★ ひねもすのたり ★

2018年03月08日

24節気の啓蟄が過ぎ、陽ざしが強くなりました。気温が0度を超える日が多くなりました。雪が痩せてきて地面が少し見えてきました。ほっとしているのはエゾジカたち。

おばんです。小太郎でごじゃります。

AU1A1906.JPG

***********************************

                    ◆  ひねもすのたり  ◆

積雪に悩まされていた野付半島のエゾジカは地面が顔をのぞかせ、どこかほっとした顔になっています。前足で雪を掘り起す作業をしなくてよくなったからでしょう。

採食は危険の少ない夜間にすることが多いです。苦労せずゆっくり、たくさん食べれるようになり、朝になると地面に座り込み休んでいるところに出合います。

AU1A1941.JPG

よく見かけるのは大きな角を持った年老いたオスジカのグループ。陽ざしで暖かくなった枯草の上に座り、体を伸ばして休んでいます。

眼を細め、穏やかな表情をして寝そべっています。近寄ってみると寝ながら口が動いています。食べた枯草を胃から口に戻し、咬み直しているのです。

シカは牛と同じく反芻動物。胃が4つに分かれています。食べた草は第一胃と第二胃で唾液と混ぜ合わせられ、固形と液体に分けられます。固形になった草は「食い戻し」と言われる丸い塊になって口に戻し、時間をかけて咀嚼します。

AU1A1956.JPG

口をもぐもぐ動かしているのは咀嚼しているときです。よく噛んで、硬くなった枯れ草の繊維を細かく切って、唾液と混ぜ合わせるのです。ゆっくりと味わいながら口を動かしています。

秋にしっかりつけた体脂肪はほとんど消費され、後方から見る背骨の周りの筋肉が削がれたように薄くなっています。秋につやつやだった毛並みは摩耗してぼさぼさに見えます。

AU1A1988.JPG

冬季の気候の厳しさを乗り越えてきた証しでもあります。風がなく穏やかな朝は、体力が落ちてきた老体のオスジカにはありがたいはずです。

それが顔の穏やかな表情に出ています。

与謝野蕪村の俳句、「春の海 終日のたりのたり哉」をもじって、「春の野の 終日のたりのたり哉」のエゾジカ老体でした。

AU1A1998.JPG

トラックバック

トラックバックURL: http://blog.hokkaido-np.co.jp/mt/mt-tb.cgi/9148

コメント

ホント、冬のお疲れが体にたまっているご様子。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

(公開されません)

(HTMLタグ(b,i,br/,p,strong,em,ul,ol,li,blockquote,pre)が使えます)