★ 大潮とウミユスリカ ★

2017年09月09日

私が小学生の時、小さな赤い糸ミミズみたいな幼虫がどぶ川のヘドロの上にたくさん出て、流れる水に揺らめいていました。あれはユスリカの子供だよと教わり、以来しっかり記憶に残しています。

おばんです。小太郎でごじゃります。

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                 ◆  大潮とウミユスリカ  ◆

ユスリカの名前はこの幼体が体を揺するように動かすことに由来します。世界には約一万5千種、日本からは約2千種が記載されています。こんなに多い種類がいるなんて知りませんでした。

ほとんどの種の幼虫は水の中で棲んでいます。川や池などあらゆる淡水域で見られます。が、なかには海の潮間帯に棲むものがいます

ウミユスリカと言います。ウミユスリカの幼虫は干潮に現れる潮だまりの中に生息しています。中の藻やベントスなどを食べ成長します。

8月6日の夕方。引き潮から上げ潮になり干潟の水位が上がってきて、ねぐらにする場所を求め集まってくるシギたちを観察しているときでした。

AU1A6974.JPG海水がくるぶしまで上がってきた足元で、綿ぼこりが舞い上がりました。虫です。5ミリほどの白い小さな虫です。雪虫みたいな弱弱しい、蚊のような、蠅のような虫です。

見るとオオシバナの茎にびっちり止まっています。飛び上がった虫は水にふあふあ浮いています。表面張力で立っている虫、羽が濡れ水沈んでいる虫、ひ弱な感じがいっぱいの虫たちです。

AU1A7013.JPG雰囲気はユスリカです。その時は海水にユスリカはいないと思っているので、「?」何の虫だろうと思ったのです。

写真だけは記録として撮っておきました。調べるとウミユスリカみたいです。

干潮のピークに合わせ、一斉に羽化するそうなんです。わずか1~2時間の間にしか成虫が見られない。その瞬間に出会えたのです。

先にオスが羽化し、水面を滑走するようにしてメスの蛹を探すのです。見つけるとメスの脱皮を手伝い、すぐに交尾をします。

AU1A7012.JPGメスは翅を持たず、うじ虫のような体形をしていて、交尾が終わると海草の上に産卵します。そして、儚い命を止めます。

後で調べているうちに、とても感動するシーンに出会っていたのです。干潮とシンクロする小さな虫のドラマだったんです。

AU1A7020.JPG文献によると、西ヨーロッパのウミユスリカの羽化は大潮の夕方に起こるそうです。

改めて調べると、8月6日の日曜日は大潮でした。しかも夕方ではありませんか。野付半島のウミユスリカも同じでした。

感激。

                    9月の花 ウメバチソウ

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コメント

琵琶湖畔に住んでいる時、ものすごい数のユスリカに悩まされました。その数だけの命の営があったのですね。

120歳まで生きてみたいと思っている自分が恥ずかしくなるようなユスリカのきっぱりとした一生!

素晴らしいチャンスに出逢いましたね。

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