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小太郎の鳥便り・カミナリシギ(オオジシギ)

2010年06月30日

小太郎でごじゃります。
各地の花便りが愉しみな今日この頃ですね。


野付半島はセンダイハギの黄色の花でとても明るい雰囲気になりました。
黄色は金運を招くらしいので、この御利益にあずかりたいものです。


さてこの草原の上空では「ジープ、ジープ、ジープ、ジプ、ジプ、ジプ、ジープ」と低く小刻み
な声で鳴きながら旋回して飛んでいるオオジシギがいます。
4月下旬にこの声が聞こえるとなんか春が本当に帰ってきた気持ちになります。目には春
らしいものがいっぱい入ってくるのに、声が加わると実感として体が感じるから不思議ですね。


オオジシギは道東では「カミナリシギ」と呼ばれ、酪農家には馴染みの鳥です。
「カミナリ」の由来は、繁殖を始めるときに「なわばり」や「メス」を確保するときに、上空を
ぐるぐる旋回しながら出すすさまじい羽音からきています。
求愛飛行といわれています。

旋回飛行しながら、ときに空高く舞い上がり、そこから急降下し、地上をかすめるようにして
また上空へ、これを繰り返します。

そのとき翼を半開きにし、尾羽を扇形に開きます。空気と尾羽が激しく振動して、グググググ、
ガッガッガッガッと遠くまで響く大きな音を出すのです。これを昼夜を問わず繰り返します。

(上空を旋回するオスのカミナリシギ)


(急降下を始めるとき)


(尾を扇形に開いて、空気と尾羽を激しく振動させる)

この最大の意図はメスを引きつけるためのアピール。
一羽ではせず、複数で一定の区域を飛び回りメスを引き寄せるんです。
選ぶ権利は雌が持っていて、気に入ったオスと交尾するんですよ。

(複数のオスが飛び回る)


ですからこの求愛飛行は自分の遺伝子を残すための大切な大切な”儀式”なんですな。

オシドリの親子

2010年06月29日

小太郎でごじゃります。
今夜は日本対パラグアイ戦がありますね。勝っても負けても、試合は生に限りますね。
迫力が違います。どんな選手がどんな動きをするか、今からわくわく・・・・・・。


6月もあと2日。タワラマップ川の林の中は、うっそうとしてきました。
散歩道からの見通しはきわめて悪く、樹冠の上のほうで動く小鳥を見つけるのは大変。
ましてや草むらの中は、全くのお手上げです。


1週間ほど前に、小型のカモが6羽の雛を連れてサケマス孵化場に向かう道路を横切って
いるところを見つけました。川のそばでじっとしてるとその家族は私が立っているすぐ前の
土手から川の中に入ってきたのです。

川は伸びた草がおおって、見通しがすごく悪い。親鳥は警戒してクックッと鳴いて雛を
呼び寄せています。

瞳が黒々として大きく、目の周りから後方に白い線があります。
間違いなくオシドリのメスです。雛の大きさからすると前の日に孵化した雛たちのようです。
2年前、偶然にも雛が木の洞からドスンドスンと飛び降りてきた瞬間のことを思い出して
いました。雛から見ればとんでもない高いところから飛び降りているのに、よく気を失ったり
死んだりしないものだと、ゴムまりのように衝撃を吸収してしまう雛の羽毛の高性能な
機能に感心したものです。

よく見ようと少し動いたら、親鳥が気づいてギュッと鋭い声を出したとたん、雛たちが
走り去るように上流へ泳いで消えてしまいました。

それから2日後、江別の野幌森林公園を散歩していた友人の清水さんが偶然撮った
オシドリの親子の写真を送ってくれました。どこも子育て真っ最中のようです。

今が旬、イバラガニ。

2010年06月26日

おばんでニャン。小太郎でごじゃります。


今夜は月食が美しく見られました。九州や四国では大雨が続いているのに申し訳ありま
せんね。天空の神様に感謝です。それにしても、今日は素晴らしい快晴、しかも猛暑で
びっくりしました。六月にこんな暑さは初めてです。早朝から珍しく25度を超えてしまい
ましたからね。日中の最高気温が軒下で34度ありました。こんな暑さはこれで終わり
かもしれないとじっくり愉しみました。

昨夜は、日本対デンマーク戦の勇敢な戦いぶりの祝杯を軽く挙げるつもりで、行きつけの
居酒屋「いちばん星」に行きました。カウンターをのぞくと手のひらより大きい甲羅の青っ
ぽいタラバガニがうごめいています。エビスビールをぐびっと飲み干して「あれは何・・・」
と問うと「イバラガニ」と返ってきました。

イバラガニは今が旬。タラバガニのニセモノとして格下に見られ、値段も安い、しかし
それはとんでもない昔話。美味い時期に食べれば、こんなに旨いものはありません。

「四千円で・・・いいよ」と後押しされて、食べきれないこと覚悟のうえで、飲み友達の
信ちゃんと二人で食べることにしました。

イバラガニはタラバガニや道東名物ハナサキガニ同様、ヤドカリの仲間。生きているカニは
青っぽく見える。この色合いから Blue king crab と呼ばれているんですよ。30分ほどで
茹で上がってきたカニの姿を見てください。全体に丸っぽく、心持ち縦に長く、四角に見え
まえんか。

(イバラガニの棘は少なめで一つ一つが大きい)


色も赤というよりオレンジ系。ひっくり返して足を見るとなんとなく白っぽい。
これがイバラガニの特徴でしょうか。

(足の裏側は白っぽい)


茹でたてを、まず足を一本づついただきました。みずみずしく甘くて、香りが爽やかで
なんともいい触感です。

せっかくだから一本焼いてもらいました。殻の香ばしさ、外から熱を加えることで旨み
が閉じ込められ、甘味と旨みが凝縮されて美味さ倍増。

なんとも うめー うめー。

ちいさな田舎の大きな喜びといったところです。

ボインの小夏ちゃん

2010年06月25日

小太郎でごじゃります。
今日はよい天気でした。嬉しいな。おかげで散歩に出て美味しい草が食べれます。
今朝サッカーをいっしょに見たので眠いのでごじゃります。


緑が濃くなって餌台の常連だった小鳥たちがきわめて少なくなりました。毎日来て
くれているのはエゾリスの小夏ちゃん。今、子育ての真っ最中。


子リスはどこにいるか分かりません。でも、おっぱいがパンパンにふくれて、みごとな
ボインです。乳をいっぱい出すためにたくさん食べないといけないでしょうね。

ヒマワリの種は栄養価が高く、効率よく乳に変わるので一生懸命に食べるのでしょう。

林の中に美味しいものが多くなってくるとだんだん来ることもなくなるでしょうが、できる
ことなら子リスを連れてきて見せて欲しいな。


(まだ冬毛が残っていますが、胸からお腹の6個のおっぱいはピンク色のボインです)


(こっちの方がおっぱいが分かりやすいかな)

小太郎の鳥便り・タンチョウ

2010年06月23日

小太郎でごじゃります。
本州各地が次々に梅雨入りしてから、根室地方も雨模様が続いています。
NHKのアナウンサーがしきりに「梅雨のない北海道」を連発するものですから、少々
苛ついています。


北海道の太平洋側は少なからず梅雨前線の影響を受けています。6,7月は雨が多い、
霧が多い、すっきりした快晴が少ない。いい天気なのは、日本海側やオホーツク海側の
ことが多いのです。
というわけで道東も6月に入って梅雨に入りましたと宣言します。

今日も野付半島のネタでご容赦を。
道東といえばタンチョウでしょう。冬のタンチョウを目当てに来る人は多いけど、夏は
出会えたらめっけものと思ってくる人が大半ではないですか。

私め、野付半島でお付き合いさせていただいているタンチョウの御夫婦が5組ほどいます。
対岸から飛んでくる夫婦もいるのでもっと多いかも。

一日に出合ったタンチョウから思うことをまとめてみました。
朝一番に挨拶に行く野付半島大湿原の中に巣を作っている夫婦はまだ卵を暖めている
最中です。メスが卵を抱いていることが多いので、雄は一羽で水辺に来て餌をあさって
います。しかし、いつも巣の方を気にしていて、何かを感じるとすぐに飛んで帰ってきます。
巣の周りを歩きながら、卵とメスをしっかり警護しているように見えます。もうすぐ雛が
帰る時期です。

(右に立っているのがオス。左に頭だけが見えるのが抱卵中のメス。)

干潟に出てきて一羽で歩き回っているタンチョウは、まず営巣をしている夫婦の片割れと
みていいでしょう。

(対岸の尾岱沼の街)


一方、この時期にペアで仲良く歩き回っているタンチョウは、昨年に子育てをして今年は
営巣をしていないものか、カップリングほやほやの若い夫婦のようです。

(このペアは頭の赤みが薄い若ものです)

(去年子育てをした夫婦です)

こういうタンチョウは、営巣中の夫婦に比べて警戒感がとても少ない。顔見知りになると
接近して行っても逃げないでくれます。時にはダンスを披露してくれることも。

干潟はタンチョウの食堂です。しかも豊かな。大好きな魚がいます。貝もいます。ゴカイの
ような泥の中にいる生き物もいます。共同食堂だから敵だと思われなければ十分に許容
してくれるのです。

(知床連山をバックに干潟でのんびり食事を取るタンチョウ)


(干潟の奥の泥炭のところで餌捕りをするタンチョウ)


半島の草原や湿地もいい餌場です。カエルがいます。虫がいます。ただ陸地なので危険
なことも多い。白い体は草原の中では目立つのではと思いますが、人のような危ない敵が
現れると、警戒してゆっくりと自分より高めのかん木やヨシの中に入っていきます。すると。
あら不思議、みごとに緑の中に紛れてしまいます。じっと動かないと見過ごしてしまうことを
ちゃんと知っているのですね。


(ハマナスのかん木がある草地で餌捕りをしているタンチョウ)


(かん木の中に入ると意外と目立たない)

経験と知恵。これがないと生きていけないよね。

一日に出合ったタンチョウは9羽でした。

小太郎の花便り・ワタスゲの大湿原

2010年06月22日

小太郎でごじゃります。
いい季節になりましたな。


家のまわりは自然の変化が激しくて時代に遅れそうです。ちょっと気を抜くと新しい花が
咲いています。のんびりなんて言っておれません。早いんです。

今日は広大なワタスゲの花湿原を発見した話。
いつも行く野付半島の入り口は気にも止めないで素通りしていたところ。ところがトドマツの
防風林のすき間に白い草原を見つけてしまったのですよ。ぴんとくるところがあったので、
近くの高台に登って見ました。やはりワタスゲの大群落が目の前一面に広がっているの
ではないですか。

(野付半島の大湿原。ワタスゲの花が一面に咲いてるよ)


(ワタスゲの花だよん)

今まできりたっぷ湿原のワタスゲが一番だと思っていましたが、これを見たらぶっ飛びました。
「おみごと・・・・・・・」というしかありません。道のない湿原。遠くから愉しみにするポイントと
決めました。

野付半島の花は毎週行くたびに変わりますな。
今週はセンダイハギの黄色が目立ち始めました。その中に立たづむとちかくのハマナスの
木の上で赤い喉をした駒鳥の仲間のノゴマがよく透る声で鳴き始めました。うっとりですわ。
こいつの声は夜でも昼でもしびれるよな。



黄色の花には、他にシコタンキンポウゲやエゾカンゾウの花がポチポチ咲き始めましたね。


(シコタンキンポウゲの花)



(エゾカンゾウの花)

浜に出るとエゾゴゼンタチバナが小さな白いはなをつけていました。秋には赤い実がなるん
だよね。ハマハタザオやハマエンドウ、テンキグサ(ハマニンニク)の花盛り。


(エゾゴゼンタチバナの花)


(ハマハタザオの花)


(ハマエンドウの花)


(テンキグサの花)


目立たぬように隠れるように咲くハクサンチドリはそろそろ終わりかな。



たくさんのマイワシがやってきた。キツネさん大喜び。

2010年06月21日

こんにちは小太郎です。
いい天気が続いたらまた霧です。

暖かくなってどんどん草が伸びています。
牧草は花をつけ、こうべを垂らしだしています。どんどん草に栄養がいって、今年もいい牧草が
できればいいですね。

6月に入ってこの地域の風物、海霧がよく発生しています。きのうも野付半島に行ってきました。
観光に来るお客さんは少なく、のんびりと散歩を愉しんできました。

この時期キタキツネが干潟や海岸線でのんびりしている光景に出会います。


(海岸は寒いのでまだ冬毛が半分残っています)

浜辺で寝そべったり、餌をあさりに来ているシギを追いかけてみたり、海辺に打ち上げられた魚
や貝を食べています。


6月はキツネにとってとても幸せな月です。マイワシが野付半島に大群で入り込んでくるからです。
満潮時、波際でパシャパシャと水しぶきが上がります。ウミネコやオオセグロカモメが集まって
きます。やがてカラスとトビがやってきて、そのあとにオジロワシが姿を見せます。


コバルトブルーの背中をしたマイワシは浅瀬に入ってくると目立ちます。うろうろと泳ぎ回り、
どんどん浅いほうに向かってきます。パニック状態になり勢いよく砂浜に飛び出し「干物ダイブ」
と呼ぶ光景が出現します。浜辺は一瞬にして高級レストランに変わるのです。


(多量すぎて飽きられて食べ残されたイワシのなきがら)

マイワシがやってくるのは決まって六月の今頃。根室海峡にミンククジラやシャチ、イシイルカ
が次々に姿を見せる季節です。沖合いにはオーストラリアやタスマニアで繁殖したハシボソ
ミズナギドリの何万羽もの大群がみられるのもこの季節。

根室海峡はクジラからイワシまでおお賑わい。それは海峡に大量のプランクトンが発生する
からです。野付半島はそのおおこぼれにあずかっているわけです。

オオウバユリ

2010年06月16日

オオウバユリがお気に入りです。
春、他の草木に先立ってタワラマップ川沿いの軟らかな地面から、力強く葉芽を出します。
つやつやとした若芽は、全体がエネルギーのかたまりで、握りこぶしを突き上げるような
元気をくれます。。


実は、北海道に来るまで全く知りませんでした。それもそのはず、本州中部以北から
北海道の山地に自生する植物なんですね。
名の由来は、乳母(うば)が乳児に乳を与えて養育し、その子が成人(開花)するときには、
年をとって歯が抜けてしまっている(葉がない)ことから「姥百合」の名がついたとか。
また、植物図鑑で有名な牧野富太郎先生は、開花したときの芳香が老婆の体臭に似て
いることからウバユリの名がついたと説明されていますね。

(去年咲いた花のあと。何万という小さな種が風に飛ばされ飛んでいきます)

今年はオオウバユリが豊作の年なのか、例年になく多く生えてきています。


(こんなに芽が出たのは初めて見ました)

花を咲かすまで7,8年はかかる多年草なので、このうち何本が緑がかった白い花を咲か
すのでしょうか。
何年か前に札幌の北大植物園の中の林床にたくさんのオオウバユリが咲いていて
びっくり、感激したことがありました。

地面から出て、筍のように生長していく茎からでる大きく広い葉っぱはつやつやとして
艶やかな魅力があります。散歩のときに2,3枚の葉を取ってきて、生け花に使います。
紫のスミレや白いスイセンの花にあわせると、花いかだのようなどっしり感があって好き
です。


窓辺に飾るととても似合います。

大変です。口蹄疫。

2010年06月14日

猫の小太郎でございます。


最近は世の中物騒ででございますね。猫の世界では、猫エイズや猫白血病が根室地
域でも蔓延していて、酪農家の牛舎で居候する猫の90%以上はケンカや交尾でこの
ウイルスに感染しています。ですから、長生きしてネズミを捕って農家のためになりたく
ても2、3年で死んでしまう運命なのです。


でも私達は人様の経済活動には迷惑をかけることはございません。しかしね、宮崎県
の口蹄疫はひどうございますね。私どもの情報によりますと、畳床に使われていた稲葉
が原因だとか。外国で作られた畳床を農家が牛の餌に与えていて、偶然その中に
ウイルスが混入していたということらしい。感染地域からの輸入物にはくれぐれも注意
を払わないといけないということですかね。

根室管内は今、宮崎県と同じくらい口蹄疫に対しピリピリしています。
この地域は夏の寒い気候のために、農作物が安定して作れません。農業といえば
酪農しかないのです。牛で生活する以上、今回の口蹄疫問題は他人事ではありません。


根室振興局農務課が中心になって口蹄疫進入の防止対策を徹底してやっています。
とにかくピリピリしています。


車で走っていて目につくのはどの農家の出入り口ににも石灰が撒かれていることです。
道路が白くなっています。


牛舎の出入り口には、消毒槽が設けられて、農家の人はもちろん獣医さん、人口授精師さん、
削蹄師さん、農機具屋さん、宅配屋さん、郵便配達員さんといった人々たちが必ず消毒
をして入るように指導、徹底されています。

牛が壊滅したら、皆さん生活が成り立たなくなるからです。

また、この地域のいろいろなイベントも軒並み中止になっています。昨年、大好評だった
「なかしべつ330度開陽台マラソン」が農業地域を走るために、止む無く中止されました。
遠く沖縄や首都圏のどの人たちが愉しみにされていたのに、残念なことです。


(エゾジカに口蹄疫が伝染したら北海道の酪農は大変なことになります)

クロユリ

2010年06月09日

野付半島の春は地面から始まる。
海から吹いてくる風は強く、気を抜いた軽い服装で行くと30分も外におれない。
しっかり冬の服装をして行ったほうが無難だ。


(草むらの中からヒバリが飛びだしてきてさえずり始めました)

晴れた日に草むらに寝っころがると世界が違うと感じる。地面から20-30cm
まではとても暖かい。ぽかぽかとした温室に入った気分になる。顔に帽子をのせ
目をつむると、日干しをした布団に入ったほわーんとしたぬくもりにを感じる。

(草むらで偶然出合ったアカアシシギのメス)

この恩恵を受けるのが植物だ。すばやく反応して、とっとと花を咲かせる。
今、野付半島はクロユリが満開だ。

外づらは黒っぽく見えるが、光を通すと赤紫色になり輝きを見せる。釣り鐘の形を
してユリらしく見えないが、葉っぱを見るとユリかなと思う


高山帯に咲くものは花が1個らしいが、野付半島のクロユリは2個がほとんどだ。
ここのクロユリは種で増えないらしく地下のリン茎で増えていくそうだ。かっては
馬の放牧地であったので、エゾカンゾウ同様に食われずに残ったものだ。

印象としては目立たない。アイヌの人は「愛する人にクロユリの花をそっと差し
出し、その人が手にとってくれれば2人は結ばれる」というこの花にまつわる伝説を
残している。    誰か使ってはいかがかな。

同じところにシコタンタンポポが大型の黄色い花を咲かせていたました。ネムロ
タンポポともいうそうで、セイヨウタンポポの侵食に負けずがんばって残っています。

(シコタンタンポポの花はすべて舌状の花だけで構成されている)

また地面に這いつくばってツルキジムシロの花も元気よく光をいっぱい浴びて
いました。


紫のスミレも名前は分かりませんでしたが、地味に咲いていました。


ゆっくり花を見ていると、鹿に出会い、ひばりの囀りを目の前で聞いたり、草むらの
中でアカアシシギに出会ったり、これだから野付半島の散歩は止められません。


(牝しかがじっとこちらを見ていました)


小鳥に足輪をつける

2010年06月08日

日曜日から3日続けて晴天が続いている。

この好天のおかげで草木の葉が勢いをつけた。
タンポポは花の茎をどんどん伸ばし花を思い切り太陽に近づけようとしている。
草の丈も著しい伸びぶり。この調子だと週末は草刈をしないといけない。

木の葉芽も大きく広がる。透けて明るかった林に木陰が目立ちだす。


(林の中のスモモの木が満開です)

アオジやコルリが嘴いっぱいに巣材をくわえている。小鳥たちが最も活発に
動き回る時期だ。

(いちばん芽の出るのが遅いミズナラの木にきたヒガラ)

下のタワラマップの林で地道な作業をしている人たちがいる。

環境省の委託で、小鳥を捕獲して、足に標識の足輪をつけ、放鳥しているのだ。
バードバーダーといわれる方々。春と秋の渡りの季節に環境省から提供される
小さな足輪をつけ、その鳥がどこに移動して行くかを調べる。

(この旗の下でのかすみ網は許されるのだ)


(鳥たちの移動コースを計算してかすみ網は張られるのです)

非常に効率の悪い仕事だが、長年続けることで貴重な資料が溜まり、いずれ
地球規模の自然保護に結びつくのだ。
ボランティア。好きだからできる仕事なんですね。

(かすみ網にかかったアオジ)

わが家の餌台に来る小鳥の一割は、足輪をつけていますね。

知床連山と釣り船とサーファー

2010年06月07日

日曜の朝、4時。天気予報では晴れと出ていました。
外は濃霧。それでも鳥たちは囀っています。ノゴマの声は一番。遠くでツツドリ、
オオジシギ。その中にカッコウの声が聞こえてきました。待ちに待った夏告げ鳥。
エゾセンニュウの声も。これで夏鳥はすべてそろいました。

彼らの囀りに励まされて、野付半島に向かいました。すっぽり濃霧に覆われて
いても草原の小鳥たちの囀りは、この時期にしか輝かない。

(カッコウが飛んでいます)

のったり、のんびり、いい気分。

陽が高くなった8時頃、霧が走り去るように消えました。それまで隠れていた
知床連山がくっきり出てきました。

(知床連山。左より羅臼岳、右側に硫黄山)

斜里側から見る知床連山は素敵ですが、わたしは野付半島から見る知床連山
が大好きです。斜里岳から海別岳、羅臼岳、硫黄山に連なる山々はどっしりと
した魅力がある。それも全て登った山となれば愛着があります。

(斜里岳)

(海別岳)

(羅臼岳)

ちなみに野付半島からは雌阿寒岳と雄阿寒岳も見えます。日本百名山のうち
三名山がお目にかかれる稀有な場所でもあるのです。

野付の浜でくつろいでいると根室海峡から釣り船が争そうようにして尾岱沼港
へ向かって帰ってきました。甲板に大勢の釣り人を乗せて、たも網を
大漁旗にしてかっこいいこと。六月は形のいいカレイがよく釣れて、人気がある
のです。


また浜辺ではサーファーがやってきていて、ウインドサーフィンを愉しんでいま
した。海水温が低くて海水浴と全く縁のないこの地域にも、サーファーが増えて
きています。羅臼や標津に職を探し住み着いて、仕事をしながらサーフィンを
やっている人がいます。

しばらく眺めていましたがウインドサーフィンはすごいスピードで海上を走る
もんですね。方向転換は早いし、風を捕まえると飛ぶように波の上を走るのに
はビックリしました。


スピードに乗れば、対岸の国後島まで一時間かからず行けると思いました。
行けばロシアの国境警備隊につかまりますがね。

夕方まで食事もとらず、のんびりと過ごしました。
帰りにみたわが町の山、武佐岳の夕焼けが美しかった。


犬・猫と塩

2010年06月05日

実は私、道新の「ペットと暮らせば」のコーナーを1ヶ月半に一度くらいの割合で
担当させていただいています。自分の興味に素直にしたがって書いています。
毎週土曜日に各専門家の方が担当してペットの情報を発信しています。

このコーナーを担当して5年になります。デスクの人も3人目です。おかげで
ただで文章の勉強をさせていただいております。北海道新聞さんに感謝感謝
です。

今日は「犬と塩」でした。本当は「猫」も入れたかったのですが、焦点がボケそう
だったので犬だけにしました。

でも同じことが猫にも言えるのですよ。
そこで猫を加えたものをここに書きます。

「犬・猫と塩」

犬や猫に塩をやってはいけないと思っている飼い主さんがいます。犬・猫は汗腺が
足裏にしかなく、余分な塩分を汗で排泄できないため腎臓や心臓に負担がかかる、
という短絡的な理由のようです。


腎機能は実は多彩で、尿毒症の原因となる不要成分や有害物質の排泄に加え、
体内の水分量や生命維持に欠かせない塩分(ナトリウム、カリウム、マグネシウム
など)を調節する働きをしています。とり過ぎた塩分や代謝で生じた老廃物は体外
に排出できるのです。

塩分が不足すると、逆に心臓が正常に機能しなくなることも。犬や猫がしきりに人の
足裏や汗のついた床をなめるときは、塩分を欲しがっているときなのです。

野犬がしょっぱい塩鮭をたべても、猫がサンマを食べても、別に死ぬことはありま
せん。人と同様に食べ続けなければいいのです。

皆さんの食事の一部を分けてあげて生活させればいいのです。ただし御心配の
方は皆さんが食べる味付けの半分くらいの塩分でやって見られてはどうですか。
きっとすごく喜びますよ。

犬は1万年以上前から、猫は三千年以上前から人間と暮らし、人間から与えら
れた物を食べてきた動物です。

人の塩分で犬猫が病死したということを記した事実はありません。


タンポポとキタキツネとエキノコックス

2010年06月04日

こんにちは。小太郎の先輩のラムです。

桜が散ってしまいました。

先週の好天でタンポポがいっせいに咲きました。
わたしは道東のタンポポが大好きです。寒いので、暖かい地面にへばりつくように
花を咲かせるからです。花の茎が短いので、風が強く吹いてもしっかり踏ん張り、
タンポポのじゅうたんができてしまいます。


でもこの美しさは長く続きません。気温が上昇すると花茎が伸びて、じゅうたんの
紋様がぼやけてしまうのです。ですからこの美しさを少しでも維持するには、適度
な寒さと適度な太陽の光が好いわけで、一日中の快晴はいりません。


そんな気持ちのいい朝、道路でキタキツネがぺしゃんこになって死んでいました。


カラスが群がって1時間もしないうちに、遺体は消えてしまいました。スピードを出し
キツネの姿に気づかずに轢いていった運転手に「君はいつかこのしっぺ返しを
受けるぞ」と思わざるをえませんでした。


根室管内はエキノコックスの汚染地帯。たぶんこのキツネもエキノコックスの成虫が
腸内に寄生し、多量の卵をばら撒いている可能性は高いはず。その腸や内容物を
食べるカラスたちは大丈夫か、卵を消化せずあちこちに運んで行っているのではと
心配になります。でも、それはないそうです。

この地域では作った野菜や山菜を生で食べることはしません。茹でて食べます。
すごく用心深いです。

六月一日、札幌で北海道獣医師会の野生動物部会がありました。そのとき、
エキノコックスの話題になりました。道内で一年間にエキノコックスで亡くなる方が
毎年20名弱おられるとのこと。死亡された方の日常生活を調べたところ汚染地域
で生活している人や山菜を採りにいく人はさほど多くなく、意外なことに登山をやって
いた人が多かったそうです。

キツネは登山道をよく使います。そしてマーキング目的で糞をします。その糞を
登山者が踏み、靴の裏につけて帰宅する。家に帰ってきれい洗い流す人もいれば
そのまま乾燥させてしまう方もいます。玄関で着いてきた土が落ち、それが乾燥し
空気中に浮遊して偶然人の口に入ることもあるのでしょう。

可能性はあるよねとなりましたが、エキノコックスの研究はまだまだ発展途中
なので、なんともいえないのです。
でも、気をつけることに越したことはないですよね。


野付半島の生き物たち 2.シギ・チドリの渡り

2010年06月01日

5月9日から3週間ぶりに野付半島に行った。この間、道内で最も遅い
狂犬病注射に出かけていて、日曜日が全てつぶれたからだ。

野付半島はすっかり色変わりをしていた。浜辺の植物が寒冷な気候
にもめげず、どんどん伸びて緑色に変わっていた。

フキノトウが伸びて、花開き、もう白い種穂をつけている。それをベニマシコが
食べに来ていた。春先にやってきたときは去年の草の実を食べていたのに
新鮮なフキの実をパクパク食べている。繁殖に向けて体力を付けられる
のはこの上ない喜びだ。


干潮時が10時過ぎにあたっていたので、野付湾には広大な干潟が
できていた。干潟は生き物の食卓になる。タンチョウの夫婦がやってきて
さっそく魚をあさっていた。アマモの下に隠れている魚をほじくり出して
食べている。オオセグロカモメやウミネコも来ている。キタキツネも海の
めぐみに与っている。


そこかしこに鳥の群れがやってきている。シギ・チドリの群れだ。5月の
初め頃はカモやガンでにぎわっていたのに、すっかりメンバーが様変わり
している。
シギ・チドリは遠くはオーストラリア、東南アジアなどで冬を越していた
ものたちである。これからさらに北極圏に向かうものがほとんだ。

さっそく「別海十景。野付半島原生花園」の看板の上にここで繁殖する
アカアシシギが迎えてくれた。
今日は何かサプライズがある予感。彼らが集まりそうな干潟を目指す。


例年ならシギ・チドリの渡りの時期はすでにピークを越している。
ただ遅く渡って行く連中はすでに繁殖期用の衣装の夏羽に変わって
いるものが多い。本州の干潟ではなかなか見る機会が少ないので
図鑑片手に羽柄を合わせをするのが大変だけど、面白い。

繁殖地の環境に合わせた色模様なのでけっして派手ではない。
泥の干潟で、まずはトウネン。スズメはどの小さなシギ。
翼を広げるとスズメよりずっと大きく見える。首のまわりの赤茶色が
目立つ。


広大な砂地の干潟では、引いていく水の流れを上手く利用して
ウミネコが小魚を捕っている。見てるときわめて確率の高い捕り方だ。


対岸の尾岱沼から観光船がやってきてアサリ掘りの人たちが降り
てきた。近寄らずに遠くで眺めることにする。


ここ二,三年砂地だった干潟にアマモや他の海草がどんどん生え
てきて、鳥たちにとりとても生き物の多い干潟が育っている。
おかげでシギ・チドリの群れが多く集まるようになった。

ゆっくり歩いて行くと海上を大型のシギの群れがやってきた。50羽
以上の大きな群れだ。私の上を通過して近くの干潟に降りる。
くちばしが長く、根元が太く、ピンク色の肉色をしている。先のほうが
黒くなり、先端に行くにつれやや上に反り返っている。


オオソリハシシギだ。

灰色っぽく大きい方がメスで、赤さび色をした小さいほうがオスだ。

この鳥は南半球のオーストラリアやニュウジンランドで冬を越し
春、繁殖地の北極圏のツンドラ地帯に向かう。
2007年にニュージンランドから韓国の干潟まで一万キロ以上を
無着陸で飛行したことが確認されている。すごい飛行能力を持って
いるやつらなのだ。そう思って姿や飛ぶ姿を見る。

50羽という数字はいつもなら10羽前後の群れしか見たことが
なかったので、その多さに感動していた。
高速で飛べるように全ての無駄を省いた翼や尾羽は美しい。
この姿を潮が満ちるまで愉しんだ。

同じ場所で餌をあさっていたハマシギの夏羽も美しかった。


かえりの浜辺の小石にまぎれて眠っていたミユビシギの夏姿も
地味なれど良かったな。

私にとって至福の一日でした。

プロフィール

プロフィール

中田 千佳夫
なかた・ちかお。1950年5月6日、鳥取県米子市生まれ。大阪府立大学農学部(現在は生命環境科学部)獣医学科卒。京都大学理学部動物学科大学院・研修員(鳥類生態学専攻)を経て、ムツプロに入る。85年に中標津町で青い鳥動物病院を開業。犬猫を中心の小動物診療に励み、今日に至る。

青い鳥動物病院ホームページ

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