☆WBCでもタイブレークなの?
2009年01月30日
久しぶりに野球の話題を。かなり「不安」と「おかしさ」を覚えたので。
きょうの午前中に共同通信が配信した「WBC延長13回からタイブレーク」の記事を見て、大会運営に危機感を覚えてしまった。
ニューヨークで行われたWBCの運営委員会で延長13回からタイブレークを採用することが決まったというのだ。
プロの大会なのになぜ、そんな変則ルールを適用する必要があるのだろう?
記事によると、北京五輪では11回から始まったが、WBCでは13回からとし、北京で任意の打順だったのを今度は打順を変えずに始めるという。
決勝でのタイブレークは継続して協議されるということだが、これはどうみても、「ベースボール」ではないと思う。北京で星野監督でさえ、実際にタイブレークに入ってから戸惑ったように、これまで長い歴史の中で適用されていなかったルールを開催わずか1カ月前になってようやく決めるとは。こんなことは、サッカーW杯だったら、考えられないことだろう。以前にもこのブログで指摘したように、ここに野球という競技の「成熟度のなさ」と、世界に広がらない理由が垣間見えると思う。
時間短縮、テレビ放映との関係、そして勝ち負けをはっきりさせなければならない試合という特殊性を考えても、普段大リーグでも日本のプロ野球でも、やったこともない、そして見たこともないルールを適用するのは、だれがみてもおかしい。そのおかしい議論を、きちんと報じたり、議論の裏側を書かないマスコミも、同様におかしい。
投球制限にしてもそうだ。どうして1次ラウンドが70球で、2次ラウンドが85球になるのか。準決勝と決勝は100球となって、前回より5球増えると言う。投手の負担軽減というが、こんなばかな理由はない。5球で何が変わるというのだろう。
出場するのは、体力も気力も戦力も充実したプロの選手たち。きょうの道新スポーツでダルビッシュが「投球制限は関係ない」と先発完投型の調整をしている、という記事があるが、シーズンを通して調整できるプロの投手にあえて、投球制限をするというのは、プロ野球という競技の面白さを自ら否定していることにならないか。100球投げて完投しても負け投手になったり、1球で勝ち投手になる可能性もある、こうした不公平さを野球の面白さ、としてルール上許して来たのではなかったか。
投手と打者の駆け引き、ファウルで粘るテクニック。そんなものが、投球制限によってなくなってしまう。あるいは、試合じたいが大きく変わってしまう可能性だってある。つまり、打ちにくい投手をマウンドから降ろしたければ、何本もファウルを打てばよくなる。
わからないことはまだある。記録の問題だ。タイブレークとなったとき、走者があらかじめ2人いた場合、次打者が本塁打を打ったら3ランと記録されるのか、されないのか。投手にだって自責点がつくのかつかないのか。どうみても、レギュラーシーズンや、通常のルールで行う野球とは違った記録の付け方が必要になる。おそらくこれらはすでに議論されていることだと思うが、同一の試合に違う条件をあてはめようとすることじたいに無理がある。
もし、どうしても引き分けが嫌だったら、安打数、本塁打数で比べたり、得点経過によって考えれば、いくらでも、決着の仕方はあるはずだ。
WBCについてはまだまだ疑問がたくさんある。日経新聞が連載しているように「原ジャパン、侍ジャパン」という命名をしたのは大手広告代理店。原監督は、そのネーミングを嫌がっていたという。野球ファンも同じ意見の方が多いのではないか。
なんとかジャパンは、もともとW杯を目指すサッカーから付けられたと記憶する。野球は選手が主体であり、監督はあくまで縁の下の力持ち的な存在だろう。巨人V9時代に「王」「長嶋」の名前をつけても、「川上巨人」とは言わなかった。「侍ジャパン」は、いかにも商業的、そしてセンスがなさすぎる。
WBCの開催に危機感を覚えると同時に、五輪復活を目指す野球という競技にとってもマイナスにならないか。そんなことばかりを考えてしまう今日の、ニューヨークからの報道だった。

