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ふみ子の海

2008年07月31日

昭和の初め、貧しさゆえに4歳で光を奪われた女の子がいた。
その名は<ふみ子>。

新潟県の高田盲学校で教鞭をとり、生涯を視覚障害者教育に
捧げた粟津キヨさんの少女時代を描いた作品。

原作は児童福祉文化賞を受賞した市川信夫の同名小説。

病気がちな母親は何とかふみ子を盲学校に入れようと
本家にお金の無心にいくが大旦那に「女に学問はいらない」と反対され
幼いふみ子は按摩の修行に出される。

厳しい修行が続く。
ふみ子はそんな中でもへこたれずにいた。

なぜならば三重苦を乗り越え教育家となった
ヘレン・ケラーのようになりたいという夢を持っていたから。

ふみ子はヘレン・ケラーの自伝を点字で読むため
密かに点字の勉強をする…。

荒々しい日本海に臨むふみ子と母親。
目の見えないふみ子が「海って、綺麗だね…」と
叫ぶシーンがある。涙が溢れて止まらなかった。

ふみ子を見守る温かい人々の存在、
そして何よりハンディを背負いながらも
前向きに生きるふみ子に勇気付けられた。

オーディションで選ばれたふみ子役の鈴木理子が
健気なふみ子を好演している。
師匠役のベテラン高橋惠子の存在も大きい。

監督は15年ぶりに監督復帰した近藤明男。
新潟県オールロケで江戸時代から続く町家や
日本一の雁木通り、棚田など日本の原風景が
郷愁を誘う。

厚生労働省推薦、文部科学省選定作品。

札幌オープニング上映『バリアフリー上映(副音声・日本語字幕上映)』
8月5日(火) 道新ホール
①13:30~
②18:30~
何れも舞台挨拶あり(近藤明男監督、高橋惠子さん)

<劇場上映>
シアターキノ 9月6日~19日 モーニング上映(毎日1回のみ。10時から) 

<札幌かでる27ホール>
9月19日:①14:20~②16:40~③19:00~
9月20日:①10:00~

<札幌エルプラザ3階ホール>
10月9日:①10:30~②13:30~③16:00~④19:00~

<札幌ちえりあホール>
10月24日:①14:20~②16:40~③19:00~
10月25日:①10:00~

<共済ホール>
11月22日:①10:00~

前売券:大人1,000円、小・中・高校生800円
当日券:大人1,500円、大学生1,300円、小・中・高校生・シルバー・障害者1,000円

ドクガス

2008年07月30日

北海道の映像制作を応援する映像イベント
「第1回北海道インディペンデント映像フェスティバル」が
今年2月に札幌で行われた。

その時のグランプリ受賞作品「ドクガス」が8月2日から6日
(いずれも21時から)シアターキノで上映される。

監督は札幌出身、早稲田大学在学中の南出惇介(最新作、76分)。
オール札幌ロケ。

高校を卒業しても仕事に就かず、起きたい時に起きて
帰りたいときに帰ってくる青年シンヤ。
母親もあまりうるさく言わない、というか無関心。

何かをしたいとか目的を持っている訳でもない。
彼女が妊娠したらしいと知っても責任はとらない。

“札幌の空は汚い”と高校の先輩と
二人でガスマスクをつけて人を襲う。

彼らにとってガスマスクは社会との断絶(隠れ蓑)。

でも、暴漢から一人の女性を助けた事から
何かが吹っ切れ、マスクをはずし
街の空気を吸う。

本当はこの街が好きなのだ!

デビュー時のピーターに似た
主演の外久保雄太がとても
綺麗な顔立ちで印象に残る。

詳しくは公式サイトを。
http://film.artful.jp/dokugasu/

*来年の北海道インディペンデント映像フェスティバルエントリー募集
応募方法:http://www.a-yaneura.com/hicf/

歩いても 歩いても

2008年07月22日

「誰も知らない」の是枝裕和監督の最新作。

夏の終わりの1日(24時間)のお話。
主人公である良多(阿部寛)が
結婚した女性とその子供を連れて
帰郷するところから始まる。

兄の命日なのだ。

実家では開業医だった父親と母親が
良多一家と良多の姉一家を待っている。

母親役の樹木希林の作る料理が
美味しそう…。
大根のきんぴら、豚の角煮、枝豆と茗荷の
混ぜ寿司、そしてとうもろこしのかき揚げ…。
特にとうもろこしを揚げるときの音を
聞いただけで涎が出そうだった(^^;

希林さんの慣れた手つきが
よりそう見せる。

又、料理をしながらの樹木希林と
姉役のYOUとの
会話が面白い!(アドリブ?)

女どうしはよいが
男どうしの良多と父親(原田芳雄)は
全くそりが合わない。
なので空々しい二人の会話も可笑しい。

家族のそれぞれの思いを
自然に描いており、スクリーンと
客席との隔たりがなく見ていて
心地よかった。

家の中も、外の風景も…
とにかく、画が美しい。
(台所や風呂場、階段、玄関など細部にまで
気を配った画作り)。

(トウモロコシの実を皆でとるシーンが良かったなあ。
小さい頃を思い出しちゃった…)。

海や風の匂い、古い家の匂い、診察室の
薬の匂い、食卓に飾られた料理の匂いが
スクリーンから伝わってくる。
(私も家族の一員になっていたのかも…)

母親が良多に夫の過去の浮気の
話をするシーンがあるのだけど
その浮気相手の女の部屋から聞こえてきたのが
いしだあゆみの「ブルーライトヨコハマ」だった。

♪歩いても 歩いても…♪

それ以来母親はそのレコードをかけ
続けている…。

何故か何度も観たくなる映画です(^^)

上映中

ホートン~ふしぎな世界のダレダーレ~

2008年07月18日

心温まる物語。

ダレダーレという埃ほどの小さな国が
ある日大ピンチを迎える。
突風によって安定していた平和な
場所から風に流されてしまったのだ。

地面が傾く度に人々は「助けて」と
叫んだ。その声を聞いたのは
心優しいぞうのホートン。
クローバーの花の上にちょこんと乗っかった
埃の中からその声が聞こえてきた。

周りの動物たちにそれを伝えても
誰も信じてくれない。

ホートンはダレダーレの市長と
話をし、その小さな国を救う約束をする。
そして埃を安全な場所に運ぶため
山の頂上をめざす旅に出る。

原作はドクター・スースの絵本「ぞうのホートン ひとだすけ」

埃の中のミクロの世界を堪能して下さい(^^)

大切なのは”信じ抜くこと”

公開中

奇跡のシンフォニー

2008年07月18日

タイトルから「これは絶対泣く!」と
覚悟して見た。
案の定、泣いた(;。;)

(出来すぎの感があるかな…)。

生まれた時から音楽の才能を持った
11歳の少年の両親探し。

3人を結びつけるものは“音楽”。
さ、それがどのようにして
3人を引き寄せるのか…

天才子役、主演のフレディ・ハイモアの
「チャーリーとチョコレート工場」でも
見せたあのつぶらな瞳に魅了される。
指揮棒をとるシーンも立派!

子役と言えばジャマイア・シモーヌ・ナッシュ
(お下げ髪の黒人の女の子)の歌声に驚く。
この作品が映画デビューとなり、
第80回アカデミー主題歌賞にノミネートされた
「Raise It Up」をパンチの効いた声で披露している(凄い!)

父親役は美形のジョナサン・リース=マイヤーズ
(ベルベット・ゴールドマインでその美形振りを発揮)。

他にロビン・ウィリアムズ、テレンス・ハワードも出演
している。

ラストが感動的!

40曲以上の楽曲をフィーチャーした音楽も聴き所。
(ラストはオーガストのラプソディというオーケストラ曲)

監督はカーステン・シェリダン(「マイ・レフトフット」
「父の祈りを」の名匠ジム・シェリダンの娘)

今月25日まで上映

ミラクル7号

2008年07月17日

チャウ・シンチーがまたまた凄い映画を作った。
(監督・製作・脚本)
「少林サッカー」「カンフーハッスル」より
…感動する
といっても感動の意味がちょっと違う。
今度は心打たれて涙する“感動”なのだ。
(前作は笑って涙する)
馬鹿馬鹿しい可笑しさなんだけど
“やられた”という感じかな(^^;

超ビンボーな親子が主人公。
父親がゴミ捨て場で拾った穴だらけのスニーカーを
履いて登校する小学生の息子。

でも、学校はお金持ちが集まる名門校。
「一生懸命勉強すればビンボーでも尊敬される」が
父親の座右の銘なのだ。

今日もゴミ山に行き息子のためにスニーカーを探す父親。
そこで緑色のゴムボールを発見。
息子のプレゼントにと持って帰る。

ところがこの緑色のボールはUFOから
落とされたある生命体だったのだ。

息子を演じるのは実は女の子。
いじめっ子の男の子も女の子。
いじめっ子の用心棒を務めるパワフルな
男の子も実は23歳の女性。
巨漢少女は逆に男性レスラーと
奇をてらった配役。
(女の子とは全く気付かなかった)

息子のディッキーを演じるのは1万人から
選ばれた10歳のシュー・チャオ。
何とチャウ・シンチーと養子縁組もした。

シンチーが惚れるほどこの子の演技は素晴らしい!
まず、表情が豊か、感性もいい。

そして何よりも<ミラクル7号、ナナちゃん>が
すっごーく可愛い。手元に置きたい!
この愛くるしいナナちゃんがある奇跡を起こす(それは秘密)。

チャウ・シンチーはスピルバーグの「E.T.」を
見るために何度も映画館に足を運び、いつか
自分もこんな映画を作りたいと思ったそうだ。

なので「E.T.」「2001年宇宙の旅」「未知との遭遇」
そして「M:1-2」のパロディ他「少林サッカー」
「カンフーハッスル」のセルフパロディシーンも随所に登場する。

笑って泣いて又笑う。

貧しくとも希望を捨てない父子の姿に感動するはず。

今年の夕張映画祭でも上映された。
廃校になった幌南小学校の生徒25人が招待された。
チャウ・シンチーの温かい夕張市民へのメッセージもあった。

1996年に審査員で来夕し、2002年「少林サッカー」が
夕張映画祭で上映され日本における成功のきっかけと
なったことへのチャウ・リンチーの感謝の心である。

今月25日まで上映

告発のとき

2008年07月17日

イラク戦争に出兵した息子が突然、軍から姿を消した。
元アメリカ軍人である父親が
(トミー・リー・ジョーンズ→「逃亡者」でオスカー受賞)
その行方を捜す。

調べていくうちに息子の実態がわかってくる。
そして衝撃の事実が…。

父親も亡くなった兄も軍人という軍人一家に生まれた息子が
何を考えていたのか、何故軍に入ると言ったのか、
そしてイラク戦争に行くと言い出したのか、
そのイラクで何があったのか、解明していくうちに
息子の心の隙間が見えてくる。

一緒に息子を探す町(地元警察)の女刑事が
(シャーリーズ・セロン→「モンスター」でオスカー受賞)
署内の同僚にセクハラまがいの言動を受けながらも
無視して果敢に捜査していく。
その姿が実に潔い。

そして妻の(スーザン・サランドン→
(「デッドマン・ウォーキング」でオスカー受賞)
「せめてこの子だけは残して欲しかった…」という言葉が
重くのしかかる。

監督・脚本・製作:ポール・ハギス(「ミリオンダラー・ベイビー」「クラッシュ」の脚本家)

原作は2004年にジャーナリストのマーク・ボールが
「プレイボーイ」誌に発表した記事「死と不名誉」。
これは2003年7月に起った米兵による殺人事件のルポ。

戦場に送られた人々の心の状態が浮き彫りにされる。
彼らは犠牲者なのか…。

*2006年までにイラクとアフガニスタンに従軍した兵士の
10~15パーセントがPTSD(心的外傷ストレス障害)と診断されている。

今月18日まで上映

ゲゲゲの鬼太郎~千年呪い歌~

2008年07月16日

前作より面白い!
ウエンツ鬼太郎も、らしくなってきた。
今や映画、ドラマに引っ張りだこの
大泉洋の存在も大きい。

そして、今回は緒方拳と寺島しのぶが
加わったことで全体がしまった感じがする。

特に緒方拳は凄い迫力!!!

又、佐野史郎、上地雄輔、ブラザートム、笹野高史、
星野亜季、河本準一、中川翔子などが個性豊かな
妖怪たちを演じる(佐野史郎と上地雄輔はわからなかった)。

鬼太郎の出生の秘密、目玉親父が
何故出現したのかが明かされる。

主題歌もいいなあ…。
(中村中が歌う「風立ちぬ」)

公開中

俺たちダンクシューター

2008年07月16日

「俺たちフィギュアスケーター」のバスケット版。

舞台は70年代。実はアメリカにはNBAとABAの
2つのプロバスケットリーグがあった。
しかし、NBAはABAを吸収合併し、
事実上ABAは9年で消滅(1967-1976)。
(但し、ABAの上位4チームだけは残った)

ここではABAの架空のチーム「フリント・トロピックス」が登場。
これが呆れるほど“おバカなチーム”。

主演はサル顔で御馴染みウィル・フェレル。
(俺たちフィギュア~に続き)
ウィル演じる一発屋ミュージシャンが
ヒットした曲(たった1曲のみ)の
印税を元手にABAを買収。

オーナー兼監督・プレーヤーとして
毎回ド派手な衣装で登場し、試合前に必ず歌とダンスを披露する。
(歌謡ショーは実際にあったらしいよ)
何たってABAはNBAと違って“魅せてなんぼ”のエンタメリーグ。

時には観客を動員するため
人食い熊と戦ったり、ローラースケートで
仰向けにさせたチアリーダーの上を飛んだり、着ぐるみで
ダンスをしたりと必死でアピールする(これが笑えるのよ(^○^)。

それでも会場は閑古鳥。

ついに解散の声が…
生き残りをかけた試合が始まる…。

ブッブッブッ…の発言やモザイクが必要な映像など
相変わらず過激なシーンもある。

何も考えずに見られる“おバカな映画”。

グラミー賞受賞のヒップホップデュオ“アウトキャスト”の
アンドレ・ベンジャミンやウディ・ハレルソンも出演している。
悪役やキレル役が多いハレルソンですが
(「ナチュラル・ボーン・キラーズ」「ラリー・フリント」「ノーカントリー」)
ここでは皆をまとめるイイ男性(ひと)(^。-)。

因みにプレーヤーの一人、長身のヴァカイデス役の
ピーター・コーネルは元プロバスケットプレーヤー

70年代の曲やファッション、ABAの解散したチームの
ロゴやユニフォームも再現されているのでこちらも注目!。

こんなプレーはNBAでは絶対見られないよ(^○^)/
大いに笑って下さい!

追伸:3点シュート、スラムダンク、ダンクコンテストを生み出したのはABA

8月下旬公開

雲南の花嫁

2008年07月09日

中国の秘境、雲南省は
25の小数民族が暮らす地。
彼らは色鮮やかな民族衣装を身に纏い
古くからの伝統を受け継いでいる。

その伝統を重んずる地に
突拍子もない娘がいた。
赤ん坊の時に母親を亡くし父親の
男手ひとつで自由奔放に育った
イ族の娘、鳳美(フォンメイ)。
男の子のようなお転婆娘だ。

その鳳美が幼馴染の阿龍(アーロン)と
結婚する事になった。

しかし、イ族の夫婦は結婚後
3年間は同居してはならないという
しきたりがあった。

結婚式の後、実家に戻った鳳美は
阿龍に会いたくて会いたくてたまらない。

鳳美は伝統の龍舞を継承する阿龍が
娘龍舞隊の指導をする事を知り
こっそりその舞隊に潜り込むことにした。

これがとんでもない事件に発展する。

第2のチャン・ツィイーと言われる
チャン・チンチューが暴れまわる!?

“活きがいい”と言ったら失礼かな(^^;
事件を起こして皆を巻き込むけど憎めない。
愛くるしくて度胸が良くて強い!

温暖で風光明媚な雲南省。
のどかでいいなあ…
青い空、柔らかい陽射し、
そして純朴な人々…
歌と踊りで気持ちを表現する
シーンは感動!

民族の誇りを持ち、
伝統を守るイ族に敬服!

*1999年に全国龍舞大会でイ族の女性からなる龍舞チームが優勝。
 これまでは女性による龍舞はなかったそうだ。

プロフィール

プロフィール

栗葉貴代子
上砂川町生まれのどさんこで~す。北海道テレビ放送アナウンサーを経てフリーとなり、司会業、講演、接遇マナー講師、シネマパーソナリティ、ナレーターでがんばっています。年間150本以上の映画を見るほど映画大好き! 更に島巡り(特に沖縄県の島々)と温泉(露天&野天風呂)もだ~いすき! 日本全国の島を制覇するのが夢です(出来れば世界の島も)。京都産業大学北海道支部長。

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