☆斎藤佑樹の言葉
2010年11月03日
夕闇迫る神宮球場に斎藤佑樹の言葉が響いた。アナウンサーの一通りの質問が終わって「ドラフト1位が3人もいるチームで最後を飾り、いよいよプロで、戦うことになりますが」と水を向けたときだ。
斎藤は、「ひとこと言わせてください」と、言って話し始めた。
3万5千人と満員の観客を飲み込んだ神宮球場から、そのとき「おー」とどよめきが起きた。斎藤は、まるで原稿を用意していたかのようにマイクに向かってしゃべった。
「僕は、これまで、何か持っている、と言われ続けて来ました。でも、それがきょう、分かりました」
再び球場全体がどよめくなか、斎藤は言葉を続けた。
「それは、仲間だということです。素晴らしい仲間とライバルに恵まれて、4年間過ごすことができました」
この日のゲーム内容が、それを言わせたのかもしれない。
3日、神宮球場で行われた東京六大学野球優勝決定戦。最終日の早慶戦で慶応が2連勝したため、決定戦が50年ぶりに行われることになった。
1試合だけの、決定戦の勝者が秋のリーグ覇者となる。50年前、早慶は、決着がづかず、6戦も戦った記録がある。東京六大学野球の歴史に残る死闘は、今も語り継がれている。そして、50年の歴史を経て、一人のピッチャーに栄光のページが加わった。
日本の野球の歴史を刻み続けてきた早稲田の第100代目の主将が斎藤佑樹。ドラフト1位を引き当てた日本ハムのファンは、彼の強運とスター性を、この試合で、再確認したのではないか。慶応打線を7回までノーヒットに抑え、8回に味方エラーが絡んで、なんと5失点。試合は分からなくなってしまった。でも、最後は、再び斎藤が話したように「仲間」たちが、慶応を突き放した。
斎藤-大石の必勝リレーで、最後は、大石がぴしゃりと抑えて10-5で早稲田の4年ぶり42回目の秋のリーグ優勝が決まった。
「本当に仲間に恵まれた4年間でした」。ライバル慶応の選手にも感謝の言葉を述べた。斎藤にとっての4年間、野球で一緒に戦った相手はみな「仲間」だった。
明日は、その斎藤が、ドラフトについての話を、初めて公式の場で話す。日本ハムという球団は、彼にどう映っているのか。すんなりと入団してくれるのか。
早く聞きたい。北海道のファン、いや全国の野球好きが、その言葉を待っている。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.hokkaido-np.co.jp/mt/mt-tb.cgi/13906

