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コミミズク : 草原のプレデター 

2011年02月02日

陽射しは春です。気温は極寒です。晴天が続いています。何とも気持ちよき日々を送れてい
ることか。道東のよさは今です。これがあるからここで住めるのです。もう32年です。北海道に
足入れしてからだと43年です。染み付きました北海道が。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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               ■  コミミズク : 草原のプレデター  ■

コミミズクが夕景の羅臼岳をバックにふわりふわりと草原の上をハンティングする光景はのど
かで、いいものです。じっとたたずんで、二羽のコミミズクが互いを意識しながら飛び回ってい
るのを見ていると、冬場でもなわばりがあるのだと認識できます。

ハンティングする場所が広くて、来そうなポイントに立って待っていてもなかなか近寄ってきて
くれません。じっくり見るには時間がかかるものです。

コミミズクの顔は一見、歌舞伎役者の顔に似ています。鼻筋が通り、目尻に黒っぽい「隈」が
入っています。この顔たちが歌舞伎の「隈取り」という化粧法を思い出させます。登場人物の
性格や顔の表情を誇張する表現法なのですが、コミミズクの顔は「威嚇する弁慶」の顔に、
とても似ていると思います。

野付半島で毎年見られるフクロウは、コミミズクだけです。夜明け前に車で走らせていると、
ライトの前を白っぽい翼裏を反転させて、かすめていく姿を見ます。夜行性で地面をうろつく
ネズミや地上で眠る小鳥を捕っています。

ただ、このフクロウは変わり者で、日中でもよく活動します。冬至の頃、昼の二時ごろには
草原を飛び始めます。ですから、この時期、家へ帰る道すがらコミミズクを探すのです。

例年、同じ場所に姿を見せるので、よく止る牧柵のくいや潅木をチェックしています。今年は
5羽見つけました。

飛ぶときは翼の先を孤形に曲げ、長い翼をゆっくり規則正しく羽ばたかせ、低空を飛びます。
獲物を見つけるとヘリコプターみたいにホバリングをして、空中に止り、地上に飛び込んで
行きます。成功するとなかなか飛び上がって来ませんが、失敗するとすぐに飛び出してきま
す。


この鳥は同じ範囲を繰り返し、徘徊します。これがあだになることがあります。自分より大き
なタカ類に襲われることがあります。シロハヤブサやケアシノスリなどに狙われて、捕まりま
す。たいてい苦い思いをしたことのない経験の浅いコミミズクだと思われます。

夜行性の鳥が昼に活動することは、とても危険を伴います。それを経験して、理解しないと、
自分より強いプレデターに襲われる厳しい自然の食物連鎖の餌食になってしまうのです。

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プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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