ブラインドネス
2008年11月21日
今年のカンヌ国際映画祭のオープニングを飾った作品。
一瞬にして目の前が真っ白になり何も見えなくなる。
そして次々と伝染していく奇病。
ある都会の街角、車で交差点で信号待ちしていた日本人男性が
突然、目が見えなくなり、パニックになる。
彼を助けようと代わりに運転し、家まで送り届けた一人の男。
彼を降ろした途端、彼は車で逃走。
後日、その車を盗んだ男も目が見えなくなった。
日本人男性の妻も彼の目を見た眼科医も病院の
待合室にいた患者も受付の女性も皆、目が見えなくなった。
街中に失明者が溢れ出した。
感染した者は皆、収容所に入れられた。
しかし、そこはまるで監獄だった…。
軍に厳しく監視され、食糧や衣料品もままならず
ベッドも足りず、ついに暴動が起きる。
警備兵を射殺し、実権を握ったのは自分を「キング」
と名乗る男だった。
銃を振りかざし、収容所にいる者たちを支配し始めた。
「食糧が欲しければ金をもってこい、金がなければ
女を出せ」と理不尽な要求を突きつけた。
そこに一人の女性が立ち向かう。
実は眼科医の妻だけが見えていたのだ。
彼女は見える事を隠していた。
人間は恐い!極限に追い込まれた人間の実態は…
欲望がむき出しになり、理性が無くなる。
野獣のように、本能の赴くままに相手を攻撃する。
日本からは伊勢谷友介と木村佳乃が夫婦役で出演。
眼科医にはマーク・ラファロ<「オール・ザ・キングスメン」「死ぬまでしたい10のこと」>、
その妻には「ブギーナイツ」でアカデミー助演女優賞、
他の作品でも常にアカデミー賞にノミネートされる演技派女優、
ジュリアン・ムーア、「リーサル・ウェポン」でメル・ギブソンの相棒役を
演じたダニー・グローヴァー、「バベル」「アモーレス・ペロス」
「モーターサイクル・ダイアリーズ」のガエル・ガルシア・ベルナルと
そうそうたる顔ぶれ。
原作は1998年にノーベル文学賞を受賞した
ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」。
監督はフェルナンド・メイレレス<ナイロビの蜂>。
原作者の意図どおり、映画の中では
国も街の名も、登場人物の名も経歴もない。
今回、製作に酒井園子「シルク」、製作総指揮に依田巽、石井晃と
日本人スタッフも加わっている。
カンヌの記者会見でダニー・グローヴァーが言った言葉が心をうつ:
「この物語は、今我々が対峙しなければいけないことを描いている。
今、世界の21億人が1日2ドル以下で暮らし、そのうち1億人は
1ドル以下で暮らしている。でも、私たちには彼らのことが見えていない。
我々は世界という枠組みの中で“盲目”なんだ」と。
見えていても見えないものがある。
いや、わざと見ないようにしているのかもしれない。
今月22日より公開。
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