです。

ですから、家の周りにいるのはほとんどがハシブトガラということにしています。

朝の川べりの散歩では、いつも同じ群れに出会います。彼らは幹の下の樹皮や草の上に
おりて餌を探しています。じっとしていると目の前まできてクモの巣にいるクモを捕ったり
アブラムシのような小さな虫をついばんだりしています。逆さにぶら下がったり樹肌に垂直
につかまったりとアクロバッティクな動きをしています。

先日まで、犬の抜け毛を口いっぱいに持っていっていたので、今は卵を産んで温めている
時期です。もう少しでキツツキの残した木の穴に出入りするメスとオスのハシブトガラが愉
しめます。

スモモの花が満開

2011年06月04日

ジュジュの興味が外の世界に釘付けです。朝早くから出かけると夕方まで帰ってこないこと
が増えてきました。これまで戦略なく追い掛け回していたネズミや鳥に対して、静の姿勢を
採るようになりました。鳥好きな私としては、いやな予感・・・・。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                  ■  スモモの花が満開  ■

林の中の1本のスモモの木が満開です。根室地方では、桜より二週間遅く咲きます。
タンポポが黄色い絨毯のように咲く頃と一致します。

桜に比べるとどこか控えめで、清楚です。林の新緑に溶け込んでとても輝いて見えます。

私が30年前に来た頃は、酪農家の庭先には必ずスモモの木がありました。最近なくなりま
したが、廃屋になった庭先には今でもスモモの木をよく見かけます。

昔はおやつにして食べていました。ビタミンやミネラルの補給源になっていたようです。

白い花は桜の花に似ています。梅や桃の花にも似ています。調べてみるとみんなバラ科の
サクラ属なんですね。

スモモは自分の花粉では実を付けにくい性質があって、他の木の花粉に頼るそうです。
だから、一本だけあっても実がなりません。たくさんのスモモの木があったほうが、実をつけ
るのです。協力しあわないと生き延びれない木というわけです。農家の庭先から消えていっ
たのは、この性質のせいかもしれません。

梅や桜や桃の花が同じ時期に咲くならば、その花粉を利用して実をつけるのが可能なのだ
そうです。同じ仲間の花粉を利用しても生き延びる術を身に付けているのです。

「スモモも桃も桃のうち」という言葉がありますが、桃とは異なる種です。果実がモモに比べ
酸味が強いことから酢桃と付けられたのが名前の由来です。

漢字では「李」、英語では「プラム」、仏語では「プルーン」と呼ばれ、世界で愛される果実
なのです。

もう雛を連れたマガモが

2011年06月03日

6月に入った。今朝の日の出は3時45分。早く眠らないと朝のドラマッチクタイムに間に合わ
ない。この時季は新芽がどんどん成長して、林の中は淡い緑色の空気に蔽われてしまいま
す。遠くまで見通せていた森は葉っぱのおかげで、奥の方まで見透かすことができなくなりま
す。鳥や動物は朝早いうちに活発に動き、太陽が明るく輝く7時頃には静かになってしまいま
す。だから早起き。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                 ■  もう雛を連れたマガモが・・・  ■

いつものタワラマップ川畔の散歩道。

3メートル先でピーピーとか細い声がして、握りこぶし大の黒いかたまりがくさのに中に走りこ
む姿を見ました。2メートル先にニワトリほどの大きさのマガモのメスがあわてて水溜りの上を
走り去ります。

とっさにカメラを向けました。ピンボケですが、親鳥と雛が入っていました。

静止して待つこと5秒。いつもの私が踏みしめている道に親鳥が現れ、その後をちょこまかと
小さな雛が追いかけて出てきました。

4羽います。少ない。マガモは普通8-12個くらいの卵を産みます。孵化した雛はその直後
から危険にさらされ、立派に飛べるようになるのはわずか2,3羽です。すでに何羽かはカラス
にでもやられたかもしれません。

母親は警戒しながらグゥワグゥワと低い声を出し、雛を安全な川の方に向かって草むらの中
に消えて行きました。

無事にみな育って欲しい。

珍鳥 ヒヨドリ

2011年06月02日

寒い寒い。今朝の気温は4度でした。でも快晴になったので日中はどんどん気温が上がりま
した。遅れ気味だったタンポポの花がようやく太陽色に輝きだしました。夏至の日まであと
二十日。早起きして燦々の陽の光を愉しみます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                   ■  珍鳥  ヒヨドリ  ■

桜にヒヨドリがとり付いて蜜を美味しそうに吸っています。花と蜜といえばメジロが似合います
が、ヒヨドリはどうも絵になりません。

花の蜜を吸うメジロとヒヨドリは似ても似つかぬ鳥ですが、ひとつだけとても似ている部位が
あります。それは舌です。

この二種は花の中に細く長いくちばしをつっこんで、とても上手く蜜を吸います。蜜を吸うため
に舌は長く、先が二股に分かれています。さらに、その先が割けて筆先のようになっています。
しかも、舌の中心は凹んでいて溝になっていて、蜜を吸い上げやすくなっているのです。

日本にいる鳥としては珍しくハチドリのような鳥なんです。

根室地方には20年前はほとんど姿を見なかった鳥です。それが毎年少しづつ増えてきて、
五年くらい前から冬にもいるようになりました。留鳥になってしまったのです。原因は「庭に
野鳥を」というサントリーのキャンペーンとともにバードテーブルが普及したせいだと思います。

わが家も毎年やってくるヒヨドリがいなくなるまで、砂糖水やバナナを切らさないようにしてい
ました。すると3年前に5羽のヒヨドリがマイナス20度以下の厳寒になっても居続けたのです。
暖かい地方の鳥だと思っていたので、びっくりしました。

今年は10羽以上が残っていました。しかも、かれらの知恵がついてきてナナカマドの残って
いた実などもついばむようになりました。

根室地方に棲み付いたヒヨドリは屯田兵みたいだなと思い、ヒヨドリの分布経過を調べてみま
した。以前は、韓国などから「冬鳥」として渡ってきていて、次第に環境に順化して居続けて
しまう個体が増えていったようです。そして、いつの間にか一年中見ることができるようになり
ました。

今では日本中どこでも見られる野鳥ですが、分布は日本と朝鮮半島の南部の島、台湾、
フィリピンの北部の島にしかいません。地域的に限られたところにしかいない鳥です。

世界的には珍しい野鳥なのです。わざわざこの鳥見たさにヨーロッパやアメリカから見に来る
人がいるくらいです。

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

青い鳥動物病院ホームページ

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