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黒光りのビロードキンクロ

2011年02月28日

胃の幽門部が狭くなって、食べたものが消化されても十二指腸に送られなくなる症状で手術
をした猫ちゃんが元気になりました。魚のチカを二匹ペロリとたいらげるようになり、抜糸に来ま
した。また、ワクチンだけで来るようにします、と飼い主さんもニコニコです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■  黒光りのビロードキンクロ  ■

「ビロードキンクロ」。けったいな名前の海鳥です。「ビロード」は「天鵞絨」と書きます。
ポルトガルから来た添毛織物の名称で、「天鵞」は白鳥のこと。ビロードの生地が光沢のある
白鳥の翼に似ていることから、付けられました。

「キンクロ」はよく分かりませんが、考えてみると「金」は太陽で、すべての色が混じり合った
「黒」が太陽の光に照らされ、いろいろな色の光沢を発することから、名づけられたのでは。
光り輝く黒い海鳥ということでしょうか。

この鳥はいつも沖合いにいて、なかなか海岸に近づいてくれません。オスは全身が藍紫色
の金属の光沢をした黒色しています。瞳はハスキー犬の目みたいに青白く、目の下側に
三日月形の白い模様があります。飛んだときに見える赤い足、前の方が橙黄色のくちばし、
シンプルながらとてもサイケデリックな色合いをしています。

( 左側の地味なのがメス。右側の目のしたの白い三日月の模様があるのがオス)

その姿を「思い切り、じっくり、超アップで見たい」といつも思い続けていたのです。
猛烈な北北東の風が吹いたとき、その願いが叶いました。野付半島に大量の流氷が押し
寄せて来たからです。

(国後島を遙かに望んで、流氷の上を飛ぶビロードキンクロの群れ)

沖合いにいたクロガモやアラナミキンクロなどと一緒に、海岸近くに出来た氷のすき間に
運良く集まってきたのです。

それぞれの鳥で、朝日に当たる角度でいろいろと多様に変化する黒の反射光の色を比較
出来ました。青、紫、緑、黄、橙、桃などの色を感じました。嬉しくて、愉しくて、珍しいやら、
興奮するやら・・・・。

黒色の色合いと光沢の美しさでは、ビロードキンクロがピカイチでした。

潜水するときに、翼を少し開き、尾羽を空中に立て、素早く潜る姿は無駄がなく、切れがよく
しぶきを立てない。その俊敏な潜りに、またまた惚れてしまいました。

コミミズク 人気沸騰

2011年02月27日

一週間前の根室海峡は流氷でびっちりでした。これならしばらく楽しめると思いました。
ところが、今日は海上にはあの白い流氷群はどこにも見られませんでした。海岸に打ち上げ
られた氷がほんの少し残っているだけ。みんな太平洋に流れ出たようです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                 ■  コミミズク 人気沸騰  ■

フクロウの人気がすごい。
コミミズクを撮影しに全国から人がやってきました。


根室地方には天然記念物になっているシマフクロウが棲息しています。エゾフクロウは
ミズナラの多い広葉樹の森に棲んでいます。どちらもなわばりを持って、一年中同じ場所で
生活しています。

シマフクロウやエゾフクロウは個性的で、顔が人に似ているせいか表情が豊かで人を魅了
する魔力を持っています。惹きつけられる人が多いのです。この2種に関しては、情報が
多く流れています。必ず見れるポイントがあり、そこには多くのカメラを持ったファンが訪れま
す。

中でも、中標津町の養老牛温泉は、夕方になると毎晩シマフクロウが姿を現すので、日本は
もちろん世界中から姿見たさに人がやってきます。りっぱな経済効果をもたらしています。

ところで、1月から野付半島に姿を現したコミミズクは、道路から簡単に観察されることから、
情報が日本中に駆け回りました。

姿を見せてから一週間目くらいから福岡や下関、大阪、名古屋、東京、仙台、札幌、旭川
などのバックプレートをつけた車がびっしり止りだしました。

三脚に600から1000ミリの巨大望遠レンズつきのカメラを取り付け、コミミズクを狙って
待ち構えている人々です。

見ていると、鳥好きの人もいるようですが、フクロウに魅了された人が多いようでした。

コミミズクもよく人を観察していて、遠めに飛び回ってなかなか近づいてくれません。それでも
皆さんしっかりいい写真を撮ろうと暗くなるまで粘られていました。

先日はヨーロッパから根室地方にバードウォッチングに来た人たちが、同じようにカメラを
向けていました。今や、情報はインターネットを介して世界に発信されているのだと、つくづく
思いました。

フクロウって本当に人を引きつける魅力があるんですね。

スノーシュー的登山 

2011年02月25日

わが家の上空をオオハクチョウがトラッペットのような大きな声を出して飛んで行くようになり
ました。鵡川町にマガンが1400羽以上集まってきているそうです。鳥の世界はそろそろ
北帰行が始まっています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                ■  青年は荒野を目指す  ■

冬季、根釧原野は晴天が続きます。この晴天があるから濃霧の多い夏の天候に、精神的に
耐えられるのです。

20年前、スノーモービルで標津岳や武佐岳の奥にある道なき山に登っていた若き友人たちは
最近スノーシューにはまっています。

夏はクマザサに覆われて登れない山に装備をきちんとそろえて、せっせと登って愉しんでいま
す。標高は500-600メートル。愉しむにはてごろな山です。

先週は養老牛の温泉富士の裏にある藪山に登りました。雪は強風で引き締まり歩きやすい。
天気は快晴。風はなし。お椀をかぶせた形をした山なので、眺望をさえぎるものはほとんど
ありません。

(左に摩周岳   真ん中が摩周湖 その奥に藻琴山  写真:武田 信一)

根釧原野が一望に広がります。はるか遠くに製紙会社の煙が見えます。釧路の街です。
雌阿寒岳や雄阿寒岳が意外に近く感じます。藻琴山や斜里岳、屈斜路湖がとても綺麗
です。

汗をかきかき登ったピークで昼食になりました。スノーシュー登山の最高の楽しみは、山の
上での食事です。

この日は淳シェフが牛肉炒めとキムチチャーハンを心を込めて手際よく作ってくれました。


( うしろの山は、左が西別岳で、右が摩周岳 :  写真:武田 信一 )

汗をかいて、冷え切った体には最高の食事です。どんなところの三ツ星レストランの料理より
も美味い気がします。そのあとに飲んだ砂糖いっぱいに入れたコーヒーがたまらんかった。

滲みだし凍り

2011年02月24日

下のタワラマップ川にカワセミがいます。たまにアオサギもいます。ときどきヤマセミがきます。
ヤマベのピンコがいるからです。川の水位が下がってきているので探しやすいのでしょう。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                    ■  滲みだし凍り  ■


寒さというより厳寒の冬が好きです。どんなに寒くても足元と手先が温かければ、一日外に
出ていても耐えられます。

イヌイットの人が着ているアザラシやトナカイの皮の、服やブーツや手袋は縫い目が少ない分、
温かいのです。その下は軽い服装であっても、外気をきちんと遮断してあればいいのです。
皮は無理なのでそれに近い服装を心がけています。

実はアラスカやフィンランド、ノルウェーあたりに住みたかった。しかし、日本が大好きだった
ので、巡りめぐって根室原野を選んだのです。

寒いと美しい。空気も水も空も海も・・・・・・・・・。

冬が好きなのは、普段行けないところに気軽に行けるからです。足でかせぐ美しさは、自分
だけのものです。

その中でも、お気に入りの奇怪な風景を紹介します。「滲みだし凍り」です。

根室台地は火山灰が堆積した大地です。そこに滲みこんだ水が地下の岩盤に沿って流れ出し
てきて、凍ったものです。


岩盤から出てくる水の量で凍った氷の形が変化に富みます。岩肌を大小の氷のつららが
飾っています。白と灰色のグラデーションがグラフィックアートのように見えます。
この静寂さが日本画みたいでいいのです。

近寄って見るとなかなかの迫力です。


ここに行くには、風蓮湖の氷の上を5キロほど歩いて行かねばなりません。

ユキホオジロ 白い雪がやっぱりお似合い

2011年02月23日

雪が久々に積もってから、毎朝の散歩はスノウシュウで歩いています。歩き易いのですが、
普通に歩くより汗が出ます。エネルギーをかなり多く使うんですね。体を引き締めるには
なかなかの効果があります。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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          ■  ユキホオジロは真っ白な雪景色が一番似合います。 ■

週末に通過して行った低気圧は海岸線に大量の雪をもたらせました。あまり雪のなかった
海岸が真っ白になりました。

それまで食べ物が採りやすかった大地がすっぽり雪に覆われました。地面に落ちている種が
採れなくなりました。群れになっていたユキホオジロやツメナガホオジロ、ハギマシコがばら
ばらになって消えてしまいました。

雪の下が当てにならなくなれば、雪の上に出ている食べ物を探さなければなりません。
あるのは背の高い穂を出したハマニンニクの種です。


ユキホオジロもツメナガホオジロも、小さな群れになってハマニンニクを渡り歩きます。


雪原は隠れるところがないので、彼らはとても警戒感が強くなります。近寄ろうにも、すぐに
逃げてしまいます。

夕方、ユキホオジロの小さな群れに出会いました。ハマニンニクに取り付いて、黙々と種を
ついばんでいました。オレンジ色の小さな嘴がおちょぼ口みたいでとてもかわいいのです。
雪の上を歩く姿もよく似合います。


飛び立つと翼の先の黒と体の白がくっきり色取りされ、とても美しい飛翔姿を見せてくれます。


ユキホオジロほど雪の白さに似合う鳥はいないと思えるほど美しい姿です。

根室海峡 流氷満員御礼

2011年02月22日

統計によると根室地方は二月後半から3月にかけて雪が多く降ります。先週の木曜日から
金曜日にかけて降った雪は地肌が見えかけていた大地をきれいに白くしてくれました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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              ■  根室海峡が流氷で被われました  ■

流氷が根室海峡を埋め尽くしています。満員御礼といったところです。

二月十三日に北北東の強風に押し流されてきた流氷は十四日には沖合いに追いやられて
しまいました。

それが十七日から十八日にかけて吹いた強風で、根室海峡にまた大量の流氷が流れ込んで
きました。


ごらんの通り、国後島から野付半島の間の海峡はびっしり流氷で覆いつくされています。
見渡す限り氷、氷、氷の世界です。


流氷情報によると根室半島まで流氷で覆いつくされているそうです。2月に流氷がこんなに
流れ込んでくることは珍しいことです。

この流氷でオオワシやオジロワシは流氷原に出て行ってしまい半島はさびしいものです。
海峡にいっぱいいた海ガモたちはこの流氷に追いやられて、所々に出来た開水面に集まっ
ています。

6年前に流氷に閉じ込められたシャチの家族12頭が全滅した悲しい事故があったことを
思い出します。風に翻弄される流氷の速さがなせる出来事でした。

海峡の流れの速い流れで移動する流氷はこの海峡でいろいろなドラマを作りだしてきたの
です。

野付湾 氷上散歩

2011年02月19日

ポットに熱いお湯を入れて持って行きます。一日中寒い中で遊んでいる私にとって、お昼に
食べるカップめんは最高に美味い。寒さと疲れにちょっと濃い目のスープが体にちょうどいい
ようです。山で食べる羊羹とレモンに似ています。

おばんです。小太郎でごじゃります。


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                ■  野付湾の氷の上を散歩して  ■

快晴、無風。陽射しと陽気はすっかり春の気が入っています。
根室海峡には、ホタテ漁の船が30隻以上出て、海底からホタテを捕っています。今が一番
美味い季節です。遠くに知床連山が見えます。


朝の気温はマイナス13度。放射冷却のせいで、海上には氷がうっすら出来て浮いています。

野付湾の氷の上を散歩するには最高の条件が整ったのです。

野付半島の先端の方から氷の上を歩き出しました。目指すはオオハクチョウやカモが集まる
野付湾の入り口。潮の干満で氷ができても、すぐに湾外に流されて行くところです。

距離にして3キロほど。熱さ20センチ以上の氷の上を歩きました。氷の反射光が眩しくて、
目がしょぼしょぼしてきます。自然光が好きな私は、サングラスをかけない主義なので、目が
線になっています。

関西の姐さんたちはしっかりと防寒しているので、だんだん熱くなってきたようです。

氷の上に出来た結晶を見つけ、ひとしきり観察。塩分を含んでいる水の結晶模様はなかなか
奇怪な形をしています。へばりついた雪の風紋もじっくり見れば、砂丘の風紋とは違った
面白さがあります。


海面が出ているところに着くと、オオハクチョウやカワアイサ、ウミアイサ、ホオジロガモ、スズ
ガモ、キンクロハジロなどの潜水ガモが集まっていました。対岸は尾岱沼の街です。

突然の人の出現で、オオハクチョウはびっくり。仲間の方へ飛び出して行きました。ホオジロ
ガモたちもあわてて飛び立ちました。


氷の中に出来る水面は穏やかで、カモたちにはとてもいいえさ場になっています。

氷の上を愉しみながら、ゆったりした一日を過ごせました。

エゾジカ サファリな風景

2011年02月18日

大雪が来ると覚悟を決めたのに。低気圧は北太平洋方面に外れてくれました。西の空は
晴れてきています。そして、キンキンの寒さが忍び込んできています。明日は寒い。でも、
ラッキー。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                ■  エゾジカ  サファリな風景  ■

「ここはアフリカか」と思える光景に出会います。アフリカの名峰キリマンジャロをバックに
シカやシマウマが雨季が終わった草原で草を食んでいる写真を見るたびに、「広さは力だ」と
思ってきました。

広いと100キロ、200キロの先が見えます。空気が澄むと、日頃は靄って見えない山の
頂上あたりが見えたりします。野付半島は海に突き出た半島なので、周りの山々が手近に
みえるのです。

最近、草原でエゾジカの群れがゆったりと草を食べながら移動して行く光景によく出会います。
氷の上を歩いて対岸からやってきたシカたちででしょうか。急に増えました。雪深い森よりも
雪の少ない海岸にやってきているのです。


そのシカの群れが知床連山をバックにゆったりと歩いて行く風景がなかなかのお気に入りに
なっています。少し高いところに上がって見るとめぐり合えます。


数が多くなって、植物への影響は脅威ではあります。

是非、適正な数で生きていって欲しいと、彼らのつぶらな優しい目を見ながら思うのです。

ケアシノスリ

2011年02月17日

この冬は寒気団がよく頑張ってくれました。各地の冬祭りはどこも好条件で開催されて本当に
よかった。週明けから春の気配がはっきりと現れました。太陽の光は明るくなったし、気温も
どんどん上がって久々にマイナスからプラスになりました。約一月厳しい寒さをありがとう。
充分堪能しました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                  ■  ケアシノスリ  ■

年末から若いケアシノスリが草原を飛び回っています。今冬は雪が少なかったので、餌になる
ネズミが捕りやすかったのでしょう。

「ケアシノスリ」。タカらしくない名前ですが、「足やすねに羽毛」が生え、「野原をする」ように
飛ぶことからきていると言われています。

ケアシノスリは北極圏の、森林が草原やツンドラと交互に交じり合った環境を好み、繁殖しま
す。主食はその地域に多く棲息するネズミの仲間です。


このタカは毎年姿を見せるとは限らない鳥です。一昨年の秋は4羽も姿を見せました。
そのうち3羽は幼鳥でした。夏場の繁殖条件がよかったのでしょう。

インターネットで日本各地の観察情報を見ていたら、西日本を中心にあちらこちらで姿が観察
されていました。

野付半島は細長い半島なので、湿地草原の中でじっとして待っていると、ふわふわと風に
乗って飛んでくるケアシノスリが近づいてきます。時々、空中で停止飛行をして、下を覗き込み
ます。


そのうち、やおら地面に突っ込みます。捕まえるのに成功すると、その場で食べ始めるので
遠くで見ていると、なかなか飛び立ってくれません。見失うこともしばしば。失敗するとすぐに
飛び出し、再びゆっくりと飛んで行きます。

フクロウと違い、日中にネズミを捕るのは視力がとても良いことと、羽の羽軸の先端は毛の
ように細くなり、羽音を消せるからです。

飛び回るだけではなく、草原の中の木の上に止ってじっとネズミを狙うこともしています。ただ
同じ環境にコミミズクがいます。ケアシノスリはコミミズクを捕ることがあるので、コミミズクに
見つかるとしきりに警戒され、時には攻撃を受けることがあります。


プレデターの悲しい性です。

ホワイトアウト

2011年02月16日

関西のスイセンをお土産にいただきました。ほんのりと柔らかい、自己主張の強いいい香り
です。トイレにとても合います。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                    ■  ホワイトアウト  ■

朝9時。風蓮湖の氷上に車を止めました。湖面の氷上にはたくさんの車が止っていました。
氷の厚さは30センチ以上。車が載ってもびくともしません。車の横にテントを張り、氷に穴を
開け、チカとワカサギを釣っていました。

自称ネイチャーガイドは関西の姐さんたちと風蓮湖の中に突き出た槍昔の岬に向かって、氷の
上を歩き出しました。

天候は曇り。東よりの強風が吹いていました。予報では昼頃より雪が降り始めると出ていまし
た。氷上は薄く雪が張り付き、所々つるつるの氷が顔を出して、油断をすると足をとられて転ぶ
ことがありました。

氷の上をただ歩く。風に向かって前傾姿勢をとり、前進するのです。
11時ごろ、軽トラックが私たちに向かって走ってきました。地元の監視人さん。
「吹雪になるから、早く帰ったほうがいいよ」
ありがたい心配の注意を受けました。


そのとき周りの風景は遠くまで見えていました。岬まであと1キロ。15分ほど歩きました。
岬の森の上空は、オオワシとオジロワシが50羽以上、風に向かって凧みたいに飛んでいま
した。

(オジロワシが飛んで行く。後ろの林の上に50羽以上のワシたちが飛んでいる)

とうとう雪が降り始めました。すぐに来た方向に向かって歩き始めました。追い風だったのが、
いつの間にか向かい風に変わってきました。雪が地吹雪になってきました。湖岸の風景が
ほとんど見えなくなり、とうとうどこもかしこも白くなってしまいました。

これがホワイトアウトだ、と頭をよぎりました。何回もここに来ているとはいえ、不安になります。

後方に薄っすら見える槍昔岬を確認しながら、方向を決めて歩きました。でもだんだん方向に
自信がなくなってきます。とにかく急いで向かいの岸辺に向かおう。

周りはどこも真っ白です。

車輪の跡を見つけてほっとします。右寄りに行っているつもりが、どうも左寄りに行っていまし
た。気がつけば、風蓮川の河口付近にいました。出発点よりかなり手前です。

河口付近は湿地帯になっていて、氷の状態がかなりでこぼこになっており、不安です。表面が
薄い氷に被われて、下が水だったりすることもあり、かなり危険です。

恐々、再び沖合いに引き返しました。方向を修正しつつ、出発地点を探してみましたがとうとう
見つからず、結局2キロ以上離れた地点で道路にたどり着きました。
つりを終えた人の車に乗せてもらい、出発地点までなんとかたどり着いたのでした。

ホワイトアウト。恐るべし。


猛吹雪・流氷接岸 

2011年02月15日

この週末、道東はすごい吹雪でした。久々の雪でした。久々の雪かきをして汗をかきました。
なかなか充実をした連休を送りました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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        ■  野付半島に流氷が接岸 今度はアムール産でした  ■

発達した低気圧が北北東の強い風を根室海峡に送り込んできました。海上は雪が水平に走る
すさまじい風に見舞われました。

(横なぶりの吹雪の中を避難場所を求めてヒメウが飛んで行く)

知床半島の先端まで来て、足踏みを続けいた流氷が、この強風で狭い根室海峡にどどっと
流れ込んできました。

猛吹雪の中、十三日に野付半島に出かけてみると、北北東の風に押し流されてきた流氷が
びっしり半島に押し寄せていました。

三年ぶりの出合です。今年の氷はぶ厚くて、でかいものが多いです。岸近くまで押し寄せた
大きな氷の塊が、浅瀬で座礁して動かなくなり、流されてきた後ろの氷を止めます。これが
海岸線の流氷帯を作るきっかけになっていきます。

岸辺がびっしり氷に被われるのは大きな氷の塊が大きな役割を担います。もちろん強い風が
いちばんではありますが。それと風向きが大事です。

氷をじっと観察していると、沖合いの氷は風に押し流され、すごいスピードで移動して行きます。
「風によって流される氷ってすごいなー。はじめて流氷の意味が解ったわ」
関西から来た姐さんが生まれてはじめてみる光景にいたって喜んでいました。

地上の猛烈な吹雪。海を流れていく流氷のスピード。どれも経験のない人には感動を与えて
くれるものでした。

シロカモメ

2011年02月11日

大阪から友人が四人来ました。明日からネイチャーガイドに変身して、風蓮川の上を5キロ
ほど歩いて下り、さらに風蓮湖の上を気ままにさまよってきます。思い切り氷の感触を愉しみ
たいと思っています。では、今夜は居酒屋「いちばん星」で歓迎会をやって盛り上がります。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                    ■  シロカモメ  ■

厳寒の二月。強烈な地吹雪が吹き荒れる中、野付半島で風に向かって勇敢にも羽ばたいて
飛んでいるカモメの姿を見かけます。シロカモメです。

悪天候が続くことが多い北アメリカやユーラシア大陸、グリーンランドなどの北極圏で繁殖
生活を送るシロカモメにとって、食物を確保するために強風の中で飛行するのは、あまり気に
ならないようです。

その飛ぶ姿は自然の風洞実験を見ているようで、実に興味深いものです。風速が強いときは、
一点に止っているように見えるくらいです。

シロカモメはアホウドリに似て、幅が狭く長い翼を持ち、ゆっくりとした羽ばたきをしながら直線
的に飛びます。その速度は秒速10メートルにもなり、暴風の中でも前に進むことができます。

それができるのは、首の短いずんぐりした紡錘形の体形にあります。さらに耐久力のある
強い筋肉と内臓をしっかり保温するきめ細かい厚い羽毛が発達しています。これらは空気の
抵抗を最小限に抑える仕組みを進化、発展させてきたのです。

翼の上面と背中の羽が淡い青灰色です。それ以外は純白で清楚な外観をしています。流氷の
海にとても似合います。日本に渡ってくるカモメの中では最も大きく、野付半島では冬に一番
多いカモメです。

恋の季節 キタキツネをパパラッチする

2011年02月09日

ヤナギの花芽が膨れてきました。確実に寒さの中でも春を感じます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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            ■  恋の季節  キタキツネをパパラッチする。  ■

以前、キタキツネをあまり見かけなくなったと報告しました。ところが、先の日曜日に氷の上で
5匹のキタキツネを見かけました。

やはり減ってはいませんでした。彼らは恋の季節に入っていたのです。オスはメスを追いか
け、夜のラブコールに励んでいたのです。

暗くなってきた水際の草地で、コミミズクが飛んでいる姿を見ていたら、湾内の氷の上に
2匹のキタキツネを見つけました。太い尾っぽを横にして、お尻をあわせ、頭を左側と右側に
向けて立ちすくんでいました。


こちらに気付いたらしく、2匹ともこちらを見ています。暗くてあまり表情は見えません。動き
からするとあわてている感じがします。

普段なら周りに隠れるところがなければ、脱兎のごとく走って逃げます。しかし2匹とも動き
ません。じっとしてこちらを見続けています。写真を撮ろうと水際まで行ってみました。それでも
動きません。ファインダーをのぞき、シャッターを押して、その画面を拡大して、ようやくわかり
ました。

2匹はお尻のところで繋がっていました。交接の真っ最中。それでは動けません。
ペニスの根元の膨らみがメスの中でロックされ、ペニスを抜くことができない状態になっている
からです。

こちらは慌てました。すぐにそこから遠ざかりました。


どんどん暗くなって、氷の白さが黒い姿と紛れていく間、20分以上経っても2匹は同じ場所で
たたずんでいました。

野付の森 美術館

2011年02月08日

えさ台の砂糖水が好評です。始めはヒヨドリばかりが飲んでいましたが、最近はエゾリスも、
ハシブトガラも、ゴジュウカラも、スズメまでもが吸っていきます。真水が凍って手軽に飲めな
いからですかね。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                 ■  野付の森 美術館  ■

私としては野付半島はどこにいても愉しい場所です。浜辺は大好きなところですが、ときには
森の中に入っていって気分転換をします。

野付半島に通いだしてから、山に行く回数が減ったのは、この森があるからです。海抜6メー
トルの森に入ると標高1千メートルの気分にひたれるからです。ミズナラやナナカマド、シラカ
バ、トドマツなどの大木が生えています。

冬の森の周辺は氷と枯れ木が作る特異な形態のオブジェがいっぱいです。それは天候が
造り上げます。

冬の西高東低の気圧配置は根室地方の沿岸に高潮という現象を強く引き出します。低気圧
が作る気象現象だそうです。夏場に比べ潮位がかなり上がります。その結果、森の中まで
海水が入り込みます。そして凍ります。

しかも毎日、干潮と満潮が繰り返されるので、氷の表面は重さでぐにゃぐにゃ、がたがたに
なります。氷と枯れ木がうまく絡み合います。そして奇妙なからみの変化が美しい造形美を
作りあげます。

光のあたる角度により、より美しく見え出します。木と氷と光の自然のコラボレーションです。

開催期間は、一月から二月までのわずかな期間です。

ユキホオジロ 白い大地と白い天使

2011年02月07日

暖気が入ってきました。雪がどんどん解けていきます。寂しいです。私としてはあとひと月
寒くて欲しい。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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            ■  ユキホオジロ  白い大地と白い天使  ■

ユキホオジロは雪が似合います。久々に降った雪が大地を白くしてくれました。白と黒の
翼が青い空と白い大地にぴったりはまりました。飛んでいる姿を見ているだけで、北極の
大地に立った気分です。

雪がないときは、地面に落ちた種をこまめに拾って食べていました。仁丹くらいの種を丹念に
拾って食べていました。夏に生えていた植物のことを考えると、相当の種が落ちていてあたり
前のように思います。草地にの中に入るとその白っぽい体はすっかり溶け込んでしまいます。

一方、雪が降ると地面で種が拾えなくなるので、地上から空中に出てきます。空中とは、雪の
深さより高く伸びたハマニンニクのような単子葉植物の背の高い種穂です。

そこに飛びついて体重をかけ、曲げて種を食べます。時には地面まで折り曲げてしまうことも
よくあります。そんなときは遠くてもよく姿を見つけることができます。

浜にはハマニンニクは充分あります。ユキホオジロの群れはそれを求めてどんどん移動して
行ってしまいます。ですから追いかけていくしかありません。とても疲れます。

時には浜に打ち上げられた乾燥したアマモの上に集まりまり、何かを食べています。アマモに
種がついているのでしょうか。

また、アッケシソウが生えていた砂地にも集まります。塩分がある種を好むのでしょうか。

白い大地に白い天使。日本画に描きたい風景です。

オオワシとオジロワシ 並べて比較

2011年02月06日

えさ台に来るエゾリスたちがだんだんたくましくなってきています。体がみなひと回り大きく
なってきています。動きが素早く、走りが力強い。これから恋の季節に入るようです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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             ■  オオワシとオジロワシ 並べて比較  ■

オオワシが姿を見せるとオジロワシはとたんに人気がなくなります。それは見た目の美しさが
まったく違うのと、同じ時期に、同じ場所に、二種類がたくさん集まるからです。贅沢な話です。

本州の東京や大阪あたりにオジロワシが姿を見せたという情報が入ると多くのファンが
押し寄せます。オオワシだとさらに多くの人が集まりますがね。でも、両者の人気はすごいの
です。最近はイギリスを中心とするヨーロッパの人々が多くやってきています。ワシは世界の
バードウォッチャーの憧れの鳥なのです。

今日はオオワシとオジロワシが仲良く防波砂土手の上に止っていました。

オオワシとオジロワシの成鳥が並んでいます。オオワシは鮮やかな黄色のがっしりした嘴を
しています。体は黒く、肩羽が白く、目立ちます。オジロワシは淡い黄色の嘴をしています。
オオワシと比較すると半分くらいの大きさです。頭も小さく、体は茶色っぽく、尾だけが白い
のです。口の悪い人に言わせると「汚い感じがする」と一刀両断です。

                (オオワシ          オジロワシ )

体の大きさを比較して見てください。オオワシの方がひと回り大きいですね。

若者同士も並んでいました。オオワシは全体に黒く、オジロワシは茶に白が混じっています。
嘴の違いもはっきりしています。

              (  オジロワシ       オオワシ  )

オオワシは若い頃から大きさも、態度もでかい。やっぱ人気者です。

エゾイシカゲガイ 海からの贈り物

2011年02月04日

日中はあったかい。夜はまだマイナス12度。これでなんとか地面がじゅくじゅくにならないで
すみます。でもなけなしの雪がどんどん痩せていきます。地面が見え出すところが出そうです。
雪が少なくなると地面のシバレが深くなります。結果的に春が遅くなったりして・・・・。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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             ■  エゾイシカゲガイ  海からの贈り物  ■

冬は海からの贈り物が多い。風が、波が、海の中の物を砂浜に打ち上げます。ずっと気に
なっていた物は、貝殻です。

野付半島周辺には、ホタテやホッキ、アサリ、ツブがたくさん獲れます。食卓に出てくる貝は
形と模様を見れば、識別できると思っていました。

ホタテのような特徴的な二枚貝は素人でも分かります。ところが、ホッキガイやアサリに似た
ような貝がいることに、最近気付きました。それを写真に撮って、家で調べると、なかなか
魅力的な貝だということが分かりました。何が魅力かというと、どれも食べて美味しいそうなの
です。

最近撮った貝を御紹介します。ホタテ、バカガイ(通称青柳)、エゾイシカゲガイ(ザルガイ科)
エゾマテガイ、ナミガイ(オオノガイ科)、エゾヌノメアサリ、バイガイ、ホッキガイ、アサリなど
など。どれも食用になる貝ばかりでした。

(ナミガイ)

(エゾマテガイ)

(エゾヌノメアサリ)

なかでも気になったのは、エゾイシカゲガイ。

普通の二枚貝ですが、殻が厚く、丸く膨らみ、殻の表面に数えただけで放射状に50本ほど
の筋がある貝です。

(エゾイシカゲガイ  年輪が明瞭でひと目で年齢が分かる)

分布は茨城県以北で、オホーツク海までの浅い砂地に棲息しています。外観はとても赤貝に
似ていますが、すごい特技を持っています。

ヒトデがやってくるとその気配を察します。すると殻の中から長い足(釜足)をいっきに出して
跳躍して危険を回避します。跳躍を何度も何度の繰り返して、ぴょんぴょん跳ねるように逃げ
去ります。映像で見るとなかなかユーモラスです。

市場では「石垣貝」と呼ばれているそうです。寿司種として非常に人気が高いらしい。高級
食材「トリガイ」に匹敵するその味は、とても美味しんだとか。

今年は五月の干潮が大きくなる頃に、この貝を探して、食べてみたいものです。

キタキツネ 海辺のえさ探し

2011年02月03日

シジュウカラが囀りだしました。ハシブトガラも、ヒガラも、ゴジュウガラも真っ青な青空のもと、
樹冠の上の枝先に止って、自分の存在をアピールしだしました。力強く、透き通って、甲高く、
爽やかな声は聴く者にふつふつ湧き上がってくる間歇泉みたいな元気をくれますね。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                 ■  キタキツネ 海辺のえさ探し  ■

久々にキタキツネを見ました。海岸線を軽やかに歩いて食べ物を探しているようです。最近、
出会う頻度がずい分減ったと思います。

充分に餌がとれて、人目につく昼間はあまり行動をしないようにしているのか。半島全体の
キタキツネが減少しているのか。以前は、氷の上を歩いているのをよく見たのですが、どうか
したのでしょうか。生態系はいろな生存曲線を描くので、気付く頃には「なにか」が終わって
います。

警戒感が強いキタキツネでした。オオワシの近くまで行って、おこぼれがないか確認して、
こちらに来ました。それまでは気がつかなかったのでしょう。こちらに気付くと、頭を上げ睨ん
でいましたが、さっときびすを返して草原の方に走り出しました。


今は定置網で陸揚げされるカジカなどの雑魚が浜に投げられる(捨てられる)ので、カモメや
カラス、オジロワシ、オオワシがそれを食べに来ます。キタキツネもお仲間です。

強風が吹いて海が荒れるときは、海岸にホッキガイやホタテ、ホヤ、魚などが打ち上げられ
ます。それが鳥やキツネのよき食事になります。

今季は冬型の気圧配置が続いているので、海は荒れっぱなしです。キタキツネにとっては、
苦労しないで餌がとれる冬なのでしょうか。

コミミズク : 草原のプレデター 

2011年02月02日

陽射しは春です。気温は極寒です。晴天が続いています。何とも気持ちよき日々を送れてい
ることか。道東のよさは今です。これがあるからここで住めるのです。もう32年です。北海道に
足入れしてからだと43年です。染み付きました北海道が。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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               ■  コミミズク : 草原のプレデター  ■

コミミズクが夕景の羅臼岳をバックにふわりふわりと草原の上をハンティングする光景はのど
かで、いいものです。じっとたたずんで、二羽のコミミズクが互いを意識しながら飛び回ってい
るのを見ていると、冬場でもなわばりがあるのだと認識できます。

ハンティングする場所が広くて、来そうなポイントに立って待っていてもなかなか近寄ってきて
くれません。じっくり見るには時間がかかるものです。

コミミズクの顔は一見、歌舞伎役者の顔に似ています。鼻筋が通り、目尻に黒っぽい「隈」が
入っています。この顔たちが歌舞伎の「隈取り」という化粧法を思い出させます。登場人物の
性格や顔の表情を誇張する表現法なのですが、コミミズクの顔は「威嚇する弁慶」の顔に、
とても似ていると思います。

野付半島で毎年見られるフクロウは、コミミズクだけです。夜明け前に車で走らせていると、
ライトの前を白っぽい翼裏を反転させて、かすめていく姿を見ます。夜行性で地面をうろつく
ネズミや地上で眠る小鳥を捕っています。

ただ、このフクロウは変わり者で、日中でもよく活動します。冬至の頃、昼の二時ごろには
草原を飛び始めます。ですから、この時期、家へ帰る道すがらコミミズクを探すのです。

例年、同じ場所に姿を見せるので、よく止る牧柵のくいや潅木をチェックしています。今年は
5羽見つけました。

飛ぶときは翼の先を孤形に曲げ、長い翼をゆっくり規則正しく羽ばたかせ、低空を飛びます。
獲物を見つけるとヘリコプターみたいにホバリングをして、空中に止り、地上に飛び込んで
行きます。成功するとなかなか飛び上がって来ませんが、失敗するとすぐに飛び出してきま
す。


この鳥は同じ範囲を繰り返し、徘徊します。これがあだになることがあります。自分より大き
なタカ類に襲われることがあります。シロハヤブサやケアシノスリなどに狙われて、捕まりま
す。たいてい苦い思いをしたことのない経験の浅いコミミズクだと思われます。

夜行性の鳥が昼に活動することは、とても危険を伴います。それを経験して、理解しないと、
自分より強いプレデターに襲われる厳しい自然の食物連鎖の餌食になってしまうのです。

氷上を行く

2011年02月01日

雪が降りません。積雪20センチほど。日本海側の大雪に申し訳ない。雪かきがないので
少々体が鈍ってきています。このつけは今月にきそうです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                  ■  氷上を行く  ■

氷の上を歩いてきました。今年の氷は不安なし。薄い場所もなくガッチと硬い。

氷の厚さを確かめるため、氷の上で飛び上がってみました。氷は上下に揺れることなく、私の
体を跳ね返しました。厚さは20センチ以上はあります。

目的は湾内の中央近くに集まっているオオハクチョウの群れ。

番屋から歩き出しました。距離は2キロ先。先週までつるつるだった氷の上に雪が5センチば
かり積もっていて、とても歩きやすい。

ただ氷が直接見れないので、われた氷のすき間が見れません。薄氷が張っていたら怖い。
それでも前夜のすごいシバレを信じます。一夜で2,3センチの厚さにはなっているはず。
これだったら割れることはありません。慎重に足元を確かめながら歩きはじめました。

太陽の光が雪面に反射して、日頃焼けにくい目の下や顎の下がぴりぴりします。
歩いているうちに氷になれてきました。歩幅が大きくなり、だんだんと愉しくなってきます。
毎年こんな感じを繰り返します。

オオハクチョウが集まっているところは湾の入り口近く。潮の動きが激しいところなので、
氷が割れて一部が開いていました。氷の下の海水が動くので、千切れたアマモが流れて
くるのです。それをオオハクチョウが拾って食べているのです。

氷が割れてがたがたになっているところは、さすがに怖くて歩けませんでした。

日頃歩けないところを歩く。これほどスリリングなことはありません。はじめは恐々です。
やがて、氷に対して信頼感ができます。安心が増します。へっぴり腰から大股で歩くように
なります。歩いているだけだけど、心がおどるのです。

けっこう楽しめる、冬だけのアトラクションです。

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

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