始まりましたね、甲子園。夏の熱き戦いの火ぶたが切られました。開幕ゲームは、二人の名将の対決です。常総学院と九州国際大付属。九国大付を甲子園初勝利に導いたのは、東北高校でダルビッシュを指導した若生監督だったのです。
無神論者、いや困ったときだけ、神頼みのボクでも、信じていることがあります。甲子園には野球の神様が、います。神様が何かを考えている、としか思えないような、不思議なできごとが起きます。確率の問題、と言うには、割り切れない何かが。
開幕カードの木内監督率いる常総学院と、若生監督率いる、新興の九州国際大付の戦いは、まさに甲子園の神様が、仕組んでくれた因縁カードでした。
きょうの道新スポーツにも掲載されているように、78歳の木内さんが勝てば、甲子園での最年長勝利記録を更新するところでした。結果は、九州国際大付の逆転勝ち。それも4点差をひっくり返す、大逆転勝利でした。
このカード、何が因縁かというと、2003年夏ダルビッシュがいた東北高校と常総学院が決勝で対戦し、常総学院が優勝しました。このとき、常総学院は、木内さん、東北高校は若生さんが率いていたんですね。
木内さんは、その独特の言葉や、木内マジックとも言われる戦術、戦略で高校野球界に広く知れ渡った監督さん。一方、若生さんも、常総学院を「常勝」学校にした手腕が高く評価され、九州の現チームをイチから教え始めた監督さんです。
二人は、その2003年以来の甲子園での対戦となったのです。
木内さんは、バントという甲子園セオリーをあまり使いたがらない監督さんで、ときに強行して、失敗、なんてこともありますが、2003年の優勝時は、ダルビッシュを相手に積極的に打ちに行き、バントを多用しなかったことが、優勝につながりました。
そして2009年の夏。木内さんは、見事な采配で前半に4点を取り、楽勝ペースかと思われましたが、九州国際大付の集中打に試合をひっくり返され、そのままゲームセット。2003年の借りを返した形になった若生監督は、試合後のインタビューでは、落ち着いて話していましたが、内心は「よし、やった!」という気持ちだったに違いありません。
東北のチームは、いまだに春夏とも甲子園での優勝経験がありません。駒大苫小牧の連覇で、優勝旗は東北に停車することなく、一気に青函トンネルを抜けてしまい、東北の野球関係者は、複雑な思いだったと、聞いたことがあります。
「ダルビッシュでも勝てなかったんだから」が、仙台の野球関係者の口ぐせでした。
その代わり、道民はいい思いをしました。
ダルビッシュが、日ハムに入ってくれたおかげで、毎年Aクラスを保つことができるようになり、常勝軍団への変わりました。ダルビッシュは、入団5年目で日本を代表する投手に育ってくれました。
一方、木内マジックで育った選手は、現日ハムにもいます。マックこと金子誠。不動のショート、彼の今年の活躍ぶりは、目を見張るものがあります。
こうして考えると、きょうの開幕戦、やはり、不思議な因縁でした。もう一つ言うならば、昨夜は、ダルビッシュが第二のふるさと、仙台で負けているんですからね。相手は、田中将大投手。これまた夏の甲子園男。なんだが、因縁がぐるぐる回っていますが、甲子園の楽しみ方は、こんな神様の仕組んだ因縁対決を探しだすことにもあります。